店長竹田の

「大後悔日誌」


’05諦めが肝心
’06無駄な抵抗
゜07今日はこのへんで勘弁したる

07.12/08 DYNAUDIO Sapphire

私は今日まで普通の家庭で使用出来(部屋のサイズが6帖〜12帖)、かつ現実的な
価格で購入出来た、もしくは出来るという前提で考えた場合のスピーカーの最高峰は
DYNAUDIOのConfidence 5だと思ってきました。
確かに生半可な事では鳴ってくれない異常なスピーカーではありましたが、鳴りきって
いない状態でも中高域の陰りを帯びた妖艶な魅力だけで十分に
「もうこれでいいじゃないか・・・」
と思わせるだけの説得力と魅力を持っていました。ましてやこのスピーカーが本領を発揮
した場合は、どこまでもストレートに伸びる軽やかな低域と濃密かつクリーミーなのに
クリアーな中域、歪み無く繊細な高域等々、魔性の魅力を持ったスピーカーでした。
実際に私も自宅で使用していた時期もありましたし(今はConfidence 3ですが・・・)
Confidence 5が製造中止になってからも、何度もDYNAUDIOに再生産をお願いした事が
あるほど惚れ込んだスピーカーでした。
しかし、ようやくこの呪いから解き放ってくれるスピーカーが現れました。
同じDYNAUDIOの Sapphire です。




DYNAUDIの30周年記念モデルとして企画された全世界1000ペアのみの限定生産モデルで、
デンマークらしい美しいキャビネットの3ウェイ4スピーカー仕様の見事なスピーカーです。
昨日店頭に展示機が入荷して来ましたので、早速エージングをかねて鳴らし始めたのですが、
1日しか鳴らしていない状態ですら Sapphire の持つポテンシャルの高さを感じさせる
鳴りをしています。
完全にエージングの初期状態ですが、意識させる事無く出てくる情報量の多さと帯域バランス
のフラットさ、そして何よりも驚いたのがストレス無く軽く出てくる音の浸透力の高さです。
これほどストレス無く軽く音の出るスピーカーは今まで聞いた事がありません。




あまりにもストレス無くフラットに音が出てくるため、ぱっと聞くとこれと言った特徴の無い
なんて事は無い音に聞こえますが、じっくりと聞いてみてください。
きっと、今までに聞いた事が無い未知の世界に行けると思います。
SP25のようにレギュラーモデルになることは無い完全1000ペアのみの限定生産品の上に、
すでに500ペアほど予約が入っているようです。
本当に久しぶりに出た、文句無くお勧め出来る素晴らしいスピーカーですので
売り切れる前にぜひ一度聞いてみてください。





07.12/03  LUXMAN SQ-N100 D-N100

今年は例年に無い新製品ラッシュで、個々の新製品をじっくり試聴する時間も
なかなか取れずに、砲台や日誌で紹介する間も無く展示導入された機器がいくつか
ありました。
LUXMANのSQ-N100とD-N100もそんな中で放置されていたかわいそうな機種ですが、
ようやくじっくり試聴する事が出来ました。


何よりもデザインの良いモデルです。
吉田苑は音さえ良ければデザインには目をつぶる事が多いのですが、音が良く
デザインも良ければ言う事はありません。
専用のオーディオルームをお持ちの方ならば問題は無いでしょうが、リビング
オーディオを楽しんでいる方にはフルサイズの機器は大きすぎて置き場所に
困ると思いますが、このモデルならばA4サイズというコンパクトサイズながら
本格的でお洒落なシステムが組めます。
さらに真空管アンプでは珍しくリモコンが使えるのもうれしいです。


音質は柔らかく聞きやすい傾向ですが、緩めすぎる事も無く中堅的なバランス
で一般的な真空管の音のイメージよりもかっちりと輪郭を出してくる音作り
がしてあります。
この傾向は最近のLUXMAN製品全体にいえる事ですが、スピードはそれほど早く
ありませんが位相が揃い変なピークを持たせる事無く綺麗に整ったバランスで
安心して音楽に浸れます。
スピードは程々で良いが位相が揃い耳当たりの良い音がお好みの方にはお勧め
出来るシステムになっています(吉田苑の推奨する音質ではありませんが、
個人的には好みの傾向です)


ドライバー段の真空管を差し替えて遊んでみましたが、トランジスターアンプ
のオペアンプ交換より音の変化が大きく雰囲気まで変化するため、かなり遊べます。

Mullard CV4004(ECC83の高信頼管)
かなりソフトフォーカスになり、いわゆる真空管らしい音になります。
ホールトーンが増え何を聞いてもホールの中で聞いているような
柔らかい音になります。

SYLVANIA 12AX7
オリジナルの真空管より鮮明でスピードが上がり押し出しの良い音になります。
にじみが減り音の厚みが増え、声に実在感が増します。
私はこれが一番気に入りました

ドライバー段の1本を交換するだけでこれだけ楽しめますので、パワー管まで
交換するとかなり音の変化を楽しめると思います。

※ 吉田苑でSQ-N100をお買い上げのお客様に、上記2種類の真空管からお好み
   で1本をサービスいたします。ご注文時にご希望の管をご指定ください。




07.11/09

9/2のCR-D1、4機種比較試聴から2ヶ月経過しその間にCR-D1SEもMkUになりました。
CR-D1LTD(ノーマル)の実売価格とCR-D1SEMkUの販売価格がほとんど同価格に近く
なって来たため
「CR-D1LTD(ノーマル)とCR-D1SEMkUの違いを教えてください。」
というお問い合わせを多数いただくようになりました。
そのため、改めてCR-D1LTD(ノーマル)とCR-D1SE MkUの比較試聴をしましたので
ご参考ください。

スピーカーにD-112Erefを使用しCR-D1LTD(ノーマル)から試聴開始。

CR-D1LTDは音の角を立てずにマイルドな音作りがしてあるため、解像度が
若干落ちる代わりに刺激的な音を出す事がありません。
低域の少し上の帯域を膨らませて量感を出しているためにエネルギーバランス
は低域寄りになっており、ゴージャスな再生音が楽しめます。
女性ヴォーカル等を優しくゆったりと聞くのには良いですが、ロックやジャズでは
多少物足りなさを感じます。

CR-D1LTDに比較するとCR-D1SEMkUはエッジの立ったクリアーな再生をします。
さらに、情報量が多く解像度も高いためにディスクに刺激的な音が情報として
入っているとそのまま再生します。(このあたりは好みの分かれる所だと思います)
レンジは広く高域、低域の両方向にナチュラルに伸びてゆきます。
小型スピーカーでバランスが取れるようにエネルギーバランスは若干低域方向に
寄せていますが、低域を膨らませる事はありませんのでブーミーになる事はありません。
高さや奥行表現等立体的な再生を得意とするため、セッティング等の使いこなしで大きく
再生音が変わります。
箱から出して置くだけでも楽しめますが、セッティングの違いによる音の変化も楽しめる
オーディオ入門機としても使用出来る機材だと思います。

店頭、もしくは東京のDYNAUDIOのショールームにて試聴出来ますのでお近くの方は
ぜひ試聴にお越しください。お待ちしております。



07.09/02

夏休みの間k君に占領されていた日誌ですが、ようやく私の手に戻ってきました。

復帰第一弾はCR-D1LTDです。

気軽に使えるセカンドシステムのつもりで発売したCR-D1SEですが、
おかげさまで予想を超える反響を呼び毎日製作に追われる日々です。
そんな中にLTD発売のニュースが飛び込んできまして、期待して現物の到着を待っていた
のですが、ついに昨日到着しました。

LTD関連の問い合わせも多数頂いておりますので、機材選択の際の参考にしていただければ
幸いです。

今回試聴したCR-D1はノーマル、SE、SE XO-3、LTD、の4機種です。
これだけの同時比較試聴は初めてなので、個人的にも大変興味深い試聴でした。
スピーカーは駆動力を見る意味も含めて、あえてDYNAUDIOのSP25改を使用しました。




