真実の息は長い。当社のスピーカーの息もまた長い。この息の正確な長さについては、当面、
当て推量するしかないことはお分かりいただけよう。当社は17年たったばかりだからだ。
すでにお気づきのように当社では、他の多くの高級消費財メーカーよりも、製品の生産過程に一層の努力を払ってい
る。
当社のスピーカーが極めて頑丈なのは、このためだ。
熱狂的なディナウディオ支持者からの、多くの素晴らしい投書が、これを証明している。
例えば、あるハイ・エンド・ディラーからの手紙は、水道管の破裂事故で水浸しになった後でもなおスカンデルボルク
製のスピーカーが使用可能であったと伝えている。
他社製品の多くは、修復不可能なほど膨れ上がってしまったのだ。
だが、これは偶然だったかもしれない。ロランドのディスコ・オーナーが経験したように。
この場合、アンプの欠陥のためディナウディオのバス・スピーカー(ウーファー)のボイス・コイルが加熱してしまったた
め、メンプレンを抜けて溶けだしたのだ。
ボイス・コイル自体は全く無傷だった。
ラウドスピーカーが最も厳しく試されるのは、スタジオでの専門的使用の場合だ。
作りが完璧でなければ、数日で故障する事が多い。
この為通常の場合、スタジオ用スピーカーはとりわけ、サウンドの良さよりも耐久性が要求される。
それでも、わざわざディナウディオのシャーシーを使用するスタジオが多い。
長時間にわたる過大な負荷を課してもシステムが全く無傷で耐えることができるのが第一の理由だ。
敏感なスタジオ・エンジニアの耳に長時間耐えられるようなスピーカーを見つけるのが容易ではないのが第二の理由
だ。
ロンドンのエアー・スタジオでも、東京とニューヨークのソニー・クラシックス・スタジオでも、業界の標準となる新たな
正式BBC・モニターにディナウディオ・シャーシーを装着したBBCでもこの事情は同じだ。
このページの冒頭に提起した問題は、今後なお何世代ものスタジオ・ミュージシャンの心を煩わすことになるだろう。
とはいえ、この最後のデンマークの大きな謎はいつの日か解決されよう。
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