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  「製品紹介」   発砲 竹田     12月26日
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Nmode DAC、DDC、ADC、プリアンプ、ヘッドホンアンプ X-DP1

12/27 誤記:A/Dコンバーターの機能はありません。訂正致します

10月に試作機を数日間お借りしましたが
今回は最終の量産試作機が出来上がったと言うことで、一足先に貸していただきました。
見た目、細部の作りは量産版だけあって完成度が上がってます。



試作版では青色LEDがビカビカ眩しかったのですが、色も変えられて輝度も少し落ち着いたものに変更されています。

リモコンも対応で同社X-CD1のリモコンを使って、音量調整できるのですが、、、、この量産試作機はリモコンの周波数設定をミスったらしくリモコン操作の確認が出来ませんでした。Nmodeさんの話では
「量産機はちゃんと直すから大丈夫」
との事ですからご安心ください。
Nmodeの各アンプは全てリモコン操作できませんから、X-DP1をプリアンプとして導入するとリモコン操作が出来て大変便利になりそうですね。

さて、音を聴いてみます。取り敢えず出力は192kHz/24BitでトラポはX-CD1。

音質も随分向上しています。
正直、試作品を聞いた時は普通のDACと言ったら失礼ですが、そこは流石、布村さん。今回はちゃんと仕上げてきています。
Nmodeらしい音で帯域のバランスが良く、ナチュラルな音質。解像度や情報量十分。

USBDACとしても使用可能ですが残念ながら、ASIO対応や専用ドライバーによるカーネルミキサー回避は出来無い、普通のUSBDACで、音質も普通です。
しかしながら、現在当店イチオシDDCのJAVS UDT-1を繋ぐと化けます。
ハイスピードで音の表現が非常に豊か。
PCオーディオユースは、DDCが必須でしょう。

対応サンプリングは44.1KHz~192KHz (インジケータ上176KHzはありませんが、対応しています)
外部クロックにも対応している。
入力はデジタルUSB/同軸×2/光×2 アナログ RCA☓2 / XLR
出力はデジタル同軸/光/USB アナログRCA/XLR
ヘッドホンも低インピーダンスから高インピーダンス対応用にゲイン切替えが付いている。

さてココまででもお腹一杯の内容なのですが、今日までリリックさんがこのX-DP1で内緒にしてた事があります。
ヘッドホンの音もヤケに良いなと思っていたら、ヘッドホンアンプに1Bitデジタルアンプを使っているのです。
実はヘッドホンアンプに1bitに限らずD級アンプを用いた本格的なヘッドホンアンプは存在していませんでした。
リリックさんの話では
「D級はBTLが基本でアースの取れないのでヘッドホンでは、ノイズが酷くて普通は使用しないんです。SHARPで1Bitのヘッドホンオーディオ機器があったのですけど、あれも4極のバランスヘッドホンを使用前提でしたから・・・」
「実は今回も1Bitアンプで上手くヘッドホンアンプが出来るか不安でしたので、オペアンプ式のヘッドホンも試作して、1Bitアンプが駄目なら普通のオペアンプ式高音質ヘッドホンアンプで行くつもりでしたので、今日まで内緒でした。」
「開発では色々手こずって、紆余曲折があったのですが、やっと満足行くレベルになったので、1Bitアンプを採用しました。」
確かに音質も1bitならではの繊細で上品な音色、高いドライブ力がヘッドホンでも聴きとれます。

ここ最近、PCオーディオ市場を意識して各社D/Aコンバーターをリリースする中、D/A、D/D、A/Dコンバーター、プリアンプ、ヘッドホンアンプに使える多機能さとこの音質。
このクラスでは当店のイチオシDACとなりそうです。

予定価格は149,000円(税込)でリモコンは別売りの予定だそうだ。
発売は来年1月中を予定だそうです。

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さて、恐らく今回で今年の言いたい砲台は終了です。
今年は吉田苑も色々大変な一年でしたが、なんとか今年も乗り切れました。
来年は良い一年であればよいなと思います。
それでは皆さん良いお年を!

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  「製品紹介」   発砲 竹田     12月05日
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12月末に発売されるオンキョーのデジタル製品2品が借りれましたのでレビューします。

ONKYO DAC-1000(S) オープン価格 (市場流通相場7万円前後)

最近PCオーディオが流行で、今年は年末にかけて沢山のD/Aコンバーターが発売されます。
ONKYOもやはりと言うか、新型D/Aコンバーターを投入してきました。
本製品は年末に発売予定のONKYOの1000番台シリーズのD/Aコンバーターとなります。
ハーフサイズでコンパクトな仕上がり。見た目もシンプルで質感も価格からすると中々良い出来です。
入力も光、同軸、AES/EBU、USBと豊富で対応サンプリングレートも32KHz~192HKzと幅広く、
音質も、従来のONKYOのプレイヤーからすると、ややソフト目の音質を狙ってきたのか、
刺激的な部分も少なく、低域の量感も多からず少なからず割とバランスの良い音になっています。
ただ吉田苑としては、もう少しスピード感、実体感が欲しいところです。
7万円と言う価格帯では、平均的で無難な音質と言えます。
アシンクロナス動作でPCオーディオのインターフェースとして使うならば、十分でしょうし、物にもよりますが、5万前後のCDプレーヤーの音質グレードアップには良いかもしれません。


ONKYO ND-S1000 オープン価格 (市場流通相場3万円前後)

iPodトランスポートND-S1の上位機種に当たる製品です。
大胆にもONKYOは本品の中身はND-S1とほぼ同じと説明している。
ケースが金属製になって、恐らく、多くの人は
「中身一緒で高級機はないだろう!?」
と思われているかもしれない。(私もそう思ってました。)

しかしながら、iPodからデジタルデータを取り出すだけの装置は
ND-S1で機能的には完成していて中身の高級化と言うのも無理な話なのかもしれない。
(後はクロックとなるが、ND-S1時点でまあまあの高精度クロックは搭載されている)
我々は同じくiPodトラポWADIA170の改造でGETAなるものを販売しているが
シャーシの剛性や重量の違いは以外と侮れなくて、変に内部素子を換えるよりも
音はゴロッと変わる。
実際、ND-S1に比べて、音のヌケ感と低音の質感(量、しまり)が改善されていた。
この音質で3万円ならば、中々良い製品だと思う。
本品のACアダプター電源をENEBOXに変更して聴いてみたい。
(本製品発売後、作成予定)

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  「CDは、これを聴け!」   発砲 一枚必聴     10月24日
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タマに(!?)現れる一枚必聴氏によるCD紹介です。
今回も楽しいCDをセレクトくださいました!