CR-D1(ノーマル)

腰高のエネルギーバランス、情報量の少なさ解像度の甘さ等等、気になる点は
あるのですが価格を考慮すれば文句の付けようの無い高CP機で、音楽ファンの
方々から高評価を受けているのも頷ける優秀な機材です。
透明度は今1歩出ませんが、その点が微妙なソフトフォーカス風の味付けになって
いるようです。
オーディオ的な見方をすると高解像度ハイスピード系に分類されるタイプで、
音楽をくっきりと再生します。

CR-D1SE

ノーマル機の良さを残しつつ、気になる点を改良した吉田苑オリジナルモデルです。
基本的な音色に変化はありません。
ノーマル機の持つ若干の荒さはそのまま残っていますが、ギターの銅鳴りや余韻を
描く解像度と情報量を持ち、楽器の定位や空間情報も正確に再現します。
ノーマル機と比較するとレンジが上下方向に伸び、透明度が上がりスピードも
上がります。
筐体の強度不足から来る低域方向への伸びの不足がもう少し出れば良いのですが、
さすがにそこまで手を加える事は販売価格で定価を超えないという開発意図から
外れるので断念しています。


CR-D1SE XO-3

SEにクロックを搭載したモデルです。
SEで気になった荒さが取れ、さらに滑らかな再生音になります。
普通に音楽を楽しむには十分すぎるクオリティーで、ここまでやらなくても良いのでは?
という疑問も沸きますが、メインシステムとしてでも通用する能力もある
ちょっと贅沢なモデルです。
ただし、このレベルになるとスピーカーのクオリティーにも敏感に反応しますので
組み合わせるスピーカーにも気を配ってあげて下さい。

CR-D1LTD

本家でのCR-D1ブラッシュアップ版です。
コスト的な制約から出来無かった事を中心にかなり大幅に手が加えてあります。
まず目を引くのが外観です。今までは鉄板の折り曲げ品だったサイドパネルを
アルミ製の頑丈な物に交換し天板も厚みが増しています。
さらに底板を2重にして筐体全体の強度を上げてあります。
ボリュームノブもアルミ削り出しになり、入力端子も金(色?)メッキになり
さらにコンデンサーを上質な物に変更してあるようです。
肝心の音ですが、ノーマルと比較すると明らかに向上しています。
ノーマルの透明度が今1歩だった所が今半歩ほどになり、レンジも上下とも
広がっています。
筐体の強度が上がった影響か、低域方向のエネルギーは上がっています。
駆動力も若干向上しているようで、低域のグリップ力も上がっています。
音色はノーマルをそのまま上質にし、若干エネルギーバランスを低域
寄りにした感じです。
価値観は人それぞれですので難しいですが、オーディオ的には2万円の価格アップ分
の価値は十分にあると思います。

これだけ基礎部分の質が向上すると、これをSE化するとどうなるんだ?
という疑問が当然沸いて来ます。
近日中に正式にアナウンス出来ると思いますのでしばらくお待ちください。


CR-D1のパワーアンプ基板
CR-D1LTDのパワーアンプ基板

コンデンサーが違います。

音とは関係ありませんがトレーの開閉音が半減し、開閉速度も高級感のある
ゆったりとした速度になっています。
CD再生時のメカノイズはオリジナルと同程度でした。

CR-D1LTDを他店さんの店頭で試聴する際はスピーカーをD-112ELTDでは無く
D-112Eに変更してもらいましょう。
そうしないと本来のCR-D1LTDの良さを聞く事は難しいと思います。

さて、同時に発売されたD-112ELTDですが・・・
あっ!時間が来たようです。この続きはまた後日に・・・?



07.08/30

ついにk君の短期集中連載も最終回となりました。
「店長が書くよりずっと面白いぞ!」
「いっその事k君の独立ページを作れ!」
などなど・・・皆様の温かい声援をいただき、k君も調子に乗って喜んでいたようです。

ひとまず最終回ですが・・・夏休みの次には冬休みがありますから冬季集中連載
何てのもあるかもしれません。

それでは、komusai君の取り合えず最終回をお楽しみください。

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夏ももう終わりです。

おバカな企画から始まりネタに困って内部事情まで晒してしまうという暴挙に出て、
原稿はまだか、という店長の脅しに耐え、常連さんの視線を忍び、
ネタに困って夜道を叫びながら走るという不審者同然のことまでやらかしました。
しかしこれが最後です。
私は自由だ!
アイキャンフライ!(Yeah!)ユーキャンフライ!(Yeah!MottoMotto!)

まあそんなこんなで最終回、いってみましょう。
最終回は「吉田苑・夏の試聴会」でございます。
残念ながら行くことができなかった皆さん、地方在住の方に代わってレポートをお送りいたします。

■ONKYO

どうやら遅刻してしまったようです。
最初からダメダメです。
もちろんもう試聴会は始まってしまっておりますので後ろからそーっと入っていきます。
ううっ、社長の視線が痛い。
もうほとんど席は埋まってるし……
しょうがないので後ろの隅にぽつんと座ります。

一番手はONKYOさんのデモから。

CR-D1LTDとD-112ELTDのお披露目です。

スピーカーのランクをD-112ELTD→D-312E→SP25改と上げていきます。
印象ですが、D-112ELTDとの組み合わせだと、D-112Eに比べてツィーターのチューニングが
上手くまとまっている、中低域重視、というところでしょうか。
キンつくところはかなり少なくなっています。

ただ、この試聴会全体を通して言えることですが、部屋が普通の会議室でして、
音という面ではあまりよろしくありません。特に低域は定在波が出て、フラットとは
言いがたい。ちょっと残念。
まあでも比較試聴で方向性は大体見ることができます。

D-312Eとの組み合わせだと少し陰影を描く方向へ。
バスレフで無理をしていたところがなくなります。
SP25改は部屋の広さにしてはさすがに苦しいか。しかし部屋を考えればなかなかの鳴りっぷり。

お次は皆さん気になるところでしょう。
SP25改を使ってのCR-D1SEとCR-D1LTDの比較試聴です。
この二つを聞き比べればLTDがかなり方向性を変えてきたことが分かります。
SEが少し腰高で情報量、高域のキレ重視
LTDは落ち着いた趣で中低域重視、というところでしょうか。
スピーカーとレシーバー、と機器は違いますが、D-112EからD-112ELTDへの変化と
似たような変化をしているように感じました。

どちらが上、ということは決してないレベルだと思いますが、
元気に明るく聞かれたい方はSE
落ち着いた雰囲気で聞かれたい方はLTD
というところではないでしょうか。

■47研

デモは信楽シリーズ→4722 Lensのみという潔さ。
木村氏による説明と共に、参加者の皆さんが持ってこられていたCDによるデモ。
うーん、なんとも言いがたいのですが、これはこれで好きかも。
サラッと情報量を強調する感じはありませんが、バランスがよく、
波に洗われて極限まで小さくなった砂粒の上をゆっくりと踏みしめるような快感があります。
フルレンジとしてはレンジが広く鳴りっぷりはいい方でしょう。

■パイオニア

HT-01V2→dc1.0→da1.0→S-3EX

S-3EX。
これはお店で何度も聞いていますが今回で最も一般受けしやすいスピーカーだと思います。
量感を出しやすく、解像度も強調感がなく、S-1EXより上手くまとまっているかもしれません。
個人的には音像がもうちょっと絞れれば、という感じですが。
ソフトの印象と相まってもうちょっとアタック感があってもいいかなとも。

■吉田苑

HT01V2→dc1.0→SM-SX300SE→SP25改

お店で聴きなれたシステムです。
が!やはり部屋のせいで真価を発揮できていない。
普段聴いていただけに個人的には最もダメなデモでした。(とか言うと怒られそうですが

お店だとそんな出方はしなかった!というソフトが多く、何度も歯痒い思いをしました。
特にチェンバロはまだまだリアルに出たはず。
低域のカブリ気味なところと出ていないところがはっきりわかってしょうがない。
鳥さんと水の流れる音の分解はさすがと言ったところ。

SX300SEはクロック関係はいじらずに色々と変えているそうで、この先は企業秘密(なのかな?

