店長竹田の

「大後悔日誌」


’05諦めが肝心
’06無駄な抵抗
’07今日はこのへんで勘弁したる
'08 choSuchbe'chugh vaj bIHegh !
'09 性能の違いが、音質の決定的差でないということを教えてやる
'10 数を撃てばいいというものではない、よく狙え
'11 登頂をあきらめる勇気
'12 ベースキャンプで十分だ

'13 この音、おろそかには食わんぞ。
'14 どうして耳がほてるのかしら?これって本当?
'15 神は人間に一つの舌と二つの耳を賦与したるは、しゃべるよりも二倍多く聞くためなり
'16 やればわかる!! やらなければ、一生わからん!!
'17 人生という試合で最も重要なのは、休憩時間の得点である。
'18 「できること」が増えるより、「楽しめること」が増えるのが、いい人生。

2018/12/21 ベストバイモデル 
 
年末と言えば、各雑誌でベストバイや銘機賞が発表される時期です。
ですのでまねをさせていただき、私の個人的なベストバイモデルを発表させていただきます。
条件は、現行モデルであることのみです。今年発売になった等の時期的なしばりはもうけておりません。
その中から、コストパフォーマンスを重視して選定してみました。
支払った金額から得られる満足度を重視して選定していますので、上位に入ったモデルが下位のモデルより
音が良いというわけではございません。
 1位 nichicon ESS-P1S1 定価 594,000円(税込)



1位はまさかの家電製品が入りました。
このバッテリー電源の効果は大きく、S/N比の大幅な向上が可能です。
空間再現性を重視する吉田苑としては、これ以上満足度の高い機材は思い当たりません。

2位 DIATONE DS-4NB70 定価 1,296,000円(税込)



オーディオの進化を見せてくれたスピーカーです。
今までのスピーカーと違う世界を表現するため、初めて聞くと違和感を感じる方も多いようです。
そんな時は頑張って3時間聞いて体を慣らしてください。
そうすればこのスピーカーの素晴らしさをご理解いただける思います。

 
3位 JPLAY FEMTO 149ユーロ (約 19,000円) 
 

再生ソフトとして、最高峰の音質を誇ります。
インストールから設定までもかなり簡単になり、PCオーディオ入門者の方にも使えるようになった点で高評価となりました。
オーディオの最先端をぜひ体験してみてください。

4位 Nmode X-PM3  定価 140,400円(税込)



今までのオーディオ常識を覆したアンプです。
ACアダプター動作で軽量ですが、独自の世界を構築可能な高い能力を秘めています。
空間再現性を重視すする方にぜひ使っていただきたいです。

5位 SFORZATO DSP-Pavo 定価 399,600円(税込)



ネットワークプレーヤーではPCオーディオを超えることが出来ないと考えておりましたが、初めてこれならば
同価格で構築可能なPCオーディオシステムと同等の音質をだせるのでは、と感じたネットワークプレーヤーです。
PCをオーディオラックに設置したくない場合は最有力候補です。

 
6位 DALI OBERON 3 定価 86,400円(税込)



デザインと音質を高い次元で両立させた、価格破壊モデル。
音質だけでもこの価格帯ではトップクラスですが、物としての完成度も高い満足度の高い逸品です。

 
7位 CAMBRIDGE AUDIO EDGE シリーズ EDGE NQ 定価 594,000円(税込) EDGE W 定価 429,840円(税込) EDGE A 定価 753,840円(税込)

 

もっと上位に入るべきモデルですが、他候補が強力過ぎて7位です。
このアンプの完成度の高さと、音質を知れば知るほど適正価格という言葉の意味を深く考えさせられます。
CAMBRIDGE AUDIO の持てる技術を注ぎ込み、出来ることは全て盛り込んだにもかかわらず、この価格で販売出来るということです。
他、メーカーさんも見習って欲しいところです。

8位 Nmode X-DP7 定価 259,200円(税込)



CDプレーヤーに良質な物が無くなった代わりに、DAコンバーターに良品が出てきました。
単純にDACとしても優秀ですが、プリアンプ機能も実用性が高く手抜きの無い優秀なモデルです。
JPLAY FEMTO との相性も良好で、最高設定で安定して再生可能な点も高評価です。

 
9位 AIR TIGHT ATC-3 定価 414,000円(税込) ATM-1S 定価 637,200円(税込)





今までご紹介したことはありませんが、吉田苑店頭に常設展示してある真空管セパレートアンプとなります。
紹介せねばと思いつつ、今まで先延ばしになってしまっていた可哀想な機材です。ごめんなさい。
セパレートアンプ、セットで100万円コースではCAMBRIDGE AUDIO EDGE かこのセットがお勧めとなります。
良い意味で真空管アンプらしくない、現代的な鳴りを持ちワイドレンジで分厚い再生で
真空管アンプは柔らかい、というイメージを覆すタイトで張りのある瑞々しい音が楽しめます。

 
10位 日本テレガートナー M12 Switch GLOD 定価 345,600円(税込)



このモデルをベストバイとして紹介して良いのか悩ましいところではありますが、効果だけで考えればベストバイと言って良いと思います。
ハブに30万円!という思いは確かにございますが、接続した音を聞いてしまうと納得させる力を持っています。
 
分かりやすいように順位付けを行いましたが、5位以下はほとんど同列と考えていただいて問題ございません。
他にも CAMBRIDGE AUDIO AM10 や CD10、SOULNOTE A-0 等ギリギリで10位内に入れなかったモデルもございます。
 
来年はどのようなモデルが出てくるのでしょうか。
本日発売のため、候補に入れなかった 日本テレガートナー の新型ハブ magic やN社の新製品等
期待出来る候補もあるので楽しみです。

番外編

ZANDEN model 3100 定価 1,350,000円(税込) model 8120 定価 2,268,000円(税込)




ベストバイに入れて良い価格では無いため外しましたが、満足度という意味ではお勧めできるモデルです。 
現在の吉田苑ハイエンド部門のリファレンスアンプでもあります。
大型アンプならではの力感と、大型アンプとは思えない繊細さを両立可能な再現力はハイエンドアンプならではの説得力を持っています。

 
 
 
 
2018/12/13 CAMBRIDGE AUDIO EDGE A 定価 753,840円(税込) 
 
入門クラスのアンプやCDプレーヤーとしておすすめしていたイギリスのCAMBRIDGE AUDIO さんからハイエンドモデルである
高級アンプが3種類発売になりました。

プリメインアンプの EDGE A 定価  753,840円(税込)
ネットワークプリアンプの EDGE NQ  594,000円(税込)
パワーアンプの EDGE W  429,840円(税込)

創業50年の歴史を持つ老舗オーディオメーカですが、日本での知名度は低くご存じない方も多いと思います。
アンプからスピーカーまで製造している総合オーディオメーカーで
入門からミドルクラスまでのモデルを得意としており、ハイエンドメーカーというイメージはありませんが
手抜きの無い、質の高いモデルを比較的低価格で製造出来る技術を持った良いメーカーです。

今回は50周年記念モデルということで、今までコストの制約から出来なかったことを全てやり尽くした技術者入魂のモデルとなっております。

その中から今回は、プリメインアンプである EDGE A のご紹介です。

 
 
吉田苑が紹介するとは思えない、素敵なデザインのアンプです。
自覚はあるんですよ、普段吉田苑がおすすめしている機材のデザインが微妙なことは・・・
ですが、今回は音だけでなく、デザインまで良い稀少なアンプです。

 
 
特にこのボリュームノブの美しさ。
昔のゴールドムンドと同じローレット加工の手触りが快感です。
眺めて良し、触れて良し、の美味しいアンプです。

 
 
天板とヒートシンクのラインもきれいで、表からはネジも見えません。

音質評価の前にデザインを褒めるなんて、自分で書いていて驚きです。
ひょっとしたら初めてかもしれませんね。

 
 
入力も充実しており

RCA(ライン)入力 2系統
XLR入力 1系統
USB入力 1系統
ARC入力 1系統
同軸デジタル入力 1系統
光デジタル入力 2系統
ブルートゥース接続も可能です。
プリアウト機能もあります。

と、ネットワーク機能以外はほぼ全て網羅されています。

まずは、CDトランスポートを同軸デジタル接続し内蔵DACでCDを試聴しました。
まず感じたのが、アナログアンプらしい線の太さと位相特性の正確さです。
スピードもかなり速く、アナログアンプとしてはトップクラスの反応速度を持っています。
そして、中高域に薄く乗る独特の色気と、陰影の濃さ。
ブリティッシュサウンドを現代風にアレンジしたイメージで、ただ早いだけで無く
色気と湿り気を絶妙のさじ加減で加えてあります。

次に、CDトランスポートからNmode X-DP7 へ接続し、ライン入力で試聴しました。
さすがに単体DACが加わる事により、情報量が増え密度感も向上します。
入力のクオリティが上がると、音質が向上する素直さも持っています。

さらに、Nmode X-PM100 をパワーアンプモードで接続し EDGE A のプリ出力で試聴しました。
X-PM100 のストイックな端正さに、程よく EDGE A の色気が乗り心地良く音楽に浸れるようになります。
プリアンプを通すことによる音質劣化をあまり感じさせずに、程よく色気と陰影の濃さをプラスすることが出来る
優秀なプリ部です。
おまけにリモコン対応ですので、音量のリモコン操作が可能です。

プリメインアンプとしても良し、DACとしても良し、プリアンプとしても良し、さらにデザインも良いと、隙の無い
優秀なアンプに仕上がっています。

最後にPCを接続し、USB/DAC機能のテストも行いました。
ドライバーをインストールしたところ、見覚えのある設定画面が表示されました。

 

メーカーから発表された資料には、使用されているUSBデジタルインターフェースチップが公表されていなかったので
どこのチップを使用しているのか気になっていましたが、この画面を見て安心しました。
この設定画面は XMOS のチップ用設定画面です。
しかもドライバーは Version 4.47 という最新版です。

吉田苑がお勧めしている再生ソフト「JPLAY FEMTO」と大変相性の良いチップが搭載されているではありませんか。
このチップならば、最高設定で安定動作するはずですので、早速テストを行いました。

 
 
 
バッファーサイズを最小(8 samples)にしてから

 
 
DAC Link 1000Hz で様々なフォーマットで動作テストを行いましたが、安定して不安無く再生可能でした。

この一台で
プリメインアンプ
プリアンプ
USB/DAC
と、マルチに活躍できる上に個々の機能は水準以上の性能を持っています。

久しぶりにお勧めできる、良質なハイエンドアンプだと思います。

常設展示しておりますので、店頭にてご試聴可能です。
今週末は EDGE NQ と EDGE W まで全て揃えて、試聴会も行います。
ぜひ遊びにいらしてください。

 
2018/11/10 JPLAY アップデート 第一報 
2018/11/11 追記 ギャップレス再生可能です。

当店でおすすめしております音楽再生ソフト「JPLAY」が11月1日(木)にアップデートされました。
マイナーアップデートではなく、根本部分から作り直した大型アップデートとなっており
「JPLAY FEMTO」となりました。
使用感、音質共に大きな変化がございます。

東京オフ会とタイミングがかぶってしまい、実際に腰を据えてじっくりと取り組めたのは昨日からですので
これから大きく状況は変化すると思いますが、今まで散々おすすめしておいてアップデート情報を出さないのも
無責任ですので、現時点で分かっている部分をお伝えします。

私の個人的な感想レベルですので、勘違いや誤解が含まれている可能性がございます。
現時点では、一個人の感想程度とお考えいただき、正確な情報は 「JPLAY 日本語公式ページ」をご覧ください。
時間を掛けて検証をおこない 「JPLAY」側と情報交換を行った後に、新しい「JPLAY FEMTO」の
導入ページを製作する予定ですが、少し時間がかかりそうですので一日触ってみた感想をお伝えさせていただきます。

良い点、悪い点、どちらもたくさんございます。

まずは良い点から行きましょう

音質の向上。
旧「JPLAY」比で2割ほど音質アップしているイメージがあります。
もとから音の良かった「JPLAY」ですが、さらに磨き上げられ高音質再生ソフトとしての地位をさらに揺るぎない物にしました。

安定性の大幅な向上。
今回のアップデートの最大の目玉かもしれません。
吉田苑店頭では開店から閉店までずっと「JPLAY」が鳴っていることもありますが、1日に数回は必ず再生停止が起こりました。
今回の「JPLAY FEMTO」は今のところ停止したことはありません。
普通の再生ソフトに近い安定性を手に入れているようです。

TIDALの安定性向上と音質向上。
こちらも、大きく安定しました。
今まで再生出来ない曲が少なくない数ありましたが、それも再生出来るようになった点が素晴らしいです(出来て当たり前との声が聞こえてきそうですが・・・)
今までは、音質が良いからと妥協して使っていた部分がありましたが、純正再生ソフトに近い安定性がありそうです。
音質も大きく向上しています。

新規導入のハードルが大きく下がりました。
今まで「JPLAY」導入の際に最大の障壁となっていた MinimServer が必要無くなったため
新規導入の際の難易度が格段に下がりました。
データベースをPC内部に製作する事が条件となりますが、その範囲内においては簡単に導入、設定が可能で
これから、「JPLAY FEMTO」を新規導入することに関しては気軽におすすめできるようになりました。

良い点まとめ。
音質と安定性が向上して、今までのような
「音はいいけど安定しないね。」
から、普通の再生ソフトに近い安定性と、高音質再生の両立が可能となりました。
TIDAL再生プレーヤーとしても安定して使えるようになり、再生出来ない曲もなくなった(全ての曲を調べることは出来ませんが)ように思えます。
新規導入も簡単です。

次は悪い点ですが、単純に私が使いこなせていない部分もございますので、一般的なユーザーが使用している前提でのお話しです。

NASに格納したデータから音が出せない。(今まで通りMinimServerを使用すれば解決可能です)
今回の目玉機能の一つである 「JPLAY femtoServer」ですが、この機能を使用してNASに格納したデータを再生する事が出来ません。
「JPLAY」ホームページに解決方法が掲載されていますが、私のスキルでは相当努力しても無理でした。
おそらく、標準的なPC知識ではNASから音を出す事は現時点では難しいと思います。

この件に関してはNASを使用しないという根本的な解決方法もあります。
おそらくこの方法が最も確実で精神衛生上好ましい選択だろうと思います。
「JPLAY FEMTO」が現在の仕様を変更しない方針のようですので、以後吉田苑としては
NASを使用しない方法をおすすめする事になりそうです。

OpenHome準拠の「JPLAY」からDLAN準拠の「JPLAY FEMTO」へ
「JPLAY」開発の根幹である高音質再生という点からDLANへ戻ったようですが、ライブ物やクラシックのトラック切替部で
音が途切れるのは興ざめです。
音質と利便性(ギャップレス再生)を天秤に掛けての選択だとは思うのですが残念な部分です。

2018/11/11 追記

JPLAY FEMTO はギャップレス再生対応との連絡がJPLAYよりございました。
そのためにはコントロールアプリで指定する必要があります。
具体的には アンドロイド専用アプリである BubbleUPnP が必要で、BubbleUPnP 内のJPLAY FEMTO 設定画面より
ギャップレス再生にチェックを入れてください。

追記ここまで。

基本的にタブレットやスマホを使用しての操作前提の設計。
「JPLAY femtoServer」使用限定の話ですが、PCでの再生操作方法がありません。
ある事はありますが、通常の方法では無いので基本的にはアンドロイドタブレットかiOS機器での操作となります。
今まで通り MinimServer を使用する場合はPC上での操作が可能です。

