いいたい砲台04

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'04.11.16発砲 / 砲手:岡島  

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「一つの真実」

フルレンジの良さを以前書いた事がある。特に大掛かりなシステムを使用してるほど「原器」と
してフルレンジは用意しておく価値がある。そこまでしか書けなかったのは、当時本当に頼りに
なるフルレンジが無かったからで物色の最中だったわけだ。 先月、大阪OFF会で、4722を
聴く機会があったのが正にこの起爆剤になりそうである。4722「レンズ」とは去年の東京OFF
以来の2度目の試聴である。その時から、素性の良い愛らしい小型SPだったのだが、今回は
その高級機である。内線材やネットワーク等の改良版スペシアルなのだそうだ。音を聴いてち
ょっと感動の涙が出た。シュテルンさんを誉めるときりが無いのでその場は冷静にしていた
が、やはり今でも「レンズ」の奏でた「つじ・あやの」が忘れられない。
47研究所らしい非常識は、吸音材を入れない、回路を入れる、という相変わらずの意表を突き
まくる設計である。重さは3キロを下回る。

 さて、あなたはこのスピーカーを先入観無しで聞く自信があるだろうか? 目を瞑って大編成
のオケを、無伴奏の弦を、つじあやの「京都」(笑)、リッチー。ブラックモアを聴いて見るべき
だ。
 ただ、私が聴いたのがフラットフィッシュ、ジェミニ、ゲインカードという、47システムだったの
だが、果たして他のアンプに繋いであの魅力に溢れた再生が出来るのだろうか?できたら22
万円は安いと思う今日この頃である。あの時無理してもファントムと繋げて確認しなかったのは
私の落ち度である。近いうちに、ご報告しよう。

詳しいスペックは47研究所のHPで
http://www.47labs.co.jp/4722.html

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'04.11.16発砲 / 砲手:岡島

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「ハイエンドの誤算

たまにではあるが、本当にたまーにではあるが、このような新製品が出てくる。実際めーわくな
のである。良いのがわかっても「ずぇったい買えない」物が大変めーわくなのである。TEACの
CDプレーヤーセット。電源部、トラポ、DACが 2台、2台? そうモノラルDACなのだ。そいで440
万円、か・え・な・い。音の方は、全く立派にちゃんと良いのである。

吉田苑は、基本的にはお金持ちの為の店では無い。吉田苑で、数百万円のあるいは数千万
のセットをお持ちのお客様は、偶然たくさんお金をお持ちの音楽ファンなのである。充分のノウ
ハウと判断力と鑑識眼をお金以上にお持ちである。というわけで、あまり高価な商品はお勧め
しない。あるいは手頃な価格で素晴らしい性能を持つものがお勧めしやすい。そして、現在、お
勧めしたい価格にCDプレーヤーが少ないのが一番困った事なのである。いやハイエンドに至
っても猶の事、深刻なのである。だから、こんな価格で本当に良い音がポツンと離れ小島の様
に出て貰ってもなぁ。お金のある人は、DACも重ねてはいけないようなので、置き場所も覚悟し
て、買ってください。お勧めします。

エソテリックさん、やれるなら最初から実力見せてください。このセット以外は全く、音楽を楽し
む雰囲気を削って、精確さをぼかすために金を使った商品を数多く作って、人を油断させてお
いて、これである。

あるいは、開発スタッフが変わったのだろうか?だとしたら回転機器の老舗にとんでもない才
能が入ったことになる。えぇ、待ちますとも2年でも3年でも、中級機でこのような雰囲気を持つ
ものが出てくれば、ちょっと鳥肌が立つくらい凄い事になりそうだ。

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'04.10.10発砲 / 砲手:竹田

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 今回の話はSP25改の話です。 DYNAUDIOは当社が取り扱いを始めた頃より、企業規模も拡
大しAudienceシリーズにみられるように、ある程度熟練工でなくても組み立てができるように簡
易化、量産化が進んでいます。
 普及機については量産メリットで内容と価格が一致すれば問題ないと思いますが、
従来モデルはともかく、内容価格が一致しない機種が出てきたようです。
改造好きの吉田苑でも、DYNAUDIOのスピーカー達には、敬意を表してノータッチを守ってきま
したが、新製品群が今ひとつ冴えないのでついつい手が出てしまいました。

