------------------------------------------------------------------------------- 「製品レビュー」 発砲 吉田 12月23日 ------------------------------------------------------------------------------- 今年最後の言いたい砲台です。 プリメインアンプ DEVIALET D-Premire Air 1,580,000円(税込) 輸入商社STELLAVOXさんが取扱初めた、フランスの新ブランドのデビアレ社のアンプです。 見た目、好き好きはあると思いますが、鏡面仕上で平べったい湾曲した箱はコストが掛かっているでしょう。 目が凝り過ぎているので、正直に告白させて頂くと聴く前は 「カッコだけのセレブアンプだろうな・・・(ボソ」 とあまり期待はしていませんでした。 ところが音を出して以外や以外。スッキリした印象で全然ハイエンドっぽくありません。 情報量、解像度、スピード感も中々優秀です。 パワーもこの薄い箱ながら240Wもあり(今現在中古展示中の)サファイアを軽く鳴らしてくれました。 低域の質も、重い割に膨れず、弾力があります。 アンプ部はA級アンプ1個とD級アンプ4個のハイブリッドで どういう構造か謎ですが、A級らしいキメ細やかさとD級のパワー感を感じさせる音であります。 1bit系のデジタルアンプともは違う音ですが中々良い音のするアンプだと思いました。 端子はアナログ入力の他にDACも内蔵しており、光、同軸デジタル入力に加えHDMI入力もあります。 内蔵DACの出来も良いです。 WIFIストリーミングにも対応していますが未聴。これは要るのか不明。とりあえずBGM再生には便利なのでしょうか? 高価だけに、誰にでもオススメできるアンプではありませんが 見た目を含めて気に入ったのであれば、良いアンプです。 気になる方はお問い合わせください。 --- スピーカー ARACRAFT TEDIUS AL100ND 184,800円(税込) FOCUS110無き今、皆様にお薦めできる、この価格帯のスピーカーを探しているのですが、懇意にさせていただいてる代理店からこのスピーカーを紹介頂きました。 最近金属エンクロージャーのスピーカーが好きな吉田苑ですのでAL100NDは期待せずには要られません。 ARACRAFTは聴き慣れないメーカーですが、オーナーはJBLに携わっていた方で 辞められてから御自身でスピーカーの製造・販売されているそうです。 (最近はご時勢でしょうか?元○○の方が独立されて起業される方が多いです) スピーカーの構成は12cmウーファーと20mm径のコンプレッション・ツィーターの2WAY。 キャビネットは12mm厚のアルミ無垢材にヘアライン加工がしてあり、質感は良いです。 148W×206H×223D(mm)とかなりコンパクトです。 さて音ですが、期待と裏腹に少し残念な結果に終わりました。 中々の解像度や、小型ながら広い音場を再生してくれるものの 低域がやや膨らむ感じである。 この低域については、吸音材の調整やインシュレーターなどで我々の好みに持っていく事は可能でありますが、高域が思ったほど伸びがないのが少し残念です。 ユニット特性なのか理由はわからないがホーン型のツィーターなのでもう少し、スカっと鳴ると理想でした。 決して悪いスピーカーでは無いのですが、我々としては非常に惜しいスピーカーです。 --- デジタルプリメインアンプ ORB JADE-Quartet 231,000円(税込) 同社のDAC、JADEシリーズの筐体を用いたコンパクトで見た目ちょっとカワイイです。 デジタル入力(同軸、光、USB)のみ入力可能です。(アナログ入力は無し) デジタルアンプはIcePowerでオペアンプにはJRC製の高級オペアンプMUSESを採用してます。 偶然でしょうが、同時期にTEACがUD-H01(市場価格4万)が同じくデジタル入力付きで グレードとスペックは違えどICEPower+JRCオペアンプのMUSESシリーズを採用していますが この構成は最近の流行りなのでしょうか? 音質に関しては残念ながら当店の好みとは申し上げられません。 音は全体的の大人しい方向で、レンジ感は中々。S/N感は普通ですが 価格からするともう少しスピード感や解像度があればと感じる。 見た目と裏腹に音楽が淡々と流れる印象で、もう少しキャラクターが欲しいと思います。 極論ではありませんが、現時点IcePower採用機は、(ジェフロゥランドが少しマシな方かなあ) だいたい位相特性、スピード、解像度が、やや物足りないと感じる物が多いです。 価格が安い分、TEAC UD-H01は納得出来るのですが、他はコストパフォーマンスは 良いと言える物が今のところ無いです。 ---- 以上 今年も皆様にはお世話になりました。 また来年もよろしくお願いします。 それでは、よいお年を! |
