1.日本では

日本ではすべてが違う
 
壁の厚さとバス・ボリュームとの相関関係が、学問的研究の対象になったことはこれまではない。

欧州の音楽に対する日本人の情緒的関係は、エロイカ(ベートーヴェンの交響曲第3番)及びこれに匹敵する画期的な
標準的古典作品の鑑賞に限られていることが、専門家の間での定説になっている。

このような趣味の不安定性は、サウンドに対する極東の観念にもはっきりと確認される。

強烈なサウンド(「中間の王国」)、黄金の鐘、あるいは少なくとも堂々としたイメージを持つものが愛好されるのだ。




シュ、ドン

外国ではドイツ人はすぐ見分けがつく。多くの高音、多くの低音...これが多くの人に印象を与える。

そこで録音や装置の欠陥がぼかされることになる。

最も、この典型的ドイツ人の自負心が自己目的になることがしょっちゅうあるが、その場合、音楽ではなく、ドイツ人の
作るスピーカーが全面に出てくることが多い。


できるだけ低く
生粋のアメリカ人は38より45の方が好きだ。これはスピーカーについても当てはまる。

できるだけサイズが大きく、できるだけ大きな音が出、できるだけ深い音が出るものが好きなのだ。

このいわゆるウエスト・コースト・サウンドがサーフ・ミュージックを一段と引き立てる。
だが、クラシックやジャズの場合、より高い真実がもっとあればよいと痛感させられることが多くなるのだ
 
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