■SOULNOTE

HT-01V2→dc1.0→sa1.0→sm1.0

これもお店ではお馴染みですね。
たかだか10Wとは思えない鳴りっぷりのよさ。SNのよさ。
sm1.0は狭い部屋向きかなーと思っていましたがそんなことはない。
十分な音量で鳴っていました。
どちらかというと今までの鈴木サウンドよりも大人に感じました。

HT-01V2→dc1.0→ma1.0→ss1.0

この日一番はこれでしょう。
ss1.0は鈴木さんが一つ一つ手作りなさるそうで、フルレンジのスピーカーとしては
お値段が張りますが、音像はバッチリ、あとジャンルを選ばない(これは鈴木さんが
強調していましたが)、そしてフルレンジならではの浸透力。
ティンパニの一発も過不足なく再現できており、SNも超絶。満足満足。

ma1.0は顔はsa1.0と一緒ですが、電源が別筐体になっており、さらにBTLで60Wと
かなり狙っているところが分かりやすいアンプになっています。
以前のリファレンスにするつもりだったアンプを越えてしまったため、
ma1.0がSOULNOTEとしてのリファレンスアンプになるようです。

こうなると気になるのがma1.0、da1.0、sa1.0の位置づけですが、
ma1.0はSNやリニアリティを重視したリファレンスアンプ
da1.0は駆動力を重視したデジタルアンプ
sa1.0は小音量時のSNや高域特性を重視したホームユースのアンプ
というところだと思います。

ma1.0もss1.0も9月末とまだ発売までもう少し時間がありますのでもう一皮剥けることを
期待しています。

■ライブ

SOULNOTEのデモも無事終わり、これで終了……ではないことは皆さんご存知のとおり。
LaidbacKのヴォーカル井筒香奈江さんがいらっしゃっていることからも分かります。
でも楽器は誰が弾くのかなー、と思いきや、なんとSOULNOTEの鈴木哲さん。
十数年ギターを持っていなかったと謙遜していらっしゃいましたが、う、上手すぎる……
イーグルスの「デスペラード」、お馴染みLittleWingの10曲目、
ジャニス・ジョプリンの「ベンツが欲しい」などなどの名曲の後、
アンコールで出ていらしたお二方は最後に「Let It be」を披露。
これだけでも来た甲斐があったなあ。
da1.0→sm2.0を通してはいましたが、やっぱり生の迫力には勝てません。

■しかーし
我々の仕事はこれでは終わりません。
もちろん残っているのは後片付けでございます。
ここで社長が一言。「これがなければ最高なんだけどなあ……」

最後に、ONKYOさん、47研さん、SOULNOTEさん、ついでに吉田社長、お疲れ様でした。
今回で最終回となりましたが、私は復活の機会を虎視眈々と狙っております。
I'll be back!

                                              文責 komusai



07.08/12

このままこのページを乗っ取られてしまうのでは・・・という危惧を抱きながら
夏季集中連載、3回目です。

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吉田苑的日常の狭間

今回は趣向を変えて(べ、別に早くもネタ切れなんかじゃないんだからねっ!)
バイトの私から見た吉田苑の日常をご紹介しようと思います。

その前に登場人物をご紹介。

■登場人物

社長
お店で一番偉い人。
別の言い方をすれば吉田苑の悪の総帥。
よく店長をイジめている人。

科学主任、岡島さん
科学主任という名の通り何をしているのかよくわからない怪しい人。
立ち位置としては地獄大使。
知識量が異様なほど豊富。
よくイスに座ったまま寝ている。
よく社長と一緒に店長をイジめている人。

店長
接客、電話の対応、SE化と一通り何でもこなせる人。
立ち位置としては死神博士。
よく社長にイジめられている人。
そしてよく私をイジめている人。

お手伝い、Iさん
お手伝いという名に反して最近ではケーブル作成、CR-D1のSE化と吉田苑の裏方を一手に引き受けている。
ただ口数が多すぎて手が動いていないことも多い。
よく社長と一緒に店長をイジめている人。
そしてよく店長と一緒に私をイジめている人。
ちなみに今の私の悪巧みの師匠。

バイト君、私
バイト君。
まだ吉田苑の悪い習慣に染まりきっていない、最もピュアな心の持ち主。
またの名を下っ端。戦闘が始まるときに「ィーーー!」と甲高い声で叫ぶ人。
あとよく店長とIさんにイジめられている人。
ちなみに私は社長→店長→バイト君→社長に泣きつく→社長→店長→以下略
というイジメの矛先の向き方を勝手に吉田苑負のスパイラルと呼んでいる。

Iさん曰く「イジめるのとかわいがるのはほら、紙一重やけん」
……そうですか。

■朝

吉田苑の朝は早い。
いや、そうでもないか……
私が10時に出社するともうすでに皆出社している。
そこで店長が一言。
店長「しゃちょー、今日お客さん少なくて暇だったら6時であがって大丈夫ですかー?」
社長「え?ダメ。なんでなんで?」(ダメなのに理由聞くんだ……)
店長「いやっ、違うんですよ!親戚が遊びに来ていてですね!これは正当な理由です。はい」
社長「はー?そんなん正当な理由にならんばい。ねー、バイト君」(そこで私に振りますか!)
私「まあそうですねー。前もって言っておけば大丈夫だったと思うんですが」(ヒヤヒヤ)
店長「あ、バイト君裏切った!昨日きまったんですよ。しょうがないじゃないですか」
社長「へっへー、ダーメー。ね、バイト君」(またか!)
私「そうですよー。○○日の歯医者の日だって一応私もう一週間くらい前に言ってますよ」
店長「あ、じゃあそれダメ。その日朝から来てね」
私「ええええええええええ」
社長「うんにゃ、それを決める権利はお前にはない!」(社長ナイス!)

とかなんとか言っているうちに一日が始まります。

午前中の私の仕事は線材切りから始まります。
同じ長さで揃えて切って、剥いて、半田揚げ。
まあこんな仕事をつらつらと書いていってもいいのですが全く面白くないでしょうから省略。

岡島さん「毛の短い猫とライオンくらいの違いよねー」
店長「え、岡島さん猫なんですか?」
岡島さん「ワン!俺は犬だ!」
(何を言ってるんだこの人たちは……)

■昼

お昼ごろにお手伝いのIさんがいつの間にか原付でやってきます。
Iさん「誰じゃ!CR-D1の箱の上にスピーカーのユニットを置いてるのは!
ははーん、こりゃ私にこいつを落とせという罠だなぁ?」
店長「あ、そうかも。バイト君も最近性格が曲がってきたからなあー」
Iさん「ん、そうじゃろ。最近どうも目つきが変わってきたと思っとったっちゃんね」
私「私じゃなーい!私じゃないですよおおおおおおお!」(ていうかそれ店長!店長!)

