店長竹田の

「大後悔日誌」


'05 諦めが肝心
'06 無駄な抵抗
'07 今日はこのへんで勘弁したる
'08 choSuchbe'chugh vaj bIHegh !
'09 性能の違いが、音質の決定的差でないということを教えてやる
'10 数を撃てばいいというものではない、よく狙え
'11 登頂をあきらめる勇気
'12 ベースキャンプで十分だ
'13 この音、おろそかには食わんぞ。
'14 どうして耳がほてるのかしら?これって本当?
'15 神は人間に一つの舌と二つの耳を賦与したるは、しゃべるよりも二倍多く聞くためなり
'16 やればわかる!! やらなければ、一生わからん!
'17 人生という試合で最も重要なのは、休憩時間の得点である。
'18 「できること」が増えるより、「楽しめること」が増えるのが、いい人生。
'19 年をとったから遊ばなくなるのではない。遊ばなくなるから年をとるのだ。
'20 速度を上げるばかりが、人生ではない。
'21 休息とは回復であり、何もしないことではない。
'21 目的を見つけよ。手段は後からついてくる。


2022/12/24

2022/12/24 2022年 ベストバイモデル 

早いもので、もうこの季節になりました。
つい先日、去年のベストバイを選定したような気がするのですが・・・

恒例の、私が選んだ 2022年度ベストバイモデルです。
あくまでも、私の価値観で選んでおりますので、皆様から見ると不思議に感じる選定になっているかもしれません。
基本的に「出した金額に対してどれだけの満足度が得られるか」を基準として選定しておりますので
上位に選定されたモデルが、下位モデルより音が良いということはございません。
ベストバイという名にふさわしい、費用対効果の大きな機材を選択しております。

1位 DENON PMA-900HNE 定価  132,000円(税込)

 

これほどベストバイに相応しいモデルも珍しいと感じるほど、価格が信じられないハイコストパフォーマンスモデルです。

13万円のアンプと考えても「安い!」と感じるほどの高音質アンプに、さらに単体モデルだった
DENON DNP-800NE 定価 66,000円(税込)より高音質のネットワークプレーヤーを内蔵しています。
いくら何でもやり過ぎでは?と感じるほどのハイコストパフォーマンスモデルで
入門用、サブシステム用にとどなたにもおすすめできる、優秀なモデルです。

一点だけ注意点がございます。
駆動出来ない大型スピーカーと組み合わせると、途端に音が悪くなります。
余程のスピーカーで無い限りそのような事態にはなりませんが、目安として 50万円クラスのスピーカー
までと組み合わせるとお考えください。

2位 iFi NEO STREAM 定価 198,000円(税込) 

 
 
こちらも、かなりのハイコストパフォーマンスモデルです。
3万円台のDACからラインナップがある iFi さんにとっては 20万円のモデルは高級モデルにあたります。
世界中で大量に販売する事による量産効果で、他社さんに真似の出来ないお買い得感の高いモデルを製造しており
この NEO STREAM もその恩恵を最大に受けています。

ネットワークプレーヤーとして20万円までとしては最高峰の音質を持ちつつ、さらに光絶縁装置まで付いてくるという
おそらく iFi さんにしか出来ないであろう、戦略的なモデルです。
データ再生での高音質再生を目指す方にとって、最初の一歩が高額すぎて手が出しにくかった環境を一変させてくれた
ありがたいモデルです。

 3位 DENON DCD-900NE 77,000円(税込)

 
 
前モデルである DCD-800NE も素晴らしい出来で、これ以上の10万円未満のCDプレーヤーは今後
発売されないのではと感じていましたが、後継機である DCD-900NE があっさりとその予想を覆してくれました。
それも、少しでは無く大幅なクオリティアップを伴っており、DCD-800NE ユーザー様ですら、買い換えをおすすめしたい
ほどの完成度です。

これから先 CDプレーヤー の新製品開発ペースは落ちていくと考えられますので
これほど良質なCDプレーヤーをこの価格で入手出来るのはありがたいです。

 4位 KOJO Crystal Ep シリーズ 定価 26,400円(税込)

 
 
オーディオを長く楽しんでいると、ふとした切っ掛けで何か、新しい音(よりグレードの高い音)
が聞きたくなることがあります。
ですが、ある程度オーディオ歴の長い方の場合システムも完成に近付き、機材の入替に大きな出費を伴う事となり
結局、空想のままで終わってしまいます。
その夢を小さな出費で叶えてくれるのがこの仮想アースです。

小さいため、奥様にこっそり導入してもバレない点もポイントが高いです。

アンプにも効きますが、PCやハブ等、デジタル機器にも良く効きます。
いろんな機材に接続して音の違いを楽しむ事も可能ですので
とりあえず1個おすすめです。

 5位 Nmode X-PM5 定価 220,000円(税込)
 
 
Nmode さんのサウンドマネージャーとして鈴木氏が着任して 2台目のアンプです。
1bit アンプの繊細で滑らかな特徴を活かしつつ、ダイナミックで厚みのあるエネルギー再現性を身につけた
新生Nmodeアンプです。

薄く頼りなく見えますが駆動力も高く、ある程度のクラスのスピーカーであれば存分に駆動可能です。
データ再生時代に相応しい、ワイドレンジと正確な位相特性を持ち情報量も多いため
正確な空間再現性も持っています。

薄く、小さく、比較的軽量のため、リビングオーディオにも向いており、家族の批判を受けにくいです。

 6位 SPEC RSA-BW1 605,000円(税込)

 
 
SPEC さんは初めてのご紹介だと思います。
真面目で素直な日本的美意識を持ち、真摯に製作している事が伝わるモデルです。

私がおすすめしているアンプは、比較的低出力アンプが多く、手強いスピーカーを強引に鳴らしきるような用途には
向きません。
ですが、ATCや昔のDynaidio等手強いスピーカーをご愛用いただいているユーザー様から
良いアンプを紹介してくれとのお声もいただいております。
特に sharp SM-SX300 クラスをお使いの方に、入れ換え候補としておすすめできるのではないかと思い
テスト中です。
まだ確信は持てませんが、良い勝負をすると思います。
少し、フライング気味ではありますが、このパワーと素直さは SM-SX300 に通じる物を感じますので
6位に選定しました。

 7位 Ediscreation HAYDN 715,000円(税込)

 
 
Roon を再生する上で避けては通れない、Roon を動作させるPCの問題。
比較的低価格で良質な SilentAngel Z1 というサーバーがございますので、ほとんどの場合は Z1 導入で解決するのですが
そこは、オーディマニアの性としてさらに上を見てみたくもあります。

その場合、筆頭候補として上がるのがこの HAYDN です。
私は、市販されているほぼ全てのRoonサーバー(専用PC含む)を試聴しましたが、このモデルが世界で3番目に音が良いです。
この上は 250万円と540万円ですので現実的な価格の最高峰、とも言えると思います。

世界で3番目に音の良い機材が 70万円と考えると、安く感じませんか??
ごめんなさい、相対的に安く感じるだけで錯覚なんですが・・・

データ再生の未来を感じるハイクラスな音質を持っており
「オーディオとはここまで高音質再生可能になったのか。」
と、日々店頭で新しい発見をさせてくれます。
今まで聞こえなかった音が聞こえる瞬間の喜びを、何度も味合わせてくれるびっくり箱のようなPCです。

 8位 TEAC UD-701N 定価 418,000円(税込)

 
 
オーディオ機器とは、音楽を聞く道具であると考えておりますので、その本質としてデザインと、音質の2択を迫られた場合
私は迷わず音質を取ります。
なぜか、コストパフォーマンスの高い機材はデザインが残念なモデルが多いのです・・・
そこへ救世主のごとく現れた UD-701N です。
デザインにも音質にも妥協したくない、所有する喜びも含めてオーディオだ!という方にぴったりなモデルです。

TEAC は上位ブランドとしてESOTERIC を展開しており、TEACブランドはその価格帯以下で
展開しなくてはならないという縛りがございます。
その縛りの中で最高峰を目指した結果生まれたのがこの UD-701N ではないでしょうか。

音質も良いですが、特筆すべきはその中身です。
天板を開けて中を覗いて感動しました。
これ以上考えられないという贅沢な電源が構築してあり、大きなトロイダルトランスが4個も載っています。
さらに、DAC部はディスクリートで組んであり、設計陣の本気度が伝わる作り込みです。

外装も凝った作りをしており、良くこの価格でここまで出来たなというのが、実機を始めて触った際の感想でした。

ICチップでは到達できない境地を見せてくれた、Mola Mola Tambaqui DAC 程では無いとしても
ディスクリートDACならではのエネルギッシュな再生は、一昔前のTEACさんとは全く違う世界を見せてくれます。

 9位 Nmode X-CD5 定価 242,000円(税込)

 
 
CDプレーヤー には DENON DCD-900NE という強敵がいますので、9位という結果になってしまいましたが
こちらもかなりのハイコストパフォーマンス機です。
現在、新品で入手可能なCDプレーヤーの中でもトップクラスの音質を持ちますので
最後のCDプレーヤーとしてもおすすめです。

最後のCDプレーヤーとするためには、CDピックアップの保有期間という重大な問題があります。
X-CD5 が採用しているピックアップは TEAC 製で、そのTEAC さんは
「他社さんが撤退した後の市場を独占する。」
という社風があるのか、他社さんがとうの昔に撤退した機材をいつまでも製造してくれるという
大変ありがたいメーカーです。

既に世のCDピックアップメーカーの大手は全て撤退しましたので、CDピックアップに関しても
TEACさんの独占市場になりつつあり、このまま長期間製造を継続してくれるのでは無いかと期待しております。

あくまでも期待ですので、実際にいつまで製造してくれるかは分かりませんが
高級CDプレーヤーを修理に出すと、補修パーツ(CDピックアップ)が有りません、と無情に修理不能を
突きつけられ、絶望した事がある方は多いと思います。
TEACさんのピックアップであれば、そういう事態に追い込まれるまでの時間は
ある程度長いと思いますので、最後のCDプレーヤーとしても、おすすめできます。

 10位 Ferrum Audio HYPSOS オープン価格 市場売価 198,000円(税込)

 
 
10位は悩みました。
20万円もする電源装置を、ベストバイとご紹介して良いのか、他にもっと良い物があるのでは無いかと
考えたのですが、このモデル以外に候補も思い当たらず、10位への選定です。

電源装置と言っても、通常の100V出力を行うモデルでは無く、ACアダプター給電を行う機材用に
5V~30V までの可変出力が可能な、DC電源装置です。

もっと安価な、アナログ電源というジャンルのモデルがたくさんございますが、この電源はそれらの
一歩先を行く音質向上が可能です。
オーディオにおける電源の重要性は今更語るまでもございませんが、この電源装置はその重要性を
再認識させてくれる説得力を持っています。

ACアダプターで動作するオーディオ機器であれば、それを交換するだけで大きなグレードアップが可能となります。
問題は、20万円出して電源を購入するのであれば、本体を買い直すという選択肢が出てくる点です。
ですので、このモデルは
「もうこの機材と一生付き合うんだ!」
と、感じるほどお気に入り機材と組み合わせるのがおすすめです。

個人的なおすすめは、日本テレガートナー の新型光絶縁装置 OPT BRIDGE 1000M との組合せです。
組み合わせると、信じられないほど高額なシステムとなってしまいますが、唯一無二の世界を構築可能です。



今年は、例年に無く高額モデルの選定が多くなりました。
コロナの影響もあり、新製品の発表が少なかった影響もあると思いますが、もう少し優しい価格帯に
良い物がたくさんあると、選択する楽しみが増えるのですが・・・

そんな中、DENON さんが1人気を吐いていて頼もしいです。
どんな趣味でも、入門クラスを充実させないと新規ユーザー様は入って来られませんので
これからも、貴重な入門クラス製造メーカーとして頑張っていただくようお願いいたします。


 

2022/12/16

2022/12/16 日本テレガートナー OPT BRIDGE 1000M 定価 349,800円(税込)
                    M12 SWITCH PREMIUM 定価 668,800円(税込)
 

データ再生におけるハブの重要性を世界に知らしめた 日本テレガートナー より、新製品が発売となりました。
光アイソレーター OPT BRIDGE 1000M と ハブ の上位モデル M12 SWITCH PREMIUM です。

 

こちらが、光アイソレーター OPT BRIDGE 1000M です。
横幅 195mm と比較的コンパクトにまとめてあります。

 
 

本体は階段状になっており、上の段にLANケーブルを挿し、下の段にACアダプターから給電します。
ACアダプターは2個必要で、中身は電源部を含めて完全に分離されています。