悪い点まとめ
実は悪い点は多くないのです。
その最も悪い点もNASを使用しなければ解決可能です・・・
簡単にNASを認識してくれるようになれば良いのですが、Windows側の問題のようですので「JPLAY」側での解決は
難しそうです。


まとめのまとめ

いくつか問題はありますが、再生ソフトとしての音質は大きく向上していますし、なによりも安定度の向上が素晴らしいです。
安心して音楽に浸れるようになった点が最高です。
すでに「JPLAY」ユーザーの方は、迷わず「JPLAY FEMTO」へグレードアップを行う事をおすすめします。
NASにデータを格納している方は今まで通り MinimServer を使用すれば、大幅に安定度が増し音も良くなった「JPLAY FEMTO」
をお楽しみいただけると思います。
ですが 「JPLAY FemtoServer」 を使用してNASへ接続を試みると途端に牙を剥いてきますので、現時点では MinimServer の使用を
強くおすすめします。

JPLAY 日本語ページから購入された方は 11月30日(金)まで限定で 49ユーロ で購入可能ですので、お早めにお手続きください。
それ以後は 149ユーロ とかなり高価なソフトとなってしまいますので、アップグレードはお早めに。

新規導入に関しては、格段に簡単になったため気軽におすすめ出来るようになりました。
少し高価なソフトですが、高音質再生という意味においては追随を許さないレベルになっているように感じます。


 
2018/11/08 東京オフ会 ご来場ありがとうございました。 
 
11月3日(土)4日(日)と二日間にわたって行いました東京オフ会に多数のご来場いただき誠にありがとうございました。

今回は今までと会場が変更になり、初めての場所でしたので音響的にどうなることかと心配しておりましたが
素直な空間で、以外と簡単に収まってくれ比較的良い音がお届け出来たのではないかと思います。

吉田苑まで入れると 8社によるデモが各40分ずつで、6時間にわたる長丁場のイベントにもかかわらず
ほとんどの方が最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございます。

今回はいつものメーカーさんに加えて、DAIATONE さん ZANDEN さん SFORZATO さん CAMBRIDGE AUDIO さんに新しく加わっていただき
新しい風も入れることが出来ました。

イベントの内容ですが、普通のオーディオフェアとはかなり毛色が違います。
例えば、CAMBRIDGE AUDIO さんのデモの場合、商品の説明は5分もありませんでした。
最初に「今年の冬に出る新製品です。」 と、軽い紹介を行い、残りの35分はひたすらCDソフトの紹介です。
さらに、CDのプレス違い(ファーストプレスとサードプレス)による比較試聴まではじめて、何の試聴会なのか分からないほどでした。
Fundamental さんのデモなどさらに凄く、最初から最後まで音楽の話だけで、使用機材の紹介は結局一度もありませんでした。

このように、各メーカーさん共に本当に音楽好きな方が集まり、音楽イベントのような雰囲気で
楽しく進行したため、6時間があっという間でした。

最近は出張所ばかりで、オフ会は久しぶりでしたが私自身楽しめた素敵なイベントになったと思います。

今回お越しいただけなかった方は来年も開催予定ですので、ぜひお越しください。
きっと、お楽しみいただけると思います。




2018/10/18 Nmode X-PM3 クロック接続試聴記と音源をアップしました。 
2018/10/05 Nmode X-PM3 定価 140,400円(税込) 
 
2018/10/18 追記
外部クロックでの試聴記と音源をアップしました。
この項目下部をご覧ください。


オーディオ歴が長くなると、経験から色々なことが見えてきます。
しかし、今回はその経験が全く意味をなさないと痛感させられました。
皆様、着実にオーディオは進化していますよ。

Nmode さんから新製品が2機種発売されました。
ハーフサイズアンプのX-PM3 と フルサイズDAコンバーターのX-DP7 です。
その中からまずはX-PM3のご紹介です。X-DP7も近日中にご紹介します。

Nmode さんは今年の5月にロングセラーモデル X-PW1 の後継機種 X-PW1-MK2 を発売しました。
このモデルはX-PM100-10th等の10周年モデルで採用した新パーツ類を採用し、一層のキレ味と滑らかさを手に入れた
価格破壊とも言える優秀なアンプでした。
大人気で瞬く間に売り切れてしまい、11月の生産が上がるまで3ヶ月近くも欠品が続いている問題児でもあります。
本来ならばここでご紹介するべきアンプだったのですが、あっという間に売り切れてしまいご紹介する間もありませんでした。

それから半年ほどで、同じハーフサイズモデルを投入してくるとは思ってもいなかったので驚きと共に
同じようなサイズ、価格帯で2モデルも展開して大丈夫なのか?
と、心配しておりました。
特に X-PW1-MK2の完成度が高いだけに、余程の事が無いとお互いに食い合って共倒れの危険性まであると考えておりました。

特に製品を実際に目にする前に発表されたプレスリリースは一層の不安をあおりました。
そのプレスリリースで特に危機感を感じたのは以下の2点です。

ACアダプター付属・・・ACアダプター動作!! 下位モデルのX-PW1-MK2でさえ、立派なトランスで構成された
アナログ電源が搭載されているのに、上位モデルであるX-PM3がACアダプター(スイッチング電源)動作だと言うのです!

本体重量 2.3Kg ・・・いくら何でも軽くない?? X-PW1-MK2 でさえ 2.9Kg あるんですが・・・

古いオーディオの価値観に捕らわれた頭には、不安しか浮かびません。

不安を抱えたまま、ついにX-PM3が入荷しました。
箱から取り出した第一印象は、やはり「軽い!!」でした。
仮にも14万円(税込)もする高級アンプが、この軽さというのは衝撃的です。
ちなみに、重さで定評のあるDENONさんの同価格帯アンプは 16Kg もあります。

 
 
X-PW1-MK2 は入力セレクターの無いボリューム付きパワーアンプですが、今回のX-PM3はライン入力が3つ付いたプリメインアンプとなっております。
特筆すべき改善点としてついにリモコンが付きました!!

 
 
そして、ついに実際の音出しです。
音が出た瞬間にあまりのキレ味と生々しさに唖然としました。
ハイスピードアンプの代名詞とも言える歴代1bitアンプの中でも最速です。
音を出す前の不安など、一瞬で吹き飛んでしまいました。

「何だこれは!一体Nmodeさんはどこまで行くんだ!」

音が出るまでは、不安だらけだったため予想とかけ離れた音が飛びだしてきて狼狽してしまいました。

 
 
音の立ち上がり、立ち下がり速度が新たな境地まで上がっています。
軽量級故の低域方向の軽さを少し感じなくもありませんが、それ以上にこの軽さが音にプラスとして働いているように感じます。
試しに天板に重りを載せてみましたが、確かに低域方向のエネルギーは向上しますが、高域の抜けやスピードが落ちるように感じました。
今までのオーディオ常識が通用しない、軽量ならではの良さを持っているように感じます。

スピーカーの駆動力も十分で、DYNAUDIO EXCITE X-18 や Special 40 を繋いでも不満無く駆動しています。

さらに、背面に怪しい入力端子が・・・

 
 
何と、このアンプには外部クロックが接続出来るのです。
残念ながら、店頭のクロックがこのタイミングで全て貸し出し中で試聴出来ないのがもどかしいです。

取扱説明書で確認した所(アンプの取説なんて久しぶりに真面目に読みました)
スーパークロックを接続出来、 5.6MHz、6.1MHz、11.2MHz、12.2MHz、22.5MHz、24.5MHz まで入力出来るようです。
周波数を上げれば良いというわけではありませんが、入力する周波数によって音の変化があるはずですので
色々遊べそうです。
クロックが戻り次第、クロック入力有りの状態で試聴してお知らせします。
おそらくかなり大きな改善効果が得られると思いますので、凄く楽しみです。

このアンプを試聴する際は、先入観を捨ててください。
出てきた音をそのまま受け入れていただければ、新しい世界が見えてくると思います。

2018/10/18 外部クロック追加の効果 
 
ようやくクロックが戻ってきましたので、早速接続して試聴しました。
今回は Sound Warrior SWD-CL10OCX (定価 97,200円(税込))を接続します。

なるほど、メーカーさんが成長するアンプと言っている意味が良く分かりました。
全ての面でクオリティがワンランク上昇します。
さらに滑らかに、細やかな音が出るようになるのにエネルギーが上昇します。
通常、滑らかにするとエネルギーは落ちていく場合が多いのですが、このアンプはその両方が上昇します。
緻密で正確、それでいてエネルギーを失わないという、さらに見た目の貧弱さが信じられない音を出すようになりました。

本体価格 140,400円(税込) + クロック 97,200円(税込) + クロック用ケーブル hina 閃光 19,800円(税込) で
合計 257,400円(税込)・・・・確かNmodeさんのX-PM7は 291,600円(税込) ですから、中々悩ましい価格になってしまいます。

折角?微妙な価格帯になったので、もっと微妙にしようとマスタークロック Antelope Audio 10MX (定価 786,240円(税込))を追加してみました。
なんと総額 1,043,640円(税込)というハイエンドアンプに成長してしまいました。

実際このような使い方をする方はいないとは思いますが、出てくる音はその価格に納得しそうになります。
軽量級スピーカーを接続するという前提ではありますが 「生」の音にかなり近づくことが出来ているのではないでしょうか。

 

使いこなしのポイントですが、入力するクロック周波数で色々楽しめます。
入力するクロック周波数によって音質が変化するのですが、DA変換される以前のデータ形式で結果が変わります。
CD等の44.1KHz系信号である 88.2KHz や 176.4KHz には同じ44.1KHz系である 5.6MHz / 11.2MHz / 22.5MHz が相性が良く
ハイレゾの48KHz系信号 96KHz や192KHz には48KHz系の 6.1MHz / 12.2MHz / 24.5MHz が相性が良いです。
試しに44.1KHzのCD音源を48KHz系の24.5MHzで再生すると、クロックのインピーダンスマッチングが取れていない場合と
同じような派手ですが平面的な音になります。
これはこれで、派手な楽しい再生音ではありますが、僅かな違和感があり長時間聞くのは少し辛いです。
同系統の22.5MHzにすると、派手さは無くなるので一瞬寂しく感じますがじっくり聞くと、正しいのはこちらではないかと感じます。

アンプへの入力信号はDA変換後のアナログ信号なので、入力周波数による相性が出るのは不思議ですが
実際に試聴すると、明らかに相性が出ます。
ですが、入力周波数に関してはスイッチ一つで変更出来るので、色々試してお好みでお使いいただければと思います。

音源を用意しましたので聞いてみてください。

使用機材
スピーカー DYNAUDIO EXCITE X-18 Oberon
CDトランスポート hina HT02
DAコンバーター Nmode X-DP10
アンプ Nmode X-PM3
クロックジェネレーター(スーパークロック) Sound Warrior CL-10OCX
マスタークロック Antelope Audio 10MX

X-PM3 JAZZ.wav へのリンク

X-PM3 FAKiE.wav へのリンク

X-PM3 + クロック22.5MHz JAZZ.wav へのリンク

X-PM3 + クロック22.5MHz FAKiE.wav へのリンク

X-PM3 + クロック22.5MHz + 10MHzマスタークロック JAZZ.wav へのリンク

X-PM3 + クロック24.5MHz.wav へのリンク

音源アップ後にヘッドフォンで聞いてみましたが、ほとんど違いが分かりませんでした・・・
音色の変化ではありませんので違いが出にくいですね。
これは実際に体験していただかないとお分かりいただけないかも知れません。
お近くの方はぜひご来店いただき、体験してみてください。
遠方の方は貸出機がございますので、クロックとセットでご依頼ください。

2018/10/07 Nmode X-DP7 定価 259,200円(税込) 
 
先日に引き続きNmodeさんの新製品DAC X-DP7 のご紹介です。
その前に、先日ご紹介したX-PM3へのお問い合わせがございましたので、ここでお詫びしておきます。

前回、「歴代1bitアンプの中でも最速です。」

と書いたため 「上位モデルのX-PM7やX-PM100より音が良いのか?」とのお問い合わせをいただきました。
中途半端な書き方で、現X-PM7 / X-PM100 オーナー様に不安な思いをお掛けしてしまい誠に申し訳ございませんでした。

スピードに関しては、X-PM7/X-PM100より早いですが、音質はそれだけでは決まりません。
位相特性、情報量、エネルギー密度、帯域バランスの取り方等のバランスで音質(クオリティ)は決まります。

X-PM3は確かにハイスピードアンプですが、軽量モデル故の悲しさで大型スピーカーを完璧に駆動することは出来ません。
DYNAUDIO C1 等のパワーを要求されるスピーカーを接続してみましたがウーハーを駆動することが出来ませんでした。
比較的負荷の軽いミドルクラススピーカーまでで本領を発揮します。
そのため、上位モデルとの差別化はきっちりと出来ております。

店頭で試した限りベストマッチだと感じたスピーカーは DYNAUDIO EXCITE X-18 でした。
このスピーカーが相棒であれば、X-PM3の魅力である切れ込みの鋭さを存分に発揮出来ます。

DIATONE DS-4NB70 は厳しく、DYNAUDIO C1 は相当厳しかったです。
DIATONE DS-4NB70 は最低でもX-PM7クラスが必要ですし、DYNAUDIO C1が相手ですと X-PM100クラスが必要です。

上位モデルとの差別化はきちんと出来ておりますのでご安心ください。


さて、ここからは X-DP7 のご紹介です。
実はこのモデルもご紹介するのが難しいモデルです。
前モデルX-DP10の価格的には下位モデルに当たるのですが、中身のDAC部に関してはX-DP10とほぼ同じです。
X-DP10からヘッドフォンアンプ部を取り外し、DDコンバーター機能を省略したモデルがX-DP7となります。
ですので単純にDACとしてみた場合、X-DP10と同等なのです。
X-DP10ユーザー様でヘッドフォンアンプ部が必要無い場合、お買い上げ時にご依頼いただければヘッドフォン部への電源供給を止めて
お渡ししておりました。
この状態ですとX-DP7との違いはDDコンバーター機能が有るか無いかだけになってしまいます。

DACとしてしか使用しないのであれば、ほぼ同じ物が定価で約10万円安く発売されてしまいました。
X-DP10ユーザー様はさぞ複雑なお気持ちでは無いかと思います。
メーカーにはメーカーの都合があるでしょうし、X-DP10が発売されてから1年半経過しましたからDACとしてはそろそろ新製品の
投入時期である事は理解出来ます。
ですが、私個人の想いはお客様にに喜んでいただくことが最大の楽しみであり喜びでもありますので、今回の新製品には
何とも煮えきれない思いがございます。
今回の件でご気分を害されましたお客様には深くお詫び申し上げます。
メーカー側にも私の気持ちは伝えてありますので、何卒ご容赦いただけませんでしょうか。


しかし、機材に罪はありません。
DACとしては大変優秀なモデルですので、X-DP10は高価で厳しかった方や、ヘッドフォン部が必要無いからと候補から外していた方には
おすすめできる良いDACです。

 

