#4722レンズのお兄さん現る
AMMラボ AM105i
                  販売価格 176,400円(税込、ペア) 

現在、吉田苑的ブームのフルレンジ、この先鞭をつけたのが四七研究所のレンズであることは記憶に新しい。
しかし10センチフルレンジの正当性を発見し、形にしたのはAMMラボだ。この卓越したユニットを、47研の立場から
エンクロージャーを作ったわけだ。では、ご本家、大村氏のAMMラボが作るとどうなるのか?
大変期待されるフルレンジがこのAM105iなのである。


キャビネットはレンズよりかなり大きく感じる、ツヤあり塗装は6回に
及び、デザイン面より共振をコントロールする目的というのは、
同じ開発意図だ。
バスレフポートはユニットから最も遠いボトムエンドにスリット形状で
開けられている。、容積とバスレフコントロールで更に低音の拡張を
狙ったようだ。
ユニットも見た目の印象が違う。アラミド繊維の上にポリマーで振動版の
強度を上げている。
写真では分かり辛いが、反射によってはでこぼことして印象だ、
エッジも少し堅めに思える。
塗装も仕上げもわずかではあるが、もう少し完成度が欲しいところ。

とはいえ、一般のスピーカーよりは随分小さいし、ストレス
無くセッティングしやすいだろう。音に関してはレンズと
同じように、フルレンジとは思えない、広く感じる周波数
帯域、強固な印象の音像が浮かぶ。
スピーカーは、そのトランスヂューサとしての性格から
どうしても設計者の考え方がにじみ出てくる製品だと思う。
例えば、大村氏が手がけたレンズには、四七研究所の
木村氏の音楽観が出ていたように思うのだが。
設計者として、あえて個性をなくす方に意図的な設計なの
か、モニター的な再生音になっている。組み合わせに
よってはすっきりした低音が弱みになることも在るので、
アンプは慎重に選びたい。

8月23日
 ご紹介してからしばらく経つが、やっとエイジングというか慣らし運転が
すんだのでご報告する。なんやかんやと店内が忙しく、
あまり鳴らしてなかったのでエイジングと言うほどでもなく
音は変わっていった。最初は4722レンズに比べ、
色気とエネルギー感が足りず、モニター調と述べた。
しかしながらモニターライクな響きに中域がしっかりと
乗って全体域に良い意味で「ノリ」が加わった。
 フルレンジらしい点音源、本当にビシィッって音がしそうな
程決まる。低域のスケール感は4722レンズを上回る、
「ワルツフォーデビー」ではスコットラファロのベースは
余すところなく再生されている。
高域には、やや突出する癖はある物の、低域に対して
不足感を持たせないための工夫なのだろう。
フルレンジの窮屈さを感じさせないバランスが4722レンズ
だとすれば、フルレンジにあり得ないスケール感があるのが、AMM105だと言える。
バイオリン等、クラシック愛好者には前述の高域の個性が
耳に付く場合があるかも知れない。気軽に相談して
いただければ、定数の変更で上品なAMM105も出荷できる。