普段おすすめしている 光アイソレーター Ediscreation FIBER BOX2 が  231,000円(税込)ですから、完全な上位モデルと
なります。

音質も、その価格差に納得出来るだけの差があり、滲みの減少、S/N比の向上、エネルギー再現性の向上が得られます。
ここまで高価になると、おいそれとは手が出せませんが、新製品発売キャンペーンが行われており、来年2月末までに
ご注文いただければ、83,490円(税込)もする高級LANケーブル MFP8 IE GOLD LANケーブル 2m がおまけで付いてきます。

光アイソレーターを導入すると、必ず必要となる追加LANケーブルの最高級品がおまけで付いてくるとなると
俄然、お買い得感が高まります。

LANケーブルでも音は変わります。
この MFP8 IE GOLD は吉田苑リファレンスLANケーブルでもありますので、おすすめです。

光アイソレーターは最終的に 3台欲しくなりますので(ルーター-ハブ間、ハブ-PC(サーバー)間、ハブ-ネットワークプレーヤー間)
既に1台お持ちの方は追加で導入してもその価値は十分にあると思います。

 

そして、こちらがハブの新製品 M12 SWITCH PREMIUM です。
発売は来年 2月を予定しており、現在ご予約受付中です。

668,800円(税込)という超高級機で、既存モデルの上位モデルという位置付けです。
製品構成は 本体と 専用LANケーブル 2本という構成です。
M12 SWITCH IE GOLD からの買い換えの場合、専用LANケーブルはお持ちでしょうから
LANケーブルの付属しない、本体だけの設定も 618,090円(税込)でございます。

ハブは強力なライバルも現れ、独壇場では無くなってしまいましたので意地の1台でしょうか。
見た目は色が変わっただけですが、中身は全て一から設計し直され、完全に別物になっているそうです。

ハブの音質世界一の座を取り返す!という気迫が感じられる音質でさすがのクオリティです。
価格はともかく、音質だけで評価すれば、世界トップクラスだと感じます。
M12 SWITCH IE GOLD からの買い換えでも、その優位性は十分に感じていただける
クオリティアップが可能です。

M12 SWITCH IE GOLD は低域方向の解像度に、わずかな甘さを感じる部分がありましたが
PREMIUM はその甘さが無くなり、深みが増しました。
高域方向の抜けも良くなっており、解像度も上がります。

こちらもキャンペーン開催中で、2月末までにご予約いただければ 1割引にてご購入可能です。
さらに、既存モデル M12 SWITCH IE GOLD / M12 SWITCH Magic / MFP8 IE GOLD LANケーブル
も 1割引キャンペーンを行っております。

日本テレガートナー製品 全モデル店頭試聴と貸出試聴が可能です。
お気軽にお問い合わせください。




 

2022/11/19

2022/11/19 TEAC UD-701N Roon Ready 専用モード追加ファームウェア公開 

TEAC さんの最上位ネットワークプレーヤー UD-701N の最新ファームウェアが公開されました。
何と、Roon Ready 専用モードを搭載するという驚きの新機能が追加されましたので
喜びのあまりご報告です。 

 

元から音のよい機材でしたが、Roon Ready 専用モードの追加により、さらにそのクオリティが上がりました。
ユーザー様はぜひファームウエアアップデートを行い、その違いを体験してみてください。

一点注意点がございます。
Roon Ready 専用モードに入ると、Roon 以外の一切の操作を受け付けなくなります。
TEAC専用アプリも使用不能となりますのでご注意下さい。

これで、Roon Ready 専用モードを搭載するネットワークプレーヤーメーカーは
Silent Angel / TEAC(ESOTERIC) / LUMIN / iFi Audio / Mola Mola と5社に増えました。
ネットワークプレーヤーに特に力を入れているメーカーばかりが並んでいますので
しばらくは、この5社 + SFORZATO で Roon を牽引してくれることを期待しております。


TEACさんにお願いです。
下位モデルの NT-505-X にも、ぜひ同様の Roon Ready 専用モード搭載をお願いします。

2022/11/18

2022/11/18 Roon 値上げのご連絡です。 
 
おすすめ再生ソフト Roon が来年 1月1日 より値上げとなります。
1ヶ月ライセンが $12.99 から $14.99へ
年間ライセンスが $ 119.88 から $ 149.88へ
生涯ライセンス(買い切り)が $699.99 から $829.99 へと
それぞれ値上げされます。

今日の為替は $1 が 140円 ですので1ヶ月ライセンスで 280円
生涯ライセンスの場合 18,200円の値上げです。

月払いの場合、そこまで大きな値上げでないようにも感じますが、年間で計算すると 3,360円ですので
やはりキツいですね。

生涯ライセンスは大幅なアップですので、ご検討中の方はお早めに決断されることをおすすめします。


 
 

2022/11/14

2022/11/14 Paradigm PERSONA B 40周年記念限定色モデル 1,760,000円(税込) 

カナダのParadigmより最上位シリーズ PERSONA B の40周年記念限定色モデルが発売となりました。
ロッソ フォッコ と カナリー イエロー です。
分かりやすく言うと、フェラーリレッド に ランボルギーニイエロー ですね。

通常カスタム色は30万円アップなのですが、記念ということで10万円アップに押さえてあります。
しかも、日本限定各色 5ペアのみというプレミアムモデルとなっております。
この色はカスタム色にも設定が無く、今回限りとなります。

 
 

 
 
各5ペアしかない限定モデルのため、箱から出すわけにいかずまともな画像がありません。
雰囲気はお伝え出来ていますでしょうか。

Paradigm は記録的な円安の中、値上げせずに頑張ってくださっていますが
そろそろ限界かも・・・との声も聞こえてきております。
値上げされれば、通常色でもこの価格を越えることは間違い無いと思いますので
お悩み中の方は、今がチャンスです。
お早めにご検討ください。


 
 

2022/11/05

2022/11/05 Nmode X-CD5 定価 242,000円(税込) 
 
久しぶりに、普通のオーディオ機器のご紹介です。
前回は 7月1日 のDENON さんアンプですから 4ヶ月ぶりですね。
データ再生も楽しいので、どんどん新製品が出ていただいても良いのですが
アンプや、CDプレーヤーといった基本となる機材の新製品があまり発表されず、寂しい気分です。
特に、データ再生が世界の流れとなりつつある昨今、新型CDプレーヤーの発売はリスクも伴い
各社及び腰になっているように感じます。

そんな世界の流れに背を向けて、比較的小規模なメーカーである Nmode さんから 新型CDプレーヤー
発売のニュースには少し驚きました。
Nmode さんは、既に X-CD3 という良質なCDプレーヤーを製造しており、会社規模から考えると
CDプレーヤーの2機種ラインナップは少々頑張りすぎではと、いらぬ心配をしてしまいました。

これは Fundamental 鈴木氏のサウンドマネージャー就任が大きく影響しているようで
X-PM5 と X-PM9 という鈴木アンプを発売しながら、鈴木CDプレーヤーは無いという状況を
改善したかったのではないのでしょうか。


 

X-PM5 と同一サイズに収めてあり、横幅こそフルサイズですが、薄く、奥行きも浅いプレーヤーです。
大型の電源トランスが搭載してあり、見た目より重く感じます。

 
 

背面はすっきりしており、RCA出力とデジタル出力として、RCA同軸と光を搭載しています。
CD と CDトランスポートモードの切替スイッチも備わっており、トランスポートモードにすると
DAC部の電源をシャットダウンして、純粋なトランスポートとして動作するようになっていますので
良質なCDトランスポートとしても使用可能です。
さらに、外部クロック入力も付いていますので、色々遊べそうです。 

CDプレーヤーとして試聴しました。
鈴木氏設計らしい、骨格のしっかりとしたエネルギー密度の高い再生音です。
同じ鈴木氏設計の名機 PHILIPS LHH 900R と比較試聴する幸運に恵まれたのですが
重心の低さや、中域の密度感はLHH900Rの勝ちでしたが、レンジ、S/N比、解像度は X-CD5 が上回っており
26年の進化を感じました。
特に高域方向の抜けや、定位、立体的な空間表現力では大きな違いを感じました。

トランスである程度重量を稼いでいるとはいえ、やや軽量な筐体ゆえの低域方向の沈み込みがもう一歩
欲しいところではありますが、このあたりは天板に重りを乗せる等の使いこなしで詰める事が出来そうです。
最も、乗せる場所や、材質で音が変わりますので、単純に重い物を乗せれば良いという事ではありませんので
何か乗せる際は、材質や乗せる場所を色々試して見て下さい。

高い解像度、このクラストップクラスの情報量、エネルギー再現性を備え、音楽の楽しさをデフォルメする事無く
ストレートに伝えてくれる、完成度の高いCD再生専用機としておすすめです。

搭載しているCDメカはTEAC製のようですので、長期に渡るメンテナンスにも期待が持てます。
SONY SANYO といったCDピックアップ製造メーカーが撤退してしまい、それらを採用していたCDプレーヤーが
次々と修理不能になっていきましたが、TEACさんはいつも最後まで残って頑張ってくれます。
ご存じですか?TEACさんは今でもカセットデッキを製造し続けているのです。
この時代に、カセットデッキを製造してくれるという貴重なメーカーさんですので、ピックアップも長く生産を続けてくれる
のではないかと期待しています。

そいいう意味で、最後のCDプレーヤーとしてもおすすめです。
 
 

2022/10/17

2022/10/17 iFi audio NEO STREAM 定価 198,000円(税込) 

お手頃価格ながら、価格以上の価値を持つお買い得品を開発してくれる iFi audio さんから
ネットワークプレーヤーの高級機(iFi さんとしてはです)NEO STREAM が発売となりました。

 
 

コンパクト筐体を持つ ZEN シリーズ の上位シリーズである NEO シリーズでの発売です。
 
 

ZEN シリーズと比較するとやや大きめの筐体ですが、一般オーディオ機器と比較するとかなり小型です。

 
 

ネットワーク接続のみで外部のデジタル機器入力機能はありません。
その分、出力は多彩で RCAアナログ出力と 4.4mmバランス出力の他に、デジタル出力として
光、同軸、AES/EBU、HDMI(PsAudio準拠) と、ほぼ全ての出力方式に対応しています。

 

そして、何よりも本機の最大の特徴であり、売りでもあるネットワーク接続の充実が凄いです。
RJ45(普通のLAN接続)は当たり前ですが、M12接続(日本テレガートナー用でしょうか)
そして、光接続端子が備わっています。
それも、通常のSFPポートでは無く直接光ケーブルを挿すことが出来るコネクターとなっています。

何が凄いのか、ピンと来ない方が多いと思いますので、一般的な光接続ポートの仕様は以下のようになっています。

光ケーブル---SFPモジュール---ネットワーク機器

つまり、通常は光ケーブルを直接ネットワーク機器に挿すことは出来ず、その前にSFPモジュールが別途必要なのです。
ですが、この機材は光ケーブルのまま直接挿すことが出来るようになっています。

SFPモジュールによって音質は大きく変化しますので、この部分での選択が出来なくなるデメリットはありますが
一般的なユーザー様にとっては、SFPモジュールを複数購入して比較試聴などコスト面で困難ですので
このように、最初から限定されていた方が使いやすく安心です。

さらに、この NEO STREAM が凄いのは光メディアコンバーターまで付属してくる点です。

 
 

左の小箱が光メディアコンバーターです。
データ再生において、光絶縁の有効性は目を見張る物が有り、必須に近いです。
ですが、今まではその光絶縁装置が Ediscreation FIBER BOX2 (定価 231,000円)と、おいそれとは手が出せないほど
高価でした。

もちろん、NEO STREAM 付属の物と FIBER BOX2 の音質差はございますが、光絶縁のみに23万円もの投資が
出来る方はそう多くないと思います。
そんな中で、この NEO STREAM は 光絶縁装置 まで付いて約 20万円という、俄に信じられないほどお買い得感の高い
モデルです。
20万円というと、それだけで大金ですので「安い!」とまでは言えませんが、光絶縁装置付きでこの価格は
破格だと思います。

光絶縁装置の効果を確認するために、まずは光絶縁を使用せずに RJ45 ポートへ直接LANケーブルを挿して
Roonを使用して、Roon Ready 接続により試聴しました。

素直で、滑らか、情報量も十分に拾えており空間も素直に広がります。
良い意味で個性の薄い、普通によい音がします。
この時点で 20万円のネットワークプレーヤーとして十分に価値があります。

そして、本命の光絶縁装置を接続しての試聴です。
今まで本体に挿していたLANケーブルを、付属品の光メディアコンバーターへ接続します。
有線LAN接続(様々なノイズ成分を含んでいます)から、光信号へと変換される事により、ノイズが遮断され
ジッター等の悪影響から逃れることが出来るようになります。