------------------------------------------------------------------------------- 「ヘッドホンとスピーカーの違い」 発砲 吉田 12月19日 ------------------------------------------------------------------------------- 少し前のお話ですが、Nmodeの試作バランスヘッドホンアンプの出来が素晴らしく 「予算20~30万までなら、スピーカーシステムでなくてヘッドホンシステムで十分じゃないか?」 と一瞬頭によぎってしまった。 そこで改めてスピーカーとヘッドホンの違いを考えてみました。 ヘッドホンの良さは 『振動板が小さいので高速振動でき、音にスピード感がある。』 『耳元の閉じた空間で鳴らす為、解像度、情報量が高い』 『同じく、(スペック上)20Hzの超低音再生も安価なもので再生可能』 『出来の良いヘッドホンシステムなら、耳元で鳴ってる感じもない』 『何より大音量でも近所迷惑にならない』 しかしながら、ヘッドホンの欠点というか不自然さも感じ得ない 現在の最大の音楽ソースCDのほぼ全てがステレオ録音である。 ステレオ録音の方法は様々なものあるが、ステレオ方式で左右の定位感を楽しむにはスピーカーでないと立体感は出てきません。 (中にはサラウンドプロセッサー的なものを使用して位相を回し、無理矢理立体感をだそうとするヘッドホンもありますが、本末転倒でしょう) 話は少しそれますが、吉田苑Q&Aコーナーの吉田苑の「いい音」基準に 『吉田苑は位相とレンジの二者択一を迫られた時は、位相をとります。』 と書きました。 今でもこの答えは変わりません。低音や音色だけ楽しみたいのであれば ヘッドホンや、極端なことを言えば、モノラル(スピーカー1本)でも楽しめます。 ステレオの意義と申しますか最大の魅力は、2本のスピーカーではないと得れない左右の違いから生じる擬似的なリアリティでは無いでしょうか? 我々は低音の楽しさ迫力は十分理解しておるつもりですが、ステレオにおいて低音再生は2の次だと考えます。もちろん低音を捨ててる訳ではありません音楽再生において超重低音は求めておりません。 ちょっと脱線しましたが 逆にもし音楽ソースがバイノーラル録音であれば、ヘッドホンでの再生こそが正しいと思います。物凄い実在感を楽しめます。(厳密に言えばバイノーラル録音もステレオ録音方法の一つですが・・・) 私どもが言っても声は届かないと思いますが 最近のDVDやブルーレイは大容量の情報を持ってます。 音楽メディアもこういった大容量メディアを利用して、通常のスピーカー向けステレオ録音とヘッドホン向けのバイノーラル録音の2面収録して頂くとiPodやウォークマンで気軽に立体音響の楽しさを体感できますし、今のステレオコンポの良さを知らない若い方達にリアリティのある音を体験して貰うこともできると思います。 現在オーディオの流れはPCオーディオに移行してきており 多くの方が「ハイレゾ、ハイレゾ」言っておられますが ハイレゾでも録音悪いものもありますし、ソフトの音の善し悪しは、そう言ったフォーマットでは決まりません。録音・編集の工程の方が問題で44.1KHz/16bitでも十分高音質です。 |
