ラウドスピーカー・デザインの歴史の中での画期的事件だ。革命的設計構想にに基づき、フレデリック・リックマン、マ
ルク・トループ、アンデルス・ラッセンが作り出したものだ。
パラレル・ウォール(平行壁面)がないので、好ましくない共鳴は皆無だ。
これに劣らない革命的効果がある。外観にうるさい人にとっても、オーディオファイルにとっても魅力あるスピーカーと
なったことだ。
ファセットのウーファーは、巨大な75ミリボイス・コイルが装着されているので、最高のトランジェント・ピークでもエネル
ギーは完全に制御される。
ミッドレンジはディナウディオが開発したMSP製であり、その均質性は通常の基準では達成できないものだ。
トゥイーターは後部減衰され、好ましくない後部放射エネルギーは完全に吸収される。
マイスターの手によって製作されたキャビネットには、有名なディナウディオのBLR(バック・ローデッド・ラジエーター)シ
ステムが組み込まれており、クリーンな深みのある低音を作り出す。
すべてのディナウディオスピーカーと同様に、各ファセットでは高価な補正回路に基づく4オームの直線インピーダンス
(接続アンプにとって理想的)が実現される・
このように、あらゆるディテイルも誠実に加工することで、どんなに小さな細部に至るまでも録音が忠実に再生される
のだ。
そこで、この形態では従来達成不可能と思われいた真の理想がやっと実現されたのだ。
ファセットにとって、デザイン・ミュージアムは設置場所としてふさわしくはなく、まさにその理由から、品質の高さを
日々証明できる場所にこそふさわしいのだ。 |