トゥイーターが1.000ワットの入力で、ダイナミック・コンプレッションを示した場合には、これはたちまちくず扱いにする
と、チーフ・テスターのニールセンは、デンマークのある曇った冬の朝に明言した。そして1.000ワットのドライバー試験 装置を開発したのだ。
ニールセンは、測定器を取り、重量わずか0.5グラムのドームに1.000ワットの信号を通した。
これが、ボイスコイルを台無しにすることなく発生する力(数千グラムの加速度、最大5キログラムの空気抵抗荷重)に
耐えた時、冷静なニールセンも胸が熱くなった。
デンマーク人であることに、あらためて誇りを感じたのだ。
ドーム・トゥイーターの完成のために最も重要なことは、管理の完璧を期すことだ。
このために気を配る。スカンデルボルクでは、これ以外にどういう仕事があるのだろうか。
機械に依存する管理は決してしない。そうではなく繊細な人間の感覚を利用するのだ。
とりわけ、女性の指を使う。
具体的には、ドームの固さやコイルの品質を敏感に検査するのだ。デンマークの女性の鋭い目は、冷静だが休むこと
なく調べ続けるのだ。
特に、ドームの形状の欠陥やファブリックの好ましくない延びを点検する。
だが、デンマーク外のメーカーに比べれば、当社では欠陥は遙かに少ないのだ。
すべてが完了すると、奇跡が起こる。
アルミニウム(コイル・ワイヤ)と銅(コネクディング・ワイヤ)とをハンダ付けするのだ。どうしてこれができるかは、当社の
生産技術上の秘密だ。 |