この世で一番いらない知識
オーディオカタログの読み方

ステレオの購入を考えている貴方にとって、入手可能な情報の多くはカタログのデータではないだろうか?
これを正確に読めれば、きっとすてきな音楽が貴方の部屋に広がるかも知れない。
そんな儚い夢に答える為になにか書いておかなければと、ミニコンの使いこなしの好評で調子に乗った吉田苑が送る
「オーディオマニアになる!」の第二弾

カタログを読み込もう

アンプ編

右にCR-D1のカタログデータを示します。

定格出力    アンプの力

簡単ですね、しかし括弧の中が結構曲者です。
40W出せるけれども、それには条件がある。
まず繋ぐスピーカーの負荷インピーダンスが4Ωである場合。
たぶん8Ωを繋いだら30Wを大きく下回る性能に成るかと思います。
更に周波数は一番得意な1KHzでその一つの信号に対して変調を起こした歪みが全体の信号の0.5%までくらい許して
もらえばね。 というくらいの意味です。

では他のアンプの定格出力を見てみましょう。

両チャンネル駆動(CD→SP OUT)
80W+80W(負荷8Ω、20Hz〜20kHz、T.H.D.0.07%)

このアンプは2006年発表され、各誌で大評判を呼んだ
15万クラスの人気機種です。
CDの音をスピーカーに出したとき、8Ωのスピーカーを
20HZから20KHZの全帯域で、80w+80wの出力を得ら
れます。

さすがに15万円超えるプリメインアンプですねぇ。
CR-D1の40wとはまるで違います。しかも歪み率は
THD全高調波歪率(TotalHarmonicDistortion)0.07%!!
カタログ値が分かれば、このような数値に惚れ込みます。
そう泥沼が始まる頃です。
定格出力 40W+40W(4Ω、1kHz、全高調波歪率0.5%以下)
実用最大出力 60W+60W(4Ω、JEITA)
アンプ部全高調波歪率 0.08%(1kHz 1W出力時)
アンプ部周波数特性 10Hz〜60kHz/+1dB、−3dB(LINE1)
アンプ部SN比 100dB(LINE1、IHF-A)
トーンコントロール最大変化量 ±6dB/80Hz(BASS)、
±8dB/10kHz(TREBLE)、
+7dB/80Hz(S.BASS)
CD部周波数特性 4Hz〜20kHz
FM受信範囲 FM76.0〜90.0MHz、VHF 1、2、3ch
消費電力 80W
待機時電力 0.15W(電気用品安全法技術基準)
最大外形寸法 幅205×高さ116×奥行き335mm
質量 4.5kg
音声入力端子 デジタル1(光)/アナログ3/ステレオミニ1
音声出力端子 デジタル1(光)/アナログ2/ステレオミニ1
サブウーファーモノ出力端子 1
ヘッドホン端子 1
DC 出力端子 1(UWL-1接続専用)
RI端子 1
数値だけを見れば2サイクル空冷50ccと4ストローク液冷800ccくらいの違いです。まぁ価格が違うのですからしかたがありません。
しかし吉田苑ではこのプリメインアンプはなぜだかわかりませんがお奨めには入っていません。

形式 

真空管方式、(たま、ちゅーぶ、かんきゅう)
いまだにfanが多い形式、素子としては優れた素材だが。もはや良質な真空管のメーカーの無い今。マイナーな趣味である。
真空管だからこんな音が出る、は間違い。真空管でもA級、B級はありますし、華やかな多極式も(華やかでない回路も組める)あります。
エネルギッシュな3極管など、一概にその音質を語ることは危険。
しかし、この星では真空管は暖かい音がする事になっています。
 
デジタルアンプ
この頃、妙にfanが多い、真空管に負けずに方式の違いもあり、1bit、PWMなど選択の余地がある。
フルデジタルが良い、光じゃないと意味が無いなど、極端な純粋主義者に意味不明のせりふが見受けられる。
共通していることは、どんなにひどい音のデジタルアンプでも、エネルギー変換効率がよく環境にやさしい。
しかし、この星ではデジタルはくさいそうだ。(どんなにおいがするのだろう)



