Consensus Audio Lightning SE

定価 \2,520,000 (税込)



システム 2-way エアフロー・ダンピング
キャビネット 共振制御合板(ぶな7層貼り合わせ)
ユニット構成 1.2インチ・セラミック・ツイーター × 1
7インチ・セラミック・ミッドウーハー × 3
(Accuton(独)製ユニットのオリジナルカスタマイズ)
クロスオーバー 2.5KHz
インピーダンス
能率 91dB
推奨アンプ出力 15〜200W
周波数特性 28Hz〜35KHz(-3dB)
入力端子 シングルワイヤー、WBT製(プラチナコート)
ネットワーク ムンドルフ製パーツのオリジナルカスタマイズ
外形寸法 1120 (H)×260(W)×420(D) mm
重量 40Kg/1台
◆オプション◆
スパイクセット(262,500円/税込)
スピーカーケーブル(483,000円/税込)
ダイヤモンドツィータ(1,683,000円/税込)
今回は高額商品のお話です。

これがチョット凄い。
去年暮れにLuxmanさんがデモで持ってきてくれたのですがその時の見た目の第一印象としては
「迫力の無いハイエンドスピーカーだな・・・」
と言うのが正直な感想。
だいたい、大きさがFocus220程度しかない。
Focus360とは親子程の差で美しいピアノ塗装キャビネットや高価なユニット搭載されているとは言え大きさから言えば、とても240万には見えない。

Consensus Audio(コンセンサスオーディオ)は聞きなれないメーカーですが、新興メーカーです。
ラックスさんの説明を聞くとチョット面白い。
設計者(Stefan Fekete氏)の経歴は元々、航空力学を専攻後、自動車のマフラーを設計製造していた人で、何を思ったかオーディオ業に転身。
欧州ハイエンドスピーカー(恐らく見た目からしてルーメンホワイトでしょうね。)を設計した後、自身で会社を興したそうだ。


マフラーを設計していた経験が生かされたのか不明だが、吸音材を一切使用してない。
(勝手に予測でルーメンと言ってますが)ルーメンも吸音材を使ってないし同じAccuton製ユニット(実際はカスタム品なので違う。)
ルーメン程奥行が無く。デザイン的にはコンサバになった。
音は結構変わったなと言う感じでしょうかか。(ルーメンは少ししか聴いたことが無いので詳細な比較はできない。)
今のところ、日本に入ってくるのは一番安いLightning SE(240万)とMagma(390万)だそうですが、本国では、もっと高額なモノが多数あるようです。
ちなみにオプションでダイヤモンドツイーター(160万)に変更も出来るそうです(苦笑)

さて実際音を出すと、本当に普通の音が当たり前のように鳴るスピーカーで音楽性?(笑)のカケラも感じない。
しかしである。これだけ普通に鳴るスピーカーはチョット無い。

聴いて欲しいポイントの一つは癖の無さ。
ツイーターからウーファーまで同じ素材のセラミックユニット。セラミックは固有周波数が可聴外である。だからかは分からないが、癖や余計な音色が一切乗らない。

そして次のポイントはこれもユニットが同じだからか(?)ハイスピードでしかも位相の揃いが良い。
特に低音の速さ。これはかつてない速さかもしれない。
当店が、なぜ大型スピーカーをあまり薦めないのか?(Q&Aコーナーにも少し書いてますが)
一つは低音を欲張るとスピードが落ちるからです。
低音は一番、振動エネルギーを発生するのですが、そのエネルギーを解放すると、ウーファーユニット自体が鳴りやまない場合や、キャビネットが鳴りやまない場合が多くモッサリした音になる。
如何に高額なハイエンドスピーカーとはいえ、全体的にヌルく感じる。
だから当店では低音再生には不向きなSP25をリファレンスの一つで使っています。

しかし、Lightning SEは小さな躯体からは考えられないような低音の量感がある。
しかもスピードがブックシェルフ並みかそれ以上のレスポンスである。
特にキレ(鳴り止み)の部分は特筆モノ。これはユニットのせいもあるだろうが、このスピーカーの構造も関係しているのだろう。
実際、吸音材を使用せずに反射音を完全にコントロールするのは相当難しい技術だが、変な位相の狂いもほとんどなく高解像力で自然の音が出てくる。


当店で低音チェックに良く使うマーカスミラーのCDをかけると、「同じCDか?」と思える程、低音の情報量が違う。
ベースを部分をクローズアップして聞くと、普通のスピーカーでは「ボーンボボーーン」としか鳴ってないが
このスピーカーで聞くと「ボォーン、ボ、ボォォーン」と鳴る。
・・・・
・・・・
・・・・







・・・・説明下手ですみません(汗)。

音が鳴りやまないとアタックとアタックの間が団子になり、単純に「ボーン」と鳴るのですがベースの弦自体振動してるので、うねった様な音になります。
音が鳴り止んでる部分とかウネリとかそういった部分を物凄く、忠実に再生してくれるスピーカーです。
これ以上説明しても伝わら無いでしょうから後は実際試聴してみられる事をお勧めします。



「音楽性の無いスピーカー!?
いやいや、音楽性は既にアーチストがCDに込めています。
後は忠実に再生すれば、アーチストの込めた音楽性が楽しめるはずです。」
そんな気持ちにさせてくれるスピーカーです。

個人的には誰でも、少し頑張れば買える価格帯に出して欲しかったスピーカーですね。
趣味的な音はしないのでオーディオフリークの方には好き嫌いは別れると思います。
ただし、本当の意味でモニタースピーカーと言えるでしょう。
そして当店のリファレンスSP25を引退に追いやったスピーカーがやっと見つかりました。

冒頭に見た目小さなスピーカーと言いましたが、日本の家屋の事情を考えると、このサイズは実に使いやすいサイズだと思います。
リスニングスペース10〜20畳程度ですとLightning SEで丁度良いでしょう。
もっと広めのお部屋には上位機種Magma(390万円)が良いと思います。

余談:
実はこのスピーカー、当店には今年の4月末ぐらいに展示品として入荷していました。
この時期まで御紹介できなかったのは、輸入代理店であるLUXMANさんのデモ機の音ような素晴らしい音が当店の展示機から音が出なかったのです。
個体差が激しいスピーカーと思っていて、「ハズレを引いた」と半ば諦めていたのですが
高価なスピーカーですからLUXMANに問い合わせたところ
担当者のアドバイスは鳴らし込みが必要なスピーカーですから、もっと鳴らし込んで下さいと言われました。
当初約200時間エージングした後さらに100時間程度ならし込んでみたところ、やっと本領を発揮し始めました。
どうやら、エージングには覚悟が必要なスピーカーのようです。