------------------------------------------------------------------------------- 「新製品レビュー」 発砲 吉田 10月31日 ------------------------------------------------------------------------------- またまた、主にDACとネットワークプレイヤーの話題です。 最近、DACやメディアプレイヤーの製品が多く、CDプレイヤーは殆ど話題に登りません。 今年はやっぱり、PCオーディオ隆盛の年なんでしょうか!? たまにはアンプやCDプレイヤーのレビューも書きたいなあとボヤきつつ。 さて今回は4品紹介 ネットワークプレイヤー Pioneer N-50 定価74,800円 Pioneer N-30 定価49,800円 10万円以下のネットワークプレイヤーだとマランツやONKYOなども投入してきており ネットワークプレイヤーも随分買いやすい値段になってきています。 今回パイオニアもこの市場に投入してきており、他社より安い値付けと、高機能、高拡張性を売りにしている。 特にN-50の機能は豊富で、ネットワークオーディオ、インターネットラジオ、DAC(同軸、光)、USB-DAC(192/24bit対応)、USBメモリプレイヤー、iPodデジタル再生機能を盛り込んでおり、PCM系のデジタル音源であれば、これ一台でなんでも接続して再生出来てしまうと言う優れもの。 廉価機のN-30の方は、N-50の機能からDAC、USBDACの機能が省かれる。 音質も他社より2割安いから、音も2割引という事は全然無く、ライバルに引けは取らない。パイオニアらしいクセのない鮮明なサウンドが楽しめる。 この価格帯ではお薦めのネットワークプレイヤーだ。 D/Aコンバーター SOtM dAC-200HD 18万前後 (写真下段) 韓国SOtM(ソム)社のハイエンドモデルDAC。 輸入代理店のzionoteさんから、「聴いてみて」と言うのでお借りして試聴した。 USB2.0(192/24)非同期のUSB入力と、同軸、AES/EBU、光のSPDIF入力も備える。DACチップは旭化成のAK4390(192KHz32bit)。 フルバランス回路を構成され出力はバランス、アンバランスの両方備える。 ヘッドホンアンプは無し。 上位グレードに高精度クロックボード搭載モデルあり。 正直に告白すると、聞く前は「よくあるUSBDACだろう」と余り期待していなかった。 しかし、音出してみて少々驚いた、スッキリしたサウンドで中々スピード感がある。 この価格帯のDAC中では、特に密度感と分解能が高く、堀の深い音像が特徴的だ。 アップサンプリング機能もあるが、お薦めは、サンプリング無しが一番鮮度が高くお薦め。 特に10~20万のDACは激戦区で、何分、馴染みのないブランドであるから個人的にはもう少し安い価格で販売して欲しいと思っていたが、実際聴いてみてるとコストパフォーマンスは十分であろう。 そういう意味ではお客様には是非、試聴して決めて頂きたいDACの一つだ。 D/Aコンバーター+ヘッドホンアンプ TEAC UD-H01 (オープン価格 実売5万以下) こちらも、激戦区5万円前後の、ヘッドホンアンプ+DAC構成の製品。 TEACの本気が伺える内容で、DACチップはTI社1795(192/32bit)DACチップをデュアル使用。 USBインターフェースチップはSOULNOTE sd2.0やリンデマンのUSBDACなどで採用されたTENOR社の192/24対応のTE8802L。 オペアンプもJRCの高級オペアンプMUSES8920を採用。 このクラス、サイズではACアダプターによる給電が多いが、本機は内蔵電源を採用など作り込みはかなり拘った内容。 外観の質感も高く、この価格帯の商品としては中々高級感がある。 USBDACだけでなく普通のDACとしても使えるところも良い。 音質は流石にクラスを超えた超高音質とまでは行かないが、一般的には十分過ぎるくらいの音ではある。 解像度、情報量、分解能はまずまず。欲を言えば、もう少しエネルギー感とスピード感が欲しいところではあるが、この価格帯のDACの中ではトップクラスの音質は持つだろう。 内蔵のヘッドホンアンプもドライブ力が高く、32Ω~300Ωのヘッドホンは大体問題無く鳴らせるだろう。 ヘッドホンの帯域バランスは低域寄りに味付けされている。低音の量感が欲しいという方にはお薦めである。 TEACはUD-H01の箱を使ったシリーズを展開中で年末ぐらいに2機種投入される。 DS-H01というDAC内蔵のiPod/iPhoneデジタル接続プレイヤー A-H01という、ICEpowerのデジタルアンプを搭載した、デジタル入力付きプリメインアンプ を発売予定。