1.ディヴィ・グレアム/コンプリート・ギタリスト

まずは、ギター・ソロ。それもアコギなんですが、タワレコのカントリーコーナーに陳列されており、あまり大した事無いだろうと試聴してビックリ。こんなに素晴らしいアコギの音色に触れたのは、久々。
とにかく1曲目を聴いてください。オリジナルの録音は1977年、ライナーにエンハンスドCDと記載されていますが、アナログを聴いているかの錯覚に陥るくらい、イイ仕上がりになっています。
聴き所は、完璧なチューニングと1音1音クリアーなフィンガーピッキング。
電源、各種ケーブルテスト、チェック等に最適な1枚だと思います。
お好きな曲が必ず見つかります。

2.Nils Frahm/The Bells

ソロ・ピアノ。録音がベルリンの教会。ジャンルはヒーリングのコーナーにありました。
収録の際のマイクの本数が、アンビエントを含め、5本、厳粛な音色と残響が聴き所。
オススメは1曲目。終わったのかと思わせるくらい、休止が入るこの曲はオーディオにとって大切な要素である「立下がり」の検証にもってこいではないでしょうか。他の楽曲でも然りなのですが、このピアニストの様々なタッチの妙技を味わって頂きたい。

3.Bireli Lagrene/GIPSY TRIO

ジプシ・ギタートリオの演奏です。このギタリスト、幼少の頃より「天才」と呼ばれ、幼年期に録音したディスクもリリースされていますが、この1枚は、最近の充実ぶりを見せつけるかの技量で迫る1枚です。
「早弾き」の妙技とうねる音楽、緩急織り混ぜた、あきさせない構成になっています。
オススメは、11曲目。とにかく「凄テク!」驚いてください。他にもジャズのスタンダードやビートルズナンバーなど、どれも秀逸です。

4.エスター・キム/妖精の踊り

今回のバイオリンお薦めディスクは、若干22歳、これからの活躍を応援したい女流バイオリニスト。
タイトル「妖精の踊り」はバカテク満載の難曲、それをタイトルにしているから、心踊らされ買った次第。
パールマンを筆頭に名演には及ばずながら、録音が良く、特にバイオリンの弾き際が良く収録されているだけでなく、バックのピアノの演奏、録音、そしてホールの残響感とのバランスで選びました。
最後に、日本人みたいなルックス、こんな可愛いバイオリニストもたまにはいいでしょう。

5.今沢カゲロウ/スタンダーズ

エレベの「低音」シリーズから1枚。既に入手されている方も多いかもしれませんが、今回は、マーカスのライブと迷った末、邦人ベーシストを選びました。6弦ベースと各種エフェクターを自在に操る姿から「忍者」とあだ名される演奏は実に面白いの一言。
ソロ1曲目から、バカラックの最後の曲まで、オーディオの試聴の際のテクスチャアに相応しいと思います。ビートルズの7曲目、マイルスの3曲目、彼の原点であるアコギとベースによる6曲目等、オリジナル曲含め、どの曲も楽しめます。

6.Halie Loren/They Oughta Write a Song…

女性ボーカルは結構お薦めがありますが、美貌と声の美しさと選曲でこの1枚をチョイスしました。
最近、行われた東京の「ハイエンドショウ2010」で使用されているブースもありました。今月末には、来日するそうです。ヒットしているのは2曲目の「青い影」。日本盤のタイトルになっています。「枯葉」があると思えば「ドック・オブ・ザ・ベイ」、自作の曲も取り入れる構成。個人的には、ジャネット・サイデルも英語で歌った8曲目。ラテンとジャジーの妖艶なコラボがポイント。勿論、原語付き!あえて輸入盤を推します。

7.つじあやの/COVER GIRL2

J-POPながら、前作は、吉田苑オフ会の課題曲に取り上げられる自然な録音が売り物でしたが、続編となるこの「2」も実にユニークな仕様で、お薦めは、野外録音の「KYOTO SIDE」です。ウクレレという楽器とボイスを様々な環境に溶けこませ、京都の各所の雰囲気が自然に収録されています。
「嵐電」の車中で録ったユーミンの2曲目、「貴船」に佇むイメージに浸れる7曲目、森の中の風や鳥の声に彩られる5曲目等、前作同様、シンプルな機材による録音と演奏は「自然な音作りの魅力」を確実にリスナーに伝えるものと思います。

8.チャールズ・マッケラス(指揮)・スコットランド室内管弦楽団/モーツァルト後期交響曲集

クラシックの1枚はSACDのハイブリッド盤。LINNから発売となったモーツァルトの後期交響曲集。
38番、39番、40番、41番の2枚組み仕様で、もう1セットも出ましたが、選曲からいってこの一枚。
チェンバースタイルは当時のオーケストレーションを彷彿とさせますし、録音が超素晴らしい!
指揮者は、今年、逝去されたそうで、まさに「白鳥の歌」。その意味では39番を聴いてください。
凛(LINN?)とした空気感、瑞々しい弦楽器、そして美の極致とも言える高潔な演奏に聴き入って下さい。


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  「製品紹介」   発砲 吉田     10月17日
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 ゴールドムンドの新製品、METIS2、METIS3を聴く機会があった。

プリアンプとパワーアンプである。
上級シリーズのMIMEISISデザインコンセプトをそのまま小さく
したもので、サイズの割に高級感がある。実際家庭に設置するには
適当なサイズだと思う。
筐体は薄く小さくてカワイイ。オシャレな部屋に是非とも置いてみたいアンプである。
 従来のエントリーモデルSRシリーズの後継ともも思えるが、
音は更に情報量を増しながら、豊かな音のイメージも損なっていないのは
さすがだと思う。
 現在のゴールドムンドが持つ音楽観が好きな人にとっては、実売で100万を
を切る高級セパレートアンプとしての魅力は高いだろう。
少し残念なのは、精密にカットされたボリュームノブが持つ操作感が少し
切れが良すぎて高級感に欠ける事が上げられる。
 この切れの良さをもう少し、音に振り分けてもらえれば、吉田苑的には
更にOKだと思った次第である。

 余談ではあるが、吉田苑が「ムンド様」という語彙を使うことがある、
現在のゴールドムンドとは区別のために使用している。様と呼びたく
なるような、確固としたドライブ感、有無を言わせぬ存在感を示した
MIMEISIS9.2や9.4の時期の製品群を表すときにのみ使用している。