まあそのユニットを店長の机の上に置いていたのは私なわけですが。

■午後

午後は店長がお客さんへの対応に追われている間に商品の梱包作業。
そんなことをしているとまた私の噂をしています。

店長「バイト君、あのスピーカーにCR-D1SE使ってるんですよー」
Iさん「あー、そりゃあれやね。もう買い替えを前提にした買い物やね」(うっせうっせ!)
店長「ですよねー。うーん、鳴るわけがない!オーディオってバカだなあ!」
私「(我慢できずに)べ、別に好きで使って……使って……うっうっ(泣
お金があれば買い換えるんですよ?いつでも替えますよ?」
店長「んー別に何も言ってないよー。CR-D1SE、いいレシーバーじゃない!
え、何?SX-300でも買うの?それならねぇ、いいよねえ。うん!」
Iさん「そうよぉ。店長とかもっと鳴らせんスピーカー使っとるっちゃけん」
店長「ぐっ」
Iさん「あれね。あのアンプでもやっぱ鳴らんね」
店長「いやー、鳴りませんねー」(と店長の話にシフト)
Iさん「やっぱ昔のあそこは鳴らんもんね。最近やっと鳴らしやすくなってきたばってん」
店長「中高域は最高なんですけどねー。鳴りませんねー。
あれが本当に鳴らないからこれにしたんですけどねー。それがこれでも鳴らない!」
私「うっ……うっ……(泣」
以下オーディオ談義を久しぶりにする面々。

■夕方

お客さんが鳴らしているCDを聞いてのこと。
私「あ、あれ?」
Iさん「(CR-D1をバラしながら)ん?どうしたと?」
私「いや、私CD置きっぱなしにしてたかなーと思って」
Iさん「なんで?今お客さんが鳴らしとるやつ?」
私「あ、はい。いや、でもおかしいな。カバンの中にはあるんですけどねー」
Iさん「そもそも誰ねこりゃ」
私「○○って人です」
Iさん「(呆れ顔で)ふーん……ま、ありがと」
私「うっ、いいじゃないですか別に」
Iさん「いや、誰も何も言っとらんよー。何でも悪口にとるのはね、そら君性格歪んどるよ」
私「ギギギ……あ、でも店長も『あー、○○ね』って知ってましたよ」
店長「え?そんなこと言ってない言ってない」
Iさん「ほーら、店長はすーぐ見捨てるけんねえ」
店長「いやー、そんなことないよ。私は、い・つ・で・もバイト君の味方ですよん。
……トカゲの尻尾切り要因として。うん。大事にしないとね!」
私「普通に味方してくださいよ!」

■夜

もうIさんは帰って社長、店長、岡島さんと私でマッタリ。

社長「(ネットでスピーカーメーカーのサイトを見ながら)あ、これよさそう」
岡島さん「どれどれ」
社長「ほら、これこれ。昔のあそこみたいやろ」
店長「うわ、ほんとだ。ていうか国まで一緒。あはあ、これはこれは……」
岡島さん「(型番を見て)VF……VF-1。ほう。型番がいいねぇ」
店長「そうですねえ。うん、これはいい!」
(社長、なんのことか分からずにポカーン)
岡島さん「うーん、これは三段変形してもらわんといかん。
前向いたら2WAYで、上向けたらスーパーツィーター、下向けたらスーパーウーファーかな」
店長「あはははは、いいですねーそれ!」
私、ここまで来て納得。なるほど。分かるか!生まれる前じゃ!
社長「あんたたち何言いよーとー。ほれ、仕事せい!仕事!」
型番だけでネタが分かる人、どんだけおるんかな……



とまあ一日のうちのネタ話だけ列挙しました。こんなバカ話をしていていつ仕事をしているんだ
という感じではありますが、製品の評価、ケーブルの聴き比べなどなど、
オーディオに関すること、音に関することは合間合間にきちんとやっております。
なんか本当に忙しくて合間合間、という感じですが。

ここで社長からプレゼント。
Hinaマークのついたマグカップを早瀬中尉の声優さんを調べずに当てた一名様に、だそうです。



07.08/11

バイト君の萌えオーディオ考ですが、好評なため夏季集中連載になりました^^
連載2回目をお楽しみください。

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どうも夏の短期集中連載になったようです。

前回いらぬことを書いてしまったせいかSC-CX101のSE化を延々手伝う羽目になってしまいました。
疲れた……

そしてこのコーナーが実現したことによってか何なのか、
社長と店長は生暖かい目と緩みきった口元で私のことを見てきます。
いい加減被害妄想気味でしょうか。

前回の記事、どうも私の周囲、というか友人には不評でして
曰く、
使用機器が吉田苑ローカルすぎる。(く、組み合わせの妙なんだよ!)
別に攻殻のサントラじゃ萌えん。(もおぉぉぉぉとこぉぉぉ!!C.V大塚明夫。ほら燃えた)
いやお前、誰もネタわからんだろ。(お前わかってるくせに……)
ばーかばーか(ぐっ……ぐっ……)

お客さんにも生暖かい目で見られるようになりましたし(くやしいのう、くやしいのう)
あまりに不評なのでリベンジさせろと気炎を上げての第二回です。


■リベンジ

〜30万で選んだMenuet2ですが、ジャンパー線を取り替えて抜けをよくしてあげると、
逆に録音の悪いソースが聴けなくなりました。
なんでも良くすりゃいいってもんでもないようです。
ケーブルは中域に厚みを持たせるタイプで497MK2を使った方がよさそうですね。
組み合わせの妙、と言う話ですが、〜400万の音は確かに吉田苑そのまんまの音なのですが、
前回組んだ〜30万、〜100万のシステムだと普段吉田苑で出している音とはかなり違った音がします。
特に30万のシステム、あとSD05は私の一押しです。
是非聴きにいらしてください。

ただ、30万システムはこれなら安心、と言う感じですが、確かに100万のシステムは
SD05との組み合わせで40万出せるならG1300以外の選択肢もある気がします。
(私はG1300の音、面白いと思いますが)
Wilson Benesch ARCなどももうちょっと出せば来ますので、爽やかな組み合わせとしてこれもお勧め。
SONiCSのAnimaだともう少しカッチリとした出方で悪くなさそうです。空間表現は得意でしょう。

■インシュレーター

さて、今回はインシュレーターに焦点を当ててみようと思います。

ある方の家でCDプレーヤーの下に敷いているインシュレーターの置き方でごろごろ音が変わるのを体験して、
これは一度やらねばならんということでCR-D1SEを使って色々試してみました。
吉田苑はアクセサリー類については妙に実践派なところがありますので
HPにはそういうノウハウを自発的には書いてくれません。下手をすると直接言ってもあしらわれます。
「インシュって何選べばいいんですかねー」
「甘ったれるな!このコーナーをまかされたからには貴様はライターなのだ。
吉田苑のHPを充実させる義務がある!」
い、言ったなあ!と言いたいところをぐっと堪えて、しょうがないので自分で色々やってみます。
残念ながら社長は、憎んでくれていいよ。などと優しい言葉はかけてくれず、
聞こえていたら君の店の店長を恨むがいいと笑います。
店長……あなたが更新しないから!

使ったインシュレーターは百円ショップに売っているサイコロのような四角い木のブロックです。
高額なインシュレーターもありますが、ここは試しということで許していただきましょう。
ちなみにCR-D1SEのセッティングはただ単に御影石の上に置いてあるだけです。

まずCR-D1SEの標準足の下に三点支持でそのまんま置いてみます。
持っている人は分かると思いますが前2、後1ですね。
御影石と離した御陰か(失礼)ちょっと柔らかく、音のバランスは下寄りに。
声の質感などは悪くないのですが、低域の切れが悪くなります。高域の伸びやかさも難あり。
それでは前1、後2にしてみましょう。
分解能と低域の切れならこっちでしょう。ただ、硬質になって弦の響きが弾けません。
これはちょっといけない。

■本題

で、ここからが本題です。
実はお客さんに教えていただいた方法を自分でCR-D1SE用に色々試して改良した方法なのですが、
まず、CR-D1SEの内部の部品で一番の重量物は何だと思いますか?
正解はトランス。知識のある方には簡単でしたね。

筐体を除けば他の部品と比べても圧倒的に重いです。
というわけでまず振動源でもあるこれを支えてあげましょう。
無論CR-D1SEではトランス周りに振動対策として色々やっています。
その証拠に持っている人はCR-D1SEをひっくり返して底板を見てみましょう。
あ、もちろん電源は切っておいてくださいね。
するとトランスを止めているネジが四角く4つあるはずなのですが、
そのうち一つは色が違うことに気づくと思います。
その色が違うネジの下に一つ目のインシュレーターを敷いてみましょう。
二つ目をそのネジと対角線上に位置するトランスを止めているネジの下に。
三つ目はCDメカの回転軸の下に敷きます。
左右で言うとCDトレイの真ん中。
前後で言うとフロントパネルから後ろに6〜7cmというところでしょうか。