特にアンプのA-H01は面白そうだ。 Nmode 試作ヘッドホンアンプ 価格未定 メーカーのリリックさん曰く 「今回はバランスヘッドホン対応のヘッドホンアンプでかなりマニアックなんで、市場調査と評価を聞きたい」 と言って貸し出して頂いたもの。 見た目は実験中の試作機なので気にしないとして、音質。 ゼンハイザーHD650をバランスケーブルに変更したもので試聴しましたが相当の仕上がり。 前作X-DP1以上にクリアネスとダイナミックさを増し濃厚なサウンド。 相変わらず1bitアンプならではキレの良さ、繊細感も素晴らしい。 X-DP1で少し気になった残留ノイズも皆無と言って良いレベル。 また、この試作機は通常のフォンジャックも付いており、普通のヘッドホンでも試しましたが十分な音質。僅かな差であるがレンジ感とS/N(特に残留ノイズ量)はバランス型ヘッドホンに軍配があがると感じましたが、通常のフォンジャック再生でも、誰しも満足出来る音質であろう。 尚、この試作機はオーディオマニアが嫌うACアダプター方式であるが、メーカーさんの話では「試作機では内蔵電源方式と比べ殆ど差を感じなかったのでACアダプターで十分と判断にした」との事。 試聴前は、「D/Aコンバーター無しで、しかもバランスヘッドホン用か・・・(苦笑)」と思っていたが、実際音を聴いてみて当店が今まで聞いたヘッドホンアンプの中ではベストと感じたし、ヘッドホンアンプのみと言うのも、逆に好きなDACに接続できるので様々なバリエーションに対応できる。実はヘッドホンアンプ単品で良いのかなと感じました。 発売日、価格は未定であるが、反響が良ければ来年初旬ぐらいに6~8万円で販売したいと仰ってました。 |
------------------------------------------------------------------------------- 「チャールストンをご存じだろうか?」 発砲 岡島 7月3日 ------------------------------------------------------------------------------- 私は少しだけベビーブームから遅れた年代で たくさんのおねぇさんやお兄さん達が遊んでいた情景を 思い出すことが出来る。その時に女の子が輪ゴムを連ねて ゴム紐を造り、ゴム跳びというのをやっていた、視線を 下げ、膝を動かさないように器用に飛び跳ねる遊びだった。 リズムこそ無いが、どう見てもチャールストンという 踊りである。流行ったのが1920年代スパンコールのワンピース つばのない帽子、アメリカでは禁酒法でギャングスターが 英雄であり、日本では大正時代大震災の前後の華やかな頃である。 この頃ラヂオ放送が始まっている。真空管を使った増幅装置 ダイナミックスピーカー、等ここにオーディオの元祖が始まる と見て良い。そしてその頃、音はほぼ価格で善し悪しが 決まっていた。カタログデータも仕様形式も間違いなく その装置の高価でありながら良い音を保証していた。 今や、方式や価格でその音の善し悪しを、自分の耳で確認することが 難しくなり、評論家や知ったかぶりショップ(当店)等の意見や ブログ、掲示板の勢いがその善し悪しの方向性を決めてしまえる。 以前MP3の悪口に及んだことがあったが、それでも1930年頃のAM受信機 から出てくる音よりは確実によいだろうし。よほどストイックな 試聴態度を維持しなければMP3の欠点を指摘するのが難しいほどである。 大変幸せな事になってしまった。 それでもその高音質なシステムで戦争の最中に酷い録音である フルトヴェングラーは聴く価値を認めざるを得ない。 誰が録音したのか雑音だらけの70年代のクリームはかっこいいのだ。 要は内容である。装置は手段に過ぎない。 地上波デジタルで、フルハイビジョンで既に旬を過ぎた老人芸人の引き笑い に操られるひな壇芸人の反応など見てどうする? 媒体と装置が豊になったときにはその録音に対応できる音楽家が何人 残ったのだろうか、録音を大事にするミュージシャンがいかほど生き残っ ているだろうか? いやいや、まだまだ生き残っている、いま、音楽は提供されるのではなく 発見して購入するときなんだろう。購入出来る市場としての選挙権を音楽が 分かる大人が発動すれば、やんちゃな唄えないで踊れない芸人達を 吹っ飛ばせるかも知れない。 |