一般商品としてのソウルノートの可能性 sa3.0
今回のsa3.0は、販売店としては微妙な価格帯の商品であった。
sa1.0Rと価格も近く、確かにリモコンが付いて、汎用性は高そうなものの
sa1.0Rを出したすぐ後だし、近い価格帯に出してくる意図が読めなかった。

しかし、音を聞いてみると、鈴木氏の意志が伝わってくる。
音数の確かさ、中域の張り、元気に前に出てくるソウルノートサウンド
を愛している人には、sa1.0あるいは1.0Rが間違いのない選択なのだ。
しかし、その音が却って、旧来のシステムと相容れない場合があったことも
否定は出来ない。
sa3.0は、ソウルノートの音楽の楽しさを提案する魅力を残して、
比較的一般的なスピーカーのシステムをドライブするために設計されたようだ。
鈴木氏から聞くところによると、開発にはB&Wを想定したそうだ。
より一般性を求めたのだろう。
なるほどリモコンを可能にした意味も解ける。
音に曇りが無く、エネルギー感も全帯域に安定していて、音の張り出しも良い。
sa1.0Rに比べて細かさは無いものの、対象にしているスピーカーが違うために
致し方ないところか。
単なる妥協の産物で「借りてきた猫」になっていないところが良い。
当社がおすすめしているスピーカー以外でも、ソウルノートの持つ魅力が
伝わりやすいモデルといえるだろう。

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Nmodeの新型プロト   発砲 吉田     09月03日
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Nmode X-PMxx、X-PM2-24Mhz試聴記です。

すでに他店様の試聴会で話題が出てきて、興味深々であったNmodeの新型機のプロトタイプの試聴がようやく出来ました。
当店のホームページをよくご覧の方ならご存じと思いますが、NmodeはSOULNOTE、DYNAUDIO等と並んで、当社主力のアンプメーカーの一つです。
特に1bitアンプはSharpの時代より、力を入れておりました。
Nmodeは前作のX-PM1(PWM方式)、X-PM2(1bit方式)とデジタルアンプ主力のメーカーで、
一旦市場から消えてしまいました、1bit方式のアンプを復活させてくれたメーカーであります。
1bit方式はSACDに使用されている方式のアンプ版(SACDのサンプリングの通常4、5倍のサンプリング)と言え、通常(PWM方式)のデジタルアンプに比べても、情報量の多いアンプです。

さてそのNmodeより新型の24Mhzの高速サンプリングを持つ新型機がようやく出るようです。
上位モデルで33万前後、下位モデルで14万前後の予定だそうです。
上位モデルは電源別筺体で、電源部はアルミの筺体に各ブロックにクリーンな電源供給をする様にRコアの2トランス構成になっています。
本体と電源は専用のコネクトケーブルで接続します。
本体側は非常に軽く、入力はRCAの4入力となっています。
出力はWBTの端子が装備されています。
本体はあまりに軽いので、持った時の重量感がもう少し欲しいところです。
あくまでプロトタイプなので、その辺は製品版で修正はしていくようです。

さて肝心の音の方ですが、従来のX-PM2や当社が改造して販売しています、X-PM2レイスやレイスパワーとも明らかに音の密度感が違います。
空間表現も高く、位相、エネルギーと一段と上がった感じがします。
中音域の解像度が高く、滑らかでありながら、高低両端がしっかりと伸びています。
低域のエネルギーと伸びが増していますので、躍動感のある低域と、持続力も従来モデルと比べてかなり増しています。
高域はやや派手な傾向がありますが、金っぽい音もしっかり出てますし、十分なエネルギーを持った高域が楽しめます。

スピーカーに関しては、CRM、ボーゲン、DYNAUDIO(FOCUS110~)を使用しましたが、FOCUS360の様な大型はちょっと苦手、パワー不足の感はあります。
CRMの様な小型はやや低能率でも必要な音量もパワーも確保され、ちょっと他では聞けない空間表現力の高さは特筆ものです。
トールボーイだとコンセンサスのボーゲンの様な音圧の高いスピーカーは問題なくドライブします。
非常に緻密な立ち上がりと音の消え際のクリアーな表現は今迄の1bitアンプでも聴けなかった部分だと思います。

相変わらず、リモコンが無いとか、デジタル入力が無いとかありますが、音だけとれば、中々普通では聴けないアンプだと思います。
ちなみにボリュームをMAXにして光ボリュームを接続し、パワーアンプとして使用しました。
そのままでも十分、説得力のある音ですが、更に何とも言えない鮮度が高く落ち着いた音がします。
レイスパワーもびっくりです。

上級機でちょっと驚いてしまいましたので、ここではやや影が薄い感じですが、X-PM2の24Mhz版も試聴しました。
上級機同様の密度感がしっかりあります。
やはり細かいところを比較すると劣るところがあるのは仕方ありませんが、パワー、情報量、密度、位相と、十分に評判の良かったX-PM1の後継モデルにはなりえます。

プロトモデルは今週末9月5日まで店頭で試聴が可能です。

どちらも10月発売なので、まだ発売に時間がありますが、上級機は受注生産との事なので、
ご予約を開始したいとおもいます。
メールにてお問い合わせください。

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吉田苑ネタ切れ中・・・   発砲 竹田     08月30日
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一部のご常連様数名より
「最近、ホームページの更新少ないですね!?」
とご指摘頂いております。(苦笑)
大変申し訳ありません。実はただいま吉田苑ネタギレ中でございます。

通年ですとオーディオ製品はボーナス時期に合わせて
初夏、年末頃に続々と新製品がやってくるのですが
どうも不景気のせいか、特に吉田苑的に見て今年の上半期は力の入った製品が少ないと感じております。
(ただ、スピーカー製品は当たり年でしょう。
アンプ、プレイヤー等に面白いものがでれば我々としては更に嬉しいのですが。)

さて、そんな中、Nmodeが10月頃に新製品をリリースするようです。
暇なので、新製品についてリリックスタッフ永尾氏に電話で直撃インタビューしてみました。
(残念ながら布村社長は捕まらなかったので営業スタッフの永尾氏に)

<以下、敬称略>
竹田 「10月に新製品が出るようだけど、どんなものになるんですか?」
永尾 「今まで当社1Bitアンプ製品のサンプリングレートは12.2MHzですが
24.4MHzに引き上げたものをリリースする予定です。
また最初にお断りしときますがX-PM2(12.2M)は製造中止ではなく従来通り販売していく予定です。」
竹田 「去年末頃、次にアンプの新製品出すときはリファレンス機と言ってなかったですか?(笑)」
永尾 「その予定だったんですが(苦笑)。
竹田さんが仰る通りこのハイサンプリング技術は、実はフラッグシップ機に投入する予定でした・・・。
ただフラッグシップ機の場合、やはりハイパワーじゃないとお客様は納得しないでしょう?
でもハイパワー化するには色々問題あって、フラッグシップをリリースするには、まだ時間が掛かりそうなんですよ。