一つ目、二つ目をネジの下に敷いている分、CDメカの下に置いたインシュレーターだけ高さが違うので
何かで調節してあげましょう。
水平水準器を買ってきてCR-D1SEの足のようにワッシャーを敷いて調整してあげるといいかもしれません。
水準器はカメラ用のものが千円くらいで売っています。
私個人の体験としては情報量と滑らかさが一気に増え、一段と定位が決まる、
という基礎体力的な上昇がみられました。
特にCDメカの回転軸の下に敷いたのが効果的なのか、滑らかさが大きな差です。
人によっては低域が出なくなった、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
出なくなったわけではなく、切れが増したという解釈が正しいでしょう。

お金がかかることではありませんのでCR-D1SEをお持ちの方は是非やってみてください。
今回は簡単なのインシュレーターを使用しましたが、できれば面設置ではなく点設置にしたいところ。
まあそこらへんは応用ですね。

■材質

インシュレーターの材質については大抵、叩いて響いたとおりの音が乗ってくると思っておきましょう。
叩いたときに「北宋だな」と呟くことをお忘れなく。百円ショップにあるものは大体中国製品でしょうから
時代こそ異なりますがあながち間違いでもありません。
あれはいいものなので、散り際には是非上司に届けてもらいましょう。
きっとゴミ箱行きにされることだろうと思います。

ちなみに私が試した材質の中で、金属ならKRYNA PROのマグネシウムがお勧めです。
基準はスピードとか位相とか一切関係なし。萌えるかどうかで勝負です。
マグネシウムは少々軽めで中低域の薄い音ですが、癖が少なく声は素直で六畳間で
エネルギーをコントロールするにはちょうどいいと思います。
ちょっとサラつきがあるかな?決して万能ではありませんが萌えには丁度いい按配。
ジュラルミンの7075が吉田苑の定番でかつ声もいい、レンジも広いと最高なのですが、
なかなか手に入りません。残念。
真鍮、鉄(といっても色々種類がありますが)は声に癖が乗ります。
ちょっと歪みっぽくなって厳しいか。
真鍮は下寄りのバランスで解像度に問題あり、
鉄は解像度高し。レンジも広くバランスも普通。癖がなければ使うのですが。

あとは定番で木材。
黒檀などあまり重く硬い材質のものはエネルギーを出すにはいいですが、声まで硬質に。
木といっても意外にソリッドになります。
あまり種類を試していませんがヒノキなど軽いものが適度に柔らかくなっていいのではないでしょうか。
ただ、レンジは狭くなります。一長一短。

石だと御影石は避けたいところ。
弦をキュキュッと言わせたいならいいのですが、声がキンキンになります。萌えならやめましょう。
それでも石で、というならば大理石でしょう。ちょっと癖はありますが、少し明るめの声になります。
樹脂系は一概には言えませんが少し中低域に歪みが乗ります。私が思う吉田苑的な方向ではありません。
萌えにもちょっと違うかな。声に張りがなくなります。

あとは身近なところでインシュレーターとして使えそうなものを探してみましょう。
乾電池は音が重く声がぬめーっとします。弾性が結構あるんですね。うーん、残念。
鉄製の袋ナット。まあ上記の鉄と同じようなバランスですが解像度は点設置のおかげで意外にいいかな。
穴には布の切れっぱしなどで詰め物をしておきましょう。
そしてステンレス製袋ナット。これも点設置のおかげで解像度は悪くない。スムースに音が出る印象。
ちょっと高域に伸びきらないところがあり。
アルミ製袋ナット。軽いせいか音がスカスカ。ある意味マグネシウムの悪いところだけ抜いてきたような音。
そうそう。金属で材質の違いだけ試そうと思ったら袋ナットがいいと思います。
鉄各種、ステン、アルミ、真鍮などなど安価で色々な材質を試すことができます。
こんなもんですかねー。

上記は御影石のベースの上でマグネシウムと比較した結果ですので、
敷物や基準が違うともちろん違う結果になるはずです。
無論複合素材という手もあります。
私自身はメーカー不明の三種類の金属構成のものを使っています。(無論素材も不明)

敷物はといえば吉田苑界隈では7075派と御影石派の二大派閥が常に火花を散らしておりまして、
インシュレーターはお好みで、というのが常のようです。
ちなみに私は7075派です。
高くて買えませんが……

使用機器
CR-D1SE→D-112E

試聴用ソフト
坂本真綾 「ハチポチ」 ポケットを空にして

少しモヤがかかったような
感じではありますが素直なソフトということで。

                                                    文責 komusai

07.08/05

今回は夏休みの間お手伝いに来てくれているK君にお願いして、お勧め萌えオーディオを組んでもらいました。
普段は萌え系のシステムをお勧めする事は無いので、興味のある方には貴重?な情報になるかもしれません。
完全なスポット企画ですが、好評な場合は第2回があるかもしれません^^

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どうも。吉田苑関東支部構成員(自称)のバイト君です。
いつの間にやら吉田苑内ではアニメおたくとしてキャラが定着し、大人の理不尽さに憤慨しているところですが、
今回は第三者的な視点で馬鹿な企画を一つ、ということで昔取った杵柄を生かして

 吉田苑的萌えオーディオ

をやってみたいと思います。
社長は明らかにいい顔をしませんが、まあ読み物として面白ければこれもまたアリなのではないでしょうか。

■萌えオーディオ

そもそも萌えとは何であるか。
私のある友人に言わせると「果てしなく高まること」なのだそうである。
なるほど。バーニングマイハートなのね。突撃ラブハートなのね。
で、その「萌え」るための触媒が問題なのである。要は我々が一体「何に」萌えているのか。

萌えオーディオ、という言葉。これはかなり難しい言葉である。
オーディオに萌える、なら分かりやすい。オーディオという存在、あるいはオーディオに付随する何か しら、
つまりオーディオ機器であったり、ネットワークを組むことであったり、ハイエンドという言葉 に対する憧れで
あったり、にバーニングマイハートなのである。
かたや萌えオーディオ、である。何に萌えているのか。おにゃにょこの声、自分のオーディオ機器で声優さん
の声が出ているという事実、はたまたオーディオ機器そのものなのか。
まあ一応ここでは萌えオーディオという言葉は萌えるソング、略して萌えソンを聴くためのツールとし て
定義しておこうと思う。

 閑話休題。

萌えソン?女性ボーカルなんでしょ?じゃあCDPはZIA FUSIONにアンプは球でそうだなー、
ユ二ゾン リサーチのシンフォニア?スピーカーはソナスのクレモナで、はい200万。
いや、実を言うと私も昔はこんな感じのシステム組んでいました。もうちょっとオールマイティーに聴ける
システムでしたが。
何?んな金あるか?しょーがないなー、じゃあCDPはCECのCD3300R、アンプも揃えてAMP3300Rでいこうか。
スピーカーだけは奮発してね。ハーベスでHL-P3ES-2。はい30万。
なんてね。
甘い!甘いよ!チョコレートより!!!
そもそも響かせて音作りをするスピーカーに打ち込みバンバンのアニソンが合うと思いますか?
I’veサウンドの打ち込みにソナスが合いますか?
攻殻機動隊のサントラの電子音が合いますか?
合うわけがない。
じゃあ逆にSOULNOTEのセット。トラポはないからHT-01V2、DACにdc1.0、アンプda1.0、スピーカー sm2.0。
これで鳴らしてみましょう。
……合わないんだなー、これが。
まず元気よすぎ。大人しく鳴って欲しい声もパッキンパッキンに鳴らしちゃう。
んでもって情報量多すぎ。飽和しちゃう。録音悪いの出すぎ。あとクラ系にはちょっとね。
多いでしょ ?クラ系のサントラ。エヴァをはじめ、ジャイアントロボ、後期の富野アニメetc。