実用最大出力
ここいらへんの数は、高速道路で車体がぶれずに時速何キロ出るかみたいなもので
意味がありません。日頃運転しない速度ですから。

うちのスピーカーは最大入力30Wしかないからつなげないのでは?とか40wの4Ωに
我が家のスピーカーは8Ω100Wだから鳴らないだとかよく質問を受けます。
普通のご家庭でかなり大きな音を出していると思ってもせいぜい5Wくらいです。常識的には
つないで大丈夫です。とはいっても300Ω(学校放送用)や2Ω(超高級)のスピーカーが存在しないわけではありません。
電気屋さんで日常的に取り扱っているスピーカーとアンプはほとんど故障を起こさず、鳴ると思います。

SN比
100dBSignal(信号)とNoise(雑音)の比率を言います。ではdB(デシベル)とは何でしょう?
比率をあらわすのに適した単位だと言う事で納得してください。
20dBで10分の一、40dBで 100分の一、というふうに幾何級数的な数字を
算術級数にしてあらわします。
続けましょう。60dBで1000分の一、80dBで一万分の一、100dBだと十万分の一
と言うことになります。つまり一応は雑音はしませんということです。

例えばパチンコ屋さんに行って、ジャラジャラいう音とBGMの歌謡曲が同じくらいの音だとすると
SN比は0dB(一分の一)ということで理解してください。他には3dBで2分の一、あるいは2倍。
10dBで8倍あるいは8分の一です。
53dBは 20+20+10+3dB ですから 10掛け10掛け3掛け2 600分の一、あるいは約600倍
というふうにおおよその倍数が分かります。

CD部周波数特性
4Hz〜20KHz
十分ですね。CDは20,000Hzまでしかでませんから。
ここで数字が大好きな人たちの論理を振りかざして見ましょう。(笑
「レコードだったら40,000Hzとか出る。」
おおこれは大変ですね。だったらCDはアナログの半分しか音が出てない!?

下が普通に使用されている周波数特性グラフです。ピンクの部分が
20K〜40KHzの部分です。わずかなものでしょ?ちなみに普通の人が
聞こえる周波数を緑の色で塗ってみました。若い人でしたら20KHzちかくまで
聞こえる場合がありますが、普通どんな音か知りませんので聞こえません。
例えばブラウン管TVからキーンと出ている音を聴いたことがありますか?
実際に鳴っています。35歳くらいから聞こえなくなるのが普通ですが
高校生の方でも知らなければ意識することはありません。あの音で
15KHzくらいです。結論 周波数特性はあまり気にしない(笑
機械の40KHzを心配するくらいなら自分の耳の性能を心配することが先です。
40KHzが聞こえるなら犬笛が普通に聞こえるほどです。(犬笛はオーディオマニアの
ほとんどの人が聞こえますが(笑)
気にしないでいいでしょう。貴方がこうもりあるいは、イルカでもなければ。


ダンピングファクター

リクエストというかこのごろ質問に多いので、ついでに書き込んでおきましょう。
アンプの内部抵抗が低けりゃ何ぼでも大きくなるのがダンピングファクター、あるいは16Ωを繋げれば
倍になります、NF掛ければいくらでもあげることが出来ますし。近頃アンプのカタログに書いていないのは
そういうわけです。つまりカタログ数値としては、複合的な要素が大きすぎて比較が出来ないので書けな
いわけですね。気にしないでください。これが大きければ大きいユニットの制動を掛けるが出来る・・・だからなんだ?
そんな気持ちで見過ごしましょう。

スピーカー編


Dynaudio
コンシークエンス
30センチウーファーの5way
何本で鳴らそう
1way 一本で全てを鳴らそうとがんばってみること。そういう欲張らない
    スピーカーユニットをフルレンジスピーカーと呼びます。
2way 低音と高音で別に鳴らすこと
3way 低音と高音と中音を別々に鳴らすこと
5way 左の写真みたいなことになること、
    左のコンシークエンスは奇跡的といってもいいくらい成功しています。
    だったら5wayだったらなんでもいいと思うのが間違いの元。
    シングルコーンには再生周波数の広さをあきらめた分。
    位相管理のしやすさ、ネットワークを使わずにすむ有利さが考えられ、
    よく出来たマルチウェイには、高価にはなりがちなものの広い周波数
    と大きなダイナミックレンジが魅力につながります。

箱の形式
密閉
勘違いの正義        
        スピーカーは一般的には、膜を前後させて音を出します。
        ということは前にも音は飛んでいきますが後ろにも飛んで
        いきます。それを箱に閉じ込めようとする方式。低音は低い
        ところまでがんばれますが、周波数が下がれば下がるほど、
        音自体は、どんどん小さくなります。