ハイパワー化はまだ目処が立ってないのですが、この24MHzハイサンプリング技術は、X-PM2を開発したときの評価ボードをいじくりまして試作実験していました。
ですので基本パワーはX-PM2程度か少し上レベルぐらいしかありませんが、この評価ボードでも、とんでもない音になってまして・・・・
本来、フラッグシップ以外に、24MHzを投入するつもりは予定は無かったのですが、布村がこの音、皆さんに聴いてもらいたいと言い出しまして・・・。
実際、我々スタッフも音を聴くと参りました。
やっぱり1Bitはサンプリングが高いほど音が良くなる。
X-PM2より少しパワーが上がった程度の実験機なのに、力強く、更に濃密になってて、より生音に近づいた感じです。」
竹田 「力強く!?パワー上がってるの?」
永尾 「パワー的にはX-PM2より2~3w程度しか上がってません。
ただ
サンプリングを倍に増やすと言う事は、単純に音数が増える事になるでしょう?
となるとその音を表現する為に、電源容量を上げないといけません。
強引な例えですが、一人ぐらしだとメシは1人分で済むけど、2人だと2倍要るのと同じ理屈。
だからトランスは大容量なモノに換装した。電源強化した副産物として、吉田苑さんがやってるレイスだっけ!?
あれと同じ事だと思いますが、力感が出ました。」
竹田 「レイスよりも?」
永尾 「私は吉田苑さんのレイスは聞いてないのでなんとも言えないのですが。
でも負けないと思いますよ!(笑)」
竹田 「(ピキッ!! 苦笑いしながら・・・)試聴機借りた際は是非とも、比較試聴したいと思います。」
竹田 「ところでリリックさんのブログになんか2モデル出るみたいな事、書いてるみたいだけど?」
永尾 「1つはX-PM2の筐体をそのままに、24M化、電源強化とその他小変更したモデルと
もう一つは、ウチの評価実験機を市販化し化粧したモデル。
実験機は電源が元々別だったので製品版も電源は別筐体。
実験機は飾り気の無い無骨なものだけど、箱自体の剛性アップと見た目含めて、高級化してます
パワー自体も、X-PM2(24M)モデルより、少しだけですが上がっています。」
竹田 「ブログに書いてある15万ぐらいのモデルは良いとして、30万のモデルは高くないですか?」
永尾 「一応当社ラインナップでの位置づけではミドルクラスのつもりです。
まあ、お世辞にもハイパワーとは言えませんから、高いと感じるかもしれませんね。
ただ、この30万のモデルは受注生産で筐体や端子など高級パーツを使って、手作りで作るつもりなので、どうしてもこのぐらいの価格設定になっちゃいます。ゆるして・・・
どちらの製品もこの価格帯ではびっくりな音質はだと思ってますし。

それから30万モデルは完全受注生産ですので、もしご要望があるようでしたら、ボリューム部を廃したパワーアンプモデルもお作りする事が可能です。」
竹田 「ところで、15万のモデルは見た目はX-PM2のままなんですか?」
永尾 「完全なニューモデルではありません。
こちらはX-PM2のバージョンアップ版と考えていただきたいです。
見た目の代わり映えはほとんど無し。
まだ方針は確定ではないけど
X-PM2のフロントパネルにバッヂがついてツマミが変わるぐらいの予定です。
まだX-PM2が発売になってから1年ですが、たった1年でニューモデル出しては
X-PM2をお買い上になったお客様に、あまりにも申し訳ないだろうと思いまして。
でも当社としてはこの音は聴いていただきたいので
基本個体はX-PM2ままとし、今現在X-PM2を御使用中の方にはグレードアッププランをご用意してX-PM2の24MモデルとX-PM2のグレードアップされるお客様にも、ほとんど差別なく同一のもの提供できるようしました。
新型なのに見た目、外観、包装も含めX-PM2とあまり代わり映えありませんが、
そういう配慮の上での新製品なのでその辺、理解頂けたらと思っております。」

まだ話したいこともありますが、我々にも不確定な部分がありますので、この辺りで勘弁下さい。

暇つぶしに電話してごめんなさい、でもお陰で色々お話が聞けてラッキーでした。

特に音は「かなりヤバイ!」言う話なのでスゴく試聴が楽しみです。

また、グレードアップサービスもあって、既存のX-PM2ユーザーにも買換しなくて良いというのは、実に良い配慮ですね。
当店としましては、永尾様が仰るよう(あくまで予想の話ですが)、X-PM2(24M)がレイスを上回る音質であるならば当店でX-PM2レイスをお買い上げのお客様にもなんとか、24M化出来無いか交渉する予定ですので、今しばらくお待ちください。

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がんばれニッポン   発砲 竹田     07月22日
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昨今、中国や韓国製の激安オーディオ機器が話題になっています。
当店でもDr.DAC2DXやJAVSなど韓国製品を取り扱っていますが
興味本位に安価なアンプも試聴してみました。
(両機とも当店での取扱はございません)



KAMABAY-AMP 2000 中国製(写真左)市場価格7,000円前後

YAMAHAのPWM方式のデジタルアンプチップを搭載したプリメインアンプ
入力はRCA3個とUSB。スピーカー出力(10W)とヘッドホン出力まである。
本来の使い方はパソコンの5インチベイに搭載するアンプであるが
普通に単品アンプとしても使用できる。
給電方法はACアダプターであるが、USBのバスパワーにも対応。
外観で目を引くのはELバックライト式のパワーメーターが付いている事であろう。
値段が値段なだけに安っぽいメーターである。
しかし、ちょっとしたギミックとしては面白い。
音質も少々驚いた。最初に音を聞いた時は、
「このアンプ本当に7000円!?」
中々、まともな音がする。スピード感もソコソコあるし、割とクリアでがある。
ドライブ力はやや物足りないが、PC内蔵アンプとしては十分なレベルだろう。
当店オススメ安価機のCR-D2には劣るが、下手なアンプに勝ってしまうぐらいの実力。
7000円と言う値段を考えると、チョット価格破壊な内容だ。