DYNAUDIOは元々、高級オーディオメーカーにユニット供給するくらいユニット性能のよいメーカ
ーですが、さすがに量産メーカーですから、量産ではできないユニットの性能を更に引き出す
工夫を考えてみました。
そこで今回考えた改造ポイントは、スピーカースタンドでノウハウを掴んだ金属材料を使って、
SP25のツィーター周りに使われているアルミ鋳物のフレームをジュラルミンから削り出したもの
に変えようというわけです。

今回SP25を選んだのはDYNAUDIOの2ウェイの中でもSP25の完成度が高く、当社のリファレン
ススピーカーのひとつであることが大きな理由です。
 アルミより強度が高く、共振点も高い方にシフトするジュラルミンが有利なのは、容易に想像
がつきました。
注文したのは三週間前ですが、ようやく入ってきました。”The Base”でおなじみの7075より、更
に強度、減衰特性にこだわった7076−6Tです。正に67年前十二試艦戦(零戦)に、使われた
超々ジュラルミンです。軽さ、鳴きの落ち方の美しさは定評があります。さて、取り付けて試
聴、、、、、、、、、、、?
 「うーーーん(汗)」「淋しい」「音が足りない」なのです。
原因は取り付けの時に予想されました。ユニット取り付け部に厚くて柔らかいウレタンのパッキ
ンが貼られてます。パッキンを外して平面を取り装着し直しました。
「!!」「すご!」スピードが速くなりました、爆発するようなギターの切れの良さが目の前で展
開します。今回は試験機という事で、最終的にはウーファー用のサブフレームも作り一緒に販
売する予定です。
今回の改造は元に戻せる改造として、他のモデルにも応用できるようにAudienceシリーズ等に
も対応していきます。
現在52SE用のフレームもテスト中です。
発売にはまだ時間を頂きますが、大阪オフ会にはお聞かせできます。
生まれ変わったSP25をご確認ください。

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'04.09.18発砲 / 砲手:吉田

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新製品もぼちぼち出てきましたので、それなりのものを取り上げてみました。

Marantz SA11-S1 \367,500円(税込)

久々というか、何だかMarantzでは久しぶりにまともに音が出るプレーヤーが出たという印象の
プレーヤー。今回このプレーヤーを評価したのは歴代のMarantzのプレーヤーの中でも特に位
相の良さはトップクラス、音域のバランスも誇張した部分も無く、自然に素直に聞けるところ。
スピードは程々という感じで、ハイスピードでは無いがトータルバランスが良く少々やさしいとこ
ろもあるが標準的に使えるので、お勧めできるプレーヤーかと思う。特にCDの再生で好印象、
SACDもCDよりは細身だがCD同様バランスは良く取れているし、SACDのレンジ感も十分味わ
えるので、SACDも価格なりに満足という感じ。
フィルターの組み合わせで色々できるので遊んでみるにも面白いし、某50万クラスよりも明ら
かに良かったので、新製品の中ではお買い得な機種かもしれない。
アンプの方はちょっと当社の基準、考え方とは違ったアンプなので特に今回採用はしなかった
が、歪感の無いゆったりとしたアンプだった。

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'04.07.19発砲 / 砲手:吉田 

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まずはお詫びから。
新店舗に移り、自分が思うところの満点までは行きませんが、何とか商品評価が出来るところ
まで店の環境が整いました。
開店からご来店いただいたお客様にはルームアコースティクの関係で場所の確認のみで申し
訳ございませんでした。
さて新店舗に移ってからの第一弾です。

