ドイツ連邦議会は、当社の、真実を語るラウドスピーカーを備え付けることを好まないと言う記事を新聞でお読みにな
っただろう。サウンドのモラルと政治倫理のもたらす結果はよく知られているからだ。
もっと知られていないことがある。当社のスピーカーを利用して、自分の作品を録音したいというアーティストが多いと
言うことだ。Dire Straitsの名前で登場したアーティストのことはご存じだろう。
ラウドスピーカー・メーカーとしての当社が、よりによって以前から、あらゆるプリ・アンプの中で、最も真実のプリ・アン
プを製造していることはほとんど秘密に近い。
これまで発売されている最上級のプリ・アンプであっても、すべての真実を伝えようとは決してしないからだ。
アービターの開発には5年の歳月と、600万デンマーク・クローネを要した(11世紀にスベン・ガーベルバルト王が、イン
グランドの征服に使った費用は、この額に比較すればわずかだったことを考えると、実に巨額だ)。
だが、これでも引き合うのだ。アービターはこれまで知られていなかった回路原理に基づいているからだ。
周波数に依存しないでソース・インピーダンスを与えるバッテリー(電源に依存せずに20時間連続運転可能な、フィル
ター・キャパシティが2,900,000uFのコンデンサー)電流レールによるエネルギー供給、要するにアービターはいっさい の妥協を排した最初のプリ・アンプだ。
価格もまた妥協を許さないものだ(95,000マルク、食事代を除いて、一晩パバロッティをまるがかえできる額だ)。
魔法にかけられたように、あるオーディオ評論家は、「演奏と再現との間ののロスが、これほどぎりぎりまで抑えられ
たことはない」と批評し、本来、社内用として製造された「測定機器」を真のUber-Referenz(超高度リファレンス)とし て選定したのだ。
同様の評価から「デンマーク王」とさえ呼んだのだ。
デンマーク人特有の控えめな態度ながら、我々がこれらの評価を否定しないのは当然だ。
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