LIHAO LH-50 中国製(写真右)市場価格10,000円前後

こちらは、ST社のフルデジタルアンプチップ搭載。
パワーは50Wもある。
入力はRCAとUSB各1系統ずつのシンプルな内容。ヘッドホン出力も付いている。
電源はACアダプターではなく、内蔵電源。
KAMABAYの商品コンセプトはオーディオ機器というよりはパソコンアクセサリー
といった感じであるがLH-50は我々には見慣れたオーディオ製品風の外観である。
作りからすると、ボリューム類もKAMABAYより少し高級なものを使っているし
音質はKAMABAY以上に期待できそうなアンプである。
しかし、作りが良いだけでは音質向上に繋がらないのがオーディオの摩訶不思議
なところである。
鳴らしてみて、解像度が普通。スピード感もイマイチ。
可もなく不可もなくな音質であろう。
でも、こちらも値段が値段なだけに、間違って買っても腹は立たない製品ではなかろうか。


<試聴して感じたこと>
デジタルアンプの出現のお陰で安価に高音質なものが出回る時代になりました。
しかし、これらの中国製アンプを試聴してみて、
「こりゃ、こんな価格じゃ日本では作れんな~」
まだ音質と言う面ではまだ甘い部分もありますが
もう安過ぎと言っても良いぐらいデフレ化しています。

かつて日本は欧米の電気製品を(悪く言えばパクリ)品質と値段で世界を席巻しましたが
今度は中国や韓国を始め途上国と言われる国々が日本の得意分野を脅かしています。
今後日本の地位を奪うのは時間の問題かもしれません。
家電業界では日本製品は値段で勝負する時代は終わっています。
近い将来、オーディオ製品も途上国と言われる国々の製品に占拠されるかもしれません。
音質、アイデア、新技術、デザインなど付加価値を盛りこんでいかないと・・・


さて、まだ当店には未入荷ですが、入荷次第、Wadia Power DAC151を取り上げようかなと思ってます。
でもガッカリの内容の場合、紹介しません。あしからず。

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  「製品レビュー」  5月02日 発砲 吉田
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お待たせしました。5月の「言いたい砲台」です。 
今回はスピーカーです。

今年はスピーカーが豊作で、まずは20万以上の商品群では各価格帯で安定した性能、音質を提供しているドイツのクアドラル社に注目、ピコ(本国では次モデルになっているようです。)や新製品で輸入の始まったオーラムウォータン、その上級機と、落ち着いた音質で、好感の持てる商品群を展開しているメーカーです。

ピコとオーラムウォータンは現在当社主力のDYNAUDIO FOCUS140、FOCUS220Ⅱと似たような価格帯にありますが、広帯域で反応、レンジも広く明瞭なのに、高域方向含め全体に刺激が少なく、
非常にまとまりのある音質がします。
構えて聞くと、あまりに普通に鳴るので、ある意味気が抜けますが、歴史のあるメーカーだけに、
帯域バランスの取り方のうまさは絶妙と言えます。
気がつくとじっくり聴き込んでしまっているタイプのスピーカーです。
ドイツのイメージで「カッチン、カッチン」の理詰めのイメージで聴くとすかされます。
DYNAUDIO FOCUS140、FOCUS220Ⅱの高域の特徴的な分解能の良さとはまた違う良さがあります。
まだ国内には20万以上の商品しか入っていませんが、欧州では低価格帯も充実していて、
因みに10万クラスのスピーカーを試聴しましたが、10万クラスはそれなりに弾みますし、今後の日本展開が期待できるメーカーと言えます。

さて今回のメインですが、DYNAUDIO SP25無き後、SP25を継ぐ、小型コンパクトスピーカーのリファレンスモデルが不在の状況が続いていました。トールボーイとしてはコンセンサスのライトニングSE、
同じくボーゲンと当社のリファレンス・スピーカーに収まりましたが、SP25の後継としては未だ不在の状況となっていました。
今回、SP25を継ぐ物として、ようやく登場したのが、オーディオマシーナのCRM 980,000円(税別/ペア)です。

まず、見た目の第一印象「小さい、しゃばい」、「これで100万、なめたスピーカーや」と言ったところ。
オーディオマシーナのCRM を聴く前に、50万未満にステラボックスが扱っている、オーディオスマイルのケンサイがありましたが、これも音は良かったのですが、見た目と音が価格と合致せず(あくまで吉田基準)、298,000円なら頑張ったでしょうが、採用見送りになった経緯があり、記憶が蘇ります。
CRMもその程度かなと思いつつ、とは言ってもメカニカルな固体には惹かれるものがあります。

さて見た目の第一印象はさておき試聴、「びっくりこいた」が表現としては正確なところでしょう。
NmodeのX-CD1-DNSとX-PM2Wreith(ニュートロン付)でまずは軽く試聴。
空間表現の広さ、音の鳴りのストレスの無さ、ストレートなのに自然に入って来る切れの良さ。
確かにSP25の様な低域の量感は感じませんし、量はありませんが、それを感じさせない程の一瞬の音の説得力。
まずは室内楽、次にオーケストラと試聴、中高域の滑らかさと量は程ほどだが、しっかりとリニアに伸びる低域、密閉型で非常に小さく、奥行きもコンパクトで有るにも関わらず、広い空間表現と、定位の正確さは特筆。
JAZZ、ロック、POPS(邦楽、洋楽)と試聴は進む。
音楽、ジャンルが変わってもスピーカーのイメージが変わらない。

X-CD1-DNSとX-PM2Wreith(ニュートロン付)で十分すぎるエネルギーも得られるし、ノーマルでも試聴したが、スムーズに音が出てくる。
アンプが非常に楽だ。
箱のストレスが無いからなのか、この箱だからこうなのか、バラしたい衝動に駆られる。

ともかくアンプに奢るもよし、奢らなくてもびっくりする事が出来るだろう。
空間表現の正確さを出すには、多少スピーカーの周りを取らないといけないが、それでも一般的なスピーカーと比較しても小スペースで済むだろうし、部屋の環境、セッティングも随分楽なスピーカーと言える。
実際4畳半でも十分使えそうで、だだっ広い部屋には向かないが、10畳前後でおいしく使えそうだ。
ちなみにスタンドにMDFの29,800円くらいの物を使ってみたが、スタンドの影響も少なくしっかりと音が空間を伴って出てくる。
スタンドで音が変わらないとは言わないが、この部分でも他のスピーカーと比べて、圧倒的なアドバンテージを持つ。

CRMを展示して、少々経ってからのインプレになったが、実はCRMが来たおかげで、以前からX-PM2を使ったレイス・パワーアンプの開発を行っていたが、やり直しをしていたためで、現在店頭ではパーフェクトウェーブ(CDトランスポート、DAC)から光ボリューム(HOP-1)、レイス・パワーアンプそしてCRMと聴いていただける様になった。
小さなスピーカーだが、一般的なこのサイズや、コンセンサス等のトールボーイ、中型機とまた違った、スモール・コンパクトなスピーカーから出てくる、普通には中々聴けない小宇宙は聴いてほしい。