前者と後者を比較して分かることは萌えオーディオにはナチュラルさ、分解能、温度感の中庸さが求め られる、
ということではないでしょうか。
だって別にオーディオ機器の音が聴きたいわけじゃないんですよ。
どっちかっちゅーとおにゃにょこだの声優さんだのの声をメインで聴きたいわけでしょ?
できれば機器の個性ではなく声優さんの個性を聴きたい。
じゃあオーディオ機器は支え役に徹してもらわないとね。
それでもどーーーしても艶っぽく聴きたい、という人はアクセ類で調整しましょう。
どちらかというと軽く吹き上がるように調整してあげるのが吉です。
基本は声をあくまでナチュラルに。ほかの音はこれまたその支え役として扱ってみます。
また、ブーストしたような低域は打ち込み系には最悪。別に低音が出るのはかまわないのですが、
それが止まってくれないと全く気持ちよくありません。
あと声は若く出ないとね。野太いおっさんの声になっちゃあダメでしょう。そういう観点からも実は吉田苑的な
音の出方は萌えオに悪くなかったりします。
でも情報量だけは制御しましょう。

 コンセプトは6畳間で聞く萌えオーディオ。それではいってみましょう。

■その前に
吉田苑の音、というとどのような音を想像されるでしょうか。
スピードが速く、低音が極限まで締まり 、位相の揃った音、というのが私の想像する吉田苑の音ですが、
そもそも吉田苑では、吉田苑独自の基準(というか社長と店長の基準)をクリアした製品しか店頭には
置いてありません。その基準とはつまり最低限の位相の揃い方であるとか、バランスであるとかスピードである
などで、採用された商品を眺めてみると、商品そのものの方向性は意外に多彩であることに気づかされます。
たとえば最近導入されたFOSTEXのG1300。あるいはDYNAUDIOのFOCUSシリーズ、パイオニアのS-3EX。
どれも違う音がするはずですし、事実異なる質感の音がします。必ずしも究極的なあたかも吉田苑、 という音
がするわけではありません。そのあたりを鑑みつつレビューをしてみよう、というのが今回の動機です。

■〜10万セット
えー、10万!?無理だよ!
と私は思ってしまうのですが、CR-D1SEを使えば無理ではありません。
無論合わせるスピーカーはデノンのSC-CX101SEです。個人的にはD-112Eをお勧めしているのですが、
声を聴く、穏やかに鳴らす、サントラも聴く、という場合にはSX-101SEでしょう。System1.1ですね。改造が
少々面倒なのであまり推したくない、というのが私の本音なのですが。あ、でも店長がやってくれるみたいです。
店長ありがとうございまーす。
個人的にD-112Eをお勧めしている、というのは吉田苑的な方向で、という意味でです。
スピード、コストパフォーマンスは抜群。情報量が少ないので少し耳が痛いかな?
CR-D1SEからグレードアップしたい場合にはアンプを変える必要はありません。ボトルネックになっているCD部を
HC-07にして外部入力から入れてあげましょう。

■〜30万セット
今回選んでみたスピーカーはDALIのMenuet2。
Menuet2は響かせる系の音作りと思いきや意外にそうでもない。ユニット自体が艶のある音を出すタイ プかな?
ただ音量を入れるとバランスが破綻するのは早いでしょう。そしてスピードもなかなか。
ロリータヴォイス好きのみならず女性ボーカル一般にお勧めの一品。
アンプは正直悩みました。10万程度でまともなアンプ。A-1VL、シャープの1bitだと、ちと上品というか温度感が
低いだろうし、うーん……と思ったらちょうどSOULNOTEのsa1.0、最終プロトが入ってきました。
あ……これいい。
スピードとグリップ力はなかなかのもので、さらに繊細な表現が得意です。
繊細感がある、などではなく繊細そのもの。下手をするとda1.0よりも大人な音なのではないでしょうか。
もちろん鈴木サウンドらしい温度感もよし。
これを聞いた時点でsa1.0に決まり。
CDPは音の出る大元なのでできるだけ解像度、情報量重視で色づけの少ないものにしてあげましょう。
打ち込み系の音がキレイに決まります。(解像度とは音が硬いこととイコールではありません。勘違いされがちですが)
となればHC-07がナチュラルな音作りで、〜40万までのプレーヤーであれば私はこれをお勧めします。
正直HC-07は安い。40万いけばHT-01V2とdc1.0が来ますが、こちらはより吉田苑らしい方向性です 。

HC-07→sa1.0→Menuet2+miniBASEですが、全体的なバランスから言えば少し温度感は高め、
しかしいい具合に情報量を処理して(決してそぎ落として、というわけではなく)バランスよく音楽を楽しめる
ようになっています。低域を欲張らないならばもうこれで充分でしょう。店長も一押しです。これが一 番価格的
にもバランスが取れているんじゃないかな?

■〜100万セット

実は今回の企画の主役はサウンドデザイン社のフルデジタルアンプ、SD05です。
これ、かなり普通の音がします。高域に艶が乗る、と言う場合は敷物で調整しましょう。
しかもいい具合に柔らかすぎず、硬すぎずというところでさまざまなジャンルを含む萌えオーディオにはもってこい。

アンプを先に決めてしまったのでスピーカーの選択が難航しましたが、最終候補に挙がったのはDYNAUDIOの
CONTOUR S1.4と、FOSTEXのG1300。で、最終的にはG1300を選びました。
S1.4も悪くはなかったのですが、声を聞くには少々骨太すぎる、といったところでしょうか。
ただこのG1300、レベル(音量)を上げないとただの大人しい、透明感のある音のするスピーカーでしかありません。
音量を上げてやるとビックリ、ハキハキと鳴り低域もなかなかのスピードに。あ、ジャ ンパー線だけは変えましょう。
実は私の大好きなVivid Audio V1.5も聴いたのですが、音像が少し大きく、また箱が少し鳴りがちで
自然ではありませんでした。

というわけでHT-01V1.1→SD05→G1300+MiniBASE。
非常に自然。ここでお勧めなのは、あえてHT-01をV2ではなくV1.1にしておくこと。情報量自体は落ちますが、
少々しっとりとした感触が声を聴くにはバッチリです。

■〜400万
ここから先は禁断の聖地です。普通ならイベントが起こるまで村長が、「ここには入ってはならぬ」
とかなんとか言ってくるはずですが、試しに入ってみました。
結論。入らなきゃよかった……。
SM-SX300改。空気が変わります。曖昧すぎて個人的には嫌いな言い方ですが。
あれだけ箱鳴りしている気がしたV1.5がパタっと静かになります。
聴いてから三時間ほど経っているのですが、未だに後悔しています。聴かなきゃよかった。
音像がカチ っと決まり、しかしあくまで自然に。立ち上がり、そして音が止まるまでの時間が非常に短い。
これが 本物の制動力か……。
ここまでくると欲が出てきて上のクラスのスピーカーにつないでやりたくなりますが、これはここで止 めておきましょう。
泥沼です。そもそも忘れがちでしたが6畳間ではこれ以上のエネルギーは飽和してしまうでしょう。
ただ、どうしてもこれをSpecial25改で聴きたい。
結論から言うと、やっぱり聴かなきゃよかった。あれだけ録音を選ぶと思われていた25改が……
解像度を極限まで上げると何でも聴けるようになるんですね。本当に不思議ですが。
くそう、いつかお金持ちになってやるからな、と誓った今日この頃でした。
HT-01V2→dc1.0→SM-SX300改→Special25改+THE BASE

ちなみに。アンプに300改を持ってこれなければSP25改はやめましょう。とは言っても50〜200万でこれ、
というスピーカーがないのが辛いところ。声はともかく位相が、という商品が多いのが難です。
吉田苑一押しのS-1EX、S-3EXのシリーズは六畳だときつい、というのとバランスが下寄りなのでちょっと
声が年上に聞こえてしまいます。ここはDYNAUDIOの30周年モデルに期待。