------------------------------------------------------------------------------- 「10~20万クラス DACイッキ試聴」 発砲 吉田 3月27日 ------------------------------------------------------------------------------- 吉田です。 このたびの震災により被害を受けられた皆さまに心からお見舞い申しあげます。 一日も早い復旧をお祈り申しあげます。 久しぶりの砲台です。 DACの聴き比べも一週間経ち、そろそろ馴染んできたころなので、 音の比較をしてみました。 トランスポートはPS AudioのPWT、アンプにはX-PM10、スピーカーはX-RM100を使用しました。 FIDELIX CAPRICE(ノーマル) 定価 168,000円(税込) 巷で評判のDACである、非同期型の最新384KHz/32bitDACチップを使用し、各種入力の対応幅も広い。 まずは、フロントのボリュームをパスして、純粋DACとして聴けるバランス出力で試聴した。レンジは広く、低域は低いところまで良く伸びる、中域が滑らかで、全体的に下よりの重心、高域は華やかだが、やや抑え気味。 横の広がりは広く、奥行き感も良く出る。 高さ方向は少し控え目でやや抑えられた感じになる。 立ち上がりと音の下がり際は標準的、ダイナミックレンジは期待していた程広くは感じない。 位相特性は良く、全体の音量を上げてもうるさくならない。 基本性能の良さはうかがえる。 全体の音調は上品で、ややゆったりした音調、比較的大人しく、クラシック志向の方には、ちょっと魅力的な表情を備えている。 次にボリュームを介して、プリアンプとして使用。 この場合の出力端子はRCA出力となる。 全体の印象は、バランス出力時と比べると、力感や低域の伸びがやや劣るのと、全体の奥行き感も少し前に来る感じなので、やはり純粋バランス出力でDACとして使用したい。 あと気になったのが、このクラスとしては電源ケーブルの着脱が出来ない。 低域の解像度の甘さはこの辺でかなり変わりそうだが、この電源ケーブルを使用するのは作り手の好みかもしれない。 替えられるとかなり楽しそうであるが。 Nmode X-DP1 定価 149,000円(税込) これも巷では評判の、多機能型モデルである。 このモデルもリアの切り替えでフロントのボリュームをパスして、純粋DACとして聴けるので、純粋DACとして試聴した。 まずはRCAで試聴、このモデルもレンジは広く、低域は低いところまで良く伸びるが、 適度に引き締まった低域で、量は追いかけていない。 中音域の分解能はかなり高く、今回試聴したDACの中でも分離は最も良い。 聴感上のS/N感はCAPRICEと同等で静かなDACである。 バランス出力では低域の重心も下がり、ゲインも高く馬力感も出てくる。 立ち上がりと、音の下がり際は速く、縦横と奥の広がりもこのクラスとしては良い方だろう。 位相特性はCAPRICEまでは無いが、今回試聴した中では、LUXMANのDA-200と並ぶ レベルなので、標準以上はある。 全体の音調は、RCAはクリアーで軽快、やや明るい方向。オールラウンドに対応する感じだが、バランス出力時は全体に厚みが増す。ゲインは高く、音に厚みの欲しいソースにも対応できる。 次にボリュームを介して、プリアンプとして使用。 この場合も全体の印象は、あまり変わらないが、RCA出力の場合、純粋なDACとして使用するより気持ち低域は緩くなる。 実用上はほとんど分からないレベルだろうが、気になる場合はバランス入力できるアンプと合わせた方が馬力も出て良いかもしれない。 あとこのモデルの場合、サンプリングレートとBit数を切り替えて音の変化を楽しむ事が出来る。 サンプリング、Bitを上げていくと少しずつ滑らかさが増していくが、立ち上がりの鈍りも感じさせないので、このあたりは内蔵されているサンプリングレートコンバーターの素性の良さだろう。 