多少支離滅裂になったが、レイス・パワーアンプもこの為に作った様な物になってしまった。
音のイメージはDYNAUDIO Confidence5か(銘機と言っていいでしょう。)、だがConfidence5よりも低域は出るし、SP25よりも低域の量はでないが、正確さと伸びがあり情報量も多い、アンプも楽である。
良いスピーカーです。

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  「製品レビュー」  5月02日 発砲 竹田
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OLIVE 4HD 定価 367,500(税込)

内部に2テラバイトのハードディスクが内蔵されており、3000枚のCDをまるまるリッピングできる。
他にインターネットラジオ、ネットワークオーディオ対応、CD-Rへの書き込み、アルバムの編集などの機能があり、CDプレイヤーにiTuneのようなユーザーインターフェースを搭載したもの。
ステルス戦闘機を彷彿させる奇抜なデザインとPCオーディオとCDプレイヤーの両方の利点を合わせた製品で面白そうなので即導入してみました。

実際使ってみましたが、音質は期待とは裏腹に普通。
特に悪い訳ではないが、価格が価格だけにスピードや情報量、S/Nがもう少し欲しいところ。
ただD/Aコンバーターを噛ませればトランスポートとしては十分使える。
使い勝手もPCに比べて立ち上がり時間が速く、リッピング機能など1タッチで便利で簡単ではあるが、LAN接続設定等、ある程度コンピューター知識が必要であるしアルバム編集(OLIVE社に登録されているアルバムだと自動)、バックアップなど結局パソコンを使用しなければならず、PCオーディオの面倒くささの呪縛から逃れられる訳では無い様だ。
プレイヤーの機能は多機能ではあるが、例えばPCのiTuneのように大企業が大金を投じて作ったソフトウェアに比べると、まだ使い勝手が悪い。

(こだわらなければ)パソコンの場合、15万円出せば、周辺機器含めて一式揃ってしまう。
OLIVE 4HDの場合、価格35万円。
PCオーディオより便利な部分もあるが、現時点では一長一短である。
「PCの知識が無い」と言う方以外、現時点ではお奨めできない。
(ファームウェア更新を順次やって行くそうなのでそこに期待したいところ。)
特に単体の音質が良ければ強く薦めたい製品だっただけに非常に惜しい製品だと感じた。

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  「製品レビュー」  2月20日 発砲 吉田 (3月06日 FOSTEX HP-A7追加)
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こういうご時世だからかと言う訳でもありませんが、最近書く時間が増えてきました。(笑
新旧ありますが、最近聴いた商品をピックアップしてみました。

quadral スピーカー PICO  定価 \283,500(ペア/税込)

 quadral社はドイツに1972年に設立された、比較的古いメーカーで日本でも過去、
何回か輸入されていた記憶がある。
1980年代に型式までは覚えてないが、一度試聴した覚えがあり、その時にはピンとこなかったのか、音に対してのイメージもほとんど残っていなかった。久しぶりに名前を聞いたブランドである。
ここ数年再輸入が始まった様で、一番小型のモデルだが、デモ機が店頭に来たので試聴。

標準で付いてくるジャンパー板はやはり音が良くないので、バイワイヤリング接続かお気に入りのSPコードを短く切って使用するのをオススメする


まずは外観、箱も綺麗に作られているし、硬い。
ユニットの仕上げ、リアの仕上げも丁寧で、持った感じこのサイズのスピーカーとしては多少軽めの印象はあるが、精度も出ていて、厳格でまじめに作られている感じは好感が持てる。
見た目のリボンツィーターとアルミ合金系のウーファーから、ややピーキーな硬めの音を想像していたが、意外な事に非常に素直な高域で情報量も多く、リボンツィーターの反応の良さ、応答性が高く立ち上がりスピード感も良く、レンジも広いのだが、うるさく無く上品な高域である。中音域も同様でウーファーへの繋がりも良い。
低域も紙とアルミの中間的な鳴り方で、太さもしっかり出るが切れが良いのですっきりした感じ、中低域はしっかり、低域は欲張らず下まで伸ばすタイプではないが、ポートのチューンニングをみると、比較的壁面に近い方が、うまく低域も伸ばせるチューニングになっている様で、制限のある一般家庭では、低域の補強をしながら、壁近くで使えるので使いやすいスピーカーではないだろうか。
ポリプロ系ウーファーの音が嫌いな方にはお勧めである。
音の線の太さが低域から高域まで一貫して均一なので、音楽的にもオールラウンド。
良く出来たリボンツィーターの成果か、特にボーカルが綺麗でニュアンスも細かく、アコースティク系も得意。
この上にまだ上級機が並んでいるが、上のモデルも期待できそうである。

この価格帯には当社がお勧めしてるDYNAUDIOのFOCUS140もあるが、負けず劣らず良いスピーカーで、当社が今までお勧めした中では大人しいスピーカーかもしれないが、一度聴いていただきたいスピーカーの一つである。



次に実売価格 10万円のDACを聴き比べてみた。

最近はDAC流行りである。音楽配信が進んでCDプレーヤーを購入する人も減っているせいか、国産、輸入も含めDACオンパレードである。
その中でも当社に問い合わせの多い4モデルを試聴してみた。
2日にかけ、4モデル同様に通電し、同一条件下で比較した。
試聴にはPS AUDIOのPerfectwave Transportの同軸出力を使用した。

・Cambridge Audio MAGIC オープンプライス 実売価格70,000円前後
10年くらい前だったろうか、同じ名前のDACをCambridge Audioは販売していた。
出来も良く、価格も安くCPの高いモデルだった。
今回も同じ名前「DAC MAGIC」での新製品である。
USBと同軸、光の入力を装備、出力もRCA、バランスを装備し入出力ともに充実した仕様になっている。
音質はやや高域寄りで華やか、軽めの音質、音場は比較的コンパクト、広い方ではないが、高さ奥行き感は割と分かりやすい。
低域がやや弱く、制動感は無い。
フィルター調整可能で、多少の変化は楽しめる。ただ基本の音質が大きく変わる事は無い。
付属の電源がACアダプターと言う事を考えると、致し方ないところかもしれないが、
電源がもう少し充実するともっと良くなると思う。
元が悪く無いだけに少々残念なモデルで、ENE-BOXによる電源強化版はちょっと考えてみたいところだ。