バスレフ   バス(低音)レフレックス(反射)の略
卑怯者の結論 
        やっぱり密閉だとおとなしくなるので後ろに飛ぶ音を反転さ
        せてちょうど膜が前に動くときに合わせて一回遅れの
        後ろへ動いた低音のエネルギーを回り込まそうとする
        姑息な方式。
        開放的な音は、特定の低音を大きくするが、それ以外は急速に
        減衰する。切れのよさに繋がる場合が無いではない。


ALTEC A5
大型ホーンとフロントローデッド
ホーンウーファー
能率103dB
クロスオーバー500Hz
バックポートタイプ
優柔不断の怯え
一定の周波数の低音をあきらめきれないので、適当に後ろに穴を開けた方式
バスレフのようにもっこり低音から抜けられるが、後ろの壁の影響はかなり
大きく、部屋の真ん中にスピーカーを置くという悲しい現実を迎えることも
まれではない。
その他にも色々形式はあるがいずれ必要性があれば書き込む予定

インピーダンス

セッティングの項参照

最大入力

これ以上入れて欲しくない入力 続けると普通高音域のユニットから壊れる。

定格感度レベル

能率とも言う。
1W入れて1mの距離でどれだけやかましいかという事。
82dBは、かなり能率が悪いクラス。
だからといって高能率過ぎてもどうかと、大きい部屋が要る可能性が出てくるかもしれない。
たまぁに82dBと102dBとでは100倍も違うんだぞぉって人もいますが、気にしないことです。
高能率=高過渡特性であるかのような一部当たってますが、それが全てのわけでもない。
とはいえ、高能率スピーカーの初動の速さはちょっと当店でも可能性のひとつに上がっています

定格周波数範囲

これが一番意味の無い数字かもしれません。
20Hzの音を綺麗に再生するためには17メートルの波長を扱わなければ
いけないことを覚悟してください。ティンパニーの直径は80センチほどあります。
たかだか38センチのウーファーで再生できるのでしょうか?
高域はエネルギーが小さいのでかなり上まで数字は稼げます。

どこであきらめるのかが大事なのかもしれません。

クロスオーバーネットワーク

2wayの場合、高音と低音の境目。
この周波数で設計者の考え方が分かる。結構重要なものかも
例えばALTECのA5と言うスピーカーは、500Hzでクロスオーバーにしたものが標準。
いかにホーンドライバーをメインに聴かそうかとしているのがわかります。
ディナオウディオの名機SP25は、多分2.5Khz前後。
つなげるのが一番難しいところですがその分ユニットに無理はさせないレベルですね。

キャビネット内容積

箱の中の体積
近頃、キャビネットにウイスキー樽の廃材材料にしてキャビネットを
作ったスピーカーがあります。一部の製品はなかなか愛らしい音を響かせてくれますが、
何か勘違いしているのかなと思う製品も存在します。

外形寸法

これがスピーカーのサイズ、多分一番重要な数字です。
部屋に入らないものは買わないほうがいいからです。

使用スピ-カー
使用ユニット

ここでは高音用低音用にどんなスピーカーが使われたかが謳われます。
名称はキャビネットに入っていてすぐ使えるものをスピーカーシステム
超高音用をスーパーツィター、高音用をツィーター、中音用をスクォーカー 中低音用をミッドバス
低音用をウーファー、超低音用をスーパーウーファー。これらをスピーカーユニットと呼びます。
リボン、イオン、ハイル等、ツィーターには色んな方式が考えられます。
ウーファーには新しい素材が受けています、中には防弾チョッキに使われている
ケブラー繊維(軽く恐ろしい強度は確かに銃弾を防ぎます)だから可能性を持っていますが
だから音が良い保証にはなりません。設計者の感性を信じたいものです。
自然木目の薄膜(かんなくずじゃない)を日本酒で軟化させてコーン形状を作るとかの場合、
ここに何かのロマンが香ります。怪しいですね。(笑
何故アルコール希釈液ではだめなのか説明して欲しいものです。
それでもロマンを求めるのであれば、純米酒(出来るなら神亀)等を使って
いただきたいものです。

セッティング

まだまだ未完成ですが、ご要望に応じて解説を加えて行こうと思っています。お気軽にリクエストをください。