Sharp SM-SX300 \1,890,000

デジタルアンプもようやくひとつの方式として定着してきたようで、その中でも先陣を切って1bit
のデジタルアンプを出した、SharpのSM-SX100からハイエンド機の三世
代目。
今年の前半に製品版前のプロトタイプも聞いたが、その時点ではSX200のサンプリングを11.
2Mhzにアップし、電源の見直し等は行ったモデルだったが、音の方はまだ煮詰まっておらず、
期待はしつつもそうピンと来るものが無かった。
プロトをテストしたときには、立ち上がり、スピード感がイマイチで、SX200よりも
サンプリングが高い分だけ全体の力感は上がっただけのような感じだった。
完成品は3日ほど通電しっぱなしでランニングして再度試聴。
完全にSX200から再度SX100のストレート、直球路線へ戻ったようだ、サンプリングが上がった
にも関わらず、スピード感が損なわれない。(SX100の5.6Mhzバージョンアップの際に単に5.
6Mhzにしただけでは、全体のボリューム感は上がるが、スピード感が鈍るのを体感している。)
スピードとサンプリングのアップが今回は非常にいい方向に働いたようで、全体のボリュームも
厚く非常に滑らか、特に下方向のレンジの伸びと表現は正確。
現在発売されているデジタルアンプの中には低域の位相をいじった物もあるようなので、そん
ないじった物とは程遠い正確さ、主観的な良し悪しは別にして、SX100のオリジナル機から比
べると厚みが増した分、クールな感じはやや後退したが、精緻さはそのままでハイスピードなア
ンプに仕上がっている。
このレベルになると入力される機器の音も非常に良く分かるし、前段の機器で雰囲気はものす
ごく変わる。
今回、前段は47の新型ピットレーサー4704/04、DACはオルフェウス、相変わらずのD1 を使
用、スピーカーはテンプテーションとSP25を使用したが、オルフェウスやD1の違いが非常に明
確に出た。
どちらも立ち上がり、立下りもしっかりしたスピードのあるDAC だが、オルフェウスの低域の量
感と高域の繊細感、D1の中音域の厚みのある躍動感と制動感、
双方の違いがSX100の時以上にはっきりと出てきて面白かった。
ユーザーの立場からするとある意味露骨なアンプなので使いこなしは難しいかも知れないが、
その分楽しみはあると思う。
後はこの価格が高いか安いかだが、SX200からすれば妥当かと思うが、
そうおいそれと簡単に買える価格でもないし、この価格帯では素性はともかくブランドやデザイ
ンで目移りする商品も多いだろう、SX100でそれなりに市場を開拓したように、もう一度価格の
方もチャレンジして欲しかった。
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'04.07.11発砲 / 砲手:岡島

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13kgの巨大なスピーカー

 見た目は小さなスピーカーであるが、その要求は高い。
スピーカーの周りにある程度の空間が必要というのが一番に頭を痛めるところで
あろう。
しかし、ステレオという方式が、スピーカーたった2本で3次元空間を表せる
ことを考えると仕方がない。なんで高さや奥行きが出るかというと人間の
耳の構造や、脳の仕組みまで話が及んでしまう。吉田苑がスピードを問題にするのも
ここら辺にある。スピーカーからの音離れやスピードがその空間表現に重要だから、
どうしても当店の評価が厳しくなる事になる。
とにかく立体的なサウンドイメージの為に必要とされる空間なのである。
更に、スタンドが必要で、その音に対する影響は大きい、本体の価格とあいまって
既にスモール2ウェイの範囲を超えてしまう。それに伴いスピードを基本とした
アンプやCDプレーヤの選択が悩ましいところで...全体的に(価格が)巨大な
スピーカーになってしまう。それがDynaudio Special TwentyFiveなのである。

 えー前置きが長すぎで申し訳ありません、言いたい砲台の火薬切れでお待たせしました。
当店のお勧めスピーカー Dynaudio Special25のノーマル版「ノーマル25」の評価です。正直、
単品のばらつき程度以上の差は無いようです。
薄味ながら艶やかな高域、濃密な中域と分解能、ステレオイメージの確かさ、低域の豊かさ、
経年変化の度合いもほぼ一緒で同一の製品ということで間違いないようです。色合いは大きく
変わってしまいますが日本では馴染みやすい、メープルやローズウッドが好印象でよく出てい
ます。25年間の保証、変質した白樺材の透明感に満ちたキャビネット、社長のサインに価値観
を見なければ、これからもお勧めできる優れたスピーカーだと思います。