この効果は歴然としており、一聴してS/N比が向上した事が分かります。
滲みが減り、解像度が上がり、滑らかさが増します。
エネルギー密度が上がり、空間が広くなり、定位が向上します。

今までのオーディオ常識では、機材が増える(接点が増える)と鮮度が落ち、音質は劣化しましたが
データ再生に限って言えば、良質なアクセサリ類(今回は光絶縁装置)を追加することにより
音質向上が図れます。

M12接続という魅力的なオプションもありますが、この機材に関しては光接続が正解だと思います。

 

光メディアコンバーターから本体まで接続する光ケーブルですが、有志の方々の検証(私自身も検証しました)
の結果長いほど音が良いというこれまた、既存のオーディオ常識を覆す答えが出ております。

この機材でも同様の結果が出るかどうか、1m/3m/15m のケーブルで比較試聴を行いました。
左上のオレンジケーブルが付属品の1mケーブルです。
実は、この光ケーブルの品質も音質に大きく影響し、数社を比較試聴して最も良質な物を準備しました。
同じ長さでも、付属品と今回用意した黄色ケーブルではかなりクオリティに差が出ます。

オレンジ1m(付属品)と黄色1mでは、鮮度、定位、解像度に差が出ます。

経験的に3m は微妙な結果が出ることが多いのですが、今回も同様に 3m は今回テストした
長さの中では最も微妙な結果でした。
3mであれば、1mの方が良いと思います。

そして、15mを接続すると 1mと比較してもさらに定位が向上し、滲みが減ります。
今回も光ケーブルは長い方が良い結果となりました。

光接続した、NEO STREAM はこの価格帯とは思えない高音質再生が可能です。
これで、ようやく一般的なユーザー様に Roon システムをセットでおすすめできるようになりました。

今までは、よい音が出せるのですがシステム総額がかなり高額となってしまうため
セットでのおすすめは行ってきませんでしたが
「難しいから、おすすめセットを組んで欲しい。」
とのお声を以前からいただいておりましたので、これを機会にセットを組んでみました。

 
 

左から
SilentAngel Z1 254,430円(税込) Roon サーバーです。
SilentAngel N8 49,940円(税込) オーディオグレードハブです。
iFi NEO STREAM 198,000円(税込)

合計 502,370円(税込) のセットとなります。

SilentAngel / iFi 共に値引き販売が許可されておりませんので、定価販売となります。
それでは面白くありませんので、お値引き出来ない分サービス品を充実させました。
セットでご購入いただければ、他に何も(無線ルーターは必要です)必要無い、全部セットとなります。

おまけは以下となります。

AIM NA2-010 3本 13,200円(税込) X 3本 39,600円(税込) LANケーブルです。
ローゼンクランツ PB-Brother 16,500円(税込) Z1用のインシュレーターです。

おまけ合計 56,100円(税込)

さらに、光ケーブル 15m もお付けします。

 
 

ローゼンクランツのインシュレーターは Z1 の底に上画像(逆さまにして底を上にしています)のように設置してください。
Z1 の筐体はアルミ削り出しで堅牢なのですが、底板は薄く強度が足りないため鳴いています。
その鳴きを止めつつ、さらに振動を整えるためにローゼンクランツのインシュレーターを使用します。
もっと、安価なインシュレーターで何とか出来ないか探ったのですが、この音を聞いてしまうと妥協できないため
セットに組み込みました。

LANケーブルはAIM電子のNA2 1m を3本です。
無線ルーター(無線子機)からハブまで、ハブからZ1まで、ハブから光メディアコンバーターまで
で3本となります。

別途 Roon と TIDAL の契約と、操作用のタブレットかスマホが必要となります。
TIDAL 契約でお悩みの方はご相談ください。

Z1 、NEO STREAM 共に、より良い音を出すためには設定変更が必要です。

Z1 は アプリケーション欄で 「Roon Server」 のみインストールしてください。
その他をインストールすると、その数に比例して音質が劣化します。

NEO STREAM は 無線(Wi-fi)を停止してください。
音量調整機能を停止して下さい。
最後に、 排他モードで Roon Ready 以外を全て停止してください。

一点注意点がございます。
排他モードで Roon Ready 以外の全てを停止させると、iFi 専用アプリでの操作を受け付けなくなり
Roon でしか操作できなくなります。
だからこそ音が良くなるのですが、取説等にそのような表記が無く、はじめてそうなった際に
故障したと思い、メーカーサポートに連絡を入れそうになりました。
直前で気が付きましたが、驚きましたのでご注意下さい。

設定が難しいとお感じの場合、開梱をご許可いただければ最良の状態に設定変更してからの発送も可能です。

50万円のシステムとして、十分にご満足いただけると思います。
Roon に興味はあるけれど、難しくて導入できなかったという方には特におすすめです。

2022/10/07

2022/10/07 KOJO Crystal Ep シリーズ 定価 26,400円(税込) 

KOJO さんより 10月22日(土)に 新製品のコンパクト仮想アース Crystal Ep シリーズが発売となります。
試聴機をお借りできましたので、試聴してみました。

 
 

新製品は全部で4種類発売となります。今回はそのうちの 3種類をお借りできました。

上から バナナプラグ型 Crystal EpB / 真ん中が 3.5ミリミニジャック型 Crystal EpT3 / 下がRCA型 Crystal EpR となります。
画像にはありませんが、あと1種 Yラグ型の Crystal EpY もございます。

使用機材の開き端子に合わせて、様々な端子形状があるので便利です。

 
 

さらに、2個以上をこのように連結することも可能です。

 
 

KOJO さんの仮想アースといえば、大ヒットモデルである Crystal E がございます。
この仮想アースの効果は大きく、たくさんのお客様にご愛用いただいておりますが、小さいとは言えそれでも
設置スペースに限りがある場合、置き場所に困ることもございました。

今回は、これでも大きいという声にお答えして、さらに小さくなりました。

これだけサイズに差があれば、仮想アースとしての性能が大きく劣るのでは無いかと心配して試聴しましたが
無用の心配でした。

本家 Crystal E が 37,840円(税込) ですので 26,400円(税込) のCrystal Ep であれば 7割の改善効果があれば合格
だと思いますが 8割以上の改善効果がありました。
コストパフォーマンスが高く、コンパクトで使いやすい仮想アースだと思います。

 
 

おすすめの使い方は、コンパクト機器に接続するのに向いていると思います。
当店のお客様であれば、多くのユーザー様がいらっしゃる SilentAngel M1 シリーズなど最適です。

S/N比が上がり、ノイズに埋もれていて聞こえなかった音が聞こえるようになり、エネルギー密度も上がります。
この価格のアクセサリとしては、かなり大きな改善効果が得られますのでおすすめです。

もちろん、フルサイズ機器に接続しても同様に大きな改善効果がございます。
本家 Crystal E が大きすぎて設置出来なかった方でも、これであれば気軽に設置可能だと思います。

2個連結も効果的ですので、複数個購入して様々な機材に接続してみるのも楽しいです。


 
 

2022/10/03

2022/10/03 TIDAL 導入お手伝いいたします。 
 
おすすめしております再生ソフト Roon はストリーミングサービスである TIDAL と組み合わせることにより
真価を発揮します。
ですが、現在 TIDAL は日本で正式サービスが行われていないため、結果として Roon の導入をためらっている
という状況の方がたくさんいらっしゃいます。
去年の夏に TIDAL のホームページが日本語化され、日本での正式サービス間近かと皆の期待を集めたのですが
1年以上経過した今でも、正式サービスは開始されず、それどころか不穏な噂までささやかれるようになってしまいました。
その噂とは
「AmazonMusicHD が大幅値下げされて、日本でのサービスに旨味が無くなったので、日本でのサービス開始は
見送られた。 」
というような内容です。
あくまでも人伝で聞いた噂にすぎませんが、ただの噂と笑い飛ばすには少々リアリティが高いです。
実際、1年以上経過したのに何の動きも無いのが不安をあおります。

ですが、この中途半端な状況では Roon の導入がいつまで経っても出来ません。
せっかくこんなに素晴らしいシステムが存在するのに使わないのは勿体ないです。

あらためて、TIDAL の契約状況を実際に契約して試してみました。
TIDAL自体が時々縛りを変更しているようで、契約国によるクレジットカード決済の通る、通らない、もしくは
PayPal 決済しか受け付けない、というのが前回調査時と変わっているようです。

前回は カナダ 経由の上で、さらに PayPal 決済でないと契約できませんでしたが
かなり自由度が高くなり、様々な国で、クレジットカード決済が可能になっているように感じました。

TIDALは現在 61カ国でサービスを行っており、契約する国により月額料金が大きく違います。
何カ国も試して、最も安かったのはハンガリーでした。およそ月額 1000円 !!(今日の為替で計算しています)
これは、私が契約している香港の 2,000円 の半額です。こちらに乗り換えようかと本気で考えております。

しかも、普通にクレジットカードで決済出来ましたので、PayPal 経由という手間すら掛かりません。

他に、もっと安い国もあったのですが(なんとアルゼンチンの145円!!!)実際に契約ページまで進むと
支払い通貨が米ドルになり、しかも $145(約2万円)も請求され、慌てて逃げ帰ってきました・・・
ホームページ上に表示される金額と、実際の契約価格が(しかも通貨までかわります)変わるという
恐ろしい現象が確認出来ましたので、くれぐれもご注意下さい。
この現象はホームページ上ではアルゼンチンペソ ARS 145 と表示されているのですが
決済ページでは $ 145 と表示されましたので
実査に決済してみれば ARS 145 で決済されるのだろうとは思いましたが、恐ろしくて試せませんでした。

さらに冷静になって再度確認しました。
通貨換算ページで ARS145 を 日本円へ換算したところ単位の欄に $ が表示されました。
ですので、アルゼンチンペソを$表記している可能性が高いです。
であれば、実際に月額 145円 で契約できる可能性が高いです。
実際に決済されるまで答えが出ないので、恐ろしくて試せないことに変わりはありませんが
どなたか、試したらお知らせいただけるとありがたいです。

今日一日でたくさんの国経由で契約を結びましたので、TIDAL契約に随分と慣れました。
ですので、店頭にご来店いただくのが前提ですが TIDAL 契約のお手伝いをさせていただきます。
決済用のクレジットカードだけお持ちいただければ、使用するメールアドレスは gmail となってしまいますが
TIDAL 契約が10分程で可能です。

ぜひ、Roon の世界を楽しんでいただきたいので料金はいただきません。
お気軽にご来店いただき、TIDAL契約をご依頼ください。
そしてRoon の世界へと飛び込んでください。素晴らしい音楽体験が可能です。

 

2022/09/10

2022/09/10 Ferrum Audio ERCO 定価 423,500円(税込) + HYPSOS 定価 198,000円(税込) 

※ 9/16 正式な定価が発表されたため、価格訂正しました。

ポーランドの Ferrum Audio からDACの新製品です。
Ferrum Audio は2020年 創業の新しいブランドですが、元はオーディオエレクトロニクス企業として
Mytek Digital や MQA 研究に携わっていたようで、オーディオ関連ノウハウの蓄積は十分あるようです。
特にソフトウェア開発に強みを持っているようで、デビューモデルであるハイブリッド電源 HYPSOS にも
凝ったプログラムが導入されています。

今回は、その Ferrum Audio 製品第二弾である DAC ERCO の試聴を行いました。

 

横幅  217mm とコンパクトです。
左のロゴマークの照明が明るすぎですが、これはバックパネルにあるダイヤルで調整可能です。
調整してから写真を撮れば良かったですね。

 

下段は ハイブリッド電源の HYPSOS です。
こちらの紹介は去年一度行いましたが発売が遅れたため、のちほど改めてご紹介します。

上段が ERCO 背面です。
今となっては珍しい、ネットワーク機能の無い純粋なDACです。
アナログ回路はバランス設計のためXLR出力もあります。
気になるのはUSB端子が Type-C な点です。
確かに時代は Type-C の流れですが、オーディオにその流れは入ってきておらず
今でも USB A-B が主流です。
USBケーブルの選択肢があまりないのが残念ですが、これから増えていくと思いますので
今回は、一般的な USB A --- Type-C ケーブルで試聴しました。

まずは、付属ACアダプターで試聴しました。

良い意味で懐かしい音がします。
高域方向の帯域はそこまで欲張らず、中域から低域に掛けて密度のある圧で聞かせるタイプです。
レコード的な音作りですね。
デジタル音源をアナログレコードの雰囲気で再現してくれるので、お好みの方は多いのではないでしょうか。
位相特性良好で、スピードも速めできっちり空間を表現してきます。
S/N比はこの価格帯のDACとしては標準的です。
40万円クラスのDACとしては、価格なりの出来ではありますが、この価格帯におすすめできるクオリティを持つ
DACが少ないので、選択肢が増えました。

