まずは新生SOULNOTEの設計者よりコメントをいただきました。御覧ください。
新生ソウルノート」がユーザーに伝えたい魂のサウンド
SOULNOTEは誕生してから今年で10年目を迎え、株式会社CSRを母体とした製販一体のメーカーブランドとして、「設計者自身が音を聴きながら製品開発できる」体制のもと再出発をしましたので、皆様、改めましてよろしくお願いいたします。
SOULNOTEが目指す音についてはスタート当初から一貫しています。まず、音が「生きて」いること。音楽の楽しさ、ワクワク感、感動がダイレクトに伝わる音・・・これこそがSOULNOTEの「魂を揺さぶる音」なのです。「頭で考えないとわからない良い音」とは対極とも言える、「何も考える必要の無い、ダイレクトに心のヒダに浸透してくる音」です。ではそのような音はどうしたら得られるでしょうか?
水の流れで例えるなら、SOULNOTEの目指す音は、製品の全ての構成要素において「何処かで流れが堰き止められる事なく全開で流れる」ことで初めて得られます。逆に、何処かで堰き止められた水の流れは、他でいくら頑張っても取り返すことは出来ません。
「何が流れ堰き止め、魂を失わせ、音を殺すのか?」について、今までの経験から確実に言えることは、「歪みやSNなどの測定値とはあまり相関が無い」と言うことと、さらに「測定値を良くすためのテクニックや回路は、そのほとんどが取り返しがつかない程に音を殺す」と言うことです。つまりこれは「実際に音を聴かない限り、数字だけでは何も判断出来ない」ことを意味します。
また、これは電気回路だけでなく、筐体についても言えます。振動が音質に重大な影響を与えることは今や常識ですが、安易に振動を抑える為の「重さ」や「防振」はまず確実に音を殺します。振動は無いのが理想ですが、いったん生じてしまった振動は自由にさせながら「いなす」のが一番なのです。皆様から天板が安っぽいとご批判を受けても変えない理由はそこにあります。
SOULNOTEサウンドを生みだすためには、回路を決め、常数を決め、回路電流を決め、部品を決め、レイアウトを決め、プリント基板を設計し、筐体を設計し、安全対策や不要輻射対策をする・・・と言う全ての開発過程において、常に音を聴きながら音を殺さない方法を選択し続ける以外の方法はありません。
さらに、ここで重要になるのが音を選択する上での判断基準です。通常は安易にバランスを取りに行きがちですが、早い段階でそれをやると「魂を揺さぶる音」にはまず到達できません。どちらが最終的に音を生かす道なのか?を冷静に見極める選択作業の繰り返しとなります。
このような過程を経て誕生した今回の新製品フォノイコライザーE-1の音は、新生SOULNOTEが新たな次元に到達したことの証明となりました。また、「無帰還テクノロジーにさらなる可能性があること」そして「最終的には、あえてバランスを取る必要がないほどの高みに到達し得る」ことを我々に教えてくれた製品となりました。
是非みなさまの耳で、新生SOULNOTEの「生きた音」をご確認ください。
フォノイコライザー E-1
幻のフォノイコライザー「ph1.0」を超えたか。
先日(2016.10)、DAITONEの試聴会前日に設計者みずから当社に試作機(E-1,A-0)の持ち込みをしていただきました。
現在、当社がメインで使用しているカートリッジ、フォノイコは光カートリッジシステムになりますが、光カートリッジシステムに勝るとも劣らない元気で肉厚な音が出ます。
E-1は、幻のフォノイコライザーph1.0(当時20台か30台くらいしか生産されなかった。)の基本回路構成を踏襲して設計されたフォノイコライザーで、カートリッジ出力、フォノイコの入力から完全バランス無帰還ディスクリートで組まれたフォノイコライザーになります。
リアパネルの写真からも分かるように、入力にもバランス入力が付いています。
出力側にももちろんバランス出力が付きます。
試聴にはオーソドックスなカートリッジ DENONのDL-301Ⅱを使用しました。
それから大昔のSATINのM18B(高出力のMC型)も使用しましたが、MCのヘッドルームマージンが大きく高出力型もそのままMCポジションで入力が出来ます。
入力インピーダンスの切り替えも細かく、必要なポジションはきちんと押さえてあります。
カートリッジ交換による音色の変化、インピーダンスの切り替えによる変化も明瞭です。
10周年モデルのA-1やC-1で旧来の厚みのある路線に戻った感の強いSOULNOTEですが、このフォノイコもその路線を引き継いでいます。並のフォノイコでは細身に聴こえるDL-301Ⅱですが、このフォノイコで聴くと全く別の世界が見えます。
中域が厚く、中低域のよく張ったハイスピードサウンドが楽しめます。
混濁しがちな低域から中域にかけての音の分離がすばらしく、これがDL-301Ⅱかとびっくりするような出音です。
このフォノイコを使えば、手持ちのカートリッジも色々と楽しめそうです。
このフォノイコの登場で、光システム以外でも随分と楽しめそうなアナログワールドが展開できそうです。
まだ試作段階の商品の試聴でしたので、製品版の展示が完了次第、サンプル音源をアップしますが、新生SOULNOTEの新しいラインアップは従来路線を超えた、リーズナブルな商品を作ってくれそうです。
・E-1背面です。
インテグレーテッドアンプ A-0
完全無帰還ディスクリート回路。
sa1.0の基本コンセプトはそのままにリニューアルモデル。
評価の高かったsa1.0Bのリニューアルモデル。
全帯域でドライブ力を向上させつつワイドレンジ化を図ったモデル。
sa1.0ではリアパネルにあったL/Hのゲイン切り替えスイッチをフロント側に移動、プリアウトスイッチを全面に装備して、使用目的に応じた使い方がより明確にでき、使い勝手の向上がなされている。
バランス入力は、CDプレーヤー C-1と今回のE-1との接続を考えてバランス入力が2系統装備されている。
RCAは入力2系統、プリアウトは残念ながら前作同様にRCAが2系統の出力になっている。
個体サイズは、A-1同様奥行きのある標準サイズで、写真の様にレイアウト的には、前作のsa1.0よりもかなり余裕のある作りになっている。
A-1同様に周波数特性、歪、位相、S/N比ともに聴感上もスペック上もいずれも良好。
小音量に特化したアンプだが、A-1や前作のsa1.0に比べても音質的に扱いやすい。
A-1やsa1.0は、セッテイングや前段の機器による音の変化がかなりしっかり出るモデルだが、A-0は意外と最初から元気よく、ある意味神経質にならずに楽しめる気楽さがある。
セッティングに対してアバウトといえばそれまでだが、セッテイングの違いによる変化量が小さいだけで出ない分けではない。
それを超える音質の明確さは楽しい。
オーディオ的な細かな変化を好む方にはA-1がお勧めだが、SOULNOTEサウンドの入門様には、音の方向性が簡単に明瞭に分かるA-0はお勧めでできるアンプである。
C1背面です。
A-0も、まだ試作段階の商品の試聴でしたので、製品版の展示が完了次第、サンプル音源をアップします。
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