上段が X-DP10
下段が X-DP7 となります。

LEDの輝度をかなり落としてあります。少し眩しかったので丁度良い感じになりました。

 
音質ですが、上でも書きましたがほぼ X-DP10 と同等です。
パーツ変更等、細かな改良が行われていますがX-DP10から買い換える必要はございません。

良好な位相特性、高い情報量とエネルギー密度、広大な空間表現力と、ナチュラルな再生音は色あせない魅力を持ちます。
DAC部に大きな変更を加えずに、後継モデルを出してきた理由は分からなくもありません。
普通後継機を出す場合、目新しさが必要ですので「DACチップに最新、最高の物を搭載しました!」等のカタログで自慢できる事を行います。
それをあえて行わずに、少し古いチップであるESS 9028 を使い続ける事は商売としてみると足枷にしかなりません。
ですがNmodeさんとしては、これが最良の音を出す方法だと考えているのだと思います。
大昔(30年ほど前)のDACチップである TDA1541 を使用したDACなど、今聞いても良い音がするので必ずしも新しいチップが
良いと言うことでは無いのかもしれません。

 

DDコンバーター機能が廃止されたため、デジタル出力端子が無くなりました。

 
色々と書いてしまいましたが、吉田苑のリファレンスDACはこの X-DP7 へ変更となります。
ナチュラルな音色がお好みの方には特におすすめできる、良質でコストパフォーマンスの高いDACです。


2018/09/29 DALI OBERON1 定価 61,560円(税込) OBERON3 定価 86,400円(税込) 
 
おすすめ入門クラススピーカー筆頭候補として2011年から8年間君臨してきた DALI ZENSOR シリーズがモデルチェンジされ
DALI OBERON シリーズとなりました。
先代があまりに偉大だったため、後継機の開発は大変だったと思います。

その中でも最も人気が出るであろう2モデル OBERON1 と OBERON3 のご紹介です。

 

左が OBERON1 右が OBERON3 となります。

OBERON1 は前モデル Zensor1 とほぼ同一サイズ。
OBERON3 は前モデル Zensor3 と幅、高さは変わらず奥行きを1cmほど伸ばしています。

 
箱から取り出して最初に感じたのは、高級感の大幅な向上です。
ハイエンドスピーカーの風格とまで言うと言い過ぎかも知れませんが、とても入門クラススピーカーの仕上げではありません。
木目シートの手触りは本物の木のようですし、見た目のリアリティも大きく向上し本物の突き板仕上げのようです。
さらに、フロントバッフル側の仕上げもマットホワイトとマットブラックの両方共に、丁寧で質の高い塗装がしてあり
手抜きがありません。
そして、この豪華なサランネット!
ざっくりとした粗めの繊維で編まれたネットが使用されていますが、色使いが絶妙です。
さすがデザインの国、デンマークだと感心しました。
音質のためにはサランネットを外して使用するべきですが、このサランネットは付けたままにしておきたくなるほどです。

 

OBERON1

まずは OBERON1 から試聴しました。
Zensor1 とは随分違います。Zensor1 は良くも悪くもどんしゃりでメリハリの効いたノリの良いスピーカーでしたが
OBERON1 はぐっと大人の雰囲気で、派手さは控えめです。
全体的に穏やかな表現で、よく言うと耳あたりの良い音色、悪く言うと抜けが悪くもっさりとした中域が気になります。
吉田苑としては、もっと明快で抜けの良い音が好みですので
素材としては悪くないので、この状態からどこまで抜けを良く出来るか改造予定です。

 

OBERON3

 
次に OBERON3 です。
これは素晴らしいです。高域の抜けがあとほんの少し足りませんが、引き締まった鮮明で筋肉質な低域と
透明度の高い中域。
バランスの取り方も絶妙で、特定の帯域を目立たせる事もありません。
改造しなくても十分に通用する高い完成度を持っていますが、足りない高域の抜けを少し引き出してあげるだけで
ミドルクラススピーカーとして十分通用する能力を得ることが出来そうです。

DALIさんは昔からそうですが、同じシリーズでもモデルごとに全て音色、傾向が違います。
今回も同様で、OBERON1 と OBERON3 は全く違う音作りがしてありますので、同一シリーズと考えるのではなく
全く別のスピーカーだとお考えください。

未改造状態では、ハイエンド風の味付けのされた耳あたりの良い OBERON1 直球勝負の OBERON3 とかなり傾向が違いますので
お好みでご選択ください。
OBERON1 が気に入った場合は、予算に余裕があってもOBERON1を購入するのが正解です。
逆にOBERON3が気に入った場合は、無理をしてでもOBERON3まで頑張ってください。妥協すると後悔すると思います。

久しぶりに良いスピーカーが出ましたので、Zensorシリーズ同様改造モデルも販売する予定です。

旧型のZensorシリーズですが、PICO / Zensor1 / Zensor3 の処分特価品 が入荷しております。
改造機、ノーマルモデル共にお買い得ですので、通信販売ページをご覧ください。
新製品の半額くらいで購入できますので、音質を考えると大変お徳だと思います。

2018/09/28 ミュージカル マリーアントワネット  

登山と一緒で定期的に現れるミュージカルコーナーです。
今回は現在博多座で上演中の「マリーアントワネット」です。

 
 
 
今までにご紹介した、エリザベートやレディベスと同じで作詞、作曲は ミヒャエル・クンツェ と シルヴェスター・リーヴァイという間違いない組合せ
ですが、エリザベートとは観劇後の余韻がかなり違います。
マリーアントワネットという実在に人物の生涯に沿って物語は進み、悲劇的なラストは心に響きました。
これは実際に体験していただかないとなかなか伝わらないと思いますが、ハッピーエンドとは違う生の歴史の重さを感じ
しんみりとした気持ちで帰途につきました。
観劇直後の満足感はエリザベートの方が良いですが、後からジワジワくるのは今回のマリーアントワネットだと思います。

 
 
主役のマリーアントワネット役とマルグリットアルノー役、さらにマリーの恋人のフェルゼン伯爵役、ルイ16世の 4 つの役がWキャストのため
理想の配役での観劇は至難の業です。
上のキャストが私が観劇した際の配役で、ほぼ理想に近かったですが欲を言うとフェルゼン役が田代万里生だと完璧でした(あくまでも個人の感想です)

伴奏は全て生楽器ですのでオーディオ的にも聞き所は多いです。
オーディオも楽しいですが、生演奏も素晴らしいですよ。
ミュージカルに限りませんが、ライブ、コンサートは本当に素晴らしいです。
オーディオ機器よりチケット代はずっと安いので生の音楽が持つエネルギーを是非体験してみてください。

博多座はほぼチケットが完売していますし、9月30日(日)までですので博多で観劇することは難しいですが
東京の帝国劇場10月8日(月)~11月25日(日)、名古屋の御園座12月10日(月)~12月21日(金)、大阪の梅田芸術劇場1月1日(月)~1月15日(月)
の3カ所で上演されますので、お近くの方はぜひお出かけください。おすすめです。

2018/09/19 東京試聴会のお知らせです。 
 
2018年 11月3日(土) 11月4日(日) の二日間、東京で試聴会を行います。
今回は出張所形式では無く、試聴会(各メーカーが持ち時間を持ち、それぞれ自慢の機材を試聴していただく)形式で行います。

会場はまだ確定しておりませんが、両国付近になりそうです。

出店メーカーさんはまだ確定ではありませんが以下の予定です。

Fundamental
SFORZATO
PsAudio(完実電気)
CAMBRIDGE AUDIO
ZANDEN
DIATONE
Nmode

11月3日(土) は午後1時~5時まで試聴会
11月4日(日)は午前 10時~12時 までフリータイム 午後 1時~5時まで試聴会

というスケジュールの予定です。

フリータイムはご予約不要ですが、試聴会は各会35人までの予約制となります。
近日中に予約ページをホームページ上に公開しますので、ご予約をお願いします。

会場、出店メーカー、スケジュール等、全て予定ですが、日程は確定です。
ぜひ、予定を空けておいてください。

ご来店お待ちしております。


 
2018/09/08 PsAudio DirectStream Power Plant P15 定価 1,026,000円(税込)    
 
昨日に引き続き電源装置のご紹介です。
昨日ご紹介したESS-P1S1は、家電製品をオーディオ用途に流用するという少し珍しい方法でしたが
本日ご紹介させていただく PsAudio Power Plant P15 は最初からオーディオ機器として開発された正統派です。

 
 
このゴージャスな感じ。まさに正統派です。
この DirectStream Power Plant シリーズは3モデルがラインナップされており、今回ご紹介する P15 は真ん中のモデルとなります。

下位モデルとして P12 定格出力容量 1000VA 定価 682,500円(税込)
ミドルモデルとして P15 定格出力容量 1200VA 定価 1,026,000円(税込)
上位モデルとして P20 定格出力容量 1700VA 定価 1,458,000円(税込)

全モデル同時に比較試聴しましたが、上位モデルのP20とP15の間には音質上の違いはほぼありませんでした。
下位モデルP12と比較するとP15の方がややエネルギー感が高いですが、2台並べて比較試聴して始めて分かるレベルの違いです。
クオリティはほぼ同等ですので、必要な容量とコンセント口数に合わせてご選択ください。

 
 
AからEまでの5セットのZoneが有り、Zoneごとに独立しており個別に電源のオン/オフが可能です。

内部で何が行われているかを大雑把に解説すると以下のような流れになっております。

入力された商用電源を FPGA により DSD へ変換した後、 AC → DC → AC と変換させサインカーブを再生成しています。
特に新規開発されたFPGAは、出力の低インピーダンス化が大きく進化し従来モデルの3倍以上改善されたそうです。

簡単に言うと、今まで以上のハイスピード電源を一から作り直すことが可能で、さらに低インピーダンス化が進み
瞬発的な電流供給能力が大幅に向上しました。 というイメージで良いと思います。

前モデルから継承されている機能の一つに、入出力波形を見ることが出来るディスプレイがあります。
この機能は視覚的に効果が確認出来るため、説得力があり眺めて満足できる面白い機能です。

 

入力された商用電源の波形です。
電圧は103.9Vと十分ですが波形の頭が大きく潰れ理想とする波形にはほど遠いことが分かります。

 

これが、再生成後の出力波形です。
絵に描いたように見事なサイン波が出力されています。
出力電圧は95V~115Vまで自由に設定可能なことも嬉しい機能です。

 

これはステータス画面です。
左側に入力信号(商用電源)の電圧、歪み率等が、右側に出力信号のデータが表示されます。
THD(歪み率)に注目です。入力時は3.4%も歪んでいますが、出力時は0.1%(メーカー発表では0.1%以下)に改善されています。

 

これは、昨日ご紹介した ESS-P1S1 の出力波形です。
こちらも見事なサイン波となっています。

 

ESS-P1S1 入力時のステータスです。
歪み率が0.4%ですので、歪み率だけ見るとPower Plantの勝利ですね。

 
ESS-P1S1 と Power Plant P15 を2台並べて、アンプへ電源を供給しつつ比較試聴しました。
ESS-P1S1 は 静けさが魅力です。バックグランドのノイズが減るため静かで広い空間に音が「ポッ」と立ち上がります。
この静かで美しい表現力は唯一無二の魅力を持ちます。
Power Plant P15 はアメリカです。
太く厚みがあり、力が満ちあふれる感じはこれもまた魅力的です。
厚みは出ますが、決して大味になることはありません。細かな音もきれいに出て来ます。

ESS-P1S1 が 日本の渓谷美とすると、Power Plant P15 はグランドキャニオンのイメージです。
どちらも渓谷には違いありませんが、静かで美しい日本の渓谷と、野性的で荒々しいグランドキャニオンと
製作された国の景色が見えるようで面白いです。

どちらのモデルも、スピードが落ちない点が共通した美点で、ハイスピードな電源でもあります。

空間表現力という見方をすると、ESS-P1S1 の方がやや広い空間を表現可能で、定位の表現力に特に優れています。
エネルギー感という見方をすると、Power Plant P15 の方が力強く、厚みがあります。

空間を重視するか、エネルギーを重視するか、でご検討ください。

ニチコン ESS-P1S1 / PsAudio Power Plant P15 両モデルとも店頭展示しておりますので、ご試聴可能です。
電源装置の比較試聴は中々できる場所が少ないと思いますので、お気軽に遊びに来てください。



2018/09/07 nichicon ESS-P1S1 定価 594,000円(税込)  
 
2ヶ月ほど前に導入し、現在の吉田苑メイン電源装置になっていながらご紹介が遅れてしまいました。
ほぼ同時期に発売された PsAudio の電源装置 DirectStream Power Plant シリーズと比較試聴してからでないと
ご紹介出来ないと考えて、Power Plant P15 を発注していたのですが入荷が遅れ、昨日ようやく入荷しました。
一晩通電して、じっくりと両者を比較試聴しましたので、まずは nichicon ESS-P1S1 からご紹介させていただきます。

 
 
皆様、何だこれは?と驚かれたと思います。
どう見てもオーディオ機器には見えません。
しかもブランドは nichicon(ニチコン) です。私のように回路を弄る者ならば コンデンサメーカーの ニチコンとすぐに分かりますが
一般のユーザー様がコンデンサメーカーまではご存じないと思います。
吉田苑で改造機を製作する際にも良く使用するコンデンサメーカーで、特にアルミ電解コンデンサに良い物を供給してくれる
東証一部上場企業で信頼出来るブランドです。
大企業ならではのサービス網を持っているため、故障の際は自宅まで機材を取りに来てくれます。
しかも安心の10年保証付き(沖縄、離島地区は1年保証です)です。

最初に、ニチコンが電源装置を発売したと聞いたときには「なぜニチコンが電源装置?」と思ったのですが
内容を聞いて納得しました。

この ESS-P1S1 という機材は「ポータブル蓄電システム」です。
PC用語では UPS (無停電電源装置)と言った方が通りが良いかもしれません。
内部に巨大なリチウムイオン電池を内蔵し、停電時に瞬間的に内部電池へ電源を切り替える事により
停電に備えるのが本来の目的の機材です。

コンデンサも電気を蓄え、必要に応じて放電することが仕事ですので、規模が違うだけでやっている事は同じなのです。
電池容量は 2kWh で満充電状態の場合、通常の大型オーディオシステムの場合4時間ほどの駆動が可能です。
消費電力の少ないデジタルアンプですと20時間くらいは使用出来ます。

 
 
出力は2系統しか無いのが残念ですが、音質を考えるとあまりたくさんの機材を接続するわけにはいきませんので
これくらいが適量かもしれません。

通常時は、接続された商用電源から充電を行いつつ接続された機材へはスルー出力で電源を供給します。
そして、いざ停電時には自動で瞬間的に内部電池へ切替わり接続機器への給電を切らすことがありません。
これが重要です。作業中のPCの電源が落ちること無く使用が継続できます。
最も、この機能はオーディオでは重要ではありませんが・・・

昔からバッテリー駆動や電池駆動は、商用電源のノイズから遮断できるため理想的な電源だと
言われていました。
定期的にバッテリー駆動アンプが発売され、自作マニアの間ではどのメーカーのバッテリーが音が良いか等々
議論になるほどでした。
ですが、理想と現実は中々一致せず、実際にバッテリー駆動を行うと線の細い力感の乏しい音となり
陽炎の様な淡い表現となるのが常でした。
私が知る限り、鉛バッテリー駆動で良い音を出す事に成功したアンプはDYNAUDIO arbiter だけです。
このアンプは時価でプリ、パワーセットで 2,400万円ほどしました。
パワーアンプはモノラルで片chだけで140Kgあり、輸送に本当に苦労しました。
鉛バッテリー駆動で良い音を出そうとすると物量投入するしか方法が無く、このような化け物になってしまうのです。