次に電源を付属のACアダプターから、高級ハイブリッド電源である HYPSOS へ変更して試聴しました。

 
 

先に HYPSOS のご紹介です。
5V~30V までを 0.1V 単位で可変可能な電源装置です。
リニア電源(トランス電源) とスイッチング電源のハイブリッドシステムとなっており、両者の良いとこ取りをしているようです。

DC電源として高音質で、高額にもかかわらず予想以上にたくさん売れています。
ACアダプター使用の高級オーディオ機器をお使いの方におすすめですし、電流容量が 9A も取れますので
PC等の大電流を要求する機材にも使用可能な優れものです。

もう一つの特徴が、専用DCケーブル必須なかわりに使用機材側電源入力部の電圧を常時監視しており
微妙な電圧変動にも即座に反応して指定電圧を守ることが可能な点です。
この機能は他社さんの電源装置にはありませんので、オンリーワンの特徴です。

本体より電源装置が高額になる物もございますが SilentAngel M1T や Z1 SOtM sMS-200ultraNEO
Nmode X-PM3FT 等、様々な機材で大きな改善効果を確認しております。
HYPSOS のみの貸出試聴も可能ですので、お気軽にご依頼ください。

 

その、優秀な電源装置を組み合わせて ERCO を試聴しました。
ERCO 423,500円(税込) + HYPSOS 198,000円(税込) で合計 621,500円(税込)という
高級DACになります。
セットでお買い上げの場合 専用DCケーブル 22,000円(税込) をサービス出来るようメーカーと交渉中です。

音が出た瞬間に、そのあまりの変化に笑ってしまいました。
このDACはこの電源が必須だと思います。
S/N比が大幅に改善され、空間が倍ほど広がります。
元から優秀だったエネルギー再現性もさらに良くなり、圧がさらに強くなります。
情報量が増え、中域に感じていたよどみのような部分が無くなり、音抜けが改善します。

60万円クラスのDACとして頭一つ抜けたクオリティではないでしょうか。

デジタル音源再生に、アナログ的な風味をブレンドしつつ空間も表現可能な温かみを感じる楽しいDACです。


 

2022/08/22

2022/08/22 fidata HFAD10-UBX 定価 495,000円(税込) 
 
意欲的なデジタルオーディオ機器を開発している fidata さんより新型高級CDリッピングマシンが発売となりました。

少し難しい話も入ってしまいますが、高級CDプレーヤーシステムとして大変優秀ですので
CDプレーヤーをご検討中の方もぜひ最後まで目を通してみてください。

 

fidata ブランドの標準サイズである 横幅 350mm と通常の機材と比べると少し小ぶりです。
フロントパネルにはタッチセンサー式のトレイ開閉ボタンしかありませんので、全ての操作は専用アプリである
fidata Music APP で行います。

まずは本来の機能である、CDリッピングを検証しました。
私は、CDリッピング機器にはそれほど拘りがありません。
それは、リッピングマシンでの変化よりも、リッピングソフトによる変化の方が大きいと感じる上に
リッピングマシンより先に投資すべき機材は他にたくさんあるという考えからです。

この機材は確かに今までに試したリッピングマシン中最良の結果でしたが、50万円という価格を考えると
ハブや、光絶縁装置等、他の機材に投資した方が最終的な出音に対しては効果が大きいと思います。

既にハブと光絶縁装置に良い物をお持ちで、CDリッピングにも強い拘りをお持ちであれば
この機材は、最有力候補としておすすめできる優秀なCDリッピングマシンです。
究極のCDリッピングマシンをお探しの方には真っ先におすすめできる実力機です。

ですが、私はこれをCDトランスポートとしておすすめします。
複雑で高価なシステムとなりますが、通常のCDプレーヤーでは出す事が出来ない音を
出す事が可能ですので CD再生の一歩先を覗く事が可能となります。

システムは以下のようになります。

 
 

この4台のシステムでCDシステムとなります。
右側2台は SFORZATO のセパレートネットワークプレーヤーですので、一体型を選択すれば機材は 3台まで減らせます。

左から fidata HFAD10 / Soundgenic RAHF-S1 / SFORZATO DST-Lepus / SFORZATO DSC-Grus と並んでいます。
信号は左から右へと流れます。

fidata HFAD10 から USBケーブル で Soundgenic へ
Soundgenic からDiretta接続でハブを経由してSFORZATO DST-Lepus へ
DST-Lepus から ゼロリンク接続でDSC-Grus へ接続するという複雑な構成となります。

もうここで読むのを止めたくなってしまったと思いますが、もう少し頑張ってください。
用語を細かく解説すると、誰も読んでくれなくなりそうですので、大雑把な用語解説です。
どちらも、詳細な技術解説がございますので、興味がある方はそちらをご覧ください。

Diretta接続
現時点で最も高音質なLAN接続方法の一つです。
音は良いのですが、あまり普及していないため、接続出来る機材が極端に少ないのが欠点で
今回の機材選択肢を極端に限定させる要因となっております。

Diretta接続解説 英語ですが、翻訳ソフトで十分に理解可能となります。

ZERO LINK接続
Diretta接続以上に採用メーカーが少なく、SFORZATO と SOULNOTE の2社しか
採用しておりません。
というよりもこの2社が共同開発したのでこの2社しか使っていないというのが現状です。
音は抜群です。

ZERO LINK接続解説

今回の目的は、この普及していないが音質は最高であるデジタル接続を贅沢に2つも使って
最高のCD再生環境を構築する事となります。

必要な機材はこの企画を思い立ったきっかけである
CDリッピングマシン fidata HFAD10-UBX 495,000円(税込)

HFAD10-USB をCDプレーヤーとして操作するためと、Direttaホストとして、 fidata か Soundgenic のNAS が必須です。
Soundgenic RAHF-S1 91,300円(税込)
今回は Soundgenic を使用しましたが、最高を目指した場合ここは fidata となります。
「NAS必須ということは、リッピングしてしまえば良いのでは?」
というのは禁句です。
あくまでも、現環境で最高のCD再生を目指すという実験企画なのです。

さらに、Soundgenic にリッピングした音源とHFAD10 からのダイレクト再生で比較すると
断然 HFAD10 からのダイレクト再生の方が高音質でした。
fidata のNASであれば、恐らく僅差で HFAD10 が負けると思いますが
Soundgenic では HFAD10 に勝てません。
ですので、必ずしもリッピングする必要はないと思います。

Direttaターゲットであり、かつ ZERO LINK 接続可能なモデルであるネットワークトランスポートとして
SFORZATO DST-Lepus 418,000円(税込)

ZERO LINK 接続可能なDACとして
SFORZATO DSC-Grus 330,000円(税込)

合計 1,334,300円(税込)

以上、4台を組み合わせて試聴しました。
対比として用意したのは、現在の吉田苑リファレンスCDシステムである
CDトランスポート HT02 と Mola Mola Tambaqui DAC 総額 1,743,640円(税込)
の正統派CDシステムです。

良い勝負というより HFAD10 システムが勝っているように感じます。
低域方向の実体感と厚みは HT02 システムが有利ですが S/N比 は大きく HFAD10 システムが優秀です。
特に高域方向のシンバルの粒子の細やかさ等は秀逸で、空間に消えていく音の粒子一粒一粒が見えるようです。
バスドラの踏み込み加減の微妙な差異や、楽器の前後の配置、空調装置の位置等
今まで聞こえなかった情報が聞こえてきます。
このシステムは既存のCDプレーヤーを越える可能性を秘めていると思います。

手配が付かなかったためNASは Soundgenic で代用しましたが、これを fidata に置き換えると
さらに良くなる事は確実ですので、CD再生の一つの可能性として面白いと思います。


 

操作は全てスマホやタブレット上で fidata Music APP を使用して行います。
スマホは画面が小さく使いにくいので、タブレットがおすすめです。

 
 

CD再生なのに、このように曲名や情報が出るのも楽しいです。

CD再生のために4台の機材が必要という高価で大袈裟なシステムですが CD再生システムの未来を
感じさせる組合せだと思います。
これから100万円クラスのCDプレーヤーを検討されるのであれば、一つの候補としてこのシステムは無視出来ないと思います。


 

2022/08/07

2022/08/07 Silent Angel F1用DCケーブル 定価 13,860円(税込)~26,730円(税込) 

先日ご紹介した SilentAngel の外部電源 F1 用のDCケーブルが4種類も発売になりました。
5.5mm/2.1mmの標準的なDCプラグですので、プラグサイズさえ合えばF1以外でも使用可能です。
長さが 50cm ですので、少し短めなのが微妙ですが、F1はコンパクトですので使用機器の横に設置する
前提の長さでしょうか。

 
 

想定された最も標準的な組合せである、M1T + F1 で試聴しました。

 
 

実際の製品はこのような黒い外装では無く、モデルごとにカラフルなシースをまとっています。
これは試聴用に敢えて黒くしているのでしょうか??
試聴用の4種類のケーブルと、真ん中が F1 付属の標準ケーブルです。

せっかく見た目で中身が分からないようにしてありますので、先入観を持たないように
中身を調べずにこのまま試聴しました。

最初に付属品を試聴してから、4本の試聴に移りました。

1番
付属品と比較して、鮮度が上がり、メリハリも強くなります。
ヴォーカルのボディ感も向上してエネルギー密度が上がります。

2番
全域に甘めの音作りで、色気が向上します。
解像度がやや落ちます。

3番
1番に似た傾向ですが、メリハリを出すタイプでは無く穏やかな表現です。
帯域バランス良好。

4番
1番、3番と比較して天井が低く、空間が狭い。

3>1>>4>>>2 という順番

視聴後のメモには以上のように記載してありました。

さて、中身の確認です。

1番
+/- 共に赤銅 13,860円(税込)

2番
+ 赤銅 / - 銀 19,800円(税込)

3番
+/- 共に銀 26,730円(税込)

4番
+ 銀 / - 赤銅 19,800円(税込)

+-共に赤銅を使用したモデルがトップに来ることを願っていたのですが、惜しくも2位でした。
トップは+-共に銀線使用の最上位モデル・・・残念です。
銀と赤銅のハイブリッド2モデルは微妙な評価となりましたので、実際に購入するとなると
銅か銀の2択となります。
正直、2倍の価格差ほどのクオリティ差はありません。
クオリティという見方であれば同等ですので、メリハリのある銅線モデルが
コストパフォーマンスも高くおすすめですが、バランスの取れた銀線モデルも魅力的です。
やや派手な音作りとなるコストパフォーマンスの高い赤銅モデルか
帯域バランスが取れ、穏やかで上品な銀線モデルか、悩ましい選択となりそうです。


 
 
 

2022/07/31

2022/07/31 LUMIN U2 MINI 定価 473,000円(シルバー/税込)520,300円(ブラック/税込) 
 
LUMIN の新製品 U2 MINI のご紹介です。
DACの入っていない、ネットワークトランスポートになります。
つい先日、LUMIN最上位トランスポートである U1X を試聴したばかりで、どうしてもその記憶と比較してしまいますが
価格差ほどの大きな音質差は無いように感じます。

 

横幅 300mm 奥行き 244mm と少し大きめの弁当箱くらいのサイズに 2.5Kg という軽量コンパクトモデルで
50万円の機材としては、物足りなさを感じるかもしれませんが、軽量コンパクトで音が良いモデルも最近では
多数出てきていますから、設置場所に制限の多い日本の家庭環境ではメリットとして捉えて良いと思います。

50万円のネットワークトランスポートとなると、ライバルは SFORZATO DST-Lepus となります。
DST-Lepus はゼロリンク接続可能という大きなメリットがある反面、ゼロリンク接続可能なDACとの組合せが
前提となるため(普通のUSB接続も可能です)DACの組合せに精神的な成約が発生します。
対して、このU2 MINI は普通のUSB接続の他にもコアキシャルRCAやBNC、今となっては珍しい AES/EBU等
5種類ものデジタル接続を備えており、様々なDACと組み合わせることが可能な点が特徴です。

試聴は、まずは初期設定のままの標準状態でRoon Ready接続で行いました。
前モデルの U1 MINI から大きく進化しています。
良くも悪くも、LUMIN らしさを強く感じた U1 MINI と比較して、標準的な音作りへと変化して
大人になった雰囲気です。
化粧美人から、薄化粧美人へと成長した感じです。
化粧を薄くすると、素の性能で勝負しなくてはいけなくなりますので、クオリティに妥協できなくなります。
音数が少ないモデルに良くある、化粧で音数が少ない事を誤魔化す手が使えなくなりますので
機材の基本性能を上げないと、薄化粧にする事は難しいのですが、その部分をきっちりクリアして
化粧を減らした分、音数(情報量)が増えており、物足りなを感じることはありません。