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'04.04.16発砲 / 砲手:吉田

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本当に久々の更新です。
楽しみにされていた方には申し訳ありませんでした。
今年は6月頃から年末にかけて、国内メーカーも比較的普及価格帯ゾーンに新規でピュアのデ
ジタルアンプを投入するメーカーがぼちぼち出てくるようです。 中でも今回オーディオの老舗で
現在は殆どピュアをやっていなかったONKYOが2chの デジタルアンプで復活します。デザイン
ができていない時から数度デモ機を聴いていますが、今回は4月上旬に試聴した製品試作そ
のレポートです。

ONKYO デジタルアンプ A-1VL予価15万〜20万円

発売は6月頃の予定で進んでいるようで、トライパスに独自技術を組み合わせ変換エラーの少
ないPWM方式のデジタルアンプ。トロイダルトランスを二つ搭載、コンデンサーは12,000μFを
左右2個計48,000μFを搭載してチャンネルセパレーションにも配慮した構成。デザインはイン
テグラ系で薄型の標準サイズ、色はグレー系シルバー。
フロントパネルにはボリュームとセレクター、電源スイッチ、パワーダイレクトスイッチを装備と
シンプルな構成。ボリュームはリモコン付きでディテント型をモーターコントロールする古典的な
タイプだが操作性は良い。パワーダイレクトスイッチは単独のパワーアンプとしての使用が可
能で単独のデジタルパワーアンプとしての使用も意識している。入力はRCAタイプ、回路構成
上バランス入力は装備していない。
MMフォノ入力も装備でアナログにも装備している。

試聴開始後の第一印象はナチュラルな感じ、そう強調した感の無いアンプだがやや眠たい。
数時間鳴らしていくと音離れも良くなり解像度も出てきた。古いONKYOのイメージがあるのでち
ょっと元気の良い音を想像していた。数時間聴き込んでくると最初の印象とちょっと変わって音
離れもよくなり、空間もよく出てきた。ダイナミックレンジはそう広くは感じないが、音域を高低
両方向に適度に伸ばしているので、フラットでワイドレンジに聞こえる。スピードはまずまず速
い感じだが、切れ込み重視ではないし、かといって甘いというところまで行かない。全体の線が
太く感じるのは昔のONKYOを思い出させる。骨格を持たせ、ある程度芯もしっかり持たせなが
ら微妙なところでレンジ感を出し、やりすぎにならない程度の繊細感、雰囲気をうまくコントロー
ルした音。直線的な作りというより適度に節度を持たせた感じで、攻めるタイプでもないし、分
析的な解像度を狙ったものでも無い、かといって空間や繊細感を協調しすぎたデジタルアンプ
でも無いので、デジタルアンプの中では一般的に使いやすいニュートラルなポジションを狙った
ようだ。スピーカーはどちらかと言えば全般的にヨーロッパ系なら合いそうで、くどくならずにボ
ーカルやクラシックには向くだろう。JBLやホーン系にはちょっと物足りない。

ちなみに同時発売で共通デザインのCDプレーヤーも予定されている。こちらの方はまだ評価
できるところまでは、試聴した限り出来ていなかった。発売までにまだまだ詰めるようなのでこ
ちらの方も楽しみにしている。しかし、ようやくONKYOの復活でこの価格帯のデジタルアンプは
選択肢も増えるし、マラプロやhinaのような鈴木サウンドもあり、今のところミュージックセンタ
ーだがSharpのデジタルもあり、年末にかけてまだ選択肢が増えるでだろう非常にうれしい事で
す。何よりONKYOが本気でピュアオーディオに戻ってくれたのは低迷している業界だけに非常
にうれしい出来事だと思う。

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'04.03.01発砲 / 砲手:岡島  

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Radius 90    まじめでも可愛いこしゃくなミニ 

モニターオーディオのスピーカーには注目すべき製品があるのだ
が、あと一歩で今までメインの取り扱いになっていなかった。
しかし、吉田から奨められたお客様もいらっしゃるはず。今回採用
になったのは、新製品の「ラディウス90」である。セット販売ではない
と言う事は、モノフォニックで聴く(笑)場合では一本でも買える。5.
1CHの時には5本買える。スーパーウーファーもシリーズに用意して
あるところが、まぁ、AVスピーカーの扱いである。更に専用のブラケ
ット、色違いのサランネットまで付いている。
大サービスに媚びが見えるが、実力は完全にピュアオーディオなの
で驚かされる。
 
