FUNDAMENTAL

プリアンプ
LA10

定価 1,080,000円(税込)



納期:受注生産品に付き約3週間
左:プリアンプ部 / 右:電源部


試聴会などで何度かリポートしてきたFUNDAMENTALブランドのプリアンプ LA10がいよいよ発売となりました。

SOULNOTE(FUNDAMENTAL)製品が価格が105万と、かなり高価になって「高すぎる!」と言う声もあると思います。
我々も最初はそう思っていました。ただ、そのコダワリと音を聴くと、「高くて当然かなあ〜」と言う仕方ない気持ちにもなりました。

<特徴>
電源部とプリ部を別筐体となっています。
外観は全て分厚いアルミ板で構成されています。

面白いのは各パネルを接合せず(面と面をくっつけない構造)になっており接合がA7000番系のアルミビスで接合しているため、共振をパネルで極力逃してやるストレスフリー構造になっています。電源BOXも同様の構造です。

LA10試作版では、定評あるセイデン製の高級セレクターを搭載していましたが、このセレクターでもわずかな特性変化があるので、製品版ではセレクター無しになってしまいました。
ですので入力切り替えは出来なくなってしまいました。入力切替はこのクラスではDAC使用の方が多いと思いますので、DAC側で切り替えて御使用頂く事を推奨しているようです。

電源部は1KVAの巨大なトロイダルトランスを搭載しています。消費電力は僅か10W程度のプリアンプには大袈裟過ぎるぐらいの大容量トランスですが、わずかなエネルギーロスを嫌い完璧な電源供給を実現しています。

ボリュームはP&G社のロータリーフェーダーを使用しています。P&G社のボリウムは高級プロ機では絶大な信頼を得ていますが、あまりに高精度な為、手作りで日産1機程度のペースでしか作れないそうです。
コンデンサーも高速、高精度な物を選別、コンデンサーのフィルムカバーの僅かな静電気帯電を嫌いカバーを剥いで使用しています。
内部配線は先に発売となったFUNDAMENTALケーブルを使用しています。(実はこのケーブルはこのプリアンプの為に開発されたケーブルです)
使用するハンダも市販のものでは、わずかに特性が変わるため、特注のものを使っているそうです。

アクティブプリアンプとしては珍しい、ゼロゲインプリで、入力信号に対して一切の付加をせずに、かと言ってパッシブプリアンプのようなインピーダンス変化は、ほとんど無いので、まさにアクティブプリとパッシブプリの良いとこ獲りを実現しています。

周波数特性はDC〜28MHz(+0、-1dB)という聞いたことの無いスペックが記載されています。
(究極のプリアンプ
DYNAUDIOのアービターでDC〜5MHz。スペクトラルのプリアンプDMC-30でDC〜15MHz[-3db]
※但し計測方法が違う可能性があるため一概に同列に比較出来ませんが・・・)
もちろん、このメガヘルツの高周波領域は耳には聞こえないですし、CDでは20KHz程度しか必要ありませんので、この超ワイドレンジが必要か?と言われると、「必要ない」と言わざる得ませんが、ここまで計測しても特性変化が起きないと言う指標にはなるかと思います。
実際鈴木氏の話では、特性計測はケーブルの特性を計測する世界だったようです。
(その他のスペックもページ下部に転載しておきます)



さて音質ですが、究極レベルのプリアンプでしか聴けない世界です。
高解像度、高情報量、超ワイドレンジ、超ハイスピードを体現したプリアンプで、音楽ソースをそのまま音量調整すると、ここまで生々しく、存在感があるのかと心から思いました。
プリメインアンプX-PM10の上流に配しても、その効果は十二分に体感できます。
現在のオーディオシステムの中では段々注目されなくなってきたプリアンプですが、LA-10を聴くと改めて、プリアンプの大切さを思い知らされました。
FUNDAMENTAL/SOULNOTE試聴会では

sc1.0(CDT)+sd2.0(DAC)+LA10(Pre)+sa4.0(Pow BTL)+sm10(SP)

と強いて言えばプリとDAC以外は安価な部類のシステムでありながら、並のハイエンドなら裸足で逃げて行きそうなサウンドを聴いてしまうと、プリアンプが占める音の支配力は相当なものだと感じました。

今までのソウルノート製品はどこか「コストパフォーマンスの良さ」を求めている感じがしましたが、このLA10に関しては鈴木氏が妥協を一切排したコスト、手間と言うリミッターを外したプリアンプです。
現時点、究極のプリアンプの一つでしょう。
LA10はラインアンプの略ですが、まさに音量調整できるケーブルと言っても過言ではないかもしれません。


プリアンプ LA10 Specifications

【定格出力】 2.0V
【入力インピーダンス】 10kΩ
【アンプ電圧ゲイン】 0dB(ボリューム込み挿入損失0.6dB)
【周波数特性】 DC〜28MHz (+0、-1dB)
【全高調波歪率】 0.0015%(定格出力時 20Hz〜20kHz)
【残留ノイズ】 4μV(フィルターなし)
【S/N比】 125dB(IHF Aネットワーク)
【チャンネルセパレーション】 105dB(1kHz)
【電源電圧】 AC100V 50/60Hz
【消費電力(電気用品安全法)】 10W
【最大外形寸法】 アンプ部 : 320(W)×108(H)×270.2(D)mm
           パワーサプライ部 : 320(W)×152(H)×236.5(D)mm
【質量】 アンプ部 :5.4kg パワーサプライ : 13.8kg