中域から高域に掛けて滲みや付帯音を感じ、やや音像が肥大化しフォーカスが甘くなります。

次に、私が LUMIN 最大の売りだと考えている Roon Only モードでの試聴です。
薄化粧美人がすっぴん美人になります。
化粧がほぼ取れ、素直で上品な表現となります。
標準モードで気になった、中高域の滲みや付帯音も取れて定位が向上し、解像度、情報量も向上します。
データ再生の重要な性能であると考えている S/N比も向上し、見通しが良くなります。

ネットワークトランスポートで個性を強く持つと、DACの個性との相性合わせが難しくなり
DAC選択に大きな障害となるので、素直になる事は良いことだと思います。
個性の薄いトランスポートであれば、どのようなDACと組み合わせてもそのDACの良さを
引き出しやすいため、様々なDACと組合せる事が可能となります。

DACは個性を売りとする部分も有り、色付け(化粧)の優劣で語る部分もありますが
トランスポートの最も重要な機能は、正確に元データをDACへと送り込む能力だと思います。
化粧はDACの仕事と考えても良いのではないでしょうか。

そう考えると、この U2 MINI は50万円という価格に見合うだけのクオリティを持った
良質なネットワークトランスポートだと思います。

組み合わせる DAC の選択肢が極少数となる代わりにゼロリンク接続可能な SFORZATO DST-Lepus
様々な DAC と組み合わせて、DACの個性を引き出すことが可能な U2 MINI と
悩ましい選択となりそうです。

 
 
 

2022/07/25

2022/07/25 LUMIN U1X 定価 1,331,000円(シルバー/税込) 1,464,100円(ブラック/税込) 
Roon Only モード検証
 
LUMIN がRoon Only モードに対応したため、改めて試聴しました。
今回は、メーカーデモ機に丁度空きがあった LUMIN 最高峰トランスポート U1X での試聴ですが
LUMIN 製品であれば、全て対応可能ですので既にお持ちの方は是非試して見てください。

 

PCオーディオに始まり、進化を続けてきたデータ再生は Roon の登場により完成の域に近付いてきたと感じています。
音質は良いのですが、圧倒的に不安定でまともに動作させることは至難の業であった JPLAY と同等以上の音質を持ち
安定した動作環境と、操作性の良いアプリの両立で気軽に使用出来るようになったことは、音楽好きとしては素晴らしい贈り物
ではないでしょうか。

その Roon を高音質再生するためのノウハウが各社共蓄積されてきたようで、最近の流行は
Roon 専用モードです。

Roon 専用モードとは UPnP / OpenHome / Airplay / Spotify Connect 等々 Roon 再生以外全ての再生/操作が出来なくなる
代わりに Roon Ready の音質を大きく向上させるモードです。

最近の高音質な Roon Ready対応機 には同様の機能を持つモデルが少しずつ出てきました。
現在の吉田苑リファレンスネットワークプレーヤーDACである Mola Mola Tambaqui DACや
SilentAngel Z1 がそのモードを搭載しています。

SilentAngel Z1 は厳密に言うと Roon Only モードでは無く、本体にインストールするソフトウェアにより
動作を限定させることが可能というシステムですが、狙いは同じですね。
Z1 は購入時には、頭の中が空っぽで何も出来ません。
購入後に、使用する環境にそって必要なアプリをインストールして使用するようになっており
DLNAレンダラー / Roon / Spotify / Airplay 2 / MinimServer / ReadyMedia から必要なアプリを
選択します。
試聴しながら試しましたが、これらのアプリはインストールする数が増えるに従って、音質は劣化していきます。
つまり、Roon 専用であれば、 Roon 以外は一切インストールしない状態が最も高音質なのです。

今までの LUMIN にもこれに似たシステムが組まれておりました。
Z1 は最初何も入っていませんが、LUMIN は最初から全て入っています。
その中から、必要の無いシステムをオフにする機能が搭載されており
最初の全て入っている状態と、Roon 以外の全てを オフ にした状態ではその再生品質に大きな差がありました。

今回はそこからさらに一歩進み、一度 Roon Only モードに入ってしまうと、本体をリセットしない限り
本体のファームウェアアップデートすら出来ないという、現在市販されているRoon Ready対応機の中でも
最も尖ったモードを搭載してきました。

今回は、全て入った最初の状態からはじめて、LUMIN アプリ上で他のシステムを停止させた状態
さらに、Roon Only モード での比較試聴を行いました。

購入時のままの、全てに対応可能な状態での試聴では、エッジが丸まりやや解像度が甘い感じです。
音の分離が悪く、直接音と反射音の違いが曖昧で、定位が甘くヴォーカルが肥大化します。
この状態でも 100万円オーバーのネットワークトランスポートとしては納得のクオリティを持っていますが
最高峰かといわれると、まだ上があると感じるレベルです。

次に、SilentAngel Z1 に似たシステムである、Roon 以外全ての不要なソフトをオフにした状態です。
曖昧さが無くなり、見通しが良くなります。
滲みが取れ、各楽器の位置が明確になります。
定位もピタリと決まり、ヴォーカルも実物大となります。
この時点で LUMIN 最高峰トランスポートというだけのことはあると、納得出来る見事な再生が可能となります。

最後に、Roon Only モードです。
雑味が取れ、リアリティが向上します。
深みが増し、前後の定位がさらに明確になります。
直接音、反射音の違いも明瞭に聞き取れるようになり、空気の再現性も上がります。
このモードに入れてしまうと、LUMIN アプリすら使用出来なくなり本体リセットを行わない限り
本体操作を一切受け付けなくなるという、尖ったモードですが
それしか出来ない代わりに、それに関しては一切妥協しないという明確な意思を感じる
納得の音質です。

LUMINのように購入後もファームウェアアップデートにより、最新の機能が入手可能という
安心感は計り知れません。
高価な機材ですので、安心して長く使えるということは大きなメリットだと思います。

今回は、上位モデルで試聴しましたが、下位モデルでも同様の効果は十分感じることが可能です。
LUMIN + Roon でお使いの方はぜひ試して見てください。



LUMIN U1X はとても良いネットワークトランスポートでした。
良い意味でLUMINとは思えない素直な音色で、音数もしっかり拾えており原器として信頼出来る
高いクオリティを備えています。
Roon 再生において究極を目指す場合、候補の一つに入ると思います。

 
 
 

2022/07/08

2022/07/08 Roon ライセンス 1年物お買い得キャンペーンのお知らせです。 

おすすめしております、総合音楽再生ソフト 「Roon」 の1年ライセンスがお徳に購入出来る
キャンペーンが行われています。

LUMIN が Roon Only モードに対応した記念ということで LUMIN と SOtM の対象機種をお持ちの方
限定ではありますが、当店のお客様であればかなり多くの方が対象となりますので
ここで告知させていただきます。

通常 16,500円 ほどのところを、対象機種を新規ご購入の方は 11,000円(税込)
既にお持ちの方は 13,200円(税込) となっております。

詳しくは以下リンク先をご覧ください。

ニュース | Bright Tone Co. Ltd. (bright-tone.com)

LUMIN やSOtM をお持ちであれば、既に Roon ライセンスはお持ちかも知れませんが
次回分を買い足しておくと、少しお徳です。

LUMIN お使いの方はぜひ Roon Only モードを試してみてください。
かなり良くなりますよ。


 

2022/07/07

2022/07/07 fidata HFAS1-XS20UJ 定価 649,000円(税込) HFAS1-S10UJ 385,000円(税込) 

高音質NASを製造するfidataより久しぶりの新製品が2モデル発売になりました。
fidataは毎回スポット販売で、売り切れたら販売終了です。
今回も、わずかな量の製造でこれが売り切れると完売となりますので
fidata の NAS を探していた方は、このチャンスを逃さないように早めにご検討ください。

継続販売してくれると良いのですが、凝ったパーツを使用する関係でパーツ入手が出来た分だけ
製造するというスタンスのようです。

今までの発売ペースから考えると、1年に50台ほどしか製造しないので
これを逃すと次の入手チャンスは1年後になると思います。

 
 

デザインは今までと同じで変更が無い様です。

 
 
 
少量生産のため、数少ない入荷分を開梱するわけにもいかず、メーカーさんに画像をいただきました。
そのため、試聴はできておりません。
今までここでご紹介した製品で、未試聴での商品をおすすめしたことはありませんが fidata さんの NAS に関しては
問題無いかと考えております。
安定して良い物を供給してくれますし、中身を見てもほとんど変更が無い様ですから、音は間違いないと思います。

音が良いのもありますが、機能面でも Diretta 対応という、他に無いオンリーワンの機能を持っているのが魅力です。

さらに、面白そうな新製品も発売されますので、組み合わせると楽しそうです。

 

fidata 初のCDドライブである AD10 定価 495,000円(税込) です。
これに関しては、未試聴ですので音質に関しては何も言えません。
ですが、凄く良さそうな予感がしますので、是非とも試聴してみたく、メーカーさんに
お願いしているところです。

普通にCDリッピングマシンとしても使用出来ますが、以下のように接続する事により
CDプレーヤーとしても使用出来ます。

AD10---USBケーブル---fidata NAS---Diretta接続---SFORZATO

Diretta 接続でCDが鳴らせるのです。
下手なCDプレーヤーより良い音がする予感がします。

こちらは試聴出来次第、レポートさせていただきます。


 
 

2022/07/03

2022/07/03 SilentAngel F1 定価 79,200円(税込) 

SilentAngel のネットワークトランスポート M1T やネットワークプレーヤー M1 、
ハブの N8 等に使用出来る 5V のアナログ電源です。

 
 

上から ハブの N8 、 ネットワークトランスポートの M1T 一番下が今回ご紹介する F1 です。

 
 

出力は 5V 1A が2系統ですので、アンプ等電流要求値の高い機材には使えませんが、1A 以内の電流値の機材であれば
他社製品にも使用可能です。

試聴は SilentAngel M1T-4G と N8 の組合せで行いました。
まずは M1T のみ F1 を接続してました。
付属ACアダプターからF1に電源を変更して、音を出した瞬間に違いが分かります。
S/N比が改善され、再現される空間が一回り広くなり天井が高くなります。
情報量も向上し、解像度も上がります。

次に、M1T と N8 の両方をF1 から電源供給しました。
さらに見通しが良くなり、音像が安定します。
実体感が向上し、リアリティが向上します。

少し、高価なアクセサリーですが、その価値が十分にあると感じました。
M1 シリーズのみお使いの方でも、十分に投資する価値があると思います。
M1シリーズと N8 の両方をお使いの方には、さらにおすすめです。

SilentAngel Z1 ご使用の方のためのアナログ電源 F2 は年末頃発売予定ですので
もうしばらくお待ちください。

 

2022/07/01

2022/07/01 DENON PMA-900HNE 定価 132,000円(税込) 

期待の新製品 DENON PMA-900HNE と DCD-900NE が発売となりました。
6月末発売と言いつつ、届いたのは6月30日(木)・・・
確かに6月末では有りますが、気分は7月ですね。

まず、最も気になっていた CDプレーヤーが試聴機と同じ音がするかですが
見事に同じ音でした。DENON さん、凄いです。

そして前回、時間が足りずにじっくり試聴出来なかったアンプ PMA-900HNE をじっくり試聴しました。


 
 

ネットワークプレーヤー内蔵アンプという、これから主流になるかもしれない新しい挑戦です。

前モデルの、プリメインアンプ PMA-800NE と、ネットワークプレーヤー DNP-800NE を一つの筐体に
まとめた感じですが、この2モデルの組合せよりかなり音が良いです。
特にネットワークプレーヤー部の出来が良く、DNP-800NE で不満に感じていた部分が、ほぼ解消されており
単純にネットワークプレーヤーとして見た場合でも、DNP-800NE より完成度が高くなっております。
そして、プリメインアンプとして見ても PMA-800NE より良くなっていますので、よくぞここまでまとめ上げたと感心しております。

 

機能面では、最も欲しかった 「Roon Ready」非対応という、血の涙が出そうなほど残念な部分がありますが
Roon はAirplay 経由で音は出せますので、致命的な弱点と言うほどでは無いと前向きに捉えます。

光デジタル入力3系統に、同軸デジタル入力が付いているので、テレビと接続(テレビに光出力が付いていれば)出来る点も
地味にありがたいです。

フォノイコライザーは MC カートリッジにも対応しており、このアンプ1台で、様々なシチュエーションに対応可能と
リビングオーディオの主役になり得る音質と機能を備えています。