最後に、このモデルのもうひとつの特徴としては、1bitのヘッドホンアンプではないだろうか、従来のヘッドホンでは味わえない、分離が高くレンジの広い、もちろん、使用するヘッドホンにもよるが、ゼンハイザーのHD-650を試聴した限り、ヘッドホンでは某社コンデンサー型でしか感じられない様な細かさを、ダイナミック型のヘッドホンから聴けるのは、少し驚きだった。ポジションはLowポジションが推奨。このLow/Highはインピーダンスの切り替えでは無くゲインの切り替えになる。 Highポジションはゲインが、かなり高くガンガン鳴るので、使い分けると良い。 LUXMAN DA-200 定価 155,400円(税込) このモデルも切り替えでフロントのボリュームをパスして、純粋DACとして聴けるので、純粋DACとして試聴した。 まずRCAで試聴、低域は低いところまで出る。ゆったりした低音。 中低域から中高域まで滑らかで聞きやすい、高域は華やか。 全体的に聴きやすく要所にハリを持たせて、華やかな方向に、うまく音をコントロールしている。低域がゆったりしているので、対峙して聴くというよりは、リラックスして聴ける音作り。 バランス出力ではCAPRICE やX-DP1同様重心が下がる傾向だが、最も量的に低域が出る。 低域方向に関してはRCAの方が聴きやすく丁度良い感じではないか。 立ち上がりと、音の下がり際は標準的。 音場は、今回試聴した中では真ん中くらいの広さ。 少しこじんまりするが、定位は良い。S/N感は普通。 位相特性はこのモデルもCAPRICEまでは無いが、X-DP1と同等、標準以上はある。 次にボリュームを介して、プリアンプとして使用。 このモデルも全体の印象は、DACとしての使用時とあまり変わらないが、 こちらもボリュームを介さない方が鮮度は高い。 全体的に彫が深くゆったりした音調。あまり派手なソースには向かない。 クラシック、ボーカルを中心にすると聴きやすい。 さすがに老舗の手堅い音作りと言える。 ONKYO P-3000R 定価 189,000円(税込) 前記のモデル同様、まずはラインアウトを使い、DACの音を聴いた。 このモデルはバランス出力が無くRCAオンリーとなる。 低域は、緩い感があり薄味に仕上がっている、その分中低域から中域まで明るく、 張り出してくる。高域は華やか。全体の分解能をやや強調した感がある。 全体的に若々しく、明るい音。良くいえば元気、しなやかさには欠ける。 立ち上がりと、音の下がり際は標準的。 音場と定位は普通。特に広くもなく狭くもない。 位相特性は標準的だが上記の3モデルには及ばない。 次にボリュームを介して、プリアンプとして使用。 このモデルも全体の印象は、DACとしての使用時とあまり変わらないが、 こちらもボリュームを介さない方が鮮度は高い。 ただ、プリとして使用した方が、明るく張り出した音調に馬力が付いてくるので、 パワフルである。 全体的にメリハリがはっきりしている音楽が合いそうだ。 ORB JADE-1LTD 定価 121,800円(税込) このモデルは上記の多機能モデルと違い、DAC+ヘッドホンアンプとなっている。 プリ機能は無い。限定モデル。 サウンドモードの切り替えがあるが、基本性能を見たいのでDIRECTで試聴。 低域の量、質を追いかけた感がある。 ホリが深く、低域の解像度は高く、中域まで滑らか、高域はやや抑え気味、もう少し高域が抜けると、より滑らかで諧調もはっきりしてレンジの広い音になるが、聴きやすさを優先するとこのくらいでも悪くないのかも知れない。 音場と定位は普通。特に広くもなく狭くもない。 立ち上がりと、音の下がり際は標準的。 位相は良い方で、DA-200、X-DP1並みだが、中域から低域方向の質感が良いだけに もう少し高域に意識を持ってもらうと、上の詰まった感じが抜けて、音場やリニアリティは全般的に良くなるのではないか。 素性が良いので、電源ケーブル等、チャレンジしても面白いだろう。 ヘッドホンアンプ部は、X-DP1と同じく、デジタル入力で、ゼンハイザーのHD-650を使用して試聴。 高域はDACのライン出力よりも綺麗に抜けていて、適度に聴きやすく全体域の分離も高い。さすがにヘッドホン部分に力を入れたと言うだけの事はある。 音の調整も大人しくしたり、エンファシスのオンオフが出来るのは丁寧で、ソフトへの対応幅もある。 ヘッドホンアンプに関しては、5モデルの中ではこのJADE-1とX-DP1は頭ひとつ抜けている。 プリ機能が必要なければ、選択肢としては面白いモデルだと思う。 ----- 今回この5モデルを聴いて感じたことは、基本的なDAC部分の音の水準はどのモデルも高い。価格なりの水準はあるだろう。 聴き比べなければ、どれを取ってもそれ程不満は出ないのではないかと思う。 今回試聴した機器はどれも多機能なモデルであり、書ききれない部分もあったので、質問等があれば、電話なりいただければ、お答しようと思います。 |