しかし、時代は進み電気自動車の普及に伴い電池は鉛バッテリーからリチウムイオンへと進化し
信じられないほど高性能になりました。
小指の先ほどの小さなリチウムバッテリーでヘリコプターのラジコンが軽々と空を舞う姿を見て驚愕したのは
ほんの数年前の話です。

このリチウムイオンバッテリーならば良い音が出せるかも知れないと、常々考えてはいたのですが
実際に試す機会が無いままになっておりました。
そんなところへ、ニチコンさんがリチウムイオン電池の蓄電システムを発売したとのニューズが入ってきて
飛びつきました。

すぐに1台仕入れワクワクしながら充電し、試聴開始です。
「う~ん?」
確かに、商用電源の汚染から逃れることが出来ているようには感じますが、期待したほどの効果が感じられません。
クリーンで透明なバックグランドになってはいるのですが、全体的に濁った感じで躍動感に乏しく
きれいだけど楽しく無い音になってしまいました。
鉛バッテリーのような力の無さは感じられないので、もう少し透明度が上がれば使えるのではないかと
色々工夫してみました。



これはオリジナルの脚周りです。
タイヤと通常の脚の二段構えになっています。しかし、良く観察すると両方共プラスチック製で弾性を持たせてあります。
吉田苑オーディオの基本に従い、弾性のある物は外してリジットに固めます。
タイヤはプラスねじ4本で固定してあるので、ネジを外せば外せます。
右の脚は固定されていませんので、回すだけで外せます。

 


右側の脚を外すと都合の良いことにスパイクを立てるのにぴったりのM8ネジ穴でした。
早速M8のスパイクを立てます。
このM8スパイクはご購入者の方にサービスでお付けします。

 
スパイクを立てて設置すると、これが同じ機材かと疑うほど音が変化しました。
家電製品ですので、当たり前ですが音響対策は一切されていません。
そのため、脚周りを固めるという基本的な作業をするだけで、見違えるほど良い機材に成長してくれました。
焦点が合い、曖昧さや滲みが取れキレ味鋭い透明な世界が出現しました。
この時点で採用決定です。すぐさまPC用にもう一台発注し吉田苑店頭は現在 ESS-P1S1の 2台体制になっております。

この機材の最大の利点である、商用電源からの完全な遮断を行うために充電用の電源ケーブルにも少し手を加えました。
100Vの入力がある状態ではこの機材は何も仕事をしません。
ですので、オーディオ機器へ給電する際はESS-P1S1への給電を止めて、停電状態にする必要がございます。
コンセントを抜けば良いのですが、面倒ですし何度もコンセントの抜き差しを行うとインレットが劣化しそうで不安です。
そのため、給電用電源ケーブルに両切りのスイッチを組み込みました。
 
 

両切りスイッチとは言葉通りで、ホット側とグランド側の両方に接点を持つスイッチでこの両方を切断することが可能なスイッチです。
通常のスイッチは片側を切断するだけで、もう片側は商用電源に繋がったままです。
そのため両切りしないと完全な遮断にはなりません。
このスイッチを組み込んだ電源ケーブルもご購入者の方にサービスでお付けします。

 
気合いを入れて記事を書いたため長文となってしまいましたが、吉田苑が同じ電源装置を2台も導入したことはオープン以来はじめてです。
それほど、この機材は音質改善効果が高く使い方次第で色々な事が出来ます。

吉田苑店頭では、1台からアンプとDACへ供給しています。
これは、商用電源から隔離することによるS/N比の向上を狙った使い方です。
もう1台はPC専用になっており、オーディオ専用PCが1台だけ接続されています。
これは全く逆の使い方で、PCからの電源ノイズを完全に遮断する目的で使用しております。
もちろん、PC本体の音質向上にも繋がっていますが、それ以上にPCから電源を経由して入ってくるノイズを遮断出来る
メリットの方がはるかに大きいです。

通常型オーディオ電源装置は、商用電源を再生成して新たな電源を作り直すモデルが多く
同時に導入したPsAudio Power Plant も同様の方法を使っています。
この方法はこの方法なりのメリットがあるのですが、商用電源にコンセントは接続されたままで
この影響から完璧に逃れることは出来ません。

ニチコン ESS-P1S1 は今まで理想とされてきたバッテリー駆動を現実的なサイズと価格で実現できた優秀な電源装置だと思います。

注意点がございます。
家電製品のため初期不良でも交換対応では無く、修理対応となります。
修理の際は、メーカーさんが自宅まで機材を取りに来て、一旦代替機を貸し出し修理完了後に返却するというシステムとなります。


2018/09/03  ESOTERIC N-03T  定価 842,400円(税込) 
 
先日、SFORZATO DSP-Pavo をご紹介したところ、予想以上にたくさんの方からお問い合わせをいただきました。
やはり、PCオーディオは敷居が高く、興味があっても導入に踏み切れなかった方が多いのだと感じました。
お問い合わせいただいた中に
「DACは気に入った物があるので、トランスポートタイプのネットワークプレーヤーが欲しい。」
との声もございました。

ネットワークトランスポートとなると、入門クラスの SOtM sMS-200 Neo 定価 81,000円(税込)から
数百万円の超高級機までありますが、今回はその中から ESOTERIC N-03T を試聴しました。
N-03Tを選んだ理由は TIDAL と MQA に対応しているからです。
ストリーミングサービスのTIDALはMQAによるハイレゾ配信も行っています。
折角TIDALと契約しているのですから、その最高フォーマットであるMQAを聞いてみたいと
常々考えており、今回は良い機会でした。

MQA とは新しいフォーマットで、伝え方が難しいですが概念としては
「時間軸まで考慮した聴感上ロスレス圧縮技術」
翻訳すると
「位相特性とスピードまで正確に再現可能な、聴感上原音に忠実な圧縮技術」
と言ったところでしょうか。
平たく言うと
「音の良い圧縮ハイレゾ音源」ですね。

そのMQAを聞くためにはMQAに対応したDACが必要です。
実はまだその対応機種は少なく、イベント等で聞いたことはありましたが
店頭で腰を据えてじっくり音を聞くのは今回が始めてでした。

 
 
ハイエンドモデルらしい、高級感溢れる顔です。
まずは、DELA N-1AH20/2に保存した普通の音源(MQAではありません)で試聴スタートです。
相棒のDACには定番のNmode X-DP10を使用しました。

一聴して普段吉田苑で流れている音と違う事が分かります。
重厚感のあるゴージャスでリッチな音です。正統派ハイエンドオーディオの音と言って良いと思います。
デジタルデータを再生する機材でも、これほどの個性を持たせることが出来るというのも驚きました。
CDトランスポートはデジタル再生機といってもメカニカルな部分を持つ機械ですので、個性を持つことは
直感的に理解出来ますが、ネットワークトランスポートという機材はデータ管理とそのデータの再生が
主な仕事です。
その過程のどこでこれだけの個性を組み込めるのか、ESOTERICさんの技術に脱帽です。

中域の下くらいから低域に掛けて、分厚くこってりとエネルギーを乗せ高域は滑らかに減衰させ刺激的な音を
出さないようにチューニングされています。
これぞオーディオの音、という見本のような見事な再生音で、オーディオ歴の長い方がはじめてデータ再生に
挑戦するのに最適な機材では無いでしょうか。

Nmode X-DP10 も、普段と全く違う音をさらりと出してきます。
素直なDACですので、前段に接続された機材の個性を見事に表現しており、その懐の深さにも驚きました。


 
 
次に、今回の目的のMQA再生にチャレンジです。
音源をNAS(DELA N-1A)からTIDALへ変更し、MQA音源を再生します。
ただそれだけで拍子抜けするほど簡単にMQA音源の再生がはじまりました。
PCオーディオですと、このような新しいチャレンジの場合は、音が出なくて当たり前ですから
今回もそのつもりで構えていたので、なんだか拍子抜けしてしまいました。
このお手軽、簡単さがネットワークプレーヤーの魅力ですね。

2018/09/06 追記

お客様より、不正確な情報を載せるなとのお叱りを受けました。ありがとうございます。
このトランスポートでのMQA再生は、トランスポートとしての特性上、完璧なMQA再生にはなりません。
詳しい説明は省きますが、完璧なMQAの場合は元データが192KHzの場合192KHzで再生されますが
N03Tの場合 96KHz にデコードされます。
完璧なMQAデコードを行うには、トランスポートで無くMQA対応DACが必要です。
追記、ここまでです。

さて、肝心のMQAの音質ですがしっかりハイレゾしていました。
情報量が増え、レンジが上下共に拡大します。
前知識なしで試聴したら、普通のハイレゾ音源と思うのではないでしょうか。

ストリーミング再生でのハイレゾ配信はデータ量の問題で難しいのではと考えておりましたが
MQAならば問題無くハイレゾ配信が可能となります。

ダウンロード販売でハイレゾ音源をCD1枚分購入すると3,000円ほどかかります。
TIDALの全ての音源がMQA化されているわけではありませんが、月額2,000円ほどで
大量のハイレゾ音源が聴き放題というサービスは魅力的です。

ESOTERIC N-03T の再生音は、吉田苑の日常とは違う世界を表現してくれます。
少し変な表現ですが、まるでオーディオショップのような音がします。
普通に良い音がしますので、この世界がお好みの方もたくさん(オーディオ人工中99%くらいがそうではないでしょうか)
いらっしゃると思います。
MQAも聞けますので、ハイエンドオーディオ代表として展示導入する事にしました。

SFORZATO DSP-Pavo も展示導入しておりますので、両モデルの比較試聴も可能です。


2018/08/30  山へ登るということ 

オーディオショップのブログとして、オーディオとは全く関係無いブログを紹介する事が良いことがどうか分かりません。
ですが、オーディオに限らず「感動」する事は心の健康にとって大変重要だと思います。
今回ご紹介するブログは、はじめて3000メートル峰に登った方の手記です。
素晴らしい文章で、読んで涙が溢れそうになりました。
皆様もぜひ読んでみてください。

http://karoten512.hatenablog.com/entry/2018/08/20/010759


2018/08/20  カリカリチューンPCへの道   

前回カリカリチューンPC(もっとかっこいい呼び方があると思うのですが・・・)の話をしたところ
「どこまですれば良いのですか。」
とのお問い合わせをいただきました。

確かに、最近は設定に関して触れていなかったので、現時点で私が効果を確認したPC高音質化をご紹介します。
箇条書きで必要と感じる部分には注釈を入れますが
「読んでも全く意味が分からない。」
部分に関しては、無視してください。
理解出来ずに行うと、PC(OS)を破壊してしまう可能性がございます。
もっとも、私自身OSを何度も壊してしまい、その度にOSの再インストールをする羽目になりました。
この破壊、再生の過程でスキルを磨いたというのも事実ですから
「OSを壊しても再インストールするぞ!」
という猛者の方はどんどんチャレンジしてください。

OSはWindowss10を使用する。
再生ソフトは「JPLAY」を使用する。「JPLAY」が困難な場合は「Jriver」がおすすめです。
CPUは低スペックほど高音質である。スペックを下げすぎると音飛びするのでバランスが大切です。
CPU、SSD、HDDは可能な限り冷やす。理想は室温動作です。究極を目指すと水冷になります。
可能な限りCPUに仕事をさせない。再生中のCPU使用率1%以内を目指してください。
使用しないUSBポートはBIOS画面から全て動作停止する。
さらに、開きポートは全てUSBターミネータで塞ぐ。動作停止させても5V電源は供給される場合が多く、ターミネーターは必要です。
PC内部に無線関連装置を持たせない。かつ、無線装置は可能な限り遠ざける。
音楽データが通過するラインは有線接続する。
PC用の100V電源はアンプ類と違う系統から取る。nichikon ESS-P1S1 のように、家庭用100V電源から完全に遮断できる機材の使用推奨です。
OSを格納する場所(SSD等)と音源データを格納する場所は物理的に隔離する。パーティション分割では無くSSD(HDD)を2台使用する。
OS用SSD(HDD)は小容量ほど良い。
音源格納用SSD(HDD)は小容量ほど高音質。現実問題として1TB~2TBが容量と音質のバランスが良いと感じています。
定期的に「CPU burn-in」を使用して、全てのコアのエージングが進んだ状態を維持する。
USB/LAN 接続共にオーディオグレード専用カードを増設し、マザーボード出力は使用しない。
ハブは最優先投資対象です。オーディオ専用品をお使いください。
USBケーブルの質と長さは重要です。良いケーブルを可能な限り短くお使いください。2m以上のUSBケーブルはオーディオでは使えないとお考えください。
メモリは低容量ほど良い。4GBの1枚挿し推奨です。
「All core any cures」 を常駐させる。
PCからDAC側へノイズを伝わらせない対策。SOtM tx-USBultra12V/10M 等のアイソレーターがおすすめです。

まだまだあると思うのですが、多すぎて咄嗟に思い出せません。
思い出したら書き足していきます。

この中から、ご自分に可能な範囲で取り組んでみてください。
特にCPU使用率を下げる項目は大変リスクが高く、変なところを弄るとすぐにOSが不安定になります。
とりあえず3%まで下げればかなりの効果が出ると思いますので、まずは3%を切る事を目指してみてください。

 
 
2018/08/18  SFORZATO DSP-Pavo 定価 399,600円(税込)SFORZATO製品一覧 (通販、会員様ページからもお求めいただけます。)
 
 
2018/09/03 展示導入いたしました。店頭でご試聴可能です。


最近反省しております。
比較的低価格で良い音が楽しめる。と始めたPCオーディオがいつの間にかとんでもない価格になってしまいました。
もちろんその投資に見合うだけの音質を手に入れることは可能ですが、そのためには投資だけで無く
設定等の苦労も付いてきます。
その苦労まで含めて楽しめる方は良いのですが、嫌気がさして止めてしまう方がいるのも事実です。

もっと手軽に音楽を楽しみたいという方のためには、やはりネットワークプレーヤーをおすすめしなくてはいけない
と感じてはいたのですが、どうしてもおすすめできる商品が無く、入門用としてSoundgenicシリーズをおすすめするに
止まっておりました。
SFORZATO さんが良いネットワークプレーヤーを出しているのは知っていましたが、大変高価なため表立っておすすめしておりませんでした。

そのSFORZATOさんから驚くほど安価(今までのSFORZATOさんのモデルとの相対的な意味です)なモデルが発売されました。
40万円が安いとは言いませんが、少量生産の工業製品として見た場合、良くこの価格で出せたと思います。

 
 
話が前後しますが、ここで初歩的なお話しを少しさせていただきます。
店頭でお客様とお話しさせていただいていると、ネットワークプレーヤーとPCオーディオを同じ物と考えている方が大変多いと感じます。
この二者はデータ再生を行うという点は同じですが、向き合う物はかなり違います。

PCオーディオ
パソコン上で再生ソフトを使用して音楽を再生します。
頂点は高い代わりに、ある程度高いPC知識を要求し一般的なオーディオユーザーには少し敷居が高いです。
助言なしで全て自分で行うには、PCを自作できる程度のスキルが必要と感じております。
逆に言うと、PCを自作できる方であれば、頂点の高いPCオーディオをおすすめします。
日々(極端で無く本当に一日単位で音質が向上していきます)向上していく音質を楽しむ事が出来る反面
つねに情報収集と、試行錯誤が要求され、音楽を楽しんでいるのかPCオーディオその物を楽しんでいるのか分からなくなります。
これは、PCオーディオだけに限ったことではありませんが・・・
最大のメリットは、購入した時がスタート地点である事です。
それ以後は頑張った分だけ音質が向上し続け、まだまだ先があると感じます。
これは、PCオーディオならではのメリットで有り、楽しみだと思います。