■〜1000万
ここまでくればもう独断と偏見と妄想が許される領域でしょう。だと思います。だといいなあ……
なのでここから先は吉田苑のお勧めではありません。一介のバイト君のお勧めとなります。
ていうかお店に置いてませんしね。
HT-01V2、dc1.0は吉田苑で散々聴いた音ですから間違いないでしょう。柔らかさだの質感だのを求めるとまた別の
選択肢もありますが、基礎体力としては十二分。ボーカルの口を開く音があたかもそこに あるかのように聞こえるほどの
異様なまでのリアルさを醸しだします。dcsの音作りやエソテリックの 解像度とはまた違うストレートさが売りです。
アンプはSM-SX300改でいいですから、ここまでで220万です。
え?もちっとお高いアンプがお好み?ほうほう、物好きな方もいらっしゃる。ダールジールのプリパ ワーでいきましょうか。
格が違いますよー、格が。
スピーカーはお好みで。何せ六畳ですからね。私なら?私ならそうだなあ……YG ACOUSTICSのKIPODで すかね。
アルミの音が気持ちよく乗り、位相特性もなかなかのもので、口が大きくならないところがいいところです。
……まあ妄想なんですけど。聞いた事ありませんけど(爆
いや、単体で聞いた事はありますが、相性等は保証できかねます。

落ちがついたところでそろそろお別れの時間がやってきたようです。それではまた。
というか次はあるのかな……

■追記

試聴用ソフト一覧
岡崎律子 Rain and Shine
エスカフローネ サウンドトラック
島みやえい子 ULYSSES
 
そこまで音のいいソフトは用意しませんでした。エスカフローネはビクター盤なのでまあまあですが。
なので全体的にソースを選ばないシステムになっているはずです。

あ、あと間違ってもこの記事に関するメール、電話等は吉田苑にはしないようにしてください。 
「はぁ?アニソン?なんじゃそりゃ!」とか言って社長が発狂しかねません。
えー、メールの題名を「店長へ」にしておきましょう。きっと相談にのってくださるものと思います。

                                                      文責 komusai



07.07/16
soulnoteのsa1.0とsb1.0の最終版(製品版の
最終プロトタイプ)が入荷しました。
現在店頭で鳴らし込みをしております。
sa1.0ですが、出力が10W+10Wしか(も?)
ありませんので使用される環境は限定されますが、
その限定された環境(高能率スピーカー+狭い空間)
では素晴らしいパフォーマンスを発揮します。
細かなニュアンスや音の立ち上がりのスピードは
目を見張る物があります。
「スピードの早い音ってどんな音?」
と思っている方は一度聞きに来きて下さい。
ハイスピードな音がどういう物かを、大変分かりやすく
視聴する事が出来ます。
こちらはsm1.0を卓上で使用するために開発された
卓上スタンドsb1.0です。
もちろんsm2.0を載せる事も可能です。
大変指向性の鋭いスピーカーですので、軸線を
しっかり耳に合わせる為にはどうしても角度を
つける必要があります。
又、ベースのスパイク受け部分が金属と木の2箇所
ありますのでスパイクを立てる場所により音の違い
が楽しめるのも楽しいです。

小音量、小スペースでハイクオリティーな音楽が
楽しめる音楽を楽しむためのシステムとして
お勧めいたします。



07.07/05
PIONEER S-3EX (定価735,000円)

パイオニアのS-1EXはタイトでクリアーながらゆったり
とした雰囲気も持つ良いスピーカーですが、サイズや
価格の点で購入に踏み切れない方もたくさんいらっし
ゃいました。
この度発売されたS-3EXはS-1EXを一回り小さくした
スピーカーで見た目はそっくりです。写真の手前が
S-3EX、奥がS-1EXです。写真ではほとんど見分けが
付きませんが、実物を見ても良く分かりません(笑)
音質も良く似ていますが、サイズが小さくなった分
低域方向のエネルギー量は減って、普通の部屋(6畳
〜12畳)では制御しやすくなっております。
エネルギー量が減っているだけで、低音の量感はたっ
ぷり出てきますのでAVとピュアオーディオを両立させる
事の出来る貴重なスピーカーだと思います。

DynaudioのSP25改と比較視聴してみました。
全体的に音が若干丸くなる所はありますが、低域の量感やスケール感はS-3EXの方が良く出ていますので
スピードが速く高解像度なスピーカーが欲しいけれど、SP-25改がキツイとか低音が出ない
と感じる方には最適なスピーカーかもしれません。
SP-25改と比較すれば音が丸くなると感じますが、高解像度でスピードも速い部類に入りますし
6Ωで88.5dBという現代スピーカーとしては高能率なスピーカーで比較的鳴らしやすい所も魅力です。


さて、吉田苑の悪い癖で素材としての質が良い物
はつい改造したくなります。
S-3EXも早速ばらしてみました。
プリント基板を使用せずにダイレクトに結線してある
ネットワークが入っていました。これは中高域用の
ネットワークでこの他にウーファ用のネットワークも
入っている豪華な構成です。
せっかくばらしたので内部配線材をSE線に交換して
みました。
これで随分抜けが良くなったのですが、全体的に
バランスが低域寄りな所が気になったので、少しだけ
ネットワークに手を加えてバランスの修正もしてみま
した。
文字にすると簡単そうですが、ばらして改造し又
組み上げる作業に社長と2人で丸二日かかってしま
いました。梅雨時期でお客様が少ないから出来る事
だな・・・と思ってしまいましたので、実際にこの形で
販売するかどうかは未定です。
現在改造機を店頭展示中ですので、興味のある方は遊びに来てください。
改造機が欲しい方はご相談ください。時間は掛かりますが販売出来るかもしれません。
もちろんノーマルの状態でも十分に良いスピーカーですのでノーマルでの販売もいたします。
S-1EXが欲しかったけれど価格やサイズで諦めた方や、ピュアオーディオとAVを同居させたいとお考えの方
にはお勧めできる良作です。


07.06/18

今回の日誌はオーディオとは全く関係ありません・・・
たまには日誌らしく雑談です^^
当店にお越しいただくお客様(特に遠方からお越しの方)から良く質問される事の一つに
「何かおいしいお店ありませんか?」
という物があります。
福岡と言えば最初に上がるのはラーメンですね。
しかし、正直な所ここがいいですと自信を持ってお勧め出来るほど食べ歩いてないので
なかなかお勧めしにくいところです。
あえて上げるとすれば「とらや」が、お店から近い事もあってお勧めしております。
ランチタイムには定食(ラーメン、ごはん、餃子5個)が550円と大変リーズナブルで
福岡らしいとんこつラーメンが楽しめます。

そしてもう一つのお勧めがもつなべです。
夜ちょっとおいしい物をという時にはどうでしょうか。
もつ鍋も盛んなところなのでお店も色々ありますが、当店の行きつけに胡庵と言う所があります。
もつ鍋なのにあっさりとおいしくいただける、小さなお店ですが福岡のもつ鍋屋さんの中でも、
かなりのお勧めです。
最後にいただく練り胡麻を入れたスープでいただく麺は最高です。
食いしん坊で酒飲みの科学主任も絶賛している珍しいお店なので、福岡でちょっと何かという時には
行ってみてください。
吉田苑で見ましたと言って入れば、何か一品サービスしてくれるかもです。

リンクのページに貼ってありますので覗いてみてください。



07.06/17
FOSTEX G1300  (定価315,00円)

FOSTEXのG1300が入荷して1ヶ月ほど経過して
エージングもある程度進みましたので、前から気
になっていた中身を覗いてみました。
何よりも驚いたのがこの巨大なマグネットです。
写真で見てはいたのですが、実物はびっくりする
ほど大きいです。
13センチの振動版に対し12センチのマグネット
という贅沢な作りで、見た目から想像する
通りのスピードの速い滲みの無いすっきりとした
低域を再生します。