------------------------------------------------------------------------------- 「パワーアンプ SOULNOTE sa4.0」 発砲 竹田 2月11日 ------------------------------------------------------------------------------- 発売日 3月中旬 価格157,500円(税込) 近々ソウルノートよりsa4.0が発売になる。 新発売と言いっても内容はsa3.0のセレクター、ボリュームを取り払った、パワーアンプ版と 考えていただけると解りやすいだろう。 音質もベースがベースなだけに悪かろうはずもない。 sa3.0のハイブリッドアンプの最大の特徴であったS/Nの高さは、リモコンボリュームとセレクター が外されたお陰でより一層強化され、兎に角、デジタルアンプの中では最高レベルではないか と思うぐらいノイズが少ない。また、sa3.0に比べて、解像度も一層良くなっている。 音の傾向としては、sa3.0の基本コンセプトが鈴木サウンドのホットさを前面に押し出さず、 ニュートラルなサウンドで便利さとスピーカーの相性を選ばないコンセプトであったが その点は今回のsa4.0も同じ。 個人的には鈴木サウンドの熱さと強引なまでのスピード感が欲しいところだが、 アンプの出来からすると万人にお薦め出来る真面目に良いパワーアンプであることは 間違いない。 saシリーズはsa1.0/sa1.0R/sa2.0/sa3.0が有り、このsa4.0を含めると5台目となる。 価格帯も同じである為、販売する側からすると、どれをお客様に進めて良い迷う のが辛いところだ。 また、このパワーアンプのS/Nの良さを生かせるプリアンプも欲しいところである。 ------------------------------------------------------------------------------- 「評価とはなにか?」 発砲 岡島 2月11日 ------------------------------------------------------------------------------- 何かを評価するときには、評価する者は、自分の立ち位置 価値観を明確にして動かさないようにしなければ行けない。 、「このアンプは、好きだ」であれば問題はないが お客様に向かって音楽を楽しんでいただく事で営業活動をしている者は 「このアンプはお奨めです。良い物です」と言うことになる。その時に 私ども吉田苑は、「良い」の定義を明確にしている(参照リンク) そうすることで、私どもがあまり褒めない製品は、楽器の情報量には、 目を瞑りくつろいで聴ける商品だったり。いくつかの周波数を意図的に 変化させ一定の価値観を強制する音楽に効果的な再生をするように 設計されているか。ステレオ再生の肝とも言える定位や位相に気を 配っていない製品と言うことになる。 ヴァイオリンの音が、生々しく輝き、後ろのオーケストラは渾然と 一体を為し、心地よく音楽を楽しみたい方はいらっしゃるはずである。 このお客様が吉田苑のお奨めをワンセット揃えられると、不幸になる。 じゃあそう言う音を吉田苑は売らないかというと、お売りいたします(笑 遠慮無く、ご相談ください。喜んで受けさせていただきます。 ただ、全てのお客様が、自分の好きな音を知っていらっしゃるとは限らない。 初めてHiFiセット揃えられるなら、聞き比べてもその差がおわかり頂けない こともある。 その時に私どもがお奨めする物を提案して、一定の価値観でお奨め する事が重要だと思っている。 その目指す音の具体例を示すために店頭では、スピードがあり定位がしっかりして 大きな癖のない再生音を鳴らしている。ありがたいことに、その音は多くのお客様から賛 多くの賛同をいただいている。 |