・ATOLL DAC100 オープンプライス 実売価格90,000円前後
 いくらDYNAUDIO JAPANが扱っていると言っても、当時聴いたIN100とCD100だったと思うが、中音域の分離が悪く、位相も悪かったし、DYNAUDIOと合うとはとても思えない音だった。
とは言え、最近、新型のIN100SE、IN30とCD30を試聴し、随分改善されたのを確認。
DAC100を、試聴用に仕入れてみた。
 このモデルもCambridge Audio DAC MAGIC同様、USB、光、同軸を搭載。やや高域より、ただDAC MAGICよりわずかに重心が低く、低域にそれなりの重さは出る。
中高域は残念ながら、綺麗、煌びやかというよりは、今回聴いた中では、最も粗めの音質に聞こえる。空間表現は横に広く、高さは出ない、奥行きは出るが、まっすぐ向いて聴いているという感じより、上から覗いている様な音場の展開をする。試聴ポイントによっては平面的に聞こえてしまうので、システムのセッティングも注意が必要だろう。
今回聴いた4モデルの中で最もボーカルの位置関係が低かった。
丁度、これを書いてるさなか、雑誌も着いたので、評価を読んでいたのだが、あまりの違いで、読んでいて笑ってしまった。

ついでと言ってはなんだが、今回IN30とCD30も店頭に入れて試聴したので、少し書くと、音場に関してはDAC100と同じ傾向をしめした。ただ粗さは無く欲張ったところも無いので、こちらの方は、スピーカーとの組み合わせを考えれば、使い勝手の良いシステムは組めるのではないかと思う。特にCD30の方は音数含め、まずまずの感じである。

・SOULNOTE sd1.0 定価 105,000円(税込)
 入力は光と同軸、各3系統、出力はRCAとバランスが装備されている。
USBは装備されていない。
 S/Nは非常に優れているし、レンジも広い。
音域的には中音域が充実し、中低域の押し出し感がはっきり出るタイプなので、やや濃い目の音。音場も広く、力強い。
それでも上級モデルのdc1.0に比べると、大人しい感じで、このブランドの製品としては控え目な感じさえしてしまうが、他と比べると、存在感の強い音なので、嫌いな方もいると思う。
相変わらず、アコースティク系に強く、ギターの好きな方にはお勧めしたい。
 いまさらだが、機能面について言えば、なぜUSBを付けなかったのかが不思議、コストの問題とは聞いたが、付いていればもっと商品価値も上がったと思うのは、自分だけだろうか。  

・AUDIOTRAK Dr.DAC2 DX オープンプライス 実売価格 40,000円前後
USBと同軸、光の入力を装備、ライン入力も備え、ヘッドホン出力もある。
プリとしても使えるので、価格の割には装備としては最も充実したモデルになる。
 このモデルもACアダプターのせいか、やや腰高ではあるが、先の3モデルよりもバランス的には中庸に近い。
レンジも広く、立ち上がりが良いので、音場の表現も価格以上の感じはある。
オペアンプの交換も出来るし、うまくオペアンプを選べばかなり上等なDACであり、ヘッドホンアンプにもなる。遊び心もあるし、意外とCPが高いので、欠点を見つけるのに、苦労する商品である。
 当社でも前から電源を強化したり、遊んでいるが、やり様によってはかなり面白い結果も出せるし、今回聞いた中では最もCPの高いDACと言える。

・FOSTEX HP-A7 定価 78,500円(税込)

DR.DAC2DXと同じくUSB、同軸、光デジタル、アナログRCA入力を備え、ヘッドホンアンプとしても使える。
S/Nに優れ、レンジも中々広い。音調は上品でやや優しめの音であるが、バランスは良い。
アコギを聴いてもエッジの立ち方が綺麗で音を空間に描き出す表現は上手い。少しハイエンド系DACぽい音作りになっている。
価格なりの音質を持っており、sd1.0には音数で敵わないものの、ここに上げたsd1.0除く他機種を上回るパフォーマンスを確認できた。
本来、本機種はヘッドホンアンプがメインだと思うが、ヘッドホンアンプの実力としてはDr.DAC2DXに追いつかれる結果となった。
HP-A7は特に32Ω系の低インピーダンスのヘッドホンではそれほどとは思わないが、ゼンハイザー等(200~600Ω)の高インピーダンスヘッドホンでは、(Dr.DAC2DXと同じくPHONE2使用だとでゲインを上げられる)やや力感が及ばず、線が細い傾向となる。


以上、DACの比較を行ったが、USBを使用したパソコンからの入力はチェックしていないので、その場合の結果は別になる場合が考えられる。
事実、上記の試聴が終わった後、お客様がノートパソコンを持参し、DAC比較試聴に来店された、パソコンのデータは非圧縮では無く圧縮データを使用との事。
sd1.0はオルソ・スペクトラムのDDコンバーターを通して、同軸で入力、DAC100、CHORDのChodette GemはUSBで再生したが、結果Chodette Gemが最もバランス良く、リニアリティの良い再生音が得られた、その次はオルソ・スペクトラムのDDコンバーターに内蔵のアナログ出力となり、ATOLL、sd1.0は圧縮音源のデータでは粗が見えてくる結果となってしまった。
当たり前と言えば当たり前だが、すべてのお客様が非圧縮と言う訳にはいかないと思うし、たくさん効率よくデータを入れて音楽を楽しみたい方の場合には、また違う選択肢を考える必要があるかもしれないと、考えさせられる結果となってしまった。

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  「吉田苑リファレンスアンプ」   発砲 吉田    2月14日
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昨年リリースしたX-PM2 Wraithですが、実はまだまだ改良が続いてます。
開発のヒントとしては同じく昨年リリースした光ボリュームHOP-1です。
「相性良好ページ」に当店のリファレンスが掲載されておりますが、リファレンスアンプはX-PM2WraithとHOP-1の組み合わせです。
しかしこの組み合わせでどうしても気になる点はやはり、X-PM2Wraithがプリメインアンプだと言うことです。
プリアンプHOP-1との組み合わせで使用する限りではX-PM2のボリューム部分は必要ありません。

そこで、X-PM2の基盤を使用しパワーアンプ化したWraithPowerを試作しています。
(店頭に来られたお客様の中にはA7075ジュラルミンパネルの豪奢な箱に入った
hinaロゴの入ったパワーアンプをご覧になった方も多いでしょう。)
X-PM2のシャーシは高剛性ではないのでどうせならお金を掛けて当店が好きなジュラルミンの箱に入れてしまえば、剛性が上がり、スピード、S/Nの点で有利になるだろうと思っていました。

