初心者向け(セッティング編)

Q1
オーディオ店で試聴して良かったものを購入しました。
でもお店で聴いたような音になりません。なんで?

まず、店で聴いた音と同じに鳴ることはありません。部屋の環境もセッティング方法も違うわけですから。

最終的に出てくる音は、機材5割セッテイング5割ぐらいで決まります。(いやもっとか!?)

折角、ベルリンフィルを呼んでも、普通の体育館で公演しては大無しであるのと一緒で優秀なオーディオ機器を購入してもセッティングを怠ると良い音で鳴りません。



Q2
オーディオ用のテーブルタップって必要?家庭用じゃだめ?
テーブルタップが増えるということは、介在物が増えると言う事ですので、不必要なものです。理想を言えば壁コンから直接電源を採れるならそちらから採りましょう。
ですが普通は壁コン2口程度しかありませんし機材の置き場所から壁コンが遠いなどあるのでタップを使わざる得ないかもしれません。

一概にオーディオ用だったら何でも良いわけではありません。
特に常識から考えても異常なほど高価な物は疑って掛かりましょう。
初めてのタップはクセの少ないシンプルな物が良いでしょうから、ブレード
にメッキのしていないシンプルで安価な物を選択しましょう。
とりあえず松下電器製タップでも大きな間違いは無いと思います。



Q3
機器をどういう風に置けばいい?

理想を言うと、スピーカーはしっかりとしたスタンドに乗せて、後ろと横の壁から
1mは距離を取り、スピーカーの間隔は視聴距離と同等より少し狭いくらいが良いです。
ツィーターを耳の高さに合わせて調整してください。
ウーファーは床や壁から離せば離すほどブーミーさが落ち、音をまとめ易くなります。

アンプやCDプレーヤーもやはり、しっかりとした台に乗せるのが基本です。

機材を乗せる台に木製の物を使えば木の音がしますし、ガラスを使用すると
硬質な音がしますので、台の材質等にも気を使ってあげてください。

うまくセッティングするアドバイスですが、


家具がほとんど置いてない部屋をオーディオルームにしてらっしゃる方がいますが
吸音パネル等に頼らないなら、家具は置いた方が良いです。

(過度に置く必要はありませんが)ある程度モノがないと反響が強く、聴き疲れします。(特に洋室)家具を置いて拡散と吸音をさせましょう。
ただしスピーカーの周りにはあまりモノを置かない方が良いでしょう。
すくなくとも共振しやすいモノは置かない方が良いです。

当店ではスピーカー側をライブ気味、リスニング側をデッド気味にしています。
一般的に
ライブ過ぎると残響が強く聴き疲れします
デッド過ぎると音が面白くありません。
適度なポイントを見つけて下さい。
固いモノを置くとライブになります。布やクッションを置くとデッドになります。
うまく反射と吸音をさせるのがコツです。

セッティングはオーディオの醍醐味でもあります。色々研究してみてください。

↓なども参考にしてみて下さい。

セッティング例
http://www.yoshidaen.com/gakko.html

Q4
機器を積み重ねていいの?

積み重ねない。理想を言えばそうしたいですよね。
しかし、快適な生活空間を確保すると言う意味から言えば
積み重ねるのもやむを得ないと思います。
積み重ねても致命的なほどの決定的な違いはありませんから
しょうがないと思ったときには積み重ねちゃいましょう。
でもスパイクを使う場合は、下の機器をキズ付けないように
スパイク受けを考えましょう。
メーカーによっては振動分離するようなスタック
(積み重ね)できるラックなんかも出ているようです。


Q5
スピーカーの下にインシュレーターを置く意味はなんとなく理解できるけど
CDプレイヤーやアンプの下に置く意味はあるの?
あります。
我々の体験では間違いなく変化します。
例えば、アンプのスパイク有無では有の方が音が解像度が高く、明瞭に聴こえます。

なぜ、変わるか少し考察してみましょう。
振動はの発生源は、

1.スピーカーからの空気振動
 音は空気を振動させて伝達します。
 学生の頃、こんな理科実験やったことないでしょうか?
 音叉による実験で2つ音叉を少し離して並べます。
 片方の音叉を叩くと共鳴してもう一つの音叉も鳴り出します。
 これと同じくスピーカーからの音が機器を共振させるのです。

2.スピーカーからの共振振動
 音を伝える媒体は空気だけではありません。
 スピーカーの振動が床やラックを伝って機器に影響を及ぼします。
 マンション住まいの方なら分かるかと思いますが、分厚い鉄筋コンクリートの壁が
 あるのに隣や階上の生活音が聞こえたりします。
 (実は鉄筋コンクリート自体は意外と音を通しやすいです。)
 材質にもよりますが、音は振動しつつ減衰して行きますが、弾性の高い物質は
 減衰しにくい為です。