メーカーのHP [http://www.hifijapan.co.jp/Radius.htm]では「妥協をしないということ--」のコピーと隣のお姉さんが妙にそぐわないが、嘘はなさそうである。

  仕上げはラッカー仕上げのツヤありで適度な丸みが上品にあっている。しかしユニットの取付ねじが見あたらない。これは裏面の二つの大きなネジで引っ張り固定しているからである。これだとユニットが経年変化でゆるんできても箱を開けずに、六角レンチ一本で締め付ける事も出来る。複数のネジのトルクも気に懸ける事がない。
更にフロントとリアのバッフルを補強する事になり小型スピーカーにだけ許される卓抜なアイデアである。「なかなかやるな」なのである。スピーカー端子も強靱性とバネ特性に優れたリン青銅金メッキ、後ろのバスレフポートは今流行のトランペット、手を抜いていない。所有する満足感に達しているレベルだ。

  オルトフォンの139辺りと価格が重なるが、音の傾向は違う。ナ
チュラルでジャンルを選ばない。意外なほど音域は広くバランスが
良い。アンプの性格をきっちり鳴らし分けるのは、文字通り「小面憎
い」ほどで、ニュアンスの再生がうまい。防磁性、縦横設置可能、ブ
ラケット付属など使用用途も広い。
 初心者には勧めやすいし、マニアには聴かせれば驚くという小型
スピーカーの出現は、大変心強い朗報である。
 
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'04.02.05発砲 / 砲手:岡島

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オーディオの進歩と調和

 1970年大阪万国博覧会の標語から思い出したんですが
本当にこの35年オーディオは進歩しました。「技術は進歩すれば
必ず良くなる」にちょっと疑いをもたれたのがちょうどこのころ。
「調和」が言い訳のように見えてしまいます。
4CHステレオ(クワドラフォニック)という後ろの音を可聴域外
に録音した「ディスクリート方式」が出て来たのも、このごろです。
この技術が50KHzまで再生可能なトレーシング能力を待つ「超楕円」
「シバタ」等の針形状で今に残ってます。ビクターが針からアンプ
まで開発して素晴らしい方式でしたが、サンスイをはじめとした
インチキ4CHが多数出て、市場形成までいかず、もちろん今はありません。
その後、トリオ(その後ケンウッド)が高級アンプに左右完全独立
電源なる物を発売しました。実際片CHから大きいエネルギを要求される
強大なバスドラやコントラバスのトゥッティ等が再生されると、
もう片方も急に息次ぐような再生音になりました。そこで大電源を
左右に独立させる事により安定した電源が充実した音場とセパレーション
を提供しました。

ここにオーディオは進歩したのでしょうか?薄汚い他メーカーが
2電源を売りに出しました、只でさえ貧弱な電源をもっと貧弱な2電源に
した物がよく売れました。もちろん今は巨大なパワーアンプに残っている
だけで、プリメインの市場ではありません。
 当店がお勧めしていた、1ビットアンプが出現して5年目。サンプリング
周波数は4倍にもなりました。この後8倍にも16倍にも成っていくのかも
知れません。確実に情報量と中域のソノリティが上がる事は期待できます。
ここでお断りしなければいけないのは、吉田苑は1ビットだからSX-100
をお勧めしたわけではないと言う事です。過去の言いたい砲台を眺めて
いただければおわかりの通り方式を奨めていないのです。そこには「音が精確」
と更なる可能性(このまま進めば)が絶賛されています。

一つの結論は、Phantomをお買いいただいた数少ないお客様にはおわかりでしょう。
今月私どもから発表する「ヒナデジ」もデジタルアンプです。
信号をエネルギーではなく情報という形で取り扱えるため、条件さえ整えば
精確な再現が可能になる。ここでは、8Ωで60W、4Ωで120Wを出力
できないととか、あるいは重量が20Kgを越えないとアンプでは無い、などの
古い常識は通用しません。
情報量、スピードをより論理的な形で追求できるフィールドが開けたのです。
この音が綺麗だろう等という小細工が簡単で、音楽的という美名で音が
いじれるこの世界では。何をしたかではなく、しなかったかが問題なのです。
もう一度言います。デジタルアンプだから良いと言う事ではけっしてありません。