前回の試聴時には、各入力(ライン入力とネットワーク入力)ごとに音が違い、ちぐはぐなイメージがあったのですが
製品版はどの入力でも統一されており、安心しました。

音質ですが、特筆すべきは位相特性の優秀さと、情報量の多さ、そして反応の早さです。
このクラスのアンプとしては、情報量と反応の早さはトップクラスではないでしょうか。
ライン入力時にわずかに、中域に付帯音を感じますが、それが温かみに通じて心地良いです。

音作りは正統派の直球型ですので、アンプによる色付けを求める方には向かないかも知れません。

アンプとしても、ネットワークプレーヤーとしても大変完成度が高く、初心者からネットワークプレーヤー入門
そして、サブシステム用途まで幅広くおすすめできる、コストパフォーマンスの高いアンプです。


2022/07/04 追記

エージングが進み、さらに凄いことになってきました。
初期の頃の不満が全て解消され、価格が信じられない高音質アンプになりました。

トランジスターアンプとしては最速と感じるほどの反応速度。
滲みの無い音像。
ピンポイントに決まる定位。
クラス以上の情報量。
高い解像度。

ネットワークプレーヤー無しの単純な13万円のプリメインアンプとして考えても
ハイコストパフォーマンスなアンプです。
そこに、高性能なネットワークプレーヤーまで内蔵されているのですから
これほど、お買い得感の高いアンプはそう無いと思います。

調子に乗って、駆動の難しい大型スピーカーを接続したのですが
さすがにウーハーをグリップしきれませんでした。
駆動力に関しては、価格なりのようです。



 

2022/05/26

2022/05/26 DENON DCD-900NE 定価 77,000円(税込) 6月下旬発売 
 
DENON さんの新製品であるアンプ PMA-900HNE と CDプレーヤー DCD-900NE を試聴させていただきました。
CDプレーヤーの出来があまりに良いため、研究所レベルの個体で量産品と違うのではないかと疑い
メーカーへ何度も確認を取り、別個体まで送ってもらってようやく納得出来ましたのでご紹介です。

アンプはネットワークプレーヤー内蔵のため、ライン入力とネットワーク入力さらに
ネットワーク入力時には、NASからとストリーミング再生、さらにAirplay で音が違い正確な評価を出すのに
時間が足りませんでした。
そのため、製品版が入荷してじっくり試聴してからご紹介させていただきます。
ですが、このアンプもかなり良く出来ていましたので楽しみにお待ちください。

 

ランクとしては入門クラスである DCD-800NE の後継機となりますので、入門機という位置付けではあります。
ですが、この音はもはや入門機レベルではありません。

今、確認したところメーカーホームページには ミドルクラス と表記されています。
価格的には入門クラスだと思いますが、出てくる音は確かにミドルクラスですので
ミドルクラスモデルというのが正しいのでしょう。

 
 

RCA出力 1系統に デジタル出力として 同軸デジタル、光デジタル 各1系統というシンプルな背面です。

 
 

あまりの音の良さに中身が気になり、天板を開けて覗いて見ました。

この価格で、この作り込みは見事です。
制御系と、アナログ出力系が電源トランスまで含めて基板ごと分離してあります。
このクラスで電源トランス2個搭載は大変贅沢な構成です。

 

CDドライブメカを固定するベースもスチール製の頑丈な物でしっかり固定してあります。
CDプレーヤーとして音質に直結する重要な機構部品ですので、ここにしっかりコストが掛けてあるのは
好感が持てます。

 
 

右側の黒い基板が電源部で、左側がアナログ基板です。

 
 

アナログ基板の核心部アップです。
ESSのDACチップ直近にクロック発振器とオペアンプを配置して、信号の最短化を狙っているようです。
使用してあるパーツ類も、思わずにやけてしまうような贅沢なパーツが定在適所で使用してあり
音を聞きながら作り込んでいることが、パーツの選択や配置から感じられます。

他社さんでは、このクラスに使用する事が出来ない高品位なパーツが入っておりますので
工業製品としてのお買い得感も高いです。

 
音質ですが、ナチュラルで情報量もしっかり拾えており、解像度、位相特性共に良好です。
個性は薄く、原音に忠実な再生を狙っているのだと思います。
音の立ち上がり、立ち下がりも早く、低域を肥大化させることなく引き締まったタイトな低音が
密度を持ちつつ再現されます。

CDプレーヤーに色付けや、迫力を求める方には向きませんので
好みがはっきり分かれるかも知れません。

ピアノはピアノらしく、ギターはギターらしく、楽器の音色を正確に再現可能ですので
実際に楽器を演奏している方や、コンサートで生の音楽を実際に経験している方には
特におすすめしたい、お買い得モデルだと思います。

 
 
 

2022/05/12

2022/05/12 TEAC UD-701N 定価 382,800円(税込) 

昨年末に発売になるも、初回生産分が一瞬で完売し今日に至るまで、追加生産が無いという
コロナによる影響をもろに受けた不遇のネットワークDACプリアンプです。
商品が入荷したら紹介しようと待ち構えていたのですが、一向に入荷する予定がなく
最初に仕入れた3台中2台が隠し在庫として、いつまでも残っているので、辛抱できずにご紹介です。

 
 

横幅 444mm というフルサイズモデルです。
筐体構造も凝っていて、脚はスパイクとスパイク受けが一体構造となった、音質を考慮しつつ利便性も考えてあるという
優秀な脚で、天板やサイドパネルの構造や固定方法にも、音質を考慮した工夫が凝らされています。
38万円もするだけあり、その価格に見合った見た目と筐体設計が行われており、TEAC最上位モデルらしい
贅沢なモデルに仕上がっています。

 
 

入力も充実しており、ネットワーク接続機能の他にもDACとして同軸デジタル2系統、光デジタル2系統
USB/DAC、Bluetooth 等基本的な機能は網羅してあります。

プリ機能もありライン入力がRCA、XLR 各1系統付いています。

搭載DACはESOTERIC 譲りのフルディスクリートDACが奢られており、一般的なIC使用のDACとは
密度感、エネルギー密度の再現性に違いがあります。

 
 
 
機能的にも、MQA フルデコード対応、Roon Ready対応 と現代のネットワークプレーヤーDACが欲しい機能に
不足はなく、デザイン、筐体構造、機能から考えると38万円が安く感じるほどの高いコストパフォーマンスを
備えています。

 

中身も手抜きはなく、トロイダルトランス4機搭載となっており
アナログ信号左右に独立して各1台、ネットワークモジュール用に1台、デジタル制御部用に1台と
これ以上無いほど贅沢な構成となっています。

音質は、新生TEACらしい伸びやかで、ゆとりのある音作りで、レンジも広く情報量もしっかりと拾えています。
スピードはやや早めで、程よく立ったエッジが気持ち良いです。
色付けは薄めで、個性で聞かせると言うよりも、正攻法の情報量とエネルギーで聞かせるタイプです。

プリアンプとしての音量調整機能もよく出来ており、ボリューム調整機としてのクオリティも
なかなかです。
質の良いプリメインアンプと接続するのであれば、ボリュームはバイパスした方がよりダイレクトに
ディスクリートDACの良さを味わえると思いますが、30万円台のDACプリと考えると
十分に納得のクオリティです。

購入した満足感を高い次元で満たしてくれる、コストパフォーマンスの高い優秀なネットワークDACプリだと思います。

シルバー在庫 ございます。

 

2022/05/01

2022/05/01 Nmode X-PM5 定価 220,000円(税込) 
 
Nmode さんの新製品 X-PM5 のご紹介です。
先に発売された X-PM9 と同じく鈴木氏により設計、サウンドチューニングされた
「鈴木サウンド」第2弾アンプとなります。

 

横幅 420mm 高さ 73mm/82mm(スパイク装着時) 奥行き220mm 重量 5.5Kg と
軽量、コンパクトにまとめてあります。

良いアンプです。
軽快で心地良くリズムを刻み、筋肉質で肉感を伴った実体感のある音像を再現します。
出力 20W(4Ω)とパワーが控えめなため、大型スピーカーをパワフルに鳴らすことは出来ませんが
コンパクト2ウェイ等の、標準的なスピーカーであれば、存分にその魅力を発揮します。

ワイドレンジで上下共ナチュラルに伸び、S/N比が高く空気の再現も得意です。
スピードが速いため余韻の再現性も高く、空間に消えていく余韻を正確に再現します。

音色に個性(色付け)がほぼ無いため楽器の再現性も高く、ピアノの微妙なタッチの違いや
ドラムヘッドの張り具合までが見えるようです。
楽器再生メインの方には特におすすめです。

20万円クラスのアンプで、ここまでのクオリティを持つアンプは少なく、コストパフォーマンスの高い
おすすめアンプです。
 

X-PM5 Jazz.wav へのリンク

X-PM5 FAKiE.wav へのリンク


X-PM9 の音源も公開しました。4/17の記事もご覧ください。


 

2022/04/23

2022/04/23 Ediscreation Silent Switch OCXO JPEM 396,000円(税込) FIBER BOX2 JPEM 396,000円(税込) 

去年の6月発売以来、大人気で入荷即完売を繰り返している Ediscreation のハブ Silent Switch OCXO と 光絶縁装置
FIBER BOX2 の上位モデルが発売になりました。

 
 
 
上段がオリジナルモデルで下段が新型の JAPAN EXTREME MODEL(JPEM)です。
外見上の違いは底板が赤銅製になった点と、電源インレットが FURUTECH 製になったくらいで
ぱっと見はほぼ同じです。
大きな違いは中身で、主要コンデンサーをハイグレードな物へ変更し内部配線材も変更してあります。

どちらも 20万円近い値上げですので、コストパフォーマンスは大きく落ちることになりました。
結果として20万円分音質アップが出来ていれば問題無いのですが、さすがにオリジナルモデルの
出来が良いために 「20万円分良くなりました。」 とは言えません。

オリジナルモデルと比較して、どちらも音は良くなっております。
特に定位の向上が強く感じられます。
他にも、元から優秀だったS/N比の向上や、エネルギー再現性のアップ、滑らかさの向上等
全ての面で音質向上となっております。

ですが、その向上の度合いから考えて18万円の価格上昇は微妙な気がします。

オリジナルモデルが22万円で100点と仮定すると、40万円であれば 180点になって欲しいところですが
120点ほどでしょうか。
高額モデルになるほど、投入金額に対する音質向上率は落ちていきますので
ほぼ倍の価格ならば音質もそれに比例して良くなって欲しいというのは、欲をかきすぎだとは頭では理解しています。

ですが、Ediscreation さんの技術力ならば、それが出来るのではと期待していた面もあり
少し、残念に思っているのは正直な感想です。

10万円アップの30万円ならば、手放しで褒めたと思いますが、40万円となるとさすがに
慎重にならざるを得ません。

コストパフォーマンスを考慮せずに、最高の物を!と言う場合には文句なしにおすすめできる
クオリティを持っています。
ですが、コストパフォーマンスを考慮に入れるとオリジナルで良い気もします。
特に、光絶縁装置 FIBER BOX2 は上位モデルの価格でオリジナルが2台購入出来ます。
結果として出てくる音はオリジナル2台使用の方が上となるため、なおさら微妙となります。

JPEMモデルは現時点で最高のハブと光絶縁装置である事は間違いありませんが
コストパフォーマンスという面ではノーマル機に負けますので、ご予算に応じて
ご選択ください。


 

2022/04/17

2022/04/17 Nmode X-PM9 定価 440,000円(税込) 

もうご紹介したつもりだったのですが、お客様よりお問い合わせをいただき記事を書いていないことに気が付きました。
去年のベストバイに選定したり、速報で紹介していたので書いたつもりになっておりましたが、正式にご紹介していなかったため
改めてご紹介です。

Nmode には以前 X-PM100 という最上位モデルがあり、次に出るのはこのモデルの後継機かと思っていたのですが
ミドルクラスモデルである X-PM7Mk2 とほぼ同じ価格帯(と言っても10万円高いですが)に新型アンプを投入してきました。

 
 

通常、同一価格帯への同ジャンルモデル発売は行わないのですが、明確な音質差がある場合は LUXMAN のA級とAB級のように
同じメーカーから同一価格帯商品の発売が行われるケースがございます。
ですが、これは極めて稀なケースですので、Nmode のような比較的規模の小さなメーカーが行うことはほぼ無かったと思います。

それをあえて行うということは、このX-PM7Mk2 と X-PM9 には明確な音質差(クオリティの差ではありません)が存在すると
メーカーが考えているのだと思います。

この同一価格帯に2モデル展開となった理由ですが、サウンドマネージャー(機材開発の際の音決め責任者)が変更になった
事が大きいと思います。
Nmode は 2020年6月に Fundamental の鈴木氏とのコラボ商品である X-PM3FT を発売し、2020年末には正式に業務提携を
結び 鈴木氏 が Nmode のサウンドマネージャーに就任しました。

