1. 真実の音響の本質的特徴は、単純性と規則性にある。
そこで、どうすればハイファイ装置が嘘をつかないようにできるか、まさにデンマーク的な助言を幾つか述べてみよう。
2. コンポーネントの選定では、まずスピーカーから始め(これ以外に方法はない)、残りの装置はこれに合わせるこ
と。
これによってのみ、エレクトロニクスの真の特性が発揮される。
3. アンプはどれが適当かについての一般的勧告は、デンマーク人としてはとてもできるものではない。お手伝いで
きるのは、経験と知識の豊富なディーラーだけだ。
4. 原則論としていえることは、アンプ設計者は従来型の多くのスピーカーを従来とは違う特異なインピーダンス経路
に合わせることは、ほとんど不可能だと言うことだ。
その直線性のおかげで、当社の有名なスピーカーは全く問題がない。
5. ラウドスピーカーを共鳴しやすい床面に置くと、家全体が楽しげにガンガン響きわたることになる。
その対策として、スパイクやゴム・ダンパーが有効だ。
スピーカー底部の端からできるだけ遠い位置に置けば、真のサウンド文化の大家は、デンマーク嫌いの隣人から安
心して離れることができる。
6. 小型スピーカーは概して大きな投資を必要とすることが多い。すなわち、スタンドへの投資だ。
Dynaudio Master Standならびに(いわば最後の手段ultima ratioとしての)Dynaudio Ultimaがクオリティー・サウンド
の基礎柱だ。
7. 目は動く。耳は動かない(このルールの数少ない例外の一つが、前ページでご存じのベルゲ・ジェンセンだ)。
このため、あなたとスピーカーの位置との間の距離は両スピーカー間の距離よりやや大きく取る必要がある。
8.極の接続を間違えば、スピーカーは必然的に嘘をつく。
この対策は簡単だ。スピーカー・ケーブルをアンプから切り離し、バッテリーのプラス極をスピーカー・プラス極とをつな
ぎ、メンプレンが外側に動くかどうか観察されたい。
動かない場合は、転極させること。
動いた場合には、読みとりを続けること。
9.ケーブルは敏感だ。ゴムで被覆して工場から出荷されるのには根拠がある。
メタル・ワイヤー・エンドを素手で扱えば腐食を招くので、やめて欲しい。
10.ラウドスピーカーは、呼吸のための空間がたっぷり必要だ。
高いお金をかけたスピーカーを部屋の隅には置かないで欲しい。(サイズに応じて)後ろの壁からは少なくとも半メート
ル、側面の壁からは1メートル離して設置して欲しい。
11.適正なリスニング・ルームは減衰が必要だ。
だが残念ながら、理想的なルーム・ダンピング(減衰方法)について、一般論は述べられない。それができる人は嘘を
ついていることになる。
真のディーラーと相互に信頼できるまで話し合っていただくことをお勧めする。
12.優れたシャーシーであれば、なおさらそれだけ理想的な演奏状態に至るまでには時間が
かかる。新品のスピーカーでは数週間、サウンドがすでに決定的成熟段階に達したものでは 数分かかる。 |