3.機器そのものの電気振動
 ここは無視してもという気もしますが、電気が通る箇所は微少ながら振動します。
 もうここまで来ると科学的に説明するには我々では学が足りませんが、スピーカー
 コードを固定しただけで僅かながら音が悪くなったりします。


Q6
コンセントの極性は合わせるべき?
是非、合わせましょう。なんと言ってもお金がかかりません。
電源状態によっては大きく音が変わる場合があります。
気をつけるべきは、元々のコンセント事態が極性を間違っている場合も
(あってはいけないのですが)ありますので、一応疑ってみましょう。
音の変化に敏感な人でしたら、極性を換えてどっちが正しいか分かるはずです。


Q7
定期的に掃除すべきものは?

端子が金メッキでなければ、年に1回ぐらいは接触点を目の細かいヤスリ(1000番ぐらい)で磨いて下さい。錆がひどい、接触が悪い場合、接点復活材を使用してみてください。


Q8
吸音パネルとか音質改善グッズはいる?

基本は、気に入らないところが無かったら、買うな!です。
改善すべき点が見つかったら考えましょう、ご相談下さい。


Q9
機器のエージングっているの?

アンプに電源を投入して2時間、音は刻々と変わっていきます。
それが分からないと言うことでしたら、貴方にとってエージングは必要ありません。

逆にそれが分かるようなら、音を聴いてエイジングが必要なことが分かって
いらっしゃるでしょう。



Q10
マンションに住んでいますが大音量で音楽を聴きたいですが隣近所に迷惑が掛らないか不安です。巧く遮音、吸音をする方法を教えて下さい。

音は目に見えない物、意外なところから他人に迷惑がかかります。
200インチの大画面は壁さえあれば楽しめますが、100dBを超える
音響はそのエネルギーから考えると大変難しいものです。

少なくとも夜中、大音量再生は止めましょう。
どうしてもと言う場合はヘッドフォンを使うのもやむを得ないでしょう。

わずかでも苦情を減らしたいなら、振動を制御する、吸音をするしかないでしょう。
床は、遮音カーペットやマットを利用する。クッションを置く。壁は防音シートや防音カーテンを張る。
隙間に目張りというところが一般の方に出来る範囲ではないかと思います。
ですが、80Hz以下の重低音はこれらでは吸音が難しいでしょう。

1,低音を諦める。
 実際に、大音量マニアが友達にいますが、ほぼ実物大の音響エネルギーを
 出していました。一軒家3階建て防音ドア込みの重装備、隣まで50メートル以上
 という恵まれた環境でしたが、その家の猫は隣近所でいぢめられていました。
 隣近所まで出かけていって聴いたその音は激しい重低音ばかりが聴けました。
 ここまで大げさでなくても、集合住宅の隣、特に階下に響く音は低音が主です。
 120Hz以下を諦めると、1kHz90dBくらいまではがんばれると想います。

2.本格的な工事をする。
 ヤマハはじめ音楽スタジオ関係の工事をするのが手っ取り早いでしょう。
 工事目安は200万円くらいから、このときに反響を計算に入れないと遮音
 だけを考えるとえらいライブな音になってしまいます。基本はピアノの
 練習用という目的ですからさらなる工夫がいると言うことです。

3,ご近所との人間関係を深める。
 こまっしゃくれたおぼっちゃまが弾いてるピアノというのはうまくても
 むかつきます。いつも明るく挨拶をしてくれるお子様が弾いてるピアノは
 ほほえましい物です。近所と仲良くしてるとどの時間帯が邪魔にならないか
 情報が仕入れられてきます。その時に派手にならすというのも一つの手です。


Q11
和室でのセッティング
部屋が和室なので低音が弱い。音に響きが足りない。和室でうまく鳴らす方法を教えてください。

日本人音楽ファンの多くは多分畳の上で聴くことを強いられると想います。
吸音材としては中々の性能を持つ畳なのですが、セッティング材としては
難しい物があります。
まずスピーカーですが、畳の上に少々の低音ではビクともしない重たい台を用意しましょう。これで押さえつけて堅い台と見なせるようにします。
分厚い御影石等が適当でしょう。
更にスピーカーにスパイクが着いていたなら利用しましょう。
これで畳臭さの3分の2くらいは解決できるでしょう。
畳の部屋はデッドになりがちで、音がぼけることはありません。

アンプなどのセンターシステムは、重たいラックやボードを擁して堅い土台を作る
事はスピーカーと同じです。