その結果生まれた、X-PM9 はそれまでの Nmode 製品と大きく音作りが変化し、所謂「鈴木サウンド」へと変貌しました。
これは、NEC A10シリーズから始まった「鈴木サウンド」愛好者の方にとっては、手が届く価格帯で「鈴木サウンド」製品が
購入出来るようになったというメリットと、既存の Nmode ファンの方にとっては音作りの大幅な変更というデメリットを併せ持ちます。

そのため、Nmode さんは既存の自社アンプファンの方のための既存路線と、「鈴木サウンド」路線の2本の柱を据えていく
事にしたようです。

現在の同社ラインアップをどちらのラインに属するか分けてみます。

既存のNmodeライン

アンプ
X-PW1-mk2
X-PM3FT
X-PM7mk2 

CDプレーヤー
X-CD3

「鈴木サウンド」ライン

アンプ
X-PM5
X-PM9

鈴木氏とのコラボ製品である X-PM3FT と X-CD3 はベースモデルである Nmodeラインのモデルを
鈴木氏の技術でクオリティアップしたモデルで、音作りその物は既存Nmodeラインから離れておりません。

対して、設計初期から関与した X-PM5 と X-PM9 は完全な「鈴木サウンド」モデルとなっております。

Nmode サウンド
ハイスピードで正確な位相特性を持ち、柔らかく広い空間を表現するのが特徴です。
この空間表現が既存Nmodeの魅力で、X-PM7Mk2 等の既存ラインがお好みの方は
この点を高く評価しているようです。

鈴木サウンド
ハイスピードで正確な位相特性を持つ点は同じですが、空間よりエネルギーの再現を重視した音作りとなっており
再現される空間は既存Nmodeラインより狭くなります。
その分、再現される音像にはエネルギーが満ち、手で触れることが出来そうな実在感を持ちます。
定位の向上という点も大きなメリットです。

このように、この2つのシリーズは全く違う世界を表現するため同一価格帯に2モデル投入という
事になったようです。

その「鈴木サウンド」となった X-PM9 ですが、躍動感溢れるエネルギッシュなサウンドが魅力のアンプとなっております。
実用上のメリットは駆動力が大きく向上した点です。
X-PM7Mk2 とカタログスペックはあまり変わりませんが、聴感上の駆動力は大幅に向上しており
X-PM7Mk2 では駆動の難しかった Paradigm Persona シリーズや旧型Dynaudio 等、少し手強いスピーカー達を
軽快に鳴らすことが出来るパワフルな面を持っています。

そこにあるかのような実在感高い音像と、滲みの無い明確な定位が魅力で、圧を伴った立体的な表現力と
一昔前の 1bit アンプからは想像できない高いS/N比を背景とした、静かで深い空間表現は
進化した「鈴木サウンド」を表現します。

既存のNmodeアンプに非力さや像の薄さを感じていた方は、是非この新しいラインアップのモデルを聴いてみてください。
極上のアナログ再生に通ずる、物理的なエネルギーを伴った再生音という、今までの Nmode とは違う世界が楽しめます。


X-PM9 Jazz.wav へのリンク

X-PM9 FAKiE.wav へのリンク

 

2022/03/21

2022/03/21 データ再生システム、ミドルクラス考察 

先日お知らせした、新しいリファレンスデータ再生システムは大変高価なセットとなりますので
より現実的なミドルクラスシステムを考えてみます。
恐らく、多くの方が導入される価格帯となり、これからの一つの指標となるセットになると思います。

まず、再生ソフトは 「Roon」 を使用します。
今まで何度も触れてきましたので、このソフトの魅力を再度お伝えすることはここでは控えますが
「Roon」のどこが良いのですか?とのお問い合わせは絶えませんので、参考になるサイトを
お知らせいたします。こちらを参考にしてみてください。

逆木 一 さん Roonの「音楽の海」がもたらすもの 

2016年ですので6年前の記事ですが、今でも十分に参考となります。
さらに、この6年でRoonはさらに進化しています。

この「Roon」を最高の音質で、かつ現実的な価格で!というのが今回の狙いです。
どのくらいの価格帯を狙うか悩みましたので、数セット組んでみようと思います。

機材が多く、画像を入れると逆に見にくくなる可能性がありますので、文字だけで構成します。

※値上げ間近のモデルは、値上げ後の価格を記載しております。

まず、最も重要なハブからです。
ハブの選択肢は以下となります。

Ediscreation SilentSwitch OCXO 220,000円(税込)
SilentAngel N8 49,940円(税込)

Roon 本体を動作させるPCもしくはRoonサーバー

市販のデスクトップPC 8万円ほど
SilentAngel Z1 220,000円(税込)

次はRoon Ready 対応ネットワークプレーヤー(トランスポート含む)です。

SOtM sMS-200ultraNEO SE-C 12V/10MHz入力有り 280,500円(税込)
TEAC NT-505-X 206,800円(税込)
SilentAngel M1T-4G 85,000円(税込)
SilentAngel M1-4G 138,600円(税込)

上でトランスポートを選択した場合別途DACが必要です。

SFORZATO DSC-Grus 385,000円(税込) MQA対応オプション付き
MYTEK Liberty DAC2 214,500円(税込)
TEAC UD-505-X 173,800円(税込)

あるとうれしいアクセサリー

Ediscreation FIBER BOX2 231,000円(税込)
KOJO Crystal E 34,400円(税込)
SilentAngel F1 88,000円(税込)

これらを組み合わせて、ミドルクラスの上システムは以下となります。

再生ソフト Roon 永年ライセンス 86,000円ほど
ハブ Ediscreation SilentSwitch OCXO 220,000円(税込)
Roonサーバー SilentAngel Z1 220,000円(税込)
ネットワークトランスポート SOtM sMS-200ultraNEO SE-C 12V/10MHz入力有り 280,500円(税込)
DAC SFORZATO DSC-Grus 385,000円(税込)

合計 1,191,500円(税込)

う~ん・・・まだ高いですね。

ミドルクラスの中システムです。
再生ソフト Roon 永年ライセンス 86,000円ほど
ハブ Ediscreation SilentSwitch OCXO 220,000円(税込)
Roonサーバー SilentAngel Z1 220,000円(税込)
ネットワークトランスポート SilentAngel M1T-4G 85,000円(税込)
DAC TEAC UD-505-X 173,800円(税込)

合計 784,800円(税込)

少し現実味が出てきましたね。

ミドルクラスの中の下システムです。

再生ソフト Roon 永年ライセンス 86,000円ほど
ハブ SilentAngel N8 49,940円(税込)
Roonサーバー SilentAngel Z1 220,000円(税込)
ネットワークプレーヤー SilentAngel M1-4G 138,600円(税込)

合計 494,540円(税込)

ここまで来れば何とか??

最後はミドルクラスの入門システム?です。

再生ソフト Roon 永年ライセンス 86,000円ほど
ハブ SilentAngel N8 49,940円(税込)
Roonサーバー 市販のデスクトップPC 80,000円(税込)ほど
ネットワークプレーヤー SilentAngel M1-4G 138,600円(税込)

合計 354,540円(税込)

Roon の永年ライセンスを購入せず月払いにすると月々 1,600円ほどですので
さらに安くなります。

組合せはあくまで参考ですが、選択肢が増えてきて楽しく悩めるようになってきました。
Roon 永年ライセンスを購入しなければ 30万円ほどで、十分に良い音が楽しめる
システムが構築可能です。
CDプレーヤーの代わりになり得ると思いますので、是非とも「Roon」という新しい世界を体験してみてください。

 
 

2022/03/19

2022/03/19 Ediscreation Haydn 定価 715,000円(税込) 

Ediscreation の オーディオ用PC Haydn を発売します。
基本的には Roon コア用として初期設定しておりますが、普通の Windows PC ですのでJplay等のPCオーディオ用途にも使用可能です。

 
 

横幅 265mm 奥行き 273mm 高さ 96mm とコンパクトです。
アナログ電源内蔵ですので 6.25Kg とずっしりとした重さです。

 
 

仕様は以下となります。

OS Windows 10 Pro
CPU Intel i5
メモリ 8G DDR4
SSD 1TB

最高品質の6061ソリッドアルミニウムから削り出したシャーシ、機械的振動を低減し、EMI絶縁を改善します。

150Wトロイダルトランスを備えたディスクリート電源回路、低ノイズリニア電源搭載。

ByBee Quantum Purifiers(バイビー・クァンタム・ピューリファイヤー素子)を採用

ファンレス冷却システム採用で機械的な振動が無く、無音で動作します。

超低振動で最高品質のCDリッピング機能を内蔵。

純粋な電源接続のためのオーディオグレードのUPOCC内部ケーブル。

パフォーマンス向上のためのグランド強化アイテムを接続するためのオーディオグランド接続端子。

リッピングソフト DBpowerrip 付属。

 

サイズの参考にCDケースを載せてみました。
比較的コンパクトで、置き場所の自由度が高いです。

 
 

削り出しの側板兼放熱板が効率的に熱を放出します。

オーディオ用PCとして販売していた エスプレッシーボPCと比較しても大きな音質向上が可能です。
吉田苑のリファレンスデータ再生システムの一員として エスプレッシーボPC に変わって採用となりました。

この上となると同じ Ediscreation の BACH (輸入すると 200万円以上になるそうです)か
Taiko Audio SGM Extreme 5,445,000円(税込)しか無いと思いますので、現実的な価格のRoon サーバーとしては
頂点だと思います。

エスプレッシーボPC と比較した場合ですが、S/N比が上がり、エネルギー再現性が大きく向上します。
解像度も上がり、情報量も大きく向上します。
データ再生はここまで高音質になりました。
ご予算はたっぷり必要となりますが、投資に見合うだけの高音質再生が可能です。
ぜひ、店頭で体験してみてください。

吉田苑データ再生リファレンスシステムは以下となります。

再生ソフト Roon 永年ライセンス 86,000円ほど
Roonコア Ediscreation Haydn 682,000円(税込)
光絶縁装置 Ediscreation FIBER BOX2 198,000円(税込) 2台
ハブ Ediscreation SILENT Switch OCXO 187,000円(税込)
LANケーブル 日本テレガードナー MFP8 IE Gold 2m 83,400円(税込) 3本
ネットワークプレーヤーDAC Mola Mola Tambaqui DAC 1,520,640円(税込)

総額 3,121,840円(税込) となります。
DAC1台で予算の半分が飛んでいますので、DACを別の機材にすれば
大幅なコストダウンが可能です。
定価での合計ですので、実売は少し下がります。
クロックやUSB関連機器が必要無くなりましたので、かなり機材の数は減らせました。

DACを変更しても150万円ほどのシステムとなってしまいますので、もう少しリーズナブルな
ミドルクラスシステムを後日ご紹介します。

 
 

2022/03/10

2022/03/10 ハブと仮想アース研究(M12 Switch IE GOLD の謎がついに解明?!) 

日本テレガードナー のハブ M12 Switch IE GOLD は音楽信号が内部を通らなくても
接続するだけで音が良くなるという謎効果があります。
他社さんのハブにはそのよう効果はありませんし、メーカーさんもそのような意図を持って
設計したわけではないので、どういう機能がこの効果を出しているのか問い合わせましたが
不明とのことでした。
メーカーすら意図しない効果のようですから、疑問に思いつつも放置していたのですが
先日ひらめきました!

