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い訳するのは理由がある。今からスペシャル25を褒めるからだ。 トランペットみたいなやつ。 ウーファー面積から考えて、箱が小さいのでポートで逃げた感じである。 別にこれといっ て前兆は無かった。音を出したところで驚きもしなかった。「ディナじゃん」「少し中域の厚みと解像度を上げたかな」 一々難癖を付けてや ろうとCDを下田逸郎に変える。 おお、昆虫を裏返しにしたみたいなかっちりした構造と実体が 浮かび上がる。定位はどうだ?ホロデッキのような確かな存在感を持って、やや上奥にぽっ かりと浮かんで SX100XO2の威力も大変効果的に発揮される。低域に関しては、掴んだまま放さないコントロール力を見せる。BTL のようだ。一体どこからこの大きなエネルギーが出てくるのだろうか。高域はわずかだが鼻つまりを感じさせるが諏訪 内のバイオリンは破綻を見せない。ポゴレビッチのピアノが我が家と違う表情で歌い出す。このピアニストは、こん な に表現力を持っていたのかと思わせてしまう。めったにやらない大音量でも どこまでも崩れを見せない、「多々益々 弁ず」(by韓信)なのである。これだけの要因が、一つの音として普通(しかもナローな印象)に鳴っている。地味であ るが、これは凄い事なのである。つまり音楽がなっているのだから。2年前に書いた「デナウディオのなる風景」の一 部を書き直さなければいけない。25SPにSX100XO2だと自分の理想に近い音が、なんと実売200万円位で来 てしま う。しかしである。私は買えない(泣)アンプを購入したことによって我が家はしばらく何も買えない。ほんでもって 25SPは期間限定!?酢鶏弁当(BYほっか ほっか亭)が今は食えないように、私が買えるようになる頃には無いの である。 DYNAUDIOが発売した25周年モデルは1.3SEよりも一回り大きな2ウェイスピーカー。 むほど解像度の高さと非常によく伸びた倍音に驚く。低域はユニットが大きくなったせいか1. 3SEよりも出方にゆとりもある。ただそれ以上にタイトで切れのよい低域が出るのにはさらに驚 いてしまう。バスレフダクトはこの手のスピーカーとしてはかなり大きめだが、うまくチューニン グされているようで、ダクトに耳をつけてもあまりボンついた音はしない。全帯域高解像度でボ ーカルや声楽もニュアンスや表情がしっかり出るし、ニュアンスの出方は、現行のDYNAUDIO のシリーズというよりも旧Contourや旧Confidenceに近い。専用のESOTER2がよいのか旧 ESOTER T-330Dよりも更にピーク感が無く素直にかなり上まで伸びた高域。これならスーパー ツィーターは考えなくてもよいし、エネルギーもしっかり出るので小音量時に音が潰れる事も無 い、高域から低域方向まで良くつながって解像度も上から下まで均一感がある。帯域的に不 足感が出る部分も殆どな無く、全体の解像度は旧Confidenceクラスと言っていいと思うし、バラ ンスもS/Nもよい、なによりスピードがある。直接の比較はしていないがConfidence3よりはた ぶん上だろう。ちょっと控えめにみてもこのスピーカーは大きな欠点は見当たらないし出来過ぎ である。価格を考えると歴代DYNAUDIOのスピーカーの中でも最もコストパフォーマンスと完成 度を両立したスピーカーといえると思う。 です。気品があり、高飛車で、製品ポリシーが頑ななまでにビシッと一本通った音。嬉しくなりま す。Contour1.1以降リリースされた製品のように、アメリカナイズされ、どんなアンプでも鳴らせ るフランクさもいいのですが、個人的には以前のディナウディオの方が好きなのです。当時の 製品はハイエンドのConsequenceからボトムラインのAudience5まで、一貫したポリシーを感じ させていました。もちろん価格差ゆえにクオリティーは下に下がるほど落ちてはいきますが、ど れも妥協を許さない品格を備えていました。この品格がアンプを選び、鳴すのが難しいスピー カーになっていたように思います。で、Special Twenty-Fiveです。見事にこの品格を備えていま す。加えて、EVEDENCE等で培われた最新の技術も投入され、まさにこれまでのディナウディオ の集大成と言えるでしょう。使うアンプは選んで下さい。変なアンプをつなぐと鼻で笑われるでし ょう。必ずしも高いアンプである必要はありませんが、正しく作られたアンプを使って下さい。も ちろんアンプだけでなく、CDプレーヤー、ケーブルといった入力ソースにかかわる全ての物に おいても同じです。とっても鳴らし甲斐のあるスピーカーです。オーディオ魂が燃えてきます。
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