このスピーカーを開発した人達の一番の自慢は
このツィーターだと思います。
ウーファーの見た目の先進性からつい見過ごされ
がちですが、この純マグネシウム製振動版から
出てくる音は、ひずみの無い大変クリアーな音
で今までの金属製ドームツィターの音が嫌いな人
にも受け入れられるナチュラルな音色を持つ
ユニットです。
どれだけ、ユニットが優秀でもネットワークがお粗末
だとその実力を発揮する事が出来ません。
そしてこのスピーカーはネットワークにも手抜きは
ありませんでした。
ネットワークを構成する全てのパーツが圧着により
接続され、量産品では常識になっているプリント
基板を使用しない事により、信号に余計なストレス
が掛からない様に配慮されています。
明らかに1個ずつ手作業で製作されている、とても
量産品とは思えないネットワークです。
このあたりの拘りに長い歴史を持つユニットメーカー
の意地が伺えます。

個人的には内部配線材に巻き付けてある白と赤の
防振材を外したくなりましたが我慢しましたw
これらの優れたパーツ達を収めるエンクロージャー
もピアノフィニッシュ塗装された、丁寧な作りの
美しい箱です。
必要以上にガチガチに固める事をせずに、必要
十分な強度を持たせつつ木の響きも適度に持たせ
た響きの良い優秀なエンクロージャです。

個々で見れば優秀な素材を使いつつも、システム
としては失敗というスピーカーがたくさん存在する中
で、このシステムは貴重な成功例だと思います。
シルクドームのようなナチュラルで素直な中高域、
その中高域に負けないハイスピードで反応の良い
低域と、ユニットの性能を生かした見事な設計です。

基本的には日本的な大変真面目な再生音ですが、
中高域に少し艶が乗る所が好みの分かれる所で、
これは内部配線材が持つ音と、その線材に巻き
つけてある防振材の音のような気がします。
内部配線材はかなり太い単線ですので、個人的に
はもっと細いケーブルに交換したくなりました。
又、バイワイヤリング対応になっていますので、
そのジャンパー線でかなり音が変わります。
付属のジャンパー線は内部配線材と同じ物を使用
した豪華な物ですが、ここは交換して音の変化を
楽しみましょう。

純正スタンドだと、少しまったりした再生をしますの
で、きびきびとした再生をしたい場合は弊社の
mini BASEがお勧めです。かっちりとした中にほんの
り色気の漂う再生になります。

ペア30万円台のスピーカーはたくさんありますが
その中でも頭一つ抜け出た性能を持つスピーカー
として仕上がっています。

ただし、かなり感度の低いスピーカーのためアンプ
には敏感です。
店頭で視聴して「何だこれは?」と思ったら、前段の
機器を疑ってみてください。



07.4/22

個人的にも大変気に入っていた1ビットアンプのSM-SX10SEIIですが、大変残念な事に
SHARPさんの製造終了に伴い当社の在庫も残り数本になってまいりました。
現在、日本中から在庫をかき集めている所ですが、確保出来る数はそう多くは
ないと思います。

これ以降の2ch専用アンプのSHARPさんの動向についていろいろな噂が飛び交って
おりますが、現在当店で分かっている事をお知らせしておきます。
1ビットアンプの継続は決定していますが、今現在2ch専用アンプの新規開発は
全くの未定です。
AVアンプ関連での開発はしておりますが、ピュア2chアンプの開発は現在企画
すら白紙の状態です。
当店としましても強く要望は続けてまいりますが、今現在の状況はあまり楽観出来る
状態ではありません。
来年、再来年あたりには可能性は0ではありませんが・・・

大変残念な事に、現実的な価格で購入出来るピュア2ch1ビットアンプはしばらく
入手不可能になりますので、現在ご検討中の方はお急ぎください。



07.4/16
ONKYO HDC-1.0 (実売価格 200,000円ほど)

これをオーディオ機器と呼んで良いのか疑問の残
る所ですが、新展示機を導入しました。
ONKYOのHDオーディオコンピューターHDC-1.0
です。
大袈裟なネーミングですが、なんて事は無い普通
のパソコンです。

個人的にはこの機器を聞くまでは、「パソコンは
所詮パソコンだ。」
と、思っていたのですが、HDC-1.0はなかなか良
く出来ていました。
特に写真に写っているAura noteとの相性は大変良いです。
Aura noteはUSB入力端子が付いていますから、HDC-1.0からUSBで接続すると
下手なシステム顔負けの十分にオーディオ的に楽しめるシステムになります。

ハードディスクを内蔵した機材というのは、どうしてもハードディスクの動作音が
気になり音楽に没頭出来なかったのですが、HDC-1.0の動作音はかなり静かなので
よほど静かな環境でなければ動作音に悩まされる事もありません。
音質も同価格帯のCDプレーヤーと比較しても十分に勝負出来るだけの実力を持っています。

アナログ音源の取り込みも簡単に出来ますし、普通のパソコンとしても使用出来ますので
CDプレーヤーも欲しいけどパソコンも欲しいという方にはぴったりの機材です。

今回はほんのサワリだけの紹介ですが、時間が取れたら(いつになるか分かりませんが)
さらに使い込みも含めたレポートをしたいと思っていますので、質問等ございましたら
メールにてお問い合わせください。



07.3/19
トランスポート、CDレシーバー、等の改造に追われて今年最初の更新が3月になってしましました。
申し訳ありません。
特にトランスポートの改造(新造?)には苦労しました。1台組み上げるのに1日掛かってしまいますので
正直もう作りたくありません・・・私と吉田の気力が尽きた時がHT01の製造中止の時になるかもしれません(笑)

今年に入って新規展示商品がいくつか入ってきましたのでそれらの紹介です。

サウンドデザイン SD05 (定価 525,000円)

ソニーのs-masterを使用したデジタルアンプです。
筐体の見事な仕上げが目を引く美しいアンプで、
ボリュームの質感や操作感も良く高級プリメイン
アンプとして十分に満足出来る仕上がりになって
います。
小音量時のギャングエラーもほとんど無く、夜間の小音量再生時にもストレス無く使用出来ます。
最初に視聴機を聴くまでは、同じチップを使用した超高級プリメインアンプと同じような音がするのかな?
と思っていたのですが、実際に聞いてみるといい意味で驚かされました。
超高級プリメインで気になっていた位相の悪さやスピードの遅さバランスの悪さが払拭され、普通に良い音
のするアンプでした。超高級機の半額でより良い物が手に入るのでこの音が気に入った方にはお勧めできる
良いアンプです。
音質傾向ですが、ワイドレンジ、フラットバランスで、スピードも早めですがそれを意識させる事無く心地よく
音楽に浸れる音色です。楽器の分離や定位もしっかり描き出しますし、高さや奥行きも十分に再生します。
若干、口や楽器が大きくなるのが気になりましたが逆にそれが魅力にもなっています。
情報量や解像度を前面に押し出して聞かせるタイプでは無く、十分に情報量や解像度を持ちつつ少し手綱を
緩めて、心地よく音楽に浸れる音作りがしてあります。
デジタル入力とアナログ入力がありますが、この機材に関してはデジタル入力で本領を発揮するようです。
アナログ入力にすると、情報量が減り空間が狭くなる傾向があります。
プリメインアンプとしては高価な機材ですが、この作りの良い筐体でこの音質ならば十分に価値があると思い
ます。



LUXMAN L-550A (定価 294,000円)

大型メーターを配したフロントパネルに大型筐体
という、伝統的なデザインを受け継いだLUXMAN
入門機。
今時珍しいフォノイコ内蔵というのもうれしいです。
上級機のL-590Aの下位モデルですが、音質は
上位モデルを越えている優秀モデルです。
中低域にエネルギーを持たせた厚みのある音作り
で、高域の抜けは今一つですが、素直な位相特
性で聞いていていやな感じがしません。
制動力もそれなりにあるため必要以上に低域を膨らませる事も無く、量感を出す事に成功しています。
スピードがもう少し速ければ良かったのですが、LUXMANがこういうアンプを作ってくれたのが何よりも
うれしいです。
ハイスピード、高解像度な音ではありませんが、ゆったりと安心して聞くことの出来る良いアンプです。