Ediscreation のハブ Silent Switch をメインハブとして使用しつつM12 Switch IE GOLD を接続すると同様の効果が出て
音が良くなります。

 

実際には贅沢すぎてあり得ない組合せですが実験です。

そして、Silent Switch にはLANケーブルのシールド線(グランド)を切断するスイッチが付いています。

 

スイッチを左にするとグランドカット、右にするとグランド接続、となります。

このスイッチを使用すれば M12 の信号ラインとグランドラインのどちらがこの効果を出しているかが分かるのではないか!
と気が付いたのです。早速実験しました。 

結果はグランドライン側に効果がありました。
グランドラインをカットすると効果が無くなってしまうのです。

グランド側に効果があるということは、M12 が仮想アースとして働いているのではないかと思いましたので
M12を取り外して KOJO の仮想アース Crystal E を接続しました。

 

Ediscreation さんはアースが効果的だと知っているのでしょう。
Silent Switch にはアース端子がしっかり付いていますので、その端子に接続して視聴しました。

見事に M12 を接続した際と同じ効果が出ました。
それならばと欲張って M12 と Crystal E の同時接続を試しましたが、これは音が濁って上手くいきませんでした。

Silent Switch お使いの方には、 KOJO Crystal E 定価 37,840円(税込)と手ごろな価格で
ワンランクアップ可能なおすすめのアクセサリーです。
ただでさえ静かなSilent Switch がさらに静かになります。

5年前から謎だった M12 の謎がようやく解けてすっきりしました。

 

2022/03/05

2022/03/05 MYTEK LIBERTY DAC2 販売価格 214,500円(税込) 

米国の MYTEK より新製品DAC LIBERTY DAC2 が発売(3月11日発売です)となります。
2020年11月にご紹介した同社のネットワークプレーヤー35万円からネットワーク機能を抜いて
DACだけにした感じです。

最近はネットワーク機能付きの機材が多く発売され、単純なDACが減ってきましたので
貴重なモデルだと思います。

 
 

横幅 140mm とコンパクトですが重量 2Kg と見た目以上に重いです。

 
 

その重量のほとんどはこの大きなトロイダルトランスの重量です。
デジタル機器といえども電源は重要ですので、しっかりとしたアナログ電源が組んであるのは好感が持てます。

 
 

狭い背面にぎっしりと入出力端子が並んでいます。
特に同軸デジタル入力が2系統有るのはありがたいです。
CDトランスポートで1系統は使いますので、他の機材を同軸接続したい際にもう1系統有ると助かる事が良くありますので
これはうれしいです。

普通のDACですが、最新モデルだけ有り MQA のフルデコードに対応しているのが特徴です。
通常のMQAに対応していないCDプレーヤーからデジタル接続(同軸/光どちらも対応です)するだけで MQA CD が再生可能となります。
気軽にハイレゾCDが聞けるのは便利です。

使いこなしの注意点ですが、このメーカーのライン出力はかなり電圧が高く、フルボリュームで出力するとほとんどの家庭用アンプでは
音が歪みます。
Tambaqui DAC の6V出力を受けることが出来るアンプでさえ歪みますので、6V以上の出力があると思います。
ですので、ボリュームを少し落として使用してください。

 
 

色々試したところ、上画像の様にフルボリュームから3ドット分落としたところがバランス良く使用出来たので、この位置がおすすめです。

音質ですが、薄い化粧を感じます。
ダイレクトに近いイメージですが、薄皮一枚分ほどベールをかぶせて、刺激的な部分をうまく抑えてあります。
色をのせるほど強くありませんので、音色が変化するほどではありません。
ストレート系がお好みではあるけれども、耳に刺さるような音は控えて欲しいという方におすすめできる
ややストレート系となっております。

高い出力を持つだけ有り、押し出しは強くやや線は太めの表現です。
程よくダイレクト、かつ線が太い音がお好みの方におすすめできるアメリカンなDACです。

 

2022/02/28

2022/02/28 SFORZATO DSC-Grus 定価  330,000円(税込) MQA対応オプション 55,000円(税込)
 
やっと、本当にやっと入荷しました。
発注は一昨年の11月ですから、1年4ヶ月待ちでの入荷です。
世界的な半導体不足の影響は深刻で、同時に発注した DST-Lepus はまだまだ掛かりそうです・・・

ちなみに一昨年5月に発注した私の自転車はまだ届きません・・・
どちらが早く届くか密かに楽しみにしていたのですが、半導体なんか全く使わない自転車より
DSC-Grus の方が早いのは予想外でした。
こうなると DST-Lepus とどちらが早いかの勝負です。

誤解いただかないように正確にお伝えすると展示機が遅れただけで、お客様よりご注文いただいた分に関しては
もっと早くお届け可能です。
ご注文いただいた分を優先して、店頭展示機を後回しにしたためここまで遅れたのです。
DSC-Grus はご注文いただいた注残分がようやく解消されましたので、これからは比較的早く(1ヶ月~3ヶ月)
お届け出来ると思います。

DST-Lepus はまだまだご注文分が残っておりますので、展示導入は先の話となりそうです。

 

箱を開けて最初に目に飛び込んで来たのは取扱説明書です!
ついに(やっと)SFORZATO製品に取扱説明書が付属しました。
SFORZATO製品を取り扱い始めて10年以上経ちますが、今までは取扱説明書が無かったので
ある意味驚きました。
一歩ずつ確実に進化しているSFORZATOさんです。

DSC-Grus はUSB/DACですが、オプションで同軸デジタル入力が1系統搭載可能です。
将来的にMQAにも対応可能となりますが、そのためには同軸デジタル入力のオプションが必須ですので
実質、同軸デジタル入力 1系統 USB入力 2系統 そしてSFORZATO さん最大の売りである ZERO LINK接続1系統
のDACとなります。

本来は ZERO LINK 接続可能なネットワークトランスポートである DST-Lepus と組み合わせて使用するべきですが
まだ届きませんので、普通のUSB接続でUSB/DACとして試聴しました。

個性の薄い素直な音作りで、正確に音を出してきます。
以前のSFORZATOさんと比較すると、少し骨太になったイメージで押し出しの強さを感じます。
30万円のDACとして必要な、情報量、解像度、をきっちりとクリアしており、正統派DACとして信頼出来る
完成度です。
スピードも速く、奥行き方向の空間もきっちり再現します。
左右方向はやや狭く、その分厚みが出ます。

本領発揮は ZERO LINK 接続してからだと思いますが、普通のUSB接続でも十分におすすめできる
汎用性の高いDACに仕上がっております。

30万円クラスの販売可能なおすすめDACが無く、途方に暮れていたところでしたので
ひとまず、安心しました。

常設展示ですので、店頭にてご試聴可能です。
気軽にご来店ください。


MQAには現時点で未対応です。
現在承認手続き中で、対応しましたらメーカーに本体を送りアップデート作業が必要です。

 

2022/02/18

2022/02/18 Mola Mola Tambaqui DAC 定価 1,520,640円(税込) 展示導入いたしました。 

あまりに高額なため散々迷いましたが、私の中では最高峰のDACですので思い切って展示導入しました。

私の基本的な考え方として、現実的な価格の機材で良い音を!というのがございますので
その感覚からすると少し予算オーバーではあります。
ですが、それでもこのDACの魅力には抗えませんでした。
それほど、魅了される音がするのです。

 
 

TEAC の新製品 UD-701N の隣でエージング中です。

この UD-701N も良い出来で、記事の下書きまでしているのですが、納期未定のため記事の公開ができません。
世界的なIC不足は日に日に悪影響の度合いが進行し、オーディオ機器生産にも多大な影響を及ぼしています。
吉田苑おすすめ機器の中からもパーツ不足のため生産完了となってしまう機器が出始めており、後継機の目処も立たないという
悲惨な状況に陥りつつあります。

特に痛いのが Nmode さんのDAC X-DP7 と X-DU3 の生産完了です。
まだ継続予定だったそうですが、基幹パーツの入手目処が立たずやむなく生産完了へと追い込まれてしまったようです。
ですので、後継機発売の目処が立っておりません。
そのため、10万円クラスから30万円クラスのDAC(吉田苑としては最もおすすめしている価格帯です)がTEACさん
しか無くなってしまいました。

話が逸れてしまいました。
この Tambaqui DAC は高S/N比が魅力のDACです。
その静けさの中に密度感のある楽器がピンポイントに定位する、空間表現力の高さが特に優秀なのですが
その魅力を引き出す条件として、ネットワーク環境の整備(S/N比の改善)が必要です。

実は先日 Tambaqui DAC 貸出試聴のご依頼があり、デモ機をお送りしたのです。
私は気に入っていただけるだろうと、かなりの自信を持って送り出したのですが
残念ながら気に入っていただけませんでした。

次に別の方へお送りしたのですが、やはり気に入っていただけませんでした。
お二人に立て続けにダメだしされるとは思っていなかったので、凄く不思議に思っていたのです。
その後、Tambaqui DAC 貸し出し中の方より Ediscreation FIBER BOX2 (光絶縁装置)と
の同時視聴がしたいというご依頼がありお送りしました。

その方は既に日本テレガードナー のハブをお使いですので、ネットワーク環境としては
オーディオグレードハブに光絶縁を組み合わせるという吉田苑店頭と同一条件となります。

その環境で視聴して始めてTambaqui DAC は本領を発揮出来たようで、そのお客様より
FIBER BOX2 が必須ではあるが、組み合わせると最高との評価をいただきました。

吉田苑で試聴する際は、ネットワーク環境が整った状態で試聴するため気が付きませんでしたが
ネットワーク機器試聴の際は、その環境整備が大変重要である事を改めて気付かされた出来事でした。

ですので、Tambaqui DAC の貸出試聴をご依頼いただく場合は、オーディオグレードハブの有無と光絶縁装置の
有無を同時にご連絡ください。
ハブ、光絶縁、DAC の三点セットでお送りさせていただきます。



速報です。

Ediscreation のPC HAYDN を3月中旬に発売予定です。

Haydn Music Server – Ediscreation

 
 

予価 682,000円(税込)と高価です・・・
現在店頭にてデモ中ですが、現実的な価格のRoon コア(PC/サーバー含めて) としては最高峰だと思います。

高価なためそれ程数が売れないと思われますし、一般流通にのせるとサポートが出来ないとのことで
吉田苑のみでの限定販売となります。
まず、5台のみの輸入となります(既に3台商談中です)のでご興味がある方はお早めにお問い合わせください。

 

2022/01/30

2022/1/30 Bowers & Wilkins Formation DUO 定価 495,000円(税込)
 
ギリギリ1月の更新が間に合いました。
ネタが無くこのまま1月は更新無しかと焦っていたところに、滑り込みで試聴機が間に合いました。

今年ご紹介の第一弾は去年の流れを継承し Roon Ready 接続機器である
ワイヤレスパワードスピーカーです。

 

ワイヤレススピーカーというと、ピュアオーディオ用途では無く便利スピーカーというイメージでしたが
このスピーカーは価格から伝わるように本気です。
B&W 800シリーズまでとは言いませんが、700シリーズクラスのクオリティは備えています。

そのクオリティのスピーカーへ、アンプとネットワーク再生機能を組み込んでこの価格であれば
十分に納得のシステムです。

機能としては
AirPlay2 / Roon Ready / Spotify / Bluetooth(aptX HD対応) となっておりネットワーク系のみです。
同軸デジタル入力等は一切付いておらず、完全なワイヤレスシステムとして完結しています。
海外であれば TIDAL 等の高音質ストリーミングサービスを使用可能なのですが
国内ではTIDALの正式サービスが開始されておらず、このシステムの本領を発揮するためには
Roon Ready接続しか選択肢が無い状況です。

もちろん贅沢な Bluetooth (Airplay)スピーカーとして使用しても、上質な再生が可能です。
Bluetoothスピーカーとしては現時点で最高峰ではないでしょうか。

 
 

デザインは最新のB&W 800シリーズと同様に平面を持たないラウンド形状で構成されており
この形状ならではのメリットが音からも強く感じられました。

 
 

Roon Ready接続システムとして考えると、スピーカー/アンプ/ネットワークプレーヤー一体型ですので
他に必要な機材はRoonコアのみです。
今回は SilentAngel Z1 と組み合わせました。
スピーカー2本と Z1 1台でシステムが完結するため、 すっきりとまとめることが可能で
デザイン優先で、音質にも妥協したくない場合の最適解となり得ます。

Z1 は有線LAN接続ですが、スピーカーはWi-Fi接続で試聴を行いました。

大変良く研究された、見事な音です。
原音忠実とは違い、オーディオの音としての完成度が大変高く、楽しく音楽に浸れます。

特にスピーカー形状から来る音離れの良さが、広く深い空間表現に大きく貢献し
左右、高さ、奥行き共に広い音場を展開し、そこにピタリと各楽器類が定位します。
空間表現力に関して言えば、同社の700シリーズより優秀だと感じました。

低域は良くはずみ、肥大すること無く美味くまとめてあります。
高域もうるさくないのですが十分に伸び、音作りとして大変美味くまとめてあります。

エッジはほんの少しだけ丸めてありますが、解像度が落ちる感じは薄く
やかましくないけど物足りなくも無いという、絶妙な範囲に収めてあります。

ハイレゾ音源を再生した場合の、あざといと感じるほどの粘り気のある色気は
このシステムの魅力であり、オーディオの音としての完成度が大変高く
アンプ内蔵のメリットを最大限に発揮したチューニングと感じました。

SilentAngel Z1 と組み合わせた際のシステム価格は 60万円(税込)ほどに出来そうですので
少し(かなり?)贅沢なオーディオ入門や、Roon入門用に最適です。

このDUO + Z1 セットをお買い上げいただいた場合は、Roon の導入が必須に近いため
ご希望の方にはご自宅に伺い、Roon のセットアップまで行い、音出しから操作方法の
説明まで行う事も可能です。
その場合、交通費は別途いただきます。

今年こそ Roon の世界に脚を踏み入れてみませんか?
新しい風を感じることが出来ると思います。


2022/01/31 追記

展示導入が決定しました。
2月3日(木)より店頭にてご試聴可能です。