Nmode 1bit パワーアンプ X-PW1 定価 84,800円(税込) |
H24.12.09 吉田 12.10 出力と定価が正式に決まったそうなので訂正しました。 先日の吉田苑の東京オフ会でも少しご紹介しました、Nmodeの新型ボリューム付きパワーアンプ、 X-PW1の製品版の最終サンプルが先週末より店頭に来ています。 先日の東京オフ会の時よりも、かなり性能が良くなったとの話で、楽しみにしていたモデルです。 大変期待していましたが、到着時の音質があまりにもひどくて、エージングして落ち着くまでに時間がかかりましたが、徐々に良くなって、十分な音質になってきましたので、ひとまず最初のインプレッションです。 細かなスペックは、まだ未公表ですが、当初の予定より少しパワーを落として質感を向上させたとの話です。 入力はRCAステレオとXLR(バランス入力)モノラルの2系統で、リアに入力の切替スイッチが付いています。 ボリュームが付いていて、RCAでのステレオ入力、2台モノラルでの使用も可能です。 今回、1月発売予定のX-PW1とついになるDSDにも対応するDAコンバーター X-DU1も一緒にお借りしてます。 こちらはまだ、製品版の最終サンプルではない為、USB入力しか動作しませんので、音質については次回に書きますが、X-DU1には先に発売のX-DP1(HF)と同様、リアの切替スイッチでDACモード(固定出力)とプリモード(可変出力)の切替が出来ますので、将来的にはデジタル入力専用プリアンプとしても使えるので、1bitヘッドホンアンプ X-HA1も含め、高品質でコンパクトなセパレート・デスクトップシステムが組めるようになります。 このモデルもX-DP1(HF)と同じくバランス出力もあります。 話をX-PW1に戻します。 全体的な内部の作りは、X-PM2や2Fの延長線上ですが、個体が小さくなった分、筐体の強度や密度感は上がっています。全体的に重さを感じる作りになっています。 このモデルでもショットキーや発振止めにハイグレードな部品を使用するなど、筐体や基盤にこだわりが見えます。電源部はX-PM2と同じRコアトランスの使用で効率化が図られています。 トランスサイズはX-PM2と同じくらいかと思いますが、聴感上のエネルギー量がX-PM2より大きいので容量は大きいのではないかと思われます。 サンプリングは5.6Mz、出力はステレオ時でチャンネルあたり22W(4Ω)、モノラルで32W(4Ω)になるそうです。ただ、瞬間的な電流供給能力は高く瞬間的な出力は倍くらいになるそうなので、実質的なパワーは40W、50W級になります。 同じ価格帯のX-PM2に比べ出力は上がって、単体で上級モデルのX-PM2F、X-PM10とほぼ同じくらいの出力で、モノラルでは、X-PM10を超える出力となります。 サンプリングは後退しましたが、全体のバランスを考えてこの数値とのことなので、音を聴いてなんとなく納得する事とします。 シングル(ステレオ単体)で聴いても先発の現行3モデルに比べて、低域の馬力感は高く、ボリュームも上げられます。今回はどちらかといえば、X-PM2や2Fに比べて、中低域のしっかりしたアンプになっています。 音のイメージは、Nmodeの最初のアンプで大変評判の良かったX-PM1に近い感じでしょうか。 X-PW1単体でもX-PM1に比べ、やや明るい感じで、出力表示の数値こそ差がありますが、相当な大音量で使わない限り、スピーカーのドライブ力に殆ど差を見る事ができません。 DYNAUDIOやB&Wも十分に駆動できますし、現行3モデル以上に、スピーカーの対応幅は広いようです。 中低域の躍動感、スピード感もX-PM2(F)並にありますから、扱いやすいパワーアンプに仕上がっています。 高域もうまく聴きやすく素直に伸ばしています。 さすがにX-PM10の解像度には及びませんが、価格を考えればかなりの善戦といえます。
デスクトップシステムを組むのにも適したサイズですし、扱い方を色々と試してみました。 上記はシングル(単体)でのステレオ再生でしたが、2台お借りしましたので、色々試してみました。 X-PW1はモノラルモード(リアのスイッチで切替)がありますので、モノラルパワーとして2台の使用が可能です。 RCAのモノラル入力モードとXLR(バランス)のモノラル入力モードの二つの方法で入力できます。 まずはRCAのモノラル入力モードです。 ステレオ単体での再生よりも力感が増します。 当然低域、中低域の厚みも増す感じですが、やや高域が微妙にステレオ単体よりもにじみますが、 全体の音場は広く奥行き、高さは良く出ます。 次にXLR(バランス)のモノラルモードです。 RCAのモノラル入力よりも更に低域、中低域のドライブ感は増します。 高域はRCAのモノラル入力よりも綺麗です。ステレオ単体で入れた時とそれほど変わらない感じです。 全体の音場はRCAより狭くなりますが、全体の押し出し感は上がります。 そしてこれは私の推奨の使い方ですが、X-PW1をモノラルで2台使用するのは同じですが、 RCAの入力でモノラルに切り替えずに左右1台づつ使用する方法です。 モノラルモードがありながら、ステレオの片側を使わないやり方なので、掟破りではありますが、 よほど鳴らしにくスピーカーでない限り、1台でのステレオ再生時と違い、電流的に余裕が出るのかモノラルモードまでは行きませんが、殆ど差異を感じないくらいの力感があります。 そして高域も抜けて綺麗に出てきます。 セパレーションも良く、音場も広く奥行き、スピード感もありますので、贅沢な使い方ではありますが、大変お奨めな使用方法です。
今回使用した機材ですが、CDはPSのPWDMK2、PWTのセット、生産完了ですが、X-CD1、スピーカーはDYNAUDIOのX12、FOCUS160、260、ELACの新型 BS-403を使用しました。 特にBS-403とはびっくりするくらい相性が良く、浪々と鳴ってくれました。 BS-403はリアバスレフのタイプではないので、デスクトックにも向きますし、幅広い場所で使えそうです。 吉田苑的には、今回お借りした事で、中の改造ポイントも把握しましたので、更に化けたモデルが作れると思います。メーカーから怒られそうですが、久しぶりに沸々とやる気が沸いてきます。 当社としては、やはりこのブランドは真空管よりも1bitアンプなので、期待はしていましたが、前回お借りした時と東京オフ会では、期待しつつも価格なりの部分は否めませんでした。 今回、うまく仕上げて来た感じです。 肝心の商品の入荷ですが、12月25日前後になるとの事です。 初回30台程度の入荷となりそうですので、年末年始に楽しみたい方はお早めにご検討ください。 |