ところが試作1号機筐体で、最初から躓いていてしまいました。
低音の伸びは良くなりましたが、反面高音が抜けきらない。レイスよりも返ってバランスを悪い音になってしまいました。
NmodeにしてもSOULNOTEにしても一見高そうには見えないシャーシに思えますが実はかなり計算された設計で筺体の振動モードをうまく利用したアンプ作りがされています。
分かってはいましたが、単にお金をかけて固めただけでは、躍動感も無くこれは駄目だという状態でした。

筐体の底板の厚みを変え、ジュラルミン天板の厚みも変えながら、
試作を継続しました。
何とかなりそうです。
箱の振動モードやトランスの位置、配線材も色々取り替えながら、
半ばヤケに近いですがトランスを天板に取り付け、同一平面上に基盤を置かない事で、音の方も抜けが良くなってきました。

しかし、あと一歩、吉田苑の音が出ていない。
トランスが上にある為に、重心が上にあるトップヘビーの状態が中高域を阻害しているのではないか、そこでアンプをひっくり返してしまいました。
重心は低くなり基盤が天吊り状態になります。

X-PM2Wraithと出力は変わりませんが、ボリューム、セレクターも飛ばせ配線距離も短縮化した効果とスピーカー端子も選択できるため、音としてはチューニングの幅が出て上下の伸びやエネルギー感も改善されました。
特に中低域から低域がきっちりとした輪郭を持って飛び出してきます。
ひとまず、納得いく音質は確保できました。
あまり無理な使い方は出来ませんが、FOCUS220Ⅱまでは問題なくいけますし、能率の良いコンセンサスはうまく鳴っています。

ただ箱を一から作りましたので、30万まではいかないにしても高価になりますし、いずれ出てくるであろうNmodeのフラッグシップも期待もありますので、今のところ販売するかどうか分かりませんが、完成すればHOP-1とセットで当面、小型、中堅スピーカーの評価用として活躍してくれると思います。


写真は逆立ちしている試作パワーレイス三本の角はスパイク
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  「誰だって失敗はする。」   発砲 岡島     1月17日
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やっとこジェームズキャメロンのアバターを見てきました。
個人的には「タイタニック」が面白くなかったのにまた何故失敗確定の
作品を見に行ったかと言うと、3D映画なのです。。すんごいですねぇ、
立体に見えます、それを強調する為に横に3人並んだシーンを
わざっこ斜めに並べたり、通路のシーンが多く奥行き感を強調
する等。まるでパンドラに居るかのような感覚です。
わずかな欠点はストーリーに無理が、、、、いやキャメロンですから
覚悟してました(笑 入場料金はメガネ代込み2000円
「アフリカの女王」「マルタの鷹」「カサブランカ」等ボギーの
映画が4枚買えます。
コンテンツ産業における新しいメディアは、とても重要だと思います。
SPがLPになりCD4chが隆盛を見ることなくいつの間にかCDへ
白黒TVからカラーへ、多重放送ついにはBSが始まり、
アナログハイビジョンが忘れ去られ地上デジタル放送へ
色々失敗しながら進歩してきているわけです。

Lカセット、DAT、LD(成功?)VHD、SACD、DVD-A、HD-DVDなど、
一流企業が企業生命を懸けてもポシャるモノはポシャルわけです。、
 立体TVにしても、かなり古い技術で、ビクターがVHDを出したときに
試験的に液晶シャッター式ひもつきメガネの3Dがありました。
いまやその存在を覚えている人はいませんが。

結論、3Dは、映像コンテンツの主流にはなれないと思います。
映画と言うメディアは既にアトラクションの時代を過ぎて
ストーリーまで含めたコンテンツに変化しています。きっと(汗
見たことも無い映像だけでは、金を落とさなくなるでしょう。

コストベネフィット
さて、オーディオの話です。一本しかスピーカーが無い時代に
その音の広がりを模写する為に壁面やコーナーを利用してぶかぶか
苦しい時代の後、突然立体音響と銘打って「ステレオフォニック」
方式が出てきました。1960年代初めだと思います。しかし立体ということでしたら
2点の発生源としては足りない、奥行き(Z)軸が必要です。
10年もすると4CH再生が出てきました。流行りませんでした。

我々はどこまで写実的な疑似体験を望んでいるのでしょう?
実はそんなことより内容の方が重大なのでは無いのでしょうか、
コンテンツ(ドラマ、名演奏)を無視しては意味の無いものに
なってしまうでしょう。

互換性
 さてFM放送は、マトリクス方式という素敵な方式で電波を送っています。
貴方がポケットラヂオで聞いているFMステレオ放送はL+Rの合成音を聞けます。
決してLchだけの音ではないのです。つまりステレオラヂオを持っている人は
ステレオで、持っていない人はモノフォニックで音楽を楽しめます。

家庭に3DTVが入るのでしょうか?価格はすぐにでも安くなるでしょうから
コストは、なんらかの装置を顔にかけなきゃいけないこと。偏光レンズに
なってメガネの上からも装着可能になるのは間違いない。とはいっても
面倒くさい。あるいは液晶画面にフィルターを入れてメガネを不要にする方法
(現在フジがデジカメでやっている方式)視野角が狭くなる可能性はある。解像度が甘くなる。

今年市販される3DTVはメガネが必要なタイプが殆ど。
メガネかけてない人には立体放送はぼけた映像でしかない。
一般の映画は3D対応していないから3Dで放映されるのは
改めて録画される番組となる。映像美を誇る映画ならば3Dもありであろうが
それはごく少数だろうし、殆どの映画は3Dでなくてもなんら問題ない。
そのために貴方はメガネをかけますか?
結局、TVメーカー各社はネタ切れに付き古い技術を引っ張り出して
物珍しさで購買欲を掻き立てたいのが狙いであろう。

結論
80センチダブルウーファーで155ミリ榴弾砲の発射音を聞きたい人も
いるかもしれないが(着弾音は、誰しも聞ける環境に居たくないと思う。)
 私は、すんごい音で音楽を聴きたいのではなくて、普通の音で
気に入った音楽を聴きたい。ひどい音で入ったCDや、ドラマの主題歌だけで
流行を勘違いさせた音楽CDは聞きたくも無い。演奏者自信が音楽好きで、
何か表現しなくてはならない思いに駆られて演奏している音楽なら、
ましてや良い録音なら猶のこと、普通の音で聞きたい。
ステレオで○○○○ルを聴くくらいだったらモノラルで△△△・△△△△
を聴いていたい。20ヘルツの音や45kHzの音に拘らず、ピアニストの
演奏を心にとどめておきたい。すんごい事……やめて音楽聴きませんか