ネットワークプレーヤー
音楽再生に特化したPCを内部に組み込んだ再生装置で、将来的な伸びしろはほぼありません。
購入したときから、将来にわたって同じクオリティを保ち続けます。
ファームウェアのアップデートという形で、メーカー主導での音質アップの機会があることもありますが
ご自身の手での音質向上はCDプレーヤーと同じで、あまりありません。
この点が、伸びしろの大きいPCオーディオとの最大の違いですが、何もしないPCオーディオシステムと比較すると
出発点がかなり高く、購入時点での音質はネットワークプレーヤーの方が良いと思います。
データ管理に別途PCは必要ですが、音楽再生その物にはPCを使用しません。
比較的簡単に使用可能ですが、音質の頂点はPCオーディオに及ばないと感じております。
この場合の比較対象であるPCオーディオとは、 オーディオ専用PCを使用し再生ソフトを吟味し
かつ設定を徹底的に詰めた、カリカリにチューンされたPCオーディオシステムとの対比です。
ノートPCに無料の再生ソフトを入れただけでしたら、ネットワークプレーヤーの方が高音質ですので
通常はネットワークプレーヤーの方が高音質とお考えいただいて問題無いと思います。

このように、PCオーディオとネットワークプレーヤーは大きく性格が違う物です。
PCオーディオは素材で有り、そこから成長させるための努力と研究が必要です。
ネットワークプレーヤーは、最初から良い音がしますが成長の余地はあまりありません。
ほとんどの方はネットワークプレーヤーを導入した方が幸せになれるのでは無いでしょうか。
それでは、なぜ今までPCオーディオばかりをすすめたのだと怒られそうですが
同じ投資額の場合、最終到達点での音質はPCオーディオの方が上だと感じているからです。
オーディオ機器を販売する以上、その予算内で可能な最高音質再生の方法を知ることは重要だと考えております。

オーディオを販売する者として、少しでも高音質再生が可能な可能性を持つシステムをご紹介してきたつもりですが
データ再生に関してはもっと簡単に、それこそCDプレーヤーのように気軽に接することが出来る機材を
おすすめするべきとも、常々感じておりました。
しかし、ネットワークプレーヤーを試聴するといつも考えてしまうのです。
「この価格のPCオーディオならば、もっと良い音が出せる。」
もちろん、こう考える際のPCオーディオとは同価格で組めるカリカリチューンのPCシステムです。
この考えが間違いの元で、おすすめネットワークプレーヤーが見つからない状況が長く続いておりました。

しかし、やっと同価格で組めるカリカリチューンPCオーディオシステムと同等の音質を持つネットワークプレーヤーが現れました。
それが、今回ご紹介する SFORZATO DSP-Pavo です。

 
 
後ろに出ている白い箱は、付属品のマスタークロックです。
SFORZATOの全てのモデルは音質のためにクロックを外付けにしています。
データ再生の肝はジッター対策とお考えの上での方法だと思います。
10MHzマスタークロック付属で40万円と考えると、凄く安く感じてしまいます。

さて、肝心の音質ですが、緻密で正確、それでいてエネルギーを失わないという大変優秀な物です。
日本的な美しさである、線の細い緻密な模写をしつつその細さの中にエネルギーが満ちているイメージで
ピンピンに削ったばかりの2B鉛筆のような表現力を持っています。
再現される空間も広く、前後左右高さまできれいに楽器が並びます。

特筆すべき特徴として、設定でDA変換時の Oversample のオン/オフ が可能です。
このオン/オフ時の音質差は大きく、オフ時は鋭いエッジを持つ尖鋭的な音色、オン時はソフトタッチで
耳あたりの良い音と楽曲によって使い分けることが可能です。
個人的には透明度が高く、エッジの立ったオフの音が好みですが、疲れたときはオンにして聞きたくなります。

注意点がございます。
この機材は、これだけでは音が出ません。
データベースであるNASとハブ、さらにデータ管理用にPCが必要です。
さらに本体では操作できませんので、操作するためのスマートフォンかタブレット端末が必要です。

使いこなしのポイントは、やはりハブの影響が大きいため質の良いオーディオ専用ハブの導入を真っ先にご検討ください。
幸い、10月までに日本テレガートナーの新型ハブが発売になる予定ですので、良いセットになると思います。

ハブとセットで60万円ほどですので、サブでは無くメインシステムとしての使用となると思います。
CDプレーヤーの代わりが出来るだけのクオリティを持っていますので、メインシステムの中核として新たな再生システムを
導入してみてはいかがでしょうか。
データ再生という新しい世界も楽しいですよ。

2018/08/10 双六岳登山 
 
毎年恒例になりつつある登山コーナーです。
今年の目的地は北アルプスの双六岳です。
ですが、今回一番の目的は山ではなく池なのです。

 

今回の最大の目的である鏡池です。
この池に映る逆さ槍を一目見ることが目的の登山でした。
天候に大きく左右され、そう簡単に見ることが出来ない景色ですので何度もチャレンジしないとこのコンディションで
見ることは難しいです。

左から槍ヶ岳へと続く西鎌尾根、槍ヶ岳、大喰岳、中岳、南岳、大キレット、北穂高岳、涸沢岳、まで見えています。

実は2年前にも一度チャレンジしたのですが、その時は雨で何も見えずに池に一瞥くれただけで横を素通りしました。
今回はそのリベンジでしたが、期待以上の晴天に恵まれ感動的な景色を堪能出来ました。

 

風が吹くとさざ波が起こり、像がゆがむため忍耐強くチャンスを待ちます。
これは、1時間ほど粘って撮った写真です。

 

これは、翌日の早朝です。
朝からほぼ無風で見事にフラットな湖面が現れました。

 

少し視点を変えると穂高岳も見えます。
左から、大キレット、北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳、ジャンダルム、と続いています。

 

槍ヶ岳の反対側から日が昇るため、見事なシルエットが浮かび上がります。

 

いつまでも池に張り付いている訳にも行かないので、出発です。
出発後少し高度を上げて振り返ると、鏡池が見下ろせます。

 

稜線に出ると見事な花畑が迎えてくれます。
これだけの猛暑ですが、まだ雪渓が残っています。

 

双六岳登頂後、時間に余裕があったためさらに脚を伸ばして三俣蓮華岳を目指します。

左のピークが三俣蓮華岳、ほぼ正面が水晶岳、その右が鷲羽岳になります。

 

三俣蓮華岳山頂より眺める、水晶岳と鷲羽岳です。

 

途中の岩場で見かけたオコジョ
体長20cmほどのかわいらしい動物です。

 

そして今回のハイライト。
北アルプスチャレンジ8回目にしてやっと会えた雷鳥です。
もう会いたくて会いたくて仕方無かったので、大はしゃぎでした。

天候に恵まれ、槍ヶ岳を眺めながらの稜線歩きが楽しめました。
逆さ槍に始まり、オコジョと雷鳥にも出会うことが出来た期待以上の完璧な登山が楽しめて幸せでした。



 
2018/08/03 日本テレガートナー M12 Switch MAGIC 予価 213,840円(税込)  発売日は9月中旬~10月を予定しております。
 
少し更新が開いてしまい申し訳ございません。
電源装置等、ネタはたくさんあるのですが現在テスト中ですのでしばらくお待ち下さい。

最近はネットワークプレーヤーも進化しており、少しずつ音質向上しております。
もちろんPCオーディオも進化しているので、どちらも楽しいのですが、そのどちらを楽しむにしても
必要な機材にハブがあります。
おすすめハブとして 日本テレガートナー M12 Switch GLOD (定価 345,600円(税込))をご紹介させていただいておりましたが
あまりに高価なため、一般的ではありませんでした。
そのため、下位モデルの登場が待たれていたのですがついに発表になりました。

下位モデルと言っても 213,840円(税込)ですので高価なことに変わりはありませんが、PCオーディオ/ネットワークオーディオ
をメインソースとして本気で追求する場合、オーディオグレードハブの導入は避けられなと考えております。
そういう意味では、少し安くなり現実味が出てきたのではないかと思います。

 

左端は電源入力で残り5個がLANケーブル接続端子となっております。

 


上位モデル M12 Switch GLOD と比較するとかなりコンパクトになっております。

 

上が上位モデル専用LANケーブルで、下が新製品用の専用ケーブルです。
コネクターの規格が違うため流用できません。
これは、少し残念です。

新ケーブルは柔らかく取り回しが楽になっております。

 
肝心の音質ですが、通常のハブと比較すると大幅な向上が感じられます。
一般の環境に近付けるために、アクセサリー類は一切使わずに普通のPC(普通のPCショップで販売されているデスクトップマシン)
とNAS(DELA N1AH20/2)を用意して、普及品ハブ、M12 Switch MAGIC、M12 Switch GLODと比較試聴しました。

普及品ハブ

スピーカーの間に音像が集中し、ステレオイメージがあまり出ません。
解像度、情報量共に少なくやや残念な音質です。
サブシステムとしてならば十分楽しめますが、メインで使用するとなるともう一歩踏み込んだ表現力が欲しくなります。

M12 Switch MAGIC

スピーカーの外まで空間が広がり、奥行き、高さの表現力も大きく向上します。
解像度、情報量共に充実し、密度感が向上します。
ここまで来れば、十分にメインソースとして通用すると思います。

M12 Switch GLOD

さすがに上位モデルだけあり、MAGICと比較してきっちりと価格なりの差があります。
最高峰を目指す場合は、やはりここまで行かざるを得ないようです。
空間表現力も高いですが、このハブの魅力は実在感でしょうか。
立体的で生々しい表現力はこのモデルならではの魅力です。

NASへ投資するよりも、ハブへ投資した方が音質向上率はかなり高いです。
NASよりも先にハブへ投資されることをおすすめします。

ハブに数十万円の投資とは、常軌を逸しているとお感じになると思います。
ですが、一度ぜひ試聴してみて下さい。
十分にその価値を納得していただけると思います。


追伸

明日から8月8日(水)まで夏休みをいただき北アルプス 双六岳周辺を散策してきます。
メール等へのお返事が遅れてしまいますことをお詫びいたします。
 
 
2018/07/05 Nmode X-PM7-10th 定価 324,000円(税込) 

NmodeさんよりX-PM7の10周年記念モデル、50台限定の X-PM7-10th が発売になりました。
10周年モデルは上位モデルのX-PM100でも発売されていましたが、同じく50台限定だったため
2ヶ月ほどで完売してしまいました。
今回の X-PM7-10th はX-PM100-10th と同様の技術が投入され、専用パーツの投入や各部の最適化により
確実なクオリティアップを果たしています。

 

上段がノーマルの X-PM7、下段が新製品の X-PM7-10th です。
X-PM100-10th は天板上に立派な記念プレートが付いていましたが、今回は右上の型番下に小さく10th anniversary
と入っただけです。

 

音質以外での今回の目玉機能として、パワーアンプモードの搭載があります。
背面に新たにパワーアンプモード切替スイッチが搭載されました。

肝心の音質ですが、ノーマル X-PM7 から大幅な進化を遂げています。
特に新パーツ投入による効果と思われる、位相周りの改善は大きな物があり、今まで空間情報だと思っていたものが
音の滲みであることに気が付かされたりしました。
ノーマルX-PM7は、トップクラスの位相特性とスピードが売りのアンプでしたが、その良さにさらに磨きがかかった感じです。
滲みなく、ピンポイントに決まる定位。ギターやピアノ、打楽器等の瞬間的な立ち上がりに対する素直な応答特性。
音が出るべき時に出て、消えるべきところで消えるリニアリティの良さは麻薬のような魅力があり
一度聞いてしまうと後には戻れません。

技術の進歩は素晴らしいですね。
30万円ほどのアンプで、このような高音質再生が手に入る時代になりました。
空間型スピーカーをお使いの方には特におすすめできる素晴らしいアンプです。

音源を用意しましたので、試聴してみてください。

FAKiE
X-PM7-FAKiE.wav へのリンク
X-PM7-10th-FAKiE.wav へのリンク

JAZZ
X-PM7-JAZZ.wav へのリンク
X-PM7-10th-JAZZ.wav へのリンク

 
 
 
 
2018/06/22 東京出張所ご来店ありがとうございました。 

東京出張所へ多数のご来店いただき誠にありがとうございました。
また、平日に休みを取ってまでご来店いただいたお客様のご協力で、土曜日に集中すること無く
ある程度余裕を持ってお相手できましたこと、心よりお礼申し上げます。

今回は、クロックの有り無し、USBターミネーターの有り無し等、面白い比較試聴もできて
実り多い試聴会になったと思います。

DYNAUDIO SP40 や C1 DIATONE DS-4NB70 の比較試聴もメーカーの設計思想が見えて
お楽しみいただけたと思います。

お持ちいただいた音楽のジャンルもデスメタルからアニソンまで多岐に渡り、様々な音源での試聴が出来た点も
よかったと思います。

今回は間に合いませんでしたが、新しい電源装置やSOULNOTEの新型DAC等、新製品もございますので
年内にもう一度出張所が出来ないか調整中です。
今回、スケジュールの関係でお越しになれなかった方や、今回来ていただいた方もぜひ次回もご来店ください。
今回は告知期間が1週間しかありませんでしたので、もう少し余裕を持ってお知らせできるように計画する予定です。

またお会い出来る日を楽しみにしております。
ありがとうございました。

2018/06/01 吉田苑から歩いて行けるグルメシリーズ   創作和食 料理屋takanabe  

今年最初のグルメコーナーは創作和食の takanabe さんです。
町中にひっそりと佇むまさに隠れ家的雰囲気で、全12席の小さなお店です。
お一人で全ての料理を作っているのでこの席数くらいが適正なのだと思います。
昼、夜、共に完全予約制ですので必ず予約してからお出かけください。

創作和食 料理屋takanabe

 

お店の外観です。
びわの木がお迎えしてくれます。
古民家を改装していて、はじめて外観を見たときは驚くかもしれませんが、店内はおしゃれで大変きれいです。

ランチタイムは 花籠御前 1,800円(税込) のみになります。

 
 

左上はホワイトアスパラのお餅風豆腐
右下は合馬のタケノコ
左下は春菊のチーズ和えになります。
メニューは季節や仕入れにより変動します。

 


カンパチと水蛸のお刺身
水蛸のプリプリの歯ごたえと甘みがたまりません。

 

青梅タレの茶碗蒸し
梅の香りが爽やかな一品です。

 

ズッキーニと稚鮎の天ぷら。
稚鮎は放流する物だと思っていたので、はじめて食べました。
大きく育った鮎より美味しいと思います。
お腹の苦みと身の甘みが絶妙です。

 

五島鯖の西京焼き
サツマイモのレモン煮添

 

デザートのドラゴンフルーツチーズケーキ
そして、コーヒーか紅茶が選べます。


全ての料理に細かな手が加えられていて、手抜きがありません。
目で楽しみ、食べて感動出来る素晴らしい料理が堪能出来ます。
夜は3,000円、4,000円、5,000円のコースがあります。
まずはランチをお試しいただき夜にも行ってみてください。感動出来ると思います。
5,000円コースは料理だけでお腹いっぱいになるので、お酒も一緒に楽しみたい場合は4,000円コースがおすすめです。

新しいオーディオ機器を手に入れたお祝いにいかがですか。

 
2018/05/31 東京出張所開催のお知らせ 

6月13日(水)から6月17日(日)までの5日間、東京出張所をオープンいたします。
6月13日(水) に東京入りするため、13日は15時頃からのオープンとなる予定です。
14日から17日までは11時開店で19時閉店(土日は18時まで)となります。
場所はいつもの on and on さんをお借りします。

〒104-0041
東京都中央区新富1-16-12 新富アネックスビル 1F
on and on

ありがたいことに回を重ねるごとにご来店いただけるお客様が増えており、かなりの長時間お待たせする場合がございます。
ある程度時間に余裕を見てご来店ください。
特に土曜日はかなり混み合います。
もし可能でしたら土曜日を外してご来店いただけると、お待たせする時間が短くなるかもしれません。

ご来店いただいたお客様の順番通りに、お一人お一人のリクエストに合わせてご試聴いただいておりますので
どうしても時間が掛かります。
先に来ているお客様のリクエストを一緒にお聞きいただけるので、待ち時間もお楽しみいただけると思いますが
待ち時間が長すぎるとのお怒りの声を毎回いただきます。
ですが、この方法が吉田苑の接客方ですので、誠に申し訳ございませんがご了承ください。

持込予定機材は以下になります。

DYNAUDIO SPECIAL 40
DYNAUDIO Confidence C1
DIATONE DS-4NB70
Nmode X-PM100-10th anniversary
Nmode X-PM7
Nmode X-DP10
CAMBRIDGE AUDIO CD10
CAMBRIDGE AUDIO AM10
CAMBRIDGE AUDIO CXC 改 (仮名)
Antelope Audio 10MX
Antelope Audio OCXHD
SOtM tx-USBultra12V/10M
エスプレッシーボサウンドPC改良版
日本テレガートナー M12 Switch GLOD
SOULNOTE A-2
SOULNOTE D-1

ご予約は必要ございません。
ご希望の機材の組合せでご試聴いただけます。
演歌からアニソンまで、どのようなジャンルの音楽でも大丈夫ですので遠慮無くお好みの音源をお持ちください。

ご来店お待ちしております。

 
 
2018/05/26 USBT (USBターミネーター) 2,000円(税込) 

PCにはUSBポートがたくさん付いています。
ノートPCでしたら2個~4個、デスクトップ型でしたら8個くらいは普通に付いています。
この開いたままのUSBポートはノイズ源になりますので、可能ならばターミネータを接続して塞いでしまいたいです。
ですが、市販のターミネータは高価で複数の開きポートを塞ぐとかなりの金額が必要となります。
USBターミネータの中身は単純ですので、見た目さえ気にしなければかなり安価に製作可能です。
実は、店頭のPCにはかなり前から自作USBターミネータで開きポートを全て塞いでおりました。
ご来店いただいたお客様がそれを見つけて、試しにと1個購入して帰り、次の日に8個買いに来たりしておりました。
サービス品という位置づけで、表立って販売しておりませんでしたが遠方からのお問い合わせが増えて参りましたので
通信販売にも対応する事にしました。
安く製作するために、見た目には拘っておりませんがターミネータとしての性能は必要十分です。

 

手元にある材料で製作するため、仕様(見た目)が変化する事がございます。

使用方法は簡単です。
使っていないUSBポートに差し込むだけです。

 

このように開きポートを塞いでください。


安く作るために見た目は貧弱になっていますが、実はすごいメリットがあるのです。
上記画像の様に、全てのポートに一気に接続可能です。
何を言っているのか分からないかもしれませんが、高級USBターミネータを使ったことがある方はこの凄さがお分かりいただけると
思います。
高級USBターミネータは見た目が立派ですので、厚みが有りこのように狭い空間に接続するとその上下の段には挿せなくなります、
このような4段のポートの場合2段ごとに延長ケーブルを使用しないと全てのポートを埋めることが出来ません。

サービス品のため利益がほとんどございません。そのため通信販売ページでの販売は行いません。
ご希望の方はメールにてご依頼ください。
ご希望の個数 X 2,000円(税込) とゆうパケット送料 250円(税込)になります。

申し訳ございませんが、お支払い方法は銀行振込のみでお願いします。

お振り込み先   
西日本シティ銀行 長尾支店 普通預金
口座番号 0703462
口座名義 吉田苑株式会社 (ヨシダエンカブシキカイシャ)


2018/05/20 近況のご報告です。 

その一

当店でおすすめしております DAC の Nmode X-DP10 は一点だけ残念な点がございました。
DELAさんのNASとUSBケーブルによる直接再生が出来ない点です。
音質、機能共に文句の無い優秀なDACであっただけに、DELAさんとの直接接続が出来ない点だけが残念でした。
これは X-DP10 側の問題では無いため、Nmodeさんでは対策しようがありませんでした。

ですが、今回発表されたDELA さんの新ファームウェアにより、ついに対応しました。
X-DP10 と DELA さんをお持ちの方は、DELAのファームウェアを最新の物へアップデートしていただければ
直接接続しての再生が可能となります。

その二

お問い合わせの多い CAMBRIDGE AUDIO CXC ベース改造機の CDトランスポートは間もなく発売です。
販売価格は 148,000円(税込)で クロックはオプションとなります。
CXC は無操作時10分ほどで自動的に電源が落ちるため、クロックが暖まることが出来ません。
そのため、クロックのみ常時通電とします。
そうなると、発売後10年以上経過した中古クロックを使用するのは不安ですので新品を搭載することにしました。
本国(デンマーク)より直接輸入する事になりますので、クロック搭載モデルは少し(2週間ほど)お時間が掛かります。
ここまで書いて気が付きましたが、クロックを搭載しなくても改造は私が空き時間にコツコツ作るので、ご注文後お渡しまで
2週間は掛かりそうです。
改造箇所が多岐に渡るため、その作業だけに集中しても丸一日かかると思います。
お渡しまでお待たせすると思いますので、ご了承ください。

クロック搭載費用は
吉田苑オリジナル電源 + Neutrino2 34,000円(税込)
吉田苑オリジナル電源 + Neutron Star2 75,000円(税込) となります。
為替変動により安くなったり高くなったりする事があるかもしれませんので、ご了承ください。

 

Neutrino2
D-Clockの後継機種という位置付けです。

 

Neutron Star 2
その名の通りneutronstar の後継モデルです。

その三

IO DATA RAHF-S1 (SSDモデル)が入荷しました。HDDモデルも月末頃入荷予定です。
USB/DACと直接接続しての感想しか書いていませんが、NASとしても普通に優秀なモデルです。
オーディオグレードNASをご検討中の方へもおすすめです。

その四

私事ですが、先日ついにLDプレーヤーとLDソフトの山を処分しました。
もう「LDって何?」という時代かもしれませんね。
PIONEERが元気だった頃に販売していた、30cmの両面再生可能な絵の出るレコードの事です。
片面1時間両面で2時間の記録が出来、VHSより高画質だったため極一部のマニアに受けてそれなりの売上があったようです。
最大2時間のため、2時間を超える映画の場合2枚組となり、高価で重たいのが欠点でした。
ですが、当時の最高画質を目指した場合LDへ行き着くような時代でしたので、私もプレーヤーを購入してソフトを大量にコレクションしておりました。

LDプレーヤーはLD-X1という重量級モデルで、購入当時は最高の画質を誇るモデルでした。
しかし、今となっては9,800円で購入できるDVDプレーヤーレベルの画質で、存在意義はほぼ無くなってしまいました。
本体も大きく重く邪魔ですが、それ以上にLDソフトコレクションが邪魔で家族からの不評を耐え忍んできたのですが
自転車を購入してしまい、その置き場を確保するために泣く泣く処分することになってしまいました。
レコードは、差し上げますと言うと、業者が喜んで取りに来てくれますがLDソフトは1円にもならないので見向きもされません。
泣く泣く燃えるゴミとして去って行きました。
最後の別れの際に一通り眺めましたが、やはり30cmサイズジャケットは魅力です。
今は物理メディアではなく、配信の時代になりつつありますが、手で触れることが出来ない事は少し寂しいですね。
ブックレットを眺めながら、音楽の背景を想像する楽しみが減ってしまい残念です。

レコードが現在も生き残っているように、CDも数十年先まで残ると思いますが、20年後のCDプレーヤーの中に入っている
CDピックアップは一体どのような物になるのか・・・大変興味深いです。

 
 
2018/05/14 音楽再生の新しい形  TIDAL

私がPCオーディオに取り組みはじめてから10年以上経過しました。
当時はWindows XP が主流の時代でした。懐かしいですね。
あの頃はPCオーディオ黎明期で、全てが手探り状態で辛うじて音が出ても安定せず、音も悪いという時代でした。
それから、10年ほどでピュアオーディオとしての地位を確立し、さらに進化を続けています。

想像してみて下さい。
自宅にCD が 450万枚置いてあり、検索機能が付いていて気軽に聞きたい音楽が聞ける環境を。
音楽好きとしてこれ以上の幸せは無いと思います。
この環境が実現できる時代になったのです。

現在の主流は音源をPC内部や、外付け記憶装置(NAS)に記録して、それをネットワークプレーヤーや
PCを使用して再生するスタイルです。
日本ではまだまだこのスタイルが主流ですが、世界では新しい流れが育ち始めており
音源はダウンロードして手元に保存するのでは無く、ストリーミング再生が主流になりつつあります。

ストリーミング再生とは、データの保存場所は配信サイト側に置いてあり、リアルタイムにネット上から再生する方法です。
この方法ですと、データを保存する必要がありませんので手元にデータベースを構築する必要がありません。
今まで家庭内に保存していた音源データが、配信元へ移動したとお考えください。
そして、何よりこの方法が魅力的なのは数千万曲というライブラリへアクセスする事が出来るようになる点です。

国際レコード産業連盟の発表によると、2015年にデジタルデータでの売上がCDなどの物理メディアの売上を上回り
2016年には音楽全体の売上の半分を配信が占め、その内の半分以上はストリーミング再生での売上となっています。
ストリーミング再生はこれからも音楽配信の主流として飛躍的に普及していくと思います。

今まで、ストリーミング再生は圧縮音源しか配信されていなかったため、便利だけど音質はそれなりという
位置付けでしたが、最近は高音質化が図られるようになり、ついにCDと同等の 16bit 44.1KHz での配信を行うところも出てきました。
それが今回ご紹介する 「TIDAL」です。
「TIDAL」というとドイツのスピーカーメーカーが思い出されますが、全く関係の無い会社です。

残念ながら、複雑な日本の音楽権利関係の影響から日本での正式サービスは未定ですが、ある方法を使い契約さえしてしまえば
それ以後は普通に日本から接続可能になります。

料金は契約する国によって変化しますが、アメリカですと高音質版(16bit/44.1Khz)で月々19.99USD(2,400円ほど)です。
私は香港で契約したので月々 96HKD (1,400円ほど)でした。
契約する国によって、権利の影響で聞ける曲に多少の影響があるそうですので、聞きたいアーティストがいる国で契約するのが
良いかもしれません。
月々2,000円ほどで、数千万曲のCDクオリティ音源データベースへアクセスし放題になるという、音楽好きに取って夢のようなサービスです。

肝心の音質ですが、検証のために段階を踏みつつ試聴してみました。
使用システムは以下になります。
PC エスプレッシーボサウンド改良版
DAC Nmode X-DP10

第一段階
Internet Explorer 上で「TIDAL」のサイトへ直接接続しての再生。
この方法では、PCで設定してある規定の再生デバイスを使用して再生されます。
今回の場合は規定のデバイスとしてある Nmode X-DP10 へデータが送り出されて、DA変換されます。

実はあまり期待していなかったので、はじめて音が出た瞬間は驚きました。
十分に良い音が(期待以上)出てきています。
もちろんじっくり聞けば、解像度の甘さや低域方向の甘さ等不満はありますが、あまり期待していなかった分
驚きが勝りました。
特別な再生ソフトを使ったわけで無く、単純にネット接続してブラウザ上から音を出しているだけで、このクオリティです。
BGM用途でしたら何の不満も無いと思います。

第二段階
「TIDAL」には専用再生ソフトが用意してありますので、それをダウンロードしての再生です。
先ほどと同じで、出力先は規定のデバイスとなります。
ブラウザ再生と比較すると2ランクほどクオリティアップします。
すでにオーデイォクオリティといって良いレベルまでになっています。

第三段階
「TIDAL」は何と「JPLAY」を使用しての再生が可能です。
正確には「JPLAY」の機能の一つである「JPLAY Streamer 」が「TIDAL」に対応しているのです。
操作のためにアンドロイド専用アプリである「BubbleUPnP」が必須ですので、アンドロイドタブレットが必要です。
アンドロイドスマホでも良いのですが、せっかくですので大画面タブレットの導入をおすすめします。
「TIDAL」を「JPLAY」経由で再生すると、「TIDAL」専用ソフトからさらに一歩進んだ再生が可能です。
ほぼ、CDクオリティといって良いのではないでしょうか。
CDプレーヤーと比較試聴しても一長一短で優劣付けるのは難しいです。

もう一点「TIDAL+JPLAY」再生の良い点がございます。
「JPLAY」を再生ソフトとして使用すると、複雑怪奇で困難な設定作業が必要ですが、「TIDAL」再生に使用する分には
ほぼ何もしなくて大丈夫です。
「JPLAY」をインストールして、最初に一度だけ設定画面で送り出すDACを指定し
お好みに合わせて出力設定を変更するだけ(難しければこれも行う必要はありません)です。
一度設定してしまえば、以後は全て自動起動ですので何らかの不具合が起こらない限り設定画面を開く必要はございません。
最も簡単に「JPLAY」の高音質再生を手に入れる方法だと思います。
「JPLAY」日本語サポートは、日本での正式サービスが始まっていないため「TIDAL」に関してはサポートを
行わないと明言してありますので、この点はご注意下さい。

最後に、オーディオ的な対応を一切行っていない普通のWindows10 ノートPCで再生してみました。
「JPLAY+TIDAL」での再生ですが、十分に高音質です。
気軽に始めるネットオーディオ入門としてもおすすめです。

「TIDAL」は日本での正式サービスが始まっていないため J-POP をメインで聞く方には物足りないかもしれませんが
海外で人気のアーティスト きゃりーぱみゅぱみゅ / MIYAVI / L’Arc-en-Ciel / MAN WITH A MISSION / Perfume 等
は完璧に網羅されていますし、
洋楽ならば無いものを探すのが難しいほどの充実ぶりです。

私は、ミュージカルが好きなのですが同一演目で ブロードウェイキャストとウィーンキャストの両方が聞けることに
歓喜しました。
また、フルアルバムは出していないですが、多数のアルバムに出演しているような人の曲を検索する事も可能です。
ですので、アルバムの中に欲しい曲が1曲しか無くて、購入を躊躇するようなことも無くなりますし、ありとあらゆるジャンルの音楽が
無尽蔵に存在するので、新しい出会いにも困りません。
これは、新しい音楽再生の形だと思います。

なお、日本語に対応していないため検索の際はローマ字での検索となります。
例えば 「宇多田ヒカル」の場合は「utada hikaru」もしくは「hikaru utada」 で検索します。

注意点がございます。
このサービスは日本で正式にサービスされておりません。
雑誌等でも普通に紹介されていますので、紹介することは問題無いと思いますが実際に契約することに関しては
個人の責任において行って下さい。
吉田苑として契約方法をお伝えすることはありません。

音楽がお好きな方にとって、このサービスは夢のようなシステムです。
日本での正式サービスは始まっていませんが、個人の責任において契約する事は可能ですので
ぜひ試してみてください。
一度体験してしまうと、後戻りできないと思います。

 
 
 
 
2018/04/27 Antelope Audio 10MX (定価 786,240円(税込)) 

今回は高価なマスタークロックのご紹介です。
以前も説明させていただきましたが、おさらいです。
オーディオ用のクロックには2種類ございます。
44.1Khz 系や48KHz系のクロック信号を発信する「クロック」
そして、その「クロック」の基準信号を発信する「マスタークロック」です。
Nmode X-DP10のように、クロック入力のある機材に接続する場合は「クロック」を接続します。
「マスタークロック」を接続しても効果ありません。
時々
「クロックを接続したのですがロックしません。」
というお問い合わせをいただきますが、間違えて「マスタークロック」を接続している事が多いです。

「マスタークロック」は「クロック」へ接続する機器で、DACやCDプレーヤーへ接続する物ではございませんので
お間違いなきようお願いします。

少数ですが、マスタークロックが直接接続出来るCDプレーヤーやDACもございますので
クロック入力がある機材をお持ちの方は、その機器へ接続可能なクロックの種類をご確認ください。

今回は「マスタークロック」である Antelope Audio 10MX のご紹介です。

実は、以前にもメーカーさんよりデモ機をお借りして、少しだけ試聴したことがあったのですが
その時は時間が無く(クロックは電源投入後24時間以上経過しないと本領発揮しません)
実力の片鱗を感じるだけでした。
それ以来ずっと気になっていたのですが、ついに展示導入する事が出来ました。

 
 

上段が「マスタークロック」の 10MX
下段は「クロック」のOCXHD となります。

10MX には「クロック」信号の出力も付いていますが、あくまでもおまけ機能です。
まずは、単純な「クロック」であるOCXHDをご購入いただき、10MXはその次となります。
クロックシステムとして OCXHD + 10MX で定価総額 967,680円(税込) という超高額システムとなります。

これはただの信号発信器で、これ自体では音を出す事が出来ません。
クロックがなくても普通に音楽は楽しめますので、ジャンルとしては、アクセサリーの範疇に入ると思います。
その、無くても困らない物に 100万円近い出費!!
これだけの物をご紹介する以上は、余程大きな効果が無い限りは紹介出来ません。

試聴はCDで行いました。

PsAudio PWT
Nmode X-DP10
Nmode X-PM100-10th anniversary
DIATONE DS-4NB70

このシステムのDAC X-DP10 へのクロック入力有りと無しでの比較試聴です。

まずは、クロック無しでの試聴です。

バッハ トランペットとオルガン アラン&トゥーヴロン

いつも通りの聞き慣れた音で、響きの豊かな魅力的な再生です。この時点でほぼ不満はありません。
時々トランペットがやかましく感じることもありますが、このような録音だと思っていました。

次にクロックとマスタークロックを接続しての試聴です。
音が出る前に違います。
クロックなしでも演奏が始まる直前の気配は伝わるのですが、それは奏者の気配です。
クロック接続後は気配に教会の空気まで含まれるようになります。
深夜の山奥の静けさと言ったら良いのでしょうか、山奥で一人でテント泊をしていると、音はしていませんが
空気が見えるように感じます。
それと同じで、演奏開始前の教会の空気が見えるのです。

演奏が始まると、先ほどと同じ演奏とは思えないほどの違いがあります。
トランペットのエネルギー密度が上がり音量が上がっているように感じますが、先ほどの様にうるさくはありません。
レンジが広がる(特に低域方向)とか解像度が上がるとか細かなこともたくさんありますが
何より空気が違いいます。
クロック接続の効果はS/N比の改善という形で現れる場合が多いですが、極限までクロック精度を
上げていくと演奏時の空気を感じることが出来るようになるようです。
分かりやすく言うとリアリティの向上ということになるのでしょうが、この変化はそんな簡単な言葉には収まりません。

マーカスミラー M2

このCDも試聴でよく使う定番で、何百回と聞いていますが始めて聞いたように新鮮に感じます。
低域方向の沈み込みがずっと深い所までナチュラルに伸びるようになり、個々の楽器の実在感が向上します。

宇多田ヒカル 花束を君に

ヴォーカルとエコー成分の分離が明確になり、口のサイズが実物大へ収斂します。

クラシックからジャズ、ヴォーカルまで全てのジャンルで明確な向上が得られる大変効果の大きなアクセサリーです。
極端な表現となりますが、このクロックを真っ先に購入して、余った予算でアンプやスピーカーをそろえても良いくらいです。
少しの無理で購入できるのであれば何よりも優先してご購入なさることをおすすめします。
音色の変化では無く、クオリティの向上ですので好き嫌いの入り込む余地は少なく、全ての音楽好きの方へおすすめします。
100万円の予算があれば、スピーカーやアンプ等も良い物が購入できますが、何よりも優先されるべきだと思います。

使いこなしに注意点がございます。

クロックの接続インピーダンスには50Ωと75Ωの2種類があります。
50Ωと75Ωを適当なBNCケーブルで接続してもロックして動作しますが、動作するだけです。
クロックのインピーダンスマッチングは大変重要で音質に多大な影響を及ぼします。

Antelope Audio は75Ωですので、75ΩのBNCケーブルで接続すれば問題ありませんが
試しに50ΩのBNCケーブルで接続してみました。
すると、高域が強調された派手な音へと変化しました。瞬間的には面白いとは思いましたが
良く聞くと音がバラバラで天井も低くなっています。
SOtM tx-USBultra のような50Ωの機材と接続する場合は、75Ω-50Ωインピーダンス変換器が必要です。

 

抵抗型とトランス型がありますが、損失の少ないトランス型がおすすめです。

 
せっかく高価なクロックを購入してもインピーダンスマッチングが取れていないと実力発揮出来ませんので
この点はご注意下さい。

2018/04/14 DENON PMA-60 定価 75,600円(税込) 

CR-N765 の代わりになる低価格システム第二弾です。

その前になぜCR-N775という後継機種があるにも関わらず、他の機材を探しているのかをそろそろはっきりさせておこうと思います。
吉田苑では、CR-D1という初代機から12年間に渡ってこのCRシリーズを改造して販売し続けて参りました。

それだけに思い入れも強く、音さえ良ければこれからも継続的に販売したかったのですが
絶対条件である「音が良い」部分を新製品の CR-N775 はクリア出来ませんでした。
そのため、吉田苑としてはCRシリーズはCR-N765までで終了と考えております。
CR-N775が使えないと分かったと同時に、CR-N765を大量に仕入れましたので当分はCR-N765を継続販売する予定です。

このような状況ですので、CRシリーズに代わるシステムをいくつか見つけました。
前回おすすめしたCAMBRIDGE AUDIO AM10 + CD10 システムも大変良く出来ていますが、フルサイズモデルのため
大きいです。
今回はコンパクトなモデルとして DENON PMA-60 をご紹介です。

 
 
残念ながら単体でのCD再生が出来ませんが、これも時代の流れでしょうか。
ですが、入力端子は充実していて以下の入力が付いています。

Bluetooth
USB-B (PCやSoundgenicが直接接続可能)
光デジタル 2系統
同軸デジタル
RCA

RCA入力が付いていますので、CDプレーヤーを接続することも可能です。
ただし、一点注意点がございます。
このRCA入力は入力可能電圧範囲が狭く、少し出力の強いメーカー(NmodeやSOULNOTE)のDACやCDプレーヤーを接続すると
音が歪みます。
出力レベルが2Vまでの機材でしたら大丈夫ですので、この点はご注意下さい。

 
 
Bluetooth接続可能で、USB/DAC機能と同軸デジタル入力もあるのでCDプレーヤーとデジタル接続も可能です。

後はPCが1台とスピーカーを用意していただければ、PCオーディオを始める方にもぴったりな機材だと思います。

さらに、こういう使い方も出来ます。
 

IO DATA Soundgenic と組み合わせるとこれだけで完結システムが完成です。
この組合せが最もおすすめかもしれません。
ここへUSB接続可能なドライブユニットを組み合わせればCDも聞くことが出来るようになるので
CDネットワークプレーヤーの完成です。

 
 
 
立派なリモコンも付属します。

音質は、正統派です。
色付け少なく、ストレートに音源の音を出してくるタイプで、やや薄く高域にアクセントを載せてはいますが
ドンシャリというほどでもありません。
軽量級ゆえに低域方向の押し出しや厚みは物足りなく感じるかもしれませんが、その分透明度の高いクリアーな質感が
楽しめます。
解像度も高く、位相特性も良好ですので見通しの良い空間表現力も持っています。

高いポテンシャルを持っているため、質の良いスピーカーと組み合わせてあげたくなります。
価格的に多少アンバランスでも、良いスピーカーを組み合わせてあげるとシステム総額以上の
クオリティを出せるアンプだと思います。

おすすめスピーカーは DALI OPTICON1 との組合せです。

 
 
価格のこなれた実売価格以上の能力を持つ DALI OPTICON1( 実売価格 74,300円(税込)) との組合せは
システム総額が信じられない充実した空間表現力を持ちます。
左右だけで無く、奥行き高さまで表現出来る実力を持ち曖昧さの無い、実在感ある再生はピュアオーディオとしての風格十分です。

 
 
ネットワークプレーヤーシステムを組めばハイレゾ、DSD音源も再生可能です。
ハイレゾ入門にもおすすめです。

Bluetooth接続可能で、ネットワークプレーヤー機能も有り、USB/DACとしてPCと直接接続も出来る
多機能コンパクトシステムとなります。

組み合わせるSoundgenicは理想を言えばSSDモデルが良いですが、HDDモデルでも十分に楽しめます。
価格を考えるとHDDモデルの方が現実的ですね。実際にHDDタイプと組み合わせて試聴しましたが
PMA60との相性も良く、やや透明度が落ちる物の普通に良い音で鳴っています。

通信販売も行っております。

DENON PMA-60

2018/04/05 IODATA Soundgenic RAHF-S1 追記 初めての方は下の記事から先に目を通してください。 

Soundgenicの日誌を載せてから、色々な反響をいただきました。
かなり大きな反響でしたので、やはりこの価格帯でのフルオートに近いネットワークプレーヤーは皆様待ちわびていたようです。

その中にかなり気になる内容の声を複数いただきました。
「HDDタイプを購入したけど、あまり音が良くないですよ。」
という声です。
1人2人ならば「そう感じる人もいるだろうな。」で済んだのですが、この報告を上げてくれた人はもう少し多かったです。
こうなると、気になって仕方がありません。
ネット上を検索してみても、微妙なレビューが多く心配になりました。
吉田苑へのHDDタイプの入荷は5月末ですので、これから2ヶ月近くもの間にこのページを見てHDDタイプを購入する方が
いるかもしれません。
そして、2ヶ月後に入荷したHDDタイプが微妙な音質だった場合申し訳がありません。

これは緊急事態だと思いましたので、お客様にお願いしてHDDタイプを貸していただきました。

 
 

HDDタイプとSSDタイプの2台のSoundgenicです。
持った感じは、HDDタイプの方がかなり重いです。


早速試聴しました。
HDDタイプは電源を入れた直後は音質が良く、SSDタイプと比較してもそこまで大きな差異を感じませんでした。
しかし、複数の方から満足できないとの声をいただいていますから、こんなはずは無いとしばらく鳴らしてみました。
すると、電源投入後15分後くらいからS/N比が悪化し始め、ベールをかぶったような音質に変化して行きました。
最終的には中域から低域に掛けての抜けが悪い、ややもっさりとした音色で安定しました。
SSDとHDDはクオリティに差は無く、音色の違いだけがあると経験的に感じていましたが
このシリーズに関してはこの音色の違いが悪い方に出てしまったようです。
SSDタイプも中域から低域にかけてややもっさりとしたところがありますが、それほど気になりません。
この音色にHDD特有の中低域の分厚さが乗ってしまい、結果としてもっさりとしたイメージになっているようです。

誤解の無いようにしていただきたいですが、HDDタイプ HDL-RA2HF は34,800円で購入できる機材として
価格なりのクオリティを持っていると思います。価格以上の物を求めると少しがっかりするかもしれませんが
決して悪いモデルではございません。ネットワークオーディオ入門機としての機能とクオリティは備えています。
期待が大きかった分、反応が少しオーバーに出ているようにも感じます。

ピュアオーディオ用途としては物足りませんが 34,800円 でこのクオリティならば十分だと思います。
ピュアオーディオ用途の場合はSSDタイプのRAHF-S1をおすすめします。
付属のACアダプターをしっかりとした電源に変更すると、12万円ほどで購入できるプレーヤーとして十分に楽しめます。




ここから先は夢(プラシーボ??)です。
真に受けないようにお願いします。
そんな事もあるんだな~くらいに受け流してください。

最初にSoundgenic(SSD) を試聴しているときに、すごく良い音がしてこれは凄い新製品が出たと喜んでいました。
視聴中にお客様が来店されたので、一度機材を全て外してお帰りになった後に、また接続しました。
すると先ほどの様な音がしないのです。
先ほどと何が違うのか、接続方法を見てみると一カ所繋がっていない物がありました。
前回は接続していたのですが、必要無い物なので今回は繋がなかったのです。
まさかと思いながらもそれを接続すると、グッとS/N比が上がりました。

接続方法は以下のようになっていました。

無線ハブ---Soundgenic ---USBケーブル---DAC

これでシステムは完結するので問題無く使用可能です。
ですが、ここにある物を接続すると音が良くなってしまいました。

M12 Switch GLOD---無線ハブ---Soundgenic---USBケーブル---DAC

M12はただ末端に繋がっているだけで、データを通しているわけではありません。
しかしその差は無視出来ないほど大きいです。
M12 Switch GLOD ユーザー様から
「M12を接続するとテレビの音が良くなった。」
との報告もいただいていましたので、同じ原理なんだろうなと考えています。
M12 はLAN接続されている全ての機材にメリットがあるように感じます。
お持ちの方は色々試してみてください。


2018/03/31 IO DATA Soundgenic HDL-RA2HF オープン価格 (34,800円(税込)ほど)
                                            RAHF-S1 オープン価格 (89,000円(税込)ほど) 
 
やっと、本当にやっと発売になりました。
このような機材をずっと待ち焦がれていたのです。
PCオーディオは音は良いですが、PCの知識が必須で使いこなすにはかなりの努力が必要です。
これでは、せっかく素晴らしいフォーマット(ハイレゾ)があっても、楽しむ事が出来る人はほんの一握りになってしまいます。

そのため、PCを使用すること無く、簡単にかつ安く(これが重要です)ハイレゾ音源を楽しめる機材の登場を
切望していました。
DELAやFidataブランドで同様の機能を持ったモデルが発売されておりましたが20万円ほどします。
今回ご紹介する IO DATA HDL-RA2HF は何と 34,800円(税込)!!
ハイレゾ入門に最適な機材だと思います。

 

横幅 168mm とコンパクトです。

必要な機材は以下になります。

IO DATA  HDL-RA2HF もしくは RAHF-S1
USB接続可能な外付けドライブ
USB/DAC
操作用のスマートホンかタブレット(Wi-Fiで家庭内ネットワークに接続可能なことが条件です)
接続用のUSBケーブル1本とネットワーク接続用のLANケーブル1本

これだけです。
PCを接続する必要はございません。

さらに機械が苦手な方にも簡単に接続、操作出来るお手軽自動設定で、ほぼ自動化されています。

CDリッピング(CDの取り込み)の方法ですが、外付けドライブにCDを入れて本体のボタンを
一回押すだけです。
後は機材が全て自動で読み込んでくれ、読込完了するとトレーが開いてディスクが出てきます。

再生は家庭内ネットワークに接続した、スマホやタブレットで操作アプリを起動して再生します。

この操作アプリはクセがあるので、慣れが必要ですがそれほど難しくはないと思います。

 

左が本体で、右側が操作用のスマホとCDリッピング用のDVDドライブです。
後は、お好みのDACへ接続すれば使用可能です。

ハイレゾ音源を聞きたい場合は 「e-onkyo」という配信サイトと同期させることにより、購入した音源が自動で本体内部に格納
されるようになっています。
これらの操作も全てスマホ上で可能ですので、PCは必要ございません。

ここまで徹底してPCを必要としないシステムは、この価格帯では今までありませんでしたので
PCは苦手でハイレゾを楽しむ事が出来なかった方にもおすすめできるシステムです。

 

重ねて設置すれば場所も取りません。

試聴はSSDタイプの RAHF-S1 で行いました。
ハードディスクタイプの HDL-RA2HF は品薄(次回入荷は5月予定です)で全く物がありません。
そのため、まだ試聴出来ておりません。
この両者はハードディスクかSSDかという違いだけだと思うのですが、その割には価格差が大き過ぎるようにも思いますので
他に違いがあるのかもしれません。
こればかりは実際に試聴してみないと分かりませんので、5月の入荷次第ご報告させていただきます。

RAHF-S1(SSDタイプ) から USBケーブルで Nmode X-DP10 へ接続してネットワークプレーヤーとして試聴しました。

肝心の音質ですが、かなり良いです。
もちろん接続するDAC次第ではありますが、9万円のCDトランスポートと考えるとかなりのハイコストパフォーマンスです。
素直でストレートな音質で、透明度もこのクラスとしては十分です。
音源の質にストレートに反応し、質の良い音源は高音質に、微妙な音源は微妙な再生にと誤魔化すことなく
きっちりと描き分ける能力を持っています。

ネットワークオーディオ入門や、お気軽なサブシステムとしておすすめできる良い機材だと思います。



本体とDACの間はUSBケーブルで接続します。
ですので、間に SOtM tx-USBultra が接続可能です。
かなりの改善効果がありますので、ステップアップの際にご検討ください。

2018/03/17 intime(アンティーム) 煌(キラ) 販売価格 12,960円(税込)kira購入
                     轟(ゴウ)販売価格 12,960円(税込)
GO購入

14年ほどこの日誌を書き続けてきましたが、今までイヤホンをご紹介したことは一度もございません。
色々と試聴はしていたのですが、おすすめするには抵抗のある物が多く結果としてイヤホンを
ご紹介する事無くここまで来てしまいました。
ですが、ついに「これならおすすめしても良いかな。」と思えるイヤホンに出会うことが出来ましたのでご紹介です。

intime(アンティーム)最初は「インタイム」と読むと思っていたのですが、どうやらフランス語らしく
「アンティーム」と読むそうです。

 
 

煌(KIRA)12,960円(税込)です。

比較的手ごろな価格で極端な音がしない、聞きやすいイヤホンです。
私には、イヤホン達の音はどうしても極端(低音多過ぎや高音多過ぎ、もしくは両方)に感じて
敬遠していたのですが、この「煌」はやや高域がキツいように感じますが、今までに聞いたイヤホン達
の中では、バランスが整っているように感じます。

同価格で 轟(GO)というモデルもあります。

 
 
こちらは、低域を盛ったタイプで低音好きの方用だと思います。

しかし、この「煌」や「轟」というネーミングセンスは、吉田苑ケーブルのネーミングセンスに
通ずる物を感じて他人とは思えません・・・

イヤホンは商品数も多く、全てを試聴した訳ではございませんが試聴出来た中ではバランスの取れた
良いイヤホンだと思います。

 
2018/03/09 新型トランスポート進捗状況です。3/10 追記 

CAMBRIDGE AUDIO CXC ベース改造機のプロトタイプが完成しました。

変更点は以下になります。

オリジナルの電源トランスは後部のトロイダルトランスで右側にRコアトランスを追加しました。
100V/200V変更用のスイッチは必要無いので回路から切り離しています。
CDドライブユニットのリジット化、及びメカフレームの制震。
底板をオリジナルの1mm厚から6mm厚で新調。
デジタル信号ラインケーブルを変更。
デジタル信号出力用アンプに専用電源を追加。
デジタル信号ラインに直列に入るパーツ類の交換。
光デジタル出力の廃止。
不要回路の電気的な遮断。
他にも細かな修正を加えています。

 

 

少し見にくいですが、底板が厚くなっています。
底板の変更と電源トランスの追加により、重量は4.7kgから10kgへ倍増しております。

プロトタイプ一号機で早速試聴しました。

低重心で華やかなベースモデルの良さを残しつつ、さらにワイドレンジになり情報量も増えています。
特に低域方向の充実度が高く、ピアノのアタック音等のスピードとエネルギーの双方を求められる
部分でも破綻する事無く再生出来るようになりました。

ほぼ狙い通りの音質になり、大幅なクオリティアップが果たせました。
しかし・・・どうして人間とはここまで欲深いのでしょうか。
どうしても考えてしまうのです。
「ここまで良くなったのならばクロック換装を行うと、間違いなくさらに良くなる。」

標準モデルはクロック非搭載で販売して、オプションでクロック搭載モデルも作ろうと考えております。
以前使用していたDEXAのクロックは輸入が終了してしまいましたが、国内在庫がある程度確保できそうです。



3/10 追記

我慢出来ずにクロックを搭載してしまいました。
左側メイン基板上にクロック(緑色の基板です)を搭載しました。クロック用に専用電源を搭載したので、電源だらけになってしまいました。
CDトランスポートとしては異例の電源強化モデルとなりました。

 

最近のCDプレーヤーで、ある程度高価なモデルはクロック周りにもしっかりとコストをかけた作りになっている場合が多く
クロックを換装しても効果が薄い場合がありましたが、このモデルは入門クラスですのでクロック周りの設計は
昔ながらのオーソドックスな作りでした。
そのため、クロック交換の効果が大きくS/N比の向上、解像度アップ、情報量の増大、レンジの拡大等
大きな改善効果が得られました。
 
 
 
2018/02/24 CAMBRIDGE AUDIO CXC 定価 68,040円(税込) 

最近の新製品開発状況を見ているとCDプレーヤー(SACDプレーヤーではありません)に真剣に
取り組んでいるメーカーさんはほとんど無くなってしまい、ごく少数のメーカーさんが頑張ってくれている
状況です。 
ましてや、CDトランスポートとなると、絶滅危惧種に近い状況でほとんど市場に流通しなくなりつつあります。
吉田苑でリファレンスCDトランスポートとして使用していた PsAudio PWT もついに製造完了となり
いよいよ後が無くなってきた所へ、救世主のように現れたのが CAMBRIDGE AUDIO さんの CXC です。
今では貴重なCDトランスポートで、その上信じられないほど安い、なんと68,040円(税込)なのです!!!

早速仕入れて試聴したところ、十分に信頼出来る良いトランスポートでした。
ですが、さすがにコストダウンの影響が各所に見られ、メインで使用するにはいささか心許ない所もございます。
こうなると、久しぶりに徹底的に改造して、メインでの使用に耐えることが出来る物を作ってみたくなりました。

せっかくですので、どのように改造していくのかを少しだけお見せします。

 

届いてすぐに試聴して、そのまま分解してしまったため完成品状態の画像がありません・・・
それほど、この機材が素材としての魅力に溢れていたとお考えください。

天板、リアパネル、CDドライブユニット、制御基板、電源基板、フロントパネル、操作基板、底板、トロイダルトランス
に分かれており、価格を考えると、丁寧に良く設計されています。

この画像には底板が含まれておりません。
底板は現在、箱物製作業者様にお渡ししてあり、一から作り直します。
底板は全てのパーツが搭載される重要な土台ですが、コストの関係から0.8mmの薄い鉄板が使用されていましたので
6mmの鉄板で試作しているところです。完成が楽しみです。

 
 
大変重要なパーツであるCDドライブユニットです。
見た瞬間に「おおっ!」と声を出してしまいました。
0.8mm厚の鉄板(画像の白い部分です)でベースが製作されています。
ハイエンドモデルでさえこの部分はプラスチック製がほとんどですので、価格が信じられなく、間違えて付けたのではないかと
思えるほどです。
ピックアップ部は振動対策のためにフローティングされていますが、吉田苑ではこのフローティングを止めて
リジッドに固定します。
外部震度に弱くなるという弱点がございますが、情報量が増えエッジが立ちますので
ピックアップのリジッド化は吉田苑の定番メニューです。
音楽を聞きながらCDプレーヤーの横で飛び跳ねたりしない限りは悪影響はございません。

 

電源部です。
こちらも価格が信じられない贅沢な構成です。
電源トランスには、トロイダルトランスが使われています。
電源基板上の右半分はスイッチング電源が組んで有り、左半分にトランスからのアナログ電源回路が組んであります。
スイッチング電源は、電源オフ時のリモコン回路用(待機電力)ですので音に影響しない部分でのみの使用です。

左半分のアナログ電源はフロントパネルの表示基板と、操作基板を動作させるためだけの専用電源になっており
CDドライブユニットを動作させる電源とその制御系用にはさらに別途アナログ電源が組んであります。

電源オフ時用のスイッチング電源
フロント表示部と操作部用電源
CDドライブユニットと制御系電源
と贅沢な電源構成になっています。

左奥の四角い黒いパーツは100V/220Vの切替スイッチです。
日本で使用する場合、100V固定で問題ありませんから、この部分は回路から切り離して直結します。
電源ラインの余計な接点が減りますので、音質向上に有効な部分です。

 
 
こちらは出力部です。
表から見ると何も付いていないように見えますが、裏側に回路が組んであります。

 
 
右側三分の一がデジタル出力部です。
右側の中央手前の黒いICがバッファーアンプです。
CDドライブユニットで読み出されたデータがここで増幅(安定化)されて送り出されますので、重要な部分です。
このIC動作用電源はCDドライブユニット電源と共用ですので、この部分は切り離して別途電源を組むことにしました。
せっかくですので、トランスまで別にした完全な独立電源を組み込みます。
最終的に2トランス構成という贅沢なCDトランスポートとなります。

光デジタル出力も付いていますが、これは完全に余計な負荷となっているため回路を切断して
信号その物が行かないようにします。
さらに光出力回路への電源供給もカットします。

デジタル出力部から左側は全て音とは関係ない外部機器との連動操作を行うための回路です。
この部分は音質上マイナス効果しか生まない部分ですので、電源ラインを遮断して動作しないようにしてしまいます。

 
 
CDドライブの制御と読み出したデータの処理を行うメイン基板です。
手前の赤、白、黒の3色ケーブルがメイン基板からデジタル出力基板までデータを送るケーブルで
赤はデジタル信号、白はIC駆動用3.3V電源、黒がグランド(シールド)です。
なんと、デジタル信号と3.3V電源をひとまとめにして送っているのです。
さすがにこれはまずいので、ラインを新たに作り直して信号ラインと電源ラインを分離します。

 
 
メイン基板心臓部のオーディオデコーダチップ周辺です。
16.9344MHzの水晶発振器も見えますが、今回はクロックには触らない予定です。
この細いパターンを追っていく作業は根気がいります。この基板は2層基板ですのでまだ何とかなりますが
最近は4層基板等、多層基板が多くなってきましたので目で追いかけることが出来なくなりつつあります。

改造の楽しみが無くなるので、無理に集積度を上げなくても良いのに・・・と愚痴を言いたくなります。

というところで、まだ頭の中で改造案を練っている段階ですが、大体このような改造になると思います。
デジタル信号経路に直列に入る抵抗やコンデンサーは、音質を聞きながら良い物へ交換出来たら良いなと考えて
パーツ候補を色々と物色中です。

2007年に発売した HT01 Ver2.0 以来の徹底改造CDトランスポートとなります。
発売時期や、販売価格はまだ未定ですが底板が完成すれば、ある程度見えてくると思いますので
形が見えた時点で再度お知らせいたします。


 
2018/01/21 CAMBRIDGE AUDIO AM10 売価 24,800円(税込)AM10購入
                      CD10 売価 24,800円(税込)CD10購入 

CAMBRIDGE AUDIO はイギリスの老舗(1968年創設)オーディオメーカーです。
入門クラスからミドルクラスまでのラインナップを持つ、日本で言うとDENONさんのようなイメージのメーカーですね。

入門クラスとしておすすめしておりました ONKYO CR-N765 が製造完了となったため、代わりになる
低価格で音の良いシステムを探していたのですが、おすすめできる良質モデルの第一弾です。

プリメインアンプ CAMBRIDGE AUDIO AM10 24,800円(税込)
お手頃価格ながら、メリハリの効いた明快で厚みのある再生音を聞かせてくれます。
駆動力もあり、余程の低能率スピーカーでもない限り馬力不足を感じることはないと思います。
位相特性も良好で、スピードもこの価格帯のアンプでは最速の1台です。
リモコン操作にも対応しており、立派なリモコンが付属します。

CDプレーヤー CAMBRIDGE AUDIO CD10 24,800円(税込)
アンプと同様の音作りで、優秀なCDプレーヤーです。
一点残念な部分は、同一シリーズなのですが電源入力部の形状がアンプと違います。
アンプは3Pインレットですので、オーディオグレードの電源ケーブルが使用可能ですが、なぜかCDプレーヤーは
めがね型インレットとなっています。
これは悲しいので、手元にあっためがね型→3Pインレット変換アダプターを使用して、電源ケーブルを交換してみました。
使用する電源ケーブルに合わせて、きちんと音質が変化します。
このプレーヤーを使用する際はめがね→3Pインレット変換アダプターを使用して良質な電源ケーブルを使ってあげたいです。

 

上段が CD10
下段が AM10
になります。

 
価格としてはアンバランスですがスピーカーに DIATONE DS-4NB70 定価 1,296,000円(税込)を接続して視聴しました。
アンプとCDプレーヤーセットで5万円の機材で130万円のスピーカーを鳴らすという、普通に考えるとおかしな組合せですが
全く問題無く鳴ります。
入門クラスらしいドンシャリサウンドではありますが、位相特性が良好でスピードも速いのでいやな音がしません。
楽しく音楽を聴く事が出来ますので、スピーカーに予算のほぼ全額を注ぎ込むスピーカー一点豪華主義システムとして
十分にありだと感じました。

より現実的な DALI Zensor1 定価 47,304円(税込)でも試聴しましたが、弾けるような元気の良い音でスピーカーを完全に
ドライブしていました。
入門用、セカンドシステム用として、文句